今回は、2017年4月4日放送「大竹まことゴールデンラジオ!」
「大竹紳士交遊録」深澤真紀さんの回を
起こしたいと思います。
深澤
まだというか、またというか森友問題。どうしてこの問題がずるずる続くか?改めて整理し直すそうと思っているんですが。
そもそもは2月17日に衆議院の予算委員会で民進党からこのことを質問されたときに安倍首相が皆さんも覚えていらっしゃる「私も妻も一切この認可にも関係ない。私や妻が関係したからということになれば、私は国会議員や総理大臣も辞めると申し上げておきたい」と言ってしまったことから始まったわけですね。
今となってみたら「どうして安倍総理はこんなに重大な発言をしたんだろう?」って思うじゃないですか?実はこの2月17日の段階はもともと2月9日に朝日新聞のスクープがあったんですけど、そこから2月17日までの間あまり新聞やテレビは取り上げてなかったんです。
だからあんまり話題になってなかったからこそ予算委員会でのほんの1コマだった。私もここではじめてこの「紳士交遊録」で森友をやったのは2月21日なんですね。でもそのときにも私の締めは「メディアが全然取り上げないんですよ」って言って終わったぐらい。
ところがその翌日、翌々日ぐらいから急にワーッてなって急に騒動になった。つまり2月17日にあんなに重要な発言をしたっていうことはまあナメていたというか・・こんなことになるとは思ってらっしゃらなかった。それで引くに引けなくなっちゃった。
はるな
安倍総理が?
深澤
そう、だってねこの発言はどういうことか?というと。土地売買と学校認可に自分や妻が関係したら総理や議員も辞めざるを得ないほど重大な問題だってことを最初にご本人が宣言しちゃってる。つまり総理ならまだしも議員も辞めるほどの重大な問題だってことを最初におっしゃっちゃったわけですよね。
っていうことは、それが最初に逆にスタートにあるもんだから自民党も財務省も昭恵夫人も首相を守んなくちゃいけないと。議員を辞められたら困ると思ってるわけですから。「首相も夫人も関係ない、記録もない。悪いのは森友学園と籠池氏だけである」って繰り返す。
で大阪府は「よい忖度もあります」って言っちゃって(笑)あるかもしれないですけど・・つまり問題が全然解決していないからこそ、この2月9日のスクープから2ヶ月経ってもこの最初の問題も国有地の問題も認可の問題もなにひとつ関係してなくて他のいろんな100万円がとか・・
はるな
そう!いろんな人の名前も出てきたし。
深澤
でも本筋が解決してないのに、みんながいろんなテーマを出し過ぎちゃってるわけですよね。
今回の問題について更にもう1つ問題だったのが、やっぱり「教育勅語」とかを使った戦前教育に戻っちゃってるっていうことが問題だったじゃないですか?
実はあまりニュースになってないですけど、森友学園は塚本幼稚園というのを運営していて、そこでのビデオが皆さん衝撃だったわけですよね?「教育勅語」だったり選手宣誓だったり。
この塚本幼稚園が籠池氏は理事長をお辞めになったので、長女が新しく就任されて3月30日に「新理事長より皆様へ」って塚本幼稚園の公式サイトに声明を発表しました。
これかなり読む価値のある文章なので、ぜひ読んでいただきたいんですが。何が書いてあるか?というとまずは最初今回の問題について社会・園児・保護者皆さんにまず謝りたいということ。
さらには幼稚園で「教育勅語」を暗唱させていたこととか自衛隊の行事に参加させていたことが自分たちは愛国教育・国粋主義と批判されたと。これはどうして父がこういうふうにやってきたか?というと第1次安倍内閣が2006年に教育基本法を改正したんですね。
これ非常に問題のある改正だったのですが、このときにわが国と郷土を愛する態度を養うという愛国心を教育基本法に入れたと。だから父は愛国心を養いたいためにこの教育勅語とか自衛隊の行事に参加とかしてしまったのだというふうに言っているわけですね。
だけどこうなったら自分たちはこの教育理念と指導法は批判しますと、間違ってましたと。で、教育基本法っていうはそもそも戦後1947年に制定されているんですけど。本当最初は「教育の憲法」っていうぐらいで素晴らしい内容だったんですが・・
昭和22年教育基本法制定時の条文
ここには「 われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にしてしかも個性ゆたかな文化の創造をめざす教育を普及徹底しなければならない」だから平和を目指そうとか個性のある子たちを育てようという・・
太田
まず個人の尊厳を重んじということなんですね。
深澤
そうなんですよ、でこれ改正のときには消されちゃってるんですね。改正教育基本法はこれはなくなっているんですけど。やっぱりこれが正しいので、私たちは内容やカリキュラムを見直ししますと宣言された。
さらに塚本は中国や韓国に対するヘイトスピーチがあることも明らかになりましたから、これもとにかく反省しますと。でも根絶しますっていうふうに宣言して外部で検証委員会も作りますと。もう全面的に反省したんですね。
もちろんまだいろんな問題があるし、幼稚園にも保育園にも問題があるし、小学校の認可にも問題があるからそれはこれから刑事罰もあるかもしれません。いろんなことはきちんと対処しなきゃいけないんですけど。
こんなにきちんと反省を表明したっていうことを・・誰もいままで反省した人がいないんですよ。この問題について。誰も謝らないでしょ?安倍さんの愛国教育を指示していた父がそこから決別しますっていうふうに娘が宣言したっていうことがけっこうこの問題で大きな局面を迎えたのかな?と思うんですけど。
まあこの番組でも何度もやってますけど、結局内閣は「教育勅語」を歴史資料じゃなくて道徳としても使っていいって閣議決定しちゃって。じゃあ結局、何が起こったか?っていうと今回の問題は森友学園だけを悪者を森友学園の教育の中枢である「教育勅語」だけは正当化する、おかしいですよね?
森友学園を否定するんだったら、認可も土地も「教育勅語」も否定しなきゃいけないのに森友は認可と土地については悪者でした。でも教育内容に「教育勅語」は間違ってないからこれは閣議決定しますよっていうふうに言ってるというのが現代の状況なので・・もうね、ろくなもんじゃないねっていう感じなんですよね。
だからね、首相が確かに言い出したことなんだけど野党も首相を辞めさせるっていうふうに政局の問題にしない方がいいですよね。ゴールを「首相を辞めさせる」にしちゃうと結局同じ土俵に下がることになっちゃうでしょ?「やめるよ」「じゃあやめろよ」っていう小学生の口ゲンカみたいな・・
はるな
私もだから始め昭恵夫人に出て来た方がいいかな?と、出てきてちゃんと言った方がいいんかな?とも思っていたけれども。でもやっぱりここで出てきてあの問題を・・「もう受け取ってません」「100万円寄付していません」っていうこともやったり言わなかったりで。
またそれもなんか考え方が変わってきて・・いろいろニュースを見てね。この籠池さんところのご家族のまあインパクトのある表現があるじゃないですか?
でもこの娘さんがニュースに出てきたときにこの人はいろいろと何か物わかりというか・・何か考えている方なのかな?って一瞬ちょっと思ったんですよね。
太田
この森友学園の問題って本当は重視しなければいけない問題になる点が意外と見過ごされていたり、実は100万円寄付するって別に違法行為でもなんでもないのに、やった・やらないっていうことがあったり。寄付すること自体は別に何の問題もないことだったりする。
問題じゃないところが問題になったり、問題にすべきことがあんまり語られてなかったりっていうことが実はすごく問題ですよね。
深澤
そうなの、だから野党が大事なことはもちろんこの問題は追及しなきゃいけないんですけど。一番大事なことは何でこういう「忖度」みたいなことの状況になったかというと2つ問題があって。
1つは皆さんご存じの通り「文章はありません、記録は捨てました」って言い張る。これね非常に問題があって・・というのは福田康夫さんが総理のときに法制化を指示して2011年に日本には「公文書管理法」ってできているんですね。
でも逆にいうと、そこまで実は日本は公文書を管理する法律がなかったんですけれども。ただ2011年のものなのでデジタル時代に合ってない。つまり本当ならみんなデータがあるし、メールがあったりgoogleカレンダーにアップしていたりとか。
それをどういうふうにするか?っていうことでちゃんと見直してきちんと運用しないといけなくて。この資料をなくしたら公務員法に違反するということをきちんと厳しくしておかないと。あんなに「ないない」って言われてね(笑)
だけど森友学園が悪いことしたときにガサ入れはものすごいイキイキとガサ入れに行くわけじゃないですか?財務省にも同じくらいの熱量でガサ入れして欲しいんですけど。
まあ日本も北の丸公園に「国立公文書館」ってあるんですけど、あんまり知る人はいないんですけど。これ今度もうすぐ日本国憲法の原本が公開されたりして非常に面白いので見に行くといいんですけど。
もう1つは、首相夫人という立場の問題ですよね。だから首相夫人が仕事を持っていたらどうするのか?とかね。「昭恵夫人はいい人だからいいじゃないか!」「あの人が悪い人だったらどうするんだ?」とかね。
そもそも女性首相になったら男性はどうするのか?とかいろいろ問題があって、実は欧米ではファーストレディー不要論も出てきていて。メルケルにしてもメイにしても女性じゃないですか?だから男性たちはけっこう困っちゃってるわけ。
太田
ひょっとしたらルペンさんもね。
深澤
そうしたらG8のうち半分近くが女性になって、そのときにいちいちね何か今までは夫人を接待していたけど・・
はるな
そういうときはご主人がいたらご主人がファーストレディーみたいな立場なんですか?
深澤
だからG8のときはメルケルさんのご主人さんはいらしてましたけど、すごく居心地悪そうでしたよ。だって夫人用のカリキュラムが何かを一緒に作ったりとかさせられたりとか「踊りなさい」とか言われて、ちょっとおばさんっぽいイベントになっちゃったけど(笑)
今度3人とかになっちゃったら、ファーストレディーがそもそもいらないんじゃないの?っていうことも。
太田
往々にしてこういう問題って政局になりがちですけど、極端にいうと・・こんなこと言うと怒られるかもしれませんが安倍さんが総理が辞めなくても議員辞めなくてもいいから本当のことだけ知りたいっていうことですよね?
深澤
そうです、そうそう!だから「2月17日の発言は言い過ぎました」って1回やめて、この問題については財務省・・っていうのはけっこう自民党のOBも自民党のいろんな人たちも隠しているに決まっているし、安倍さんを守るために国会が運営されているってもう言い出しているので。
すべてはこの2月17日の発言があるので、ここだけせめて「すいません、言い過ぎました」と。
大竹
原因とかそういうのが明らかになってないのに、森友学園に賠償請求しているわけだよね?ことの経緯が明らかになってないのに学校は自分から認可を取り下げて、でも17億円かけて建てちゃったわけでしょ?
それを賠償請求しているわけなんだけど「内容が何にも分からないんだけど賠償請求はするんだ!?」みたいな・・。
深澤
そう、だって誰が認可して誰が売ったの?売ったのはお国と大阪府・・。
太田
大阪府が認可して国が売ったのに、悪いのは全部森友学園っていうのはちょっとおかしいですよね。
大竹
「だから更地にして返せ」って、それは森友だっていろんなことがあるだろうけど・・返す金なんか・・。
深澤
そもそもOKされなかったら、そんなことしないんだからね。
(了)
2017/06/20
2017/06/04
歌手・高橋洋子が語る「2000年に1回芸能界辞めたんですよ」
今回は2017年3月24日放送「大竹まこと ゴールデンラジオ!」
「大竹メインディッシュ」高橋洋子さんの回を
起こしたいと思います。
室井佑月(以下、室井)
本日のお客さまは東京都でお生まれになりました。アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」のオープニングテーマ「残酷な天使のテーゼ」などが大ヒット。歌手として今年がデビュー26年目となります。
現在シングル「Welcome to the stage!」そしてベストアルバム「YOKO Sings Forever」が発売中、高橋洋子さんです。いらっしゃいませ。




高橋洋子(以下、高橋)
よろしくお願いいたします、はじめまして。よろしくお願いします。
大竹まこと(以下、大竹)
ようこそいらっしゃいました。えーやっぱし「新世紀エヴァンゲリオン」の「残酷な天使のテーゼ」、これが・・日本だけじゃないですよね?
高橋
そうなんですよ!世界でもいろんな国に行っても主題歌は皆さん日本語で歌ってくださるんです。でも1番だけ、2番になるとシーンってなって(笑)たぶんだからテレビのその主題歌を映像付きでご覧になって・・まあYouTubeとか?そういう感じで・・。
大竹
高橋さん自身は外国で歌ったことはあるんですか?やっぱりすごいの?
高橋
あります!もう自分の声が聞こえないほど。
大竹
そんな歓声があるの!?
高橋
ブラジルとかでは、もうすっごいんですよ!
大竹
ブラジルで!
高橋
はい・・あとアメリカもそうでしたけれども。皆さん日本語で歌われるんですよ。
室井
これでもアニメで始まったときにカラオケ屋さん行って歌いに行ったら、どこの部屋でもみんなこれ歌ってたんですよ。
大竹
お前、歌えるの?
室井
歌えるよ!♪ざ、ん、こ、くな天使のテーゼ~
大竹
ハハハハハハ(笑)
高橋
合ってます、OKです!(笑)
室井
何、笑ってんの!?
大竹
ハイハイハイハイ・・えーと、これ失礼ですけれども。こうなっちゃったらここからの稼ぎはけっこうドーンと?
高橋
いやそれがね、皆さんそういうふうにおっしゃってるんですけど作詞も作曲も私はしてないんですよ。歌唱印税って作詞とかのたぶん12分の1とかだと思います。
室井
私がカラオケで歌ったりするとチャリンチャリンって少し入らないんですか?
高橋
だってカラオケは歌が抜けているから・・1円も。
室井
ああ!!そうなんだ!
大竹
カラオケは歌入ってないんだ!でもあそこに詞が出てくるじゃん?あれは関係ないの?
高橋
作詞家の方に行きます。
室井
じゃあ歌手の人を応援したくて歌うとかじゃないんですね。
高橋
そうですね、皆さんすごい「YouTubeで見たよ!」っておっしゃっていただくんですけれども。それも別に1円も課金はないので・・これから歌手として生きていくために何か手段を考えないと!みたいな感じです。
でもやっぱり歌っていただくのはすごく嬉しいし、もう21年前になるんですよ!
大竹
じゃあもうあれだ!営業しか手はないね!
高橋
そうですね、よろしくお願いします!大竹さん、室井さん!
室井
私も一緒に行きたいくらいだよ、営業!
大竹
でも高橋さんはそれまでは久保田利伸さんとか松任谷由実さんとかのステージに立って、バックコーラスでずっと参加していたわけじゃないですか?
それがある日を機に表舞台っていうか・・バックコーラスっていえばちょっと裏方めいたものがスポットライトのど真ん中に来るわけですよね?
それで今ブラジルのお話もあったけど、ものすごい脚光を浴びると。どんなお気持ちになるんです、それは?
高橋
あのーたぶん私の顔と名前が一致しない方がすごく多いと思うんですよ。ちょっとスーパー行っても全くバレないですし(笑)でも名前というか曲が独り歩きしているところがあって。
で、そもそもあんまり人前が得意じゃなくって。バックコーラスは・・音楽は好きなんですよ、歌うのも大好きなんですよ。皆さんでハーモニーとかも大好きなんでやらせていただいていたんですけれども。
どちらかというとCMソングとかレコーディングコーラスとか、そういうのをメインにしていたのでまさかデビューすることになるとは思ってなかったんですね。
それでデビュー曲はこのエヴァンゲリオンよりもっと前で、そのころは中山美穂さんと大鶴義丹さんの「会いたいときにあなたはいない」っていうドラマがあったんです、すごくヒットした。その中で流れているピアノのインストの曲に歌詞を付けて歌う。
それが急遽決まりまして、月9のドラマで主題歌でデビューってなったらこれは大変だ!ってことになって、レコード会社の人が急遽詞を付けるって言ってレコーディングも譜面を見ながら詞も直しながら・・
室井
なんていう曲?
高橋
「P.S.I miss you」っていう曲なんですけれども。
大竹
なんかタイトルだけは、なんとなく聞いたことがあるんだけれども・・。
高橋
それで出すってことになって顔写真も間に合わないので時計の絵でプレス工場に出したんですけど、そしたら「やっぱりフランス語が良かった」っていうことでかからなくなったのがデビューなんですよ。最初のデビューが。
大竹
かからなくなった?フランス語がいいってどういう意味?
高橋
日本語で歌ったので「やっぱり劇中で流すのはフランス語がいい」っていうことになりまして。
大竹
別のフランス語の人がいたってこと?
高橋
いやいや、そうじゃなくて。日本語はもうとにかく流さないっていうことになってしまった。だからピアノのインストの曲だけは流れて、もうでもプレスしてしまったのでじゃあデビューっていうことで出したんだけれども全然売れなくて。
でもたぶん有線のお姉さんが私は遠距離恋愛をしていたんだと思うんですよ。そのドラマが遠距離恋愛のお話で、その曲は一緒なんですよ。メロディーは。それでいっぱいかけて下さって、上半期の有線大賞新人賞にノミネートされてその年のレコード大賞新人賞に入ったんですよ!
大竹
それはあなたの想像では有線のお姉さんが不倫してたから?
高橋
いやいや、不倫かどうかはちょっと調べはついてないんですけれども(笑)
大竹
遠距離恋愛していたと、絶対そうなんじゃないか?って思っているわけね。
高橋
それでかけて下さったことで曲はなじみがありますので、それですごい良い曲なのでかけて下さったのかな?と。
でもその後も売れることもそうなくて、だからそれまでまたスタジオの仕事に戻って。というかデビューはしていますからシングルも出したりするんですけれども、ちょっと日陰な感じ。
このエヴァンゲリオンはその中でたまたま主題歌を歌わせていただくきっかけがね、本当はエンディングの曲を歌うっていう話があって「レコード会社が違うけどどうする?」ってご相談をいただいて
レコード会社に聞いたら「もうどこから出してもいいよ」なんて話になり、そしたら「じゃあついでに主題歌も歌えば?」って言われたのがエヴァンゲリオンだったんですね。
大竹
お話をうかがっていると、あれだよね?歌手とかの人たちはさ「明日のスターを目指して行くぞ!」みたいな下積みがあってみたいな感じだけど。高橋さんの場合は気がついたら「あれちょっと待てよ?ここステージの真ん中だぞ!?」っていうそういうことになっちゃうよね?
高橋
はい、ちょっとそういうことに・・
大竹
戸惑いはありましたか?そういうときには?
高橋
いやもうなんか・・未だに緊張が本当に取れないというか・・もうひどいんですよ!手足も震えて。緊張すると何の得もないって分かるんですけど、でもこのお仕事やらせていただいているっていうことはそういう宿命というか天命というか何かそういうチャンスをいただいたのかな?って。
大竹
あっ、やっぱちょっとそれは感じるわけだ。「自分がなぜここにいるんだろう?」って思うときには自分だけの意思だけじゃない何かみたいな?
室井
あれじゃん!いま流行りの「風が吹いた」っていうやつ?
大竹
お前な、何でも籠池の娘なんか・・高梁さんの頭に籠池なんて入ってないだろうな?
高梁
いやOKです。
大竹
でもそうなってくると1回出たからには次もやっぱりこのスポットライトの下にちょっと居たいなっていうか?
高橋
スポットライトというよりも、やっぱり音楽が好きだし、デビューも今年で26年目になるんですけれども。下積みの方があったのを足したらもっと長いんですよね、この業界に入って。
大竹
どのくらいになるわけ、下積み足すと?下積みはいくつくらいに入ったんですか?
高橋
えーと、19歳からこの世界に入ってきて、今年20歳なんで・・・計算が合わないですけど(笑)なんで、まあ31年。
室井
でも本当に話をお聞きしていると、芸能界っていうより本当に歌が上手な職人さんみたいですね。
大竹
そうだね、そういう感じもちょっとするよね。
高橋
いろんなジャンルのものをやっぱりスタジオだと歌いますので。これもあれもそれもこんな声出してとか。
大竹
それは声を変えるの?変えないの?
高橋
変えます。基本的に主題歌は同じ人格で歌ってますけど「頭の出だしは17歳にして」とか。「はい!?」って一応言いますけど(笑)ちょっとこう若めの声にしたりとか、それはやります。
大竹
じゃあ逆にそれがヒットしちゃったら、エラいことになっちゃうわけだ。17歳の設定がある歌がヒットしちゃったりしたら、来て下さいなんてことになっちゃったら「私です」ってことだよね?
高橋
そうなんで、なるべく出ないようにみたいな・・。
室井
CMなんかどんな感じに?
高橋
CMもイメージがありますよね?私あのいろいろそういう会社のロゴを言ったりとか、なんていうのもいろいろやっているので。
室井
イメージ「子持ちみたいに」とか?
高橋
そうですね、「もっとお母さんみたいに」とかね(笑)
室井
すごい!歌の世界って深いね。私たち音程合わすところでどうするか言ってる場合じゃないね。
大竹
だからお前、なろうとするなって言ってるだろ!!
室井
歌手になりたかった・・!
大竹
女優が来れば「女優になりたい」って。
高橋
いいですよねえ!やりたいことを!
大竹
さあここで、それじゃあその1曲を聴かせていただきたいんですけれども。このアルバムはどんな話なんですか?
高橋
これはエヴァンゲリオンの作品っていうのはもう21年前になるんですけれども。そのときに歌わせていただいたものっていうのは皆さんに聞いていただいているんですが。
実はエヴァンゲリオンの劇中のインストの曲ってけっこうニュース見てても後ろでかかっていたりとか、ちょっと何か未確認物体が出てきたときの不思議音楽で使われてたりとかすごくこういっぱいあるんですよ。
だからタイトルを知らないけれども、もう絶対知っているであろうっていう曲がエヴァンゲリオンの中に1曲あるんですよね。そういうものに歌詞を付けて今回歌ってしまおうということで、昨年25周年ということで制作をはじめて今年26年目に発売にはなったんですが。
その記念の作品としてやらせていただきました。
室井
エヴァンゲリオンってすごいものだったんですね。あのアニメ自体はじめて見るストーリーだったし。
高橋
ですよね。だからやっぱりそれがアニメの世界を本当にまた変えたんじゃないかっていうふうに言われている作品でもあると。
大竹
曲のタイトルは何ですか?
高橋
「TENSIONS -welcome to the stage」です。
室井
これは歌えない!難しい!ね!
大竹
歌えって言ってないから、お前にね。誰も言ってないからね、すぐ自分に置き換えてね「私には無理だ」とか言わなくていいからね。
でも高橋さんそうやって活躍しているわりには私生活の方はちょっと秘密めいてますね。
高橋
あのー・・そうですね。秘密にしているつもりはないんですけど(笑)
室井
ご結婚されてるんですか?
高橋
えっと、今はひとりにまたなったんですけど。
大竹
今はいろいろあってひとりに?
高橋
ええ、あえてひとりになりました!
室井
あっ、一緒です!一緒です!すごい変なこと言っていいですか?私の本名と1文字違いです。高橋洋子さんでしょ?ねえ!
大竹
ねえ!じゃねえよ。
室井
1文字違うと、こんなに歌声が違うのか!
大竹
私生活までそんな競争みたいなことやめてくれない?私が勝った負けたみたいな話じゃないからね。で、今おひとりなの?いろいろあっては1度あったんですか?2度あったんですか?
高橋
1度ですね。
大竹
1度ですか!1度いろいろあって、それで今はおひとりで。そうなってくるとこれから先のことなんかも全部ひとりで考えていらっしゃるってことですか?
高橋
いやでもちょっと・・ひとりよりも2人の方がいいパターン・・。
室井
高橋さん、何言っているんですか!棺桶も骨壺も1人用ですよ!えっ、これからいい人が現れたらとかって思います?
高橋
いや分かんないですけれども、これはご縁のものだなと思っていて。前はね、人生に抗う感じのタイプっていうか、どこか目的地に行くなら急な坂と平坦でも遠いんだったら絶対急な坂を選ぶタイプだったんですよ。
そのデビューしていろいろあってエヴァンゲリオンもやらせていただいて、そのあとまた停滞する時期があったりしたときに。
なんかこの芸能界にいるっていうことが上げ底にしていただいて少しでも綺麗に見えるように、いい人に見えるように、頭が良くみえるようにってしていただくことで皆さんによくしていただければ、そういうになればなるほど「私は人間としてダメになるんじゃないか?」って急に思って
2000年に1回芸能界辞めたんですよ、実は。それで介護の世界でヘルパーの仕事を5年くらいやって、それでその間にでもオファーをいただくんですよね、ときどき。
でも働いている賃金なんて、もう月とスッポンなわけですよ金額が。こんなに労力がかかるお仕事が薄給で、こんなに1回ポンッと行っただけでこの額をもらえるって、また何だろう?って考えたりとか。
すごく目的意識とか問題意識を持った立派な方々がいっぱいいらっしゃって、もちろん業界にもどこにもいらっしゃるんですけどね。そういう現場を見てすごく勉強になって・・
介護施設とかで高齢者の方とかが生きたようにあの世に行かれる姿をたくさん見せていただいたことで・・
室井
どういう感じなんですか?だってさ、子どもって育てているとどんどん大きくなっていくじゃないですか?介護施設とかって働いててさ、例えば「あっこれで充実した!」みたいな感じたりするのってすごい難しいだろうなって。
高橋
ただね、子どももそうだけど学ぶことがすごく多いじゃないですか?先輩方なんてもっと多くて、その彼ら彼女らが生きたように死んでいく姿っていうのはもうすごいんですよ!ちょっと今ここで一言で言うっていうのはすごい難しいんですけど。
室井
生きたように死んでいく?「じゃあまたね!」って感じで?
高橋
じゃなくて、本当に亡くなる1週間前とかに不思議なんですけど身寄りが全く・・もう60年なかった人の身寄りがポッと現れたりとか。やっぱりこう最後まで学びのチャンスがあるという言い方はちょっとおこがましいかもしれないんですけど。
トラブル・トラブル・トラブル!で来てもうゴタゴタゴタゴタ家族がしていたのに本当に最後に和解をしたあとにパッと眠るように亡くなったりとか。もういろんな姿を見せていただいて、なんかねもう感慨深いですよ。
大竹
じゃあもうそこには死ぬ間際になると、けっこうその現場では奇跡が起こっている?
高橋
はい。たぶんだからいろいろそういうのを見られていると思いますよ、その現場の方は。だから私も音楽療法というのをやらせていただいて、究極のライブなんですよ!ピアノ弾きながら「ふるさと」とか童謡唱歌を歌うわけですよ。
そうすると、もういろんなことを忘れてしまった人がその歌詞は綺麗に完璧に歌われて。でも私は誰だか分からないと。そこでは歌手だとかは言ってないですから。そこで皆さんが一緒に歌って盛り上がるか?それとも盛り下がるか?は私の腕にかかってるわけですよね。
そういうのをやって、すごく皆さんの目がキラキラする姿とか・・
大竹
いやーなんか、高橋さんのおっしゃった生きたように死んでいくっていうのはやっぱり現場に居なくちゃわけらないね。そんな言葉なんてね。
室井
なんか説得力がある。
大竹
すごいよね、それはやっぱりそういう現場に携わって奇跡を目の当たりにしてお感じになったこと・・
高橋
だからそういうのもあって結局それでも私に歌を歌うというチャンスをいただけるということはこれは私は受けて立つというか、感謝しかないっていうことにまあ遅いんですけど気づいて。それでもう一度歌おうって決めて復帰して。
室井
でもそっちの方がなんか本物っていう感じがするよね。
大竹
その5年間の現場はとっても良かったかもしれないですね。そういうところにいらっしゃれたのはね。
高橋
その間も「やっぱりどうしても・・」って言っていただいて、まあご縁があった方の前ではっていうのはやってきたんですけど。でもそれでそれをまたクリアして今もその仲間とも仲が良いし、業界の大御所のミュージシャンの先輩方にもたくさん可愛がっていただいてますし。
室井
高橋さん、もう1曲紹介していただいて。
大竹
今度は何ですか?
高橋
去年25周年とお伝えしたんですが、今年またその「Yoko Sings Forever」というアルバムを今のエヴァンゲリオンとは別で出しまして、これはもう自分の今までの25年間の軌跡が詰まったアルバムなんですが。
福島中央テレビさんの方が一昨年の暮れに・・12月ですね。コンサートをやらせていただいたときにその日だけ歌うという曲を作ったんですけれども。皆さんがぜひCDにということで入れさせていただいた復興応援ソング「魂と呼ぶもの」を聞いて下さい。
室井
きれいだね、これね。
大竹
はい。短い時間でしたけど、何か言い残したことは?
高橋
いやいや、もうお二人と会えてとても嬉しい時間でした。
大竹
いやいやこちらこそ、ありがとうございました。これからもご活躍下さい。
(了)




「大竹メインディッシュ」高橋洋子さんの回を
起こしたいと思います。
室井佑月(以下、室井)
本日のお客さまは東京都でお生まれになりました。アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」のオープニングテーマ「残酷な天使のテーゼ」などが大ヒット。歌手として今年がデビュー26年目となります。
現在シングル「Welcome to the stage!」そしてベストアルバム「YOKO Sings Forever」が発売中、高橋洋子さんです。いらっしゃいませ。
高橋洋子(以下、高橋)
よろしくお願いいたします、はじめまして。よろしくお願いします。
大竹まこと(以下、大竹)
ようこそいらっしゃいました。えーやっぱし「新世紀エヴァンゲリオン」の「残酷な天使のテーゼ」、これが・・日本だけじゃないですよね?
高橋
そうなんですよ!世界でもいろんな国に行っても主題歌は皆さん日本語で歌ってくださるんです。でも1番だけ、2番になるとシーンってなって(笑)たぶんだからテレビのその主題歌を映像付きでご覧になって・・まあYouTubeとか?そういう感じで・・。
大竹
高橋さん自身は外国で歌ったことはあるんですか?やっぱりすごいの?
高橋
あります!もう自分の声が聞こえないほど。
大竹
そんな歓声があるの!?
高橋
ブラジルとかでは、もうすっごいんですよ!
大竹
ブラジルで!
高橋
はい・・あとアメリカもそうでしたけれども。皆さん日本語で歌われるんですよ。
室井
これでもアニメで始まったときにカラオケ屋さん行って歌いに行ったら、どこの部屋でもみんなこれ歌ってたんですよ。
大竹
お前、歌えるの?
室井
歌えるよ!♪ざ、ん、こ、くな天使のテーゼ~
大竹
ハハハハハハ(笑)
高橋
合ってます、OKです!(笑)
室井
何、笑ってんの!?
大竹
ハイハイハイハイ・・えーと、これ失礼ですけれども。こうなっちゃったらここからの稼ぎはけっこうドーンと?
高橋
いやそれがね、皆さんそういうふうにおっしゃってるんですけど作詞も作曲も私はしてないんですよ。歌唱印税って作詞とかのたぶん12分の1とかだと思います。
室井
私がカラオケで歌ったりするとチャリンチャリンって少し入らないんですか?
高橋
だってカラオケは歌が抜けているから・・1円も。
室井
ああ!!そうなんだ!
大竹
カラオケは歌入ってないんだ!でもあそこに詞が出てくるじゃん?あれは関係ないの?
高橋
作詞家の方に行きます。
室井
じゃあ歌手の人を応援したくて歌うとかじゃないんですね。
高橋
そうですね、皆さんすごい「YouTubeで見たよ!」っておっしゃっていただくんですけれども。それも別に1円も課金はないので・・これから歌手として生きていくために何か手段を考えないと!みたいな感じです。
でもやっぱり歌っていただくのはすごく嬉しいし、もう21年前になるんですよ!
大竹
じゃあもうあれだ!営業しか手はないね!
高橋
そうですね、よろしくお願いします!大竹さん、室井さん!
室井
私も一緒に行きたいくらいだよ、営業!
大竹
でも高橋さんはそれまでは久保田利伸さんとか松任谷由実さんとかのステージに立って、バックコーラスでずっと参加していたわけじゃないですか?
それがある日を機に表舞台っていうか・・バックコーラスっていえばちょっと裏方めいたものがスポットライトのど真ん中に来るわけですよね?
それで今ブラジルのお話もあったけど、ものすごい脚光を浴びると。どんなお気持ちになるんです、それは?
高橋
あのーたぶん私の顔と名前が一致しない方がすごく多いと思うんですよ。ちょっとスーパー行っても全くバレないですし(笑)でも名前というか曲が独り歩きしているところがあって。
で、そもそもあんまり人前が得意じゃなくって。バックコーラスは・・音楽は好きなんですよ、歌うのも大好きなんですよ。皆さんでハーモニーとかも大好きなんでやらせていただいていたんですけれども。
どちらかというとCMソングとかレコーディングコーラスとか、そういうのをメインにしていたのでまさかデビューすることになるとは思ってなかったんですね。
それでデビュー曲はこのエヴァンゲリオンよりもっと前で、そのころは中山美穂さんと大鶴義丹さんの「会いたいときにあなたはいない」っていうドラマがあったんです、すごくヒットした。その中で流れているピアノのインストの曲に歌詞を付けて歌う。
それが急遽決まりまして、月9のドラマで主題歌でデビューってなったらこれは大変だ!ってことになって、レコード会社の人が急遽詞を付けるって言ってレコーディングも譜面を見ながら詞も直しながら・・
室井
なんていう曲?
高橋
「P.S.I miss you」っていう曲なんですけれども。
大竹
なんかタイトルだけは、なんとなく聞いたことがあるんだけれども・・。
高橋
それで出すってことになって顔写真も間に合わないので時計の絵でプレス工場に出したんですけど、そしたら「やっぱりフランス語が良かった」っていうことでかからなくなったのがデビューなんですよ。最初のデビューが。
大竹
かからなくなった?フランス語がいいってどういう意味?
高橋
日本語で歌ったので「やっぱり劇中で流すのはフランス語がいい」っていうことになりまして。
大竹
別のフランス語の人がいたってこと?
高橋
いやいや、そうじゃなくて。日本語はもうとにかく流さないっていうことになってしまった。だからピアノのインストの曲だけは流れて、もうでもプレスしてしまったのでじゃあデビューっていうことで出したんだけれども全然売れなくて。
でもたぶん有線のお姉さんが私は遠距離恋愛をしていたんだと思うんですよ。そのドラマが遠距離恋愛のお話で、その曲は一緒なんですよ。メロディーは。それでいっぱいかけて下さって、上半期の有線大賞新人賞にノミネートされてその年のレコード大賞新人賞に入ったんですよ!
大竹
それはあなたの想像では有線のお姉さんが不倫してたから?
高橋
いやいや、不倫かどうかはちょっと調べはついてないんですけれども(笑)
大竹
遠距離恋愛していたと、絶対そうなんじゃないか?って思っているわけね。
高橋
それでかけて下さったことで曲はなじみがありますので、それですごい良い曲なのでかけて下さったのかな?と。
でもその後も売れることもそうなくて、だからそれまでまたスタジオの仕事に戻って。というかデビューはしていますからシングルも出したりするんですけれども、ちょっと日陰な感じ。
このエヴァンゲリオンはその中でたまたま主題歌を歌わせていただくきっかけがね、本当はエンディングの曲を歌うっていう話があって「レコード会社が違うけどどうする?」ってご相談をいただいて
レコード会社に聞いたら「もうどこから出してもいいよ」なんて話になり、そしたら「じゃあついでに主題歌も歌えば?」って言われたのがエヴァンゲリオンだったんですね。
大竹
お話をうかがっていると、あれだよね?歌手とかの人たちはさ「明日のスターを目指して行くぞ!」みたいな下積みがあってみたいな感じだけど。高橋さんの場合は気がついたら「あれちょっと待てよ?ここステージの真ん中だぞ!?」っていうそういうことになっちゃうよね?
高橋
はい、ちょっとそういうことに・・
大竹
戸惑いはありましたか?そういうときには?
高橋
いやもうなんか・・未だに緊張が本当に取れないというか・・もうひどいんですよ!手足も震えて。緊張すると何の得もないって分かるんですけど、でもこのお仕事やらせていただいているっていうことはそういう宿命というか天命というか何かそういうチャンスをいただいたのかな?って。
大竹
あっ、やっぱちょっとそれは感じるわけだ。「自分がなぜここにいるんだろう?」って思うときには自分だけの意思だけじゃない何かみたいな?
室井
あれじゃん!いま流行りの「風が吹いた」っていうやつ?
大竹
お前な、何でも籠池の娘なんか・・高梁さんの頭に籠池なんて入ってないだろうな?
高梁
いやOKです。
大竹
でもそうなってくると1回出たからには次もやっぱりこのスポットライトの下にちょっと居たいなっていうか?
高橋
スポットライトというよりも、やっぱり音楽が好きだし、デビューも今年で26年目になるんですけれども。下積みの方があったのを足したらもっと長いんですよね、この業界に入って。
大竹
どのくらいになるわけ、下積み足すと?下積みはいくつくらいに入ったんですか?
高橋
えーと、19歳からこの世界に入ってきて、今年20歳なんで・・・計算が合わないですけど(笑)なんで、まあ31年。
室井
でも本当に話をお聞きしていると、芸能界っていうより本当に歌が上手な職人さんみたいですね。
大竹
そうだね、そういう感じもちょっとするよね。
高橋
いろんなジャンルのものをやっぱりスタジオだと歌いますので。これもあれもそれもこんな声出してとか。
大竹
それは声を変えるの?変えないの?
高橋
変えます。基本的に主題歌は同じ人格で歌ってますけど「頭の出だしは17歳にして」とか。「はい!?」って一応言いますけど(笑)ちょっとこう若めの声にしたりとか、それはやります。
大竹
じゃあ逆にそれがヒットしちゃったら、エラいことになっちゃうわけだ。17歳の設定がある歌がヒットしちゃったりしたら、来て下さいなんてことになっちゃったら「私です」ってことだよね?
高橋
そうなんで、なるべく出ないようにみたいな・・。
室井
CMなんかどんな感じに?
高橋
CMもイメージがありますよね?私あのいろいろそういう会社のロゴを言ったりとか、なんていうのもいろいろやっているので。
室井
イメージ「子持ちみたいに」とか?
高橋
そうですね、「もっとお母さんみたいに」とかね(笑)
室井
すごい!歌の世界って深いね。私たち音程合わすところでどうするか言ってる場合じゃないね。
大竹
だからお前、なろうとするなって言ってるだろ!!
室井
歌手になりたかった・・!
大竹
女優が来れば「女優になりたい」って。
高橋
いいですよねえ!やりたいことを!
大竹
さあここで、それじゃあその1曲を聴かせていただきたいんですけれども。このアルバムはどんな話なんですか?
高橋
これはエヴァンゲリオンの作品っていうのはもう21年前になるんですけれども。そのときに歌わせていただいたものっていうのは皆さんに聞いていただいているんですが。
実はエヴァンゲリオンの劇中のインストの曲ってけっこうニュース見てても後ろでかかっていたりとか、ちょっと何か未確認物体が出てきたときの不思議音楽で使われてたりとかすごくこういっぱいあるんですよ。
だからタイトルを知らないけれども、もう絶対知っているであろうっていう曲がエヴァンゲリオンの中に1曲あるんですよね。そういうものに歌詞を付けて今回歌ってしまおうということで、昨年25周年ということで制作をはじめて今年26年目に発売にはなったんですが。
その記念の作品としてやらせていただきました。
室井
エヴァンゲリオンってすごいものだったんですね。あのアニメ自体はじめて見るストーリーだったし。
高橋
ですよね。だからやっぱりそれがアニメの世界を本当にまた変えたんじゃないかっていうふうに言われている作品でもあると。
大竹
曲のタイトルは何ですか?
高橋
「TENSIONS -welcome to the stage」です。
室井
これは歌えない!難しい!ね!
大竹
歌えって言ってないから、お前にね。誰も言ってないからね、すぐ自分に置き換えてね「私には無理だ」とか言わなくていいからね。
でも高橋さんそうやって活躍しているわりには私生活の方はちょっと秘密めいてますね。
高橋
あのー・・そうですね。秘密にしているつもりはないんですけど(笑)
室井
ご結婚されてるんですか?
高橋
えっと、今はひとりにまたなったんですけど。
大竹
今はいろいろあってひとりに?
高橋
ええ、あえてひとりになりました!
室井
あっ、一緒です!一緒です!すごい変なこと言っていいですか?私の本名と1文字違いです。高橋洋子さんでしょ?ねえ!
大竹
ねえ!じゃねえよ。
室井
1文字違うと、こんなに歌声が違うのか!
大竹
私生活までそんな競争みたいなことやめてくれない?私が勝った負けたみたいな話じゃないからね。で、今おひとりなの?いろいろあっては1度あったんですか?2度あったんですか?
高橋
1度ですね。
大竹
1度ですか!1度いろいろあって、それで今はおひとりで。そうなってくるとこれから先のことなんかも全部ひとりで考えていらっしゃるってことですか?
高橋
いやでもちょっと・・ひとりよりも2人の方がいいパターン・・。
室井
高橋さん、何言っているんですか!棺桶も骨壺も1人用ですよ!えっ、これからいい人が現れたらとかって思います?
高橋
いや分かんないですけれども、これはご縁のものだなと思っていて。前はね、人生に抗う感じのタイプっていうか、どこか目的地に行くなら急な坂と平坦でも遠いんだったら絶対急な坂を選ぶタイプだったんですよ。
そのデビューしていろいろあってエヴァンゲリオンもやらせていただいて、そのあとまた停滞する時期があったりしたときに。
なんかこの芸能界にいるっていうことが上げ底にしていただいて少しでも綺麗に見えるように、いい人に見えるように、頭が良くみえるようにってしていただくことで皆さんによくしていただければ、そういうになればなるほど「私は人間としてダメになるんじゃないか?」って急に思って
2000年に1回芸能界辞めたんですよ、実は。それで介護の世界でヘルパーの仕事を5年くらいやって、それでその間にでもオファーをいただくんですよね、ときどき。
でも働いている賃金なんて、もう月とスッポンなわけですよ金額が。こんなに労力がかかるお仕事が薄給で、こんなに1回ポンッと行っただけでこの額をもらえるって、また何だろう?って考えたりとか。
すごく目的意識とか問題意識を持った立派な方々がいっぱいいらっしゃって、もちろん業界にもどこにもいらっしゃるんですけどね。そういう現場を見てすごく勉強になって・・
介護施設とかで高齢者の方とかが生きたようにあの世に行かれる姿をたくさん見せていただいたことで・・
室井
どういう感じなんですか?だってさ、子どもって育てているとどんどん大きくなっていくじゃないですか?介護施設とかって働いててさ、例えば「あっこれで充実した!」みたいな感じたりするのってすごい難しいだろうなって。
高橋
ただね、子どももそうだけど学ぶことがすごく多いじゃないですか?先輩方なんてもっと多くて、その彼ら彼女らが生きたように死んでいく姿っていうのはもうすごいんですよ!ちょっと今ここで一言で言うっていうのはすごい難しいんですけど。
室井
生きたように死んでいく?「じゃあまたね!」って感じで?
高橋
じゃなくて、本当に亡くなる1週間前とかに不思議なんですけど身寄りが全く・・もう60年なかった人の身寄りがポッと現れたりとか。やっぱりこう最後まで学びのチャンスがあるという言い方はちょっとおこがましいかもしれないんですけど。
トラブル・トラブル・トラブル!で来てもうゴタゴタゴタゴタ家族がしていたのに本当に最後に和解をしたあとにパッと眠るように亡くなったりとか。もういろんな姿を見せていただいて、なんかねもう感慨深いですよ。
大竹
じゃあもうそこには死ぬ間際になると、けっこうその現場では奇跡が起こっている?
高橋
はい。たぶんだからいろいろそういうのを見られていると思いますよ、その現場の方は。だから私も音楽療法というのをやらせていただいて、究極のライブなんですよ!ピアノ弾きながら「ふるさと」とか童謡唱歌を歌うわけですよ。
そうすると、もういろんなことを忘れてしまった人がその歌詞は綺麗に完璧に歌われて。でも私は誰だか分からないと。そこでは歌手だとかは言ってないですから。そこで皆さんが一緒に歌って盛り上がるか?それとも盛り下がるか?は私の腕にかかってるわけですよね。
そういうのをやって、すごく皆さんの目がキラキラする姿とか・・
大竹
いやーなんか、高橋さんのおっしゃった生きたように死んでいくっていうのはやっぱり現場に居なくちゃわけらないね。そんな言葉なんてね。
室井
なんか説得力がある。
大竹
すごいよね、それはやっぱりそういう現場に携わって奇跡を目の当たりにしてお感じになったこと・・
高橋
だからそういうのもあって結局それでも私に歌を歌うというチャンスをいただけるということはこれは私は受けて立つというか、感謝しかないっていうことにまあ遅いんですけど気づいて。それでもう一度歌おうって決めて復帰して。
室井
でもそっちの方がなんか本物っていう感じがするよね。
大竹
その5年間の現場はとっても良かったかもしれないですね。そういうところにいらっしゃれたのはね。
高橋
その間も「やっぱりどうしても・・」って言っていただいて、まあご縁があった方の前ではっていうのはやってきたんですけど。でもそれでそれをまたクリアして今もその仲間とも仲が良いし、業界の大御所のミュージシャンの先輩方にもたくさん可愛がっていただいてますし。
室井
高橋さん、もう1曲紹介していただいて。
大竹
今度は何ですか?
高橋
去年25周年とお伝えしたんですが、今年またその「Yoko Sings Forever」というアルバムを今のエヴァンゲリオンとは別で出しまして、これはもう自分の今までの25年間の軌跡が詰まったアルバムなんですが。
福島中央テレビさんの方が一昨年の暮れに・・12月ですね。コンサートをやらせていただいたときにその日だけ歌うという曲を作ったんですけれども。皆さんがぜひCDにということで入れさせていただいた復興応援ソング「魂と呼ぶもの」を聞いて下さい。
室井
きれいだね、これね。
大竹
はい。短い時間でしたけど、何か言い残したことは?
高橋
いやいや、もうお二人と会えてとても嬉しい時間でした。
大竹
いやいやこちらこそ、ありがとうございました。これからもご活躍下さい。
(了)
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