今回は2015年3月25日放送「荒川強啓デイ・キャッチ!」
「デイキャッチャーズ・ボイス」山田五郎さんの回を
起こしたいと思います。
荒川強啓(以下、強啓)
今日のテーマ、こちらです。
片桐千晶(以下、片桐)
「家康が静岡に眠っていることを今年くらいは思い出そう」
山田五郎(以下、五郎)
冒頭にも申し上げましたけれども、静岡県の食材で最高の料理を作ろう
みたいなイベントの仕事で週末静岡市の日本平ホテルに行ってたんですよね。
帰りがけにすぐ近くにある久能山の東照宮に立ち寄ったんですよ。
実はあそこには1611年にスペイン国王が徳川家康に贈った時計があるんですよ。
これは日本に現存する最古の機械式時計として重要文化財に指定されてるんですよね。
ちなみに時計で重要文化財は2つだけですから、
あともう1つは田中久重の「万年時計」とこの家康の時計だけですから。
今その家康没後400年に向けて、改めてその時計の補修を行ったり
研究してX線調査とかやっていろいろ新事実が判明したんで、
ちょっと一度見に来て下さいよとずっと宮司さんに言われてたんで見に行ったんですよ。
まあこの時計の話はまあし出すと長くなるので、別に機会にするとして
問題はですよ、そのイベント終わって「帰りどうされます?」みたいな話で
「ちょっと東照宮に用事あって寄ってから帰ります」って言ったら
皆さんに「大変ですね」って言われるんですよ。
「いやだから、ロープウェーで5分なんですけど」って言うと
なんか不思議そうな顔をされるんですよね。
つまり県外からイベントにいらっしゃってた方の大半がですね、
東照宮と言えば日光しかないと思ってる。
俺はこれから静岡から日光まで行ってから東京に帰ると思い込んでらっしゃったと。
更にお話をしてみるとですね、多くの人々が徳川家康は江戸で亡くなって
日光に埋葬されてると思っているようだったということなんですよね。
これけっこう静岡あるあるで静岡の人は東照宮と言えば久能山だと思ってるんですけども
世の中の大半の人はそう思ってないっていうことなんですよね。
まあ実際東照宮自体は全国に500以上あるんですけれども、
でも一番古いのはその日光よりもその久能山なわけですよ。
何故?と言うなら家康は晩年の10年間は静岡で過ごしていて
静岡で死んで久能山に埋められたわけですよね。
でも家康というと三河の岡崎の出身でね、江戸幕府を開いてみたいなことは
これもう皆さんよくご存じなんですけれども。
実は生涯の半分近くを静岡の駿府城で過ごしてたってことは、
意外に忘れられがちなんですよ。
だからあの子どものときは今川氏の人質になってずっと駿府城に囚われてましたでしょ?
それから今度信長から駿河の国を拝領して8年ぐらい駿府城にいて、
そこから江戸城行ったけれども、引退して死ぬまでまた10年間いたわけですよね。
だから2代将軍秀忠に将軍譲った後も駿河の大御所として
大御所政治をやってたから当時日本に来ていたスペインとかオランダとかイギリスの人は
皆、駿河に大御所詣をしていたわけですよね。
そんなこともあって伊東で船が作られたりとかしてたわけなんですけれども。
ちなみに家康が静岡に隠居したときにお城とか寺社の造営のために全国から
職人を集めたわけですよ。
強啓
うん、天下普請ね。
五郎
それは江戸城、江戸城の天下普請じゃなくて
引退した後に静岡の浅間神社の造営とか駿河城の改修とかのために
職人をいっぱい連れていったんですよ。
その職人集団が今も実は・・これも以外と知られてないんですけれども。
木工産業、家具とかそういうのがすごい盛んなんですけれども。
その木工産業の始まりで、その木工業者たちが飛行機の模型を作ってて
その人たちが戦後プラモデルに進出したわけですよ。
だからほとんどのプラモデルメーカーが静岡にある理由は
元を辿れば家康のおかげだということで
その久能山東照宮に行くとですね、各プラモデルメーカーが
戦艦だとかガンプラだとか最近では妖怪ウォッチまで、
奉納プラモデルがずらーっと並んでるっていうことなんですけどもね。
まあそんな家康はちょうど今から400年前くらいになる1616年の
4月17日に駿府城で亡くなったわけですよ。
ちなみによく鯛の天ぷらにあたって死んだっていうんですけれども。
どうもそれはガセで、本当の死因は胃がんらしいということになってるんですよ。
なんでそんな鯛の天ぷら伝説が出来たか?っていうとね。
これも実は駿河湾の鯛、特に甘鯛なんですけれども。あと真鯛も。
桜エビ食べているんで、異常に美味いんですよ。
特に甘鯛は異常に美味いんですよ。
そういうことから家康が鯛が好きで鯛の天ぷらにあたって死んだっていう
伝説が出て来たと思うんですけどね。
これ亡くなったときにさすが家康で、
ものすごいきちんとした遺言を残してるわけですよ。
その遺言でまあ遺体は静岡の久能山に埋葬することと、
葬式は江戸の増上寺で行うことと、位牌は自分の故郷の岡崎にある
菩提寺の大樹寺に建てなさいと。
で、1周忌が過ぎたところで日光に小さなお堂を建てて
まあ自分の霊を勧請しなさいとこういう遺言を残しているわけなんですよね。
家康の遺体が眠っているお墓自体はやっぱり静岡の久能山にあるわけですよ。
だからあそこが最初の東照宮なんですよね。
で、日光東照宮を建てた後に棺を移す儀式をやったんですよ。
久能山東照宮から棺がずーっと2週間かけて日光まで運ばれていったんですよね。
天海が仕切ってやったんですけども。
そのときにもう遺体ごと移したと思われがちなんですけど、当時土葬ですからね。
1年ぐらいでまたその土葬の奴を掘り起こして2週間も暖かい最中
運んでいくってことは考えられないんで。
で、家康も別に遺体を移せって言ってないわけで、勧請しろと。
自分が関八州の守り神になるから日光にお堂を建てろと言ってるんで、
これはやっぱりその霊を移すというかいわゆる分祀する儀式で
遺体自体は今でも久能山に埋まってるというふうに言われてるんですよね。
その証拠に久能山にも日光にも家康のお墓って呼ばれる
まあ同じ形の石塔が建ってるんですけれども。
久能山の方を神廟(しんびょう)とか御廟所(ごびょうしょ)
「廟」という字ですね、お墓っていうふうに呼ぶんですよ。
でも日光の方は奥宮(おくのみや)の御宝塔(ごほうとう)っていう
つまり霊を神社のご神体を安置する場所みたいに言ってるんですよね。
そんなことでね、非常に由緒が正しいわけですよ、久能山東照宮っていうのが。
それが何故日光より無名どころか、ともすると存在すら知られていないことが多いのか?
まあ日光は世界遺産になってますけれども、
久能山に至ってはもう忘れられがち、それは何故か?ということなんですけどね。
1番の理由はそもそも作られた目的が違うと思うんですよ。
久能山っていうのは徳川家康個人のお墓なんですよ。
だから徳川家のプライベート施設なわけですよね。
だから規模も小さいし、アクセスがとにかく不便というか・・
片桐
すごい階段を上っていきますよね。
五郎
そうなんですよ、1159段。
「いちいちごくろうさん」って覚えるんですけども、
それを登っていかなきゃいけない(笑)
もう今でもそれしかないですからね、
それ以外は日本平からロープウェーで来るのが出来ましたけど。
神職の方なんかは毎日それで石登って通勤してますから。
でもう普通はあれ見ただけで嫌になっちゃって、
下で石垣いちご摘んで帰っちゃうんですよ。
下で拝んで(笑)
片桐
あれも美味しいんですよね。
五郎
だけどそれに対して日光は家康が神になって関東八州を守る東照大権現として
その神様を祀るっていう言ってみれば公共施設なわけですよね。
だから規模も大きいしアクセスも良いっていうことで
そういうことで日光の方がよく知られるようになったっていうのが
あるんだと思うんですけども、僕ねそれだけじゃなくってですね・・
この静岡県人の県民性にも原因があるんじゃないか?と思うんですよ。
私、両親が静岡の出身だからよく分かるんですけども。
あそこの県って広くて温暖で何でもあるんですよ、海・山の産物にも恵まれてるし
それなりに産業もあるし、交通の便も良いしみたいな。
強啓
景色も良いしね。
五郎
はい、その日本平でやった料理イベントでもね。
食材が何でもあり過ぎて、逆にこれが静岡だ!みたいなものを
出すのに料理人の方が苦労したぐらいなんですよ。
食材だけではなくて何でもあるんで、何かが突出してないんですよね。
で、突出しようという気もないんですよ。争う気もないんですよ。
「富士山は山梨に任せときゃええだよ」って
「家康は愛知と東京に任せときゃええだよ」みたいなことなんですけれども。
それはそれで良いんですけどね、今年はやっぱり家康没後400年
様々なイベントがありますよ。久能山でも4月15日からね5日間かけて
「400年大祭」17日の命日には徳川宗家の方がいらしゃって
特別な儀式もやるっていう、もう400年に1度しか見られない
お祭りが行われるんで今年くらいはね静岡東照宮に家康が眠っているってことを
思い出してやって欲しいなと思う次第でございます。
(了)
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