三宅隆太が語るスクリプトドクターまとめ

2015/07/09

スクリプト・ドクター まとめ 以外 三宅隆太

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4周年を記念しましてこれまでアクセスを集めたものを中心にしたまとめを紹介していきたいと思います。第1弾は、先日「スクリプトドクターの脚本教室・初級篇」を上梓された映画監督でありスクリプトドクター、ブルボニストの三宅隆太さんについてまとめてみました。



スクリプトドクターってどんな役割?

まずはスクリプトドクターとは、どんな仕事なのか語っているものからご紹介します。


上の記事から少し引用しますと、まずは完成されたシナリオは書いたものがそのまま出ているものでない、必ず書き直しが入り私たちの目に入るものになるようです。

(引用)
世の中の出てる映画とかテレビのシナリオってのは、シナリオライターが書いたままのものが映画になったりテレビになってるのではなくて、必ずリライトと言って書き直しの作業を経て出てきてるものなんですね。

その書き直しの段階において出てくる問題を客観的にストーリーのみを切り出して問題を解決するのが、スクリプトドクターの役割のようです。
スクリプト・ドクターという客観的に視点で人間関係とかそういうのは置いといてですね、シナリオの患部と言いますか・・、病状というか・・。
具体的にどこに問題があって、どこをいじれば良くて、もっと言うとどこをいじっては絶対にいけないとかですね。そういう事も見つけることが出来ると。そのためにドクターがいると。大雑把に言うとそういう感じになりますね。
 しかし、日本ではまだまだ認知度は低く、スクリプトドクターをされている方は少ないようです。
(引用)
うーん、日本では僕の知る限り7人はいますね(笑)
 実際業界の方でも初めてお会いした名刺をお渡しする時に、「えっ!ドクターやってらっしゃるんですか?」とか、「えっ!ドクターって日本にいたんですか?」っていうようなリアクションはよくあります。

実際はどんなことをするの?

実際の手法についての話はこちらの記事になります。


依頼をされるのは、脚本家や監督ではなく、プロデュースする側からのようです。

(引用)
 大体オファーはプロデューサーの方、映画会社の方、テレビ局の方まぁ色々いらっしゃいますけど、あの脚本家とか監督から持ち込まれることはまずないですね。
 えーとですね、まぁドクターというからにはですね、なんと言いますか結構切迫した状態になって依頼がくることが多いんですね。
 そのもうどう直していいかわかんない!お手上げ!っていうような
混乱した状態でくるものが・・。
 依頼を受けたら、まずやることは一度だけ読んで、2行に要約
(引用)
 一度しか読み返さない。最初に読み返さないようにしてその時の印象でですね、誰のどういう話だったのか?っていうことをめくって確認せずに、75文字以内で書き起こすようにします。(この2行のこういうのを「ログライン」って言います)
 世の中のストーリーっていうのは実は36種類しかないっていう説があってですね、そういったものに大抵は落とし込める。そうすると、ログラインの問題っていうのは、その段階で本質的にはどこへ向かえばいいのか?っていうのが見つけることが出来るんですね。
 アメリカの映画の2行でログラインの場合はまず1行目にまず主人公の日常の状態っていうのがあって、2行目でそれが変化成長した状態に大体なるんです。
 そうするとだんだん大から小に入って行きます。大きい外側から中に入っていくんですけども、次確認するのは、今度は一番新しいシナリオを時間軸に沿うかたちで、展開をフローチャートに起こしていきます。
ログラインを作ったら、3幕構成を確認する作業、この記事では有名な映画を例にとって3幕構成を語っています。
 (引用)
で、こうすると何が可能になるか?というと、いわゆるその「3幕構成」という形になってるかどうかの確認が取れるんですが、まぁ「3幕構成」の説明は今からしますけども、
 ただこれはギリシャの時代から続いてる物語のまぁ言ってしまえば一番美しいとされてる形なんですが、アメリカ映画のシナリオ作りっていうのがまぁこの長いことずっと「3幕構成」をベースに考えられているんですね。それくらいが全体の尺に対しての1:2:1の比率になると・・。 
そして最後は登場人物へ感情移入できるか?を確認する。下の記事はカニと松岡修造を例に挙げて語られています。(「カニと修造」理論)

映画監督・三宅隆太が語る「スクリプト・ドクターというお仕事」(3)
(引用)
 その問題があると気づいた場合にその主人公が共感できるキャラクターになってるかどうか?っていう問題があるんですね。 じゃあ単純にある描写の置き場所だけで、そのキャラクターに対する共感度が変わったりする

上の3つでスクリプトドクターの仕事について、一通りの流れが理解できると思います。そして、そこからいろいろな質問に答えてられていくのがこの次以降からの記事になります。


こちらでは、クレジット問題やスクリプトドクターのなり方、実際の方法、どれくらいの期間かかりますか?など具体的な内容について語られています。

(引用) 
それはスクリプト・ドクターの仕事が大体ノンクレジット契約って言って名前を出さないで参加する、まえ宇多丸さんが「影の軍団」とおっしゃってましたけど、まさにそういう仕事です。
映画監督も脚本家も資格がない状態でやってますので、そういう意味で非常に危ういと言えば危ういんですけど(笑)ドクターはまさにもっとそうですよね。日本で数が少ないので。なので、僕がどうやってきたかを言った方が良いのかもしれないですけど。 
 僕の場合は、前回の放送でもチラッとお話ししましたけど、自分自身がそのシナリオ学校とかも行ったことが無かったので、ずっと子供の頃からテレビで洋画劇場を見て、ビデオデッキがなかったもんですからね。
それでそのセリフを書き起こしたり、カセットテープに録って音だけ聞いたりして、そうやってこうセリフを書き起こしてシーンを書いてってやってくうちに、なんとなく映画の構成とかがわかってきたんですよね。
 「1本の映画にドクターとして入った場合大体どれくらいの時間が関わるものなのか?」本当に企画によってケースバイケースなんですけど、最短で今まで30分ですね。一番長いのは4年半ですね。並行に関わったりもしますか?します、します。今も同時に6本くらい同時にやってますね。
 これは1回原稿をデータで頂いた場合はデータ上でやりますけど、もしプリントアウトで頂いた場合はうちの方で僕がもう一回印刷台本のフォーマットで打ち直します。一言一句全部。
「脚本のリライトとスクリプト・ドクターではどこが異なりますか?」
リライトっていうもの自体は、書き直しの作業そのものを指します。スクリプト・ドクターはそのリライトで行き詰まった状況の時に入って、アドバイスをする場合もありますし、色々サジェスチョンをするというか。その上で脚本家がまたリライトをするということですね。

 最後は、スクリプトドクターになりたい方へのアドバイス



(引用)
 「三宅監督がスクリプト・ドクターを目指す人にアドバイスするならどんな勉強をしておけと言いますか?」
シナリオ読んで「ここ面白くない!」とか「ここつまんない」とか悪い部分を見つけて指摘するって事はそんなに難しいことでは無いと思うんですよね、実は。
どちらかというと良い所を見つけてそこ伸ばしてくっていう方が、僕はリライトには必要だと思って、その方が実際早いんですよね。悪いものの方が派手なんですよね、どうしても。
 それとあと基本的に脚本家として売り込みたいのならスクリプト・ドクターにならない方が良いんじゃないかと思うんですよ。
 脚本家とスクリプト・ドクターの仕事って僕は違うと思ってるんですよね全然。資質として、「俺ならこう書くね」っていうことは別に誰でも出来て、みんなチャンス狙ってるので「あわよくばそれ書きたいです」って言う人はいっぱいいるので。
そうじゃなくてそのプロジェクトが幸福になるようにどう力を注ぐか?っていうのが僕はドクターの仕事だと思ってるんですよね。
 「スクリプト・ドクターっていう仕事をしていて一番充実感のある瞬間は?」
 これはですね、綺麗事言ってるように思われると嫌なんですけど。僕が提案したアイデアによって、その脚本家さんが「え、それ違うよ!」ってなってそれ違うってなって「こうかもしれない!」ってその人のフタがパカッと開いて、いきなり風通しがよくなってその人の中から、こうワクワクしながらどんどん良くなってしまうことがあるんですよ。
 以上、当ブログで起こした記事でのご紹介となります。より深く知りたいという方は三宅隆太さんの新刊「スクリプトドクターの脚本教室・初級篇」をご参考になればより御理解できると思います。



(了)

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