今回は2014年9月25日放送「大谷ノブ彦 キキマス!」
「キキマス!」その3・大谷レコメンドを
起こしたいと思います。
大谷ノブ彦(以下、大谷)
木曜日はこれからですね、レジェンド枠。
レジェンド・アーティストを特集していくということでございますけどね。
10月いっぱいまでこのアーティストでいきます、Mr.Children
5回に渡って、木曜はミスチルのことをただ深掘りしていくっていう
ちなみに脊山さんミスチルとの出会いは?
脊山麻理子(以下、脊山)
いやー、「CROSS ROAD」ですかね?
大谷
最初の100万枚ですよ、これ。
私、実はMr.Childrenファーストアルバムから
限定版持っていました。
というのもボーカルの桜井和寿さん、まあモテ男ですよ。
生まれ変わるならあの男になりたいと何度思ったことか!
この桜井和寿さんの声が外国人、イギリスのシンガー
怒れるパンクロッカーでもありますけど、
エルヴィス・コステロという人にそっくりで
私、エルヴィス・コステロというシンガーが世界で一番好きなんですよ。
でレコード屋でですね「この声の人誰ですか?」って言ったら
今度デビューしたばっかりのMr.Childrenというバンドですと言って
始めて手に入れたのが、大学1・2年だったかな?確か。
で、今日紹介したのが2枚目のアルバム
まだまだメンバーに初々しさが残っている「KIND OF LOVE」という・・
脊山
好きです、このアルバム!
大谷
このアルバムはね、また全編ラブソングなんです。
やっぱり「抱きしめたい」
脊山
キュンキュンしながら、でも複雑な人間関係が描かれるじゃないですか?
ミスチルの曲って実は。
大谷
だからあの非常に安易な共通言語で語られるよりは
むしろすごく具体的な割と若い男性のナイーブな気持ちというかね。
脊山
でもちょっと残酷な男の人の部分とかも描かれるじゃないですか?
大谷
やっぱりね、桜井和寿さんって良い意味で
やっぱりその揺れやすい人だと思うんですよ。
そこが我々の共感を得やすいというかね・・
脊山
好きな子がいるけれど、この子にも好きでいて欲しいっていう気持ちとか
なんかこう現実に起こりうる・・
大谷
脊山さん、あなた男じゃないですか?(笑)
脊山
いやいや、男の子とかよく言われますけれど(笑)
大谷
でね、この2枚目のアルバムはコンセプトアルバムで
いわゆるラブソングが非常に多くなってます。
デビューのときから小林武史さん、この方サザンオールスターズの
サウンドのプロデューサー、編曲を手がけてたりとか
あとはいろんなアーティスト・・何でしたっけ?
マイリトルラバー、もうこれも大ヒットしましたもんね。
あのー、その中でもMr.Childrenとの相性っていうのはね、
その素材の美味しさをちゃんと引き出すことが
出来てたそういうバンドではないかな?と思いますけど
Mr.Childrenってすごい不思議なバンドでして、
というのはこれはけっこういろんなインタビューでも知られてるんですけど
元々は桜井和寿さんのソロとしてね、スカウトされた
レコード会社もソロなら契約すると言ったところ、
「バンドじゃないとダメだ」って。
この「バンドじゃないとダメだ」っていう運命共同体感を
ちゃんと持ったまま、だから言ってみたらある種プロフェッショナル的な集団で
最初からデビューしたわけじゃないんですよ。
少し欠点があるというかね、そのほころびみたいなところが
実はこのミスチルの歌の青さ、ここにつながってるんじゃないかな?と思います。
だからこの「KIND OF LOVE」っていうアルバムには
みずみずしさの方が非常に多いし、このあとの「Replay」とかの方が
なんかポップス職人にだんだんなっていくんですよね。
先ほど言いました「CROSS ROAD」みたいになっていくんで
これは来週、もうメガヒット1期は来週です。
今日は初期の初々しい青さの中のこのアルバムの中の1曲
「星になれたら」という曲
脊山
うわー!好きっ!
大谷
これ92年ですから、私が東京出て来て1年目ですね。
「星になれたら」これはね、明らかに田舎の町から東京へ上京していく上京前夜
「アメリカン・グラフィティ」とかね、
昔のアメリカ映画「ラスト・ショー」とかでもある
シチュエーションの中の歌ですよ。つまりは青春の歌ですよね。
脊山
これドラマの中でも使われて、
武田真治さんが彼女といろいろあって別れるみたいなときに流れたときに
なんてこう・・
大谷
たまんない!と、ピッタリだなと。
あのね、この「星になれたら」これねやっぱり90年代の男の子が
こういう歌にすごく・・
例えばこの「車の中でかくれてキスをしよう」とか
これもう現実のシチュエーションですよ
「抱きしめたい」とかもそうなんだけど
ちょっとマッチョな男じゃないんですよ。
この歌の中でMr.Childrenが描き続ける歌詞の世界っていうのは
あのー・・
♪何度も耳をふさいではごまかしてばかり
♪だけど今度はちょっと違うんだ 昨日の僕とはっていう
ちょっとこの何ていうんですかね?「ちょっとお前弱いな」みたいな
でもこれが90年代の男の子の感覚にすごくジャストフィットしてたんですよね。
さらにこれ作曲が寺岡呼人さんが、それこそ「忘れられぬミュージック」の
プロデューサー、ゆずもプロデュースして大ヒットに導く
今はもう一回復活したんですけど、JUN SKY WALKER(S)の
寺岡呼人さんがやっぱりJUN SKY WALKER(S)の音の方面を
ちょっと・・非常にUKポップスっぽくしたいときに
メンバー間との意思の疎通でちょっと脱退したときにね、
プロデュースっていう道でそのある種自分のやりたかった音楽を
ミスチルに託しているようなところもあったと思うんです。
「星になれたら」ってそういう歌なんですよね。
だけどこの歌ね、僕が大分県から出て来た身としてはね、
その当時の日本全国の田舎から上京してきたやつ全員のテーマソングですよ。
僕はこの歌を歌いながらいつか好きな女の子の前で
この歌を上手に歌いたいって、当時僕痩せてたんで
ちょっと似てるって言われてたんですよ、桜井さんに。
言われたことあるんですよ、これ本当に。
ただ歌ったら全く似てないっす。若いときに言われたんです。
「似てるから歌って」って、歌ったら西城秀樹さんみたいな(笑)
脊山
そういうやりとりってその時代多かったですよね?
なんかみんな彼とかに「この歌、歌って!」
みんななりきって歌ってくれる感じ。
大谷
だからこれって要するに90年代はカラオケブームっていうのが
カラオケで歌を歌うっていうのが自分でも出来るってことだったんです。
あとはバンドブームが・・いわゆるギターがあって
ベースがあって、ドラムがあってちょっとパンクっぽい曲とかが
メインでそれがすごく売れてたんですよ。
それの後にやっぱりアコースティックのちょっと歌ものに
こうやって揺り戻しが来たっていうところの象徴でもあったんじゃないかな?と
90年代の代表としては必然的だったんじゃないかな?と思います。
そのときからメロディーセンスはすごく高かったんです。
おそらくこのときは日本の昔の歌ものソング、
特に浜田省吾さん、甲斐よしひろさんなんかに影響を受けてたっていう意味でも
新しいタイプのシンガー出て来たなっていうふうに思いました。
聞いていただきましょう、Mr.Children「KIND OF LOVE」は
92年のアルバムです、ここから「星になれたら」
(了)
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