江戸川大学教授・福田一彦が語る「『金縛り』っていうのは実験室でも誘発することが出来まして・・」

2014/11/20

Session-22 荻上チキ 金縛り 睡眠 福田一彦

t f B! P L
今回は2014年10月16日放送「荻上チキ Session-22」
「寝坊、寝不足、二度寝、あなたの睡眠の悩みに答えます」
起こしたいと思います。



南部広美(以下、南部)
昨日の朝、東京メトロ丸の内線の南阿佐ヶ谷駅で
宿直の駅員が2人が寝過ごして営業開始が30分ほど遅れ
5時03分に出発する始発電車に乗客が乗車できないというトラブルがありました。

東京メトロによりますと、この駅では駅員が午前4時30分に起き
営業開始の準備を行うことになっているということですが、
駅員は目覚まし時計のアラームを止めたあと二度寝してしまい

始発電車が到着した時点で3ヶ所ある出入口のシャッターが
全て閉まったままになっていました。

駅員はそのあと総合司令所からの連絡で起き
およそ30分遅れで営業を開始したということで

東京メトロは再発防止を徹底するよう指導し
バックアップ体制の見直しを図るとしています。

この事件に対し批判の声が上がる一方
「他人事ではない」といった声も上がっています。

皆さんの中にも「寝坊」と聞いて心当たりのある方も
いらっしゃるのではないでしょうか?

そこで今夜は睡眠の専門家の方をお迎えしまして
寝坊、寝不足、二度寝など現代人が抱える睡眠の悩みや疑問に答えていただきます。

荻上チキ(以下、荻上)
「キテレツ眠いなり」っていう声も聞こえてきそうですけれど。
懐かしい曲ですね、「キテレツ大百科」のオープニングでしたっけ?


というわけで、この駅員さん電話で起きたときもう顔面蒼白でしょうね?
「やらかした!」っていう。

南部
状況がよく飲み込めなかったかもしれないですよね。

荻上
ちょっと考えるだけで同じ立場に置かれたくないなっていう
ような感じもしますけれども、やっぱり再発防止は大事ですからね。
心掛けて欲しいと思いますけど。

でも、眠りに関するお悩みを抱えている方は非常に多いと思います。

南部
いやもう人類共通のと言っても過言ではないんじゃないでしょうかね?

荻上
夏バテで体力を奪われたあとのこの秋でいきなり気候が変わって
風邪引いたりとか注意が必要だったりもしますけれども。
というわけで今日は久しぶりの相談モードです。

南部
ということで今夜のゲスト早速ご紹介したいと思います。
江戸川大学社会学部人間心理学科教授の福田一彦さんをお迎えしました。
よろしくお願いいたします。

福田一彦(以下、福田)
よろしくお願いします。

荻上
福田さん、この江戸川大学って江戸川区にあるんじゃないんですね?

福田
いつも言われるんですけども(笑)
もともとの母体になっている女子校は江戸川区にまだあるんですけれども
大学等は今の千葉の流山市に引っ越してきてそこにございます。

荻上
千葉県にあるというわけですね、
さて福田さんは「日本睡眠学会」の理事で「日本睡眠改善協会」の理事も
勤めておられるということなんですけれども

福田さん自身は眠れますか?

福田
えーと、人に「早寝早起きしろ」と言っている手前もあるんですけれども
なるべく早寝早起きをして健全な眠りを心掛けています。



荻上
じゃあ研究成果を身をもって実感しているという感じですね。
というわけで、いろいろ伺っていきたいんですけれども。
ただ睡眠の研究と言ってもテーマは人によって随分違うんですか?

福田
そうですね、私はあの出身が心理学なので睡眠の障害そのものとか
いわゆる睡眠の病気のことではなくて、子どもの眠りの発達とか
そういうことについて現在は中心に勉強をしています。

荻上
例えばその何歳になってもおねしょしちゃうとか、
何歳になっても起きてママを求めるとかそういうこととか・・?

福田
それは睡眠障害の中に入るんですけど、
私いまやってるのは主にあとでこういう話が出るかもしれないですけれども
保育園児の昼寝の問題っていうのを取り組んでいて

昼寝が日課として取らされている状況なんですけれども、
実際は幼児期っていうのは昼寝がだんだん少なくなっていく
自然になくなっていく時期なんですね。

それが日課として取らされているために夜寝る時間が遅くなって
日中の子どもの状態に悪影響を及ぼしているということが分かっているんです。

なのでまあ、そういうことについてちょっと研究をして
多少社会を変えて行こうかな?という心づもりです。

荻上
政治とかにも関わりますね、そうなるとね。

福田
行政とかには主に関わりますね。

荻上
なるほど。「睡眠基本法」とか作って欲しいですね。

福田
実際にですね、睡眠のことに関しては非常に誤解が一般の人の中に多いので
睡眠に関する知識はやはりどこかで皆さん知る機会っていうのは与えられるべきだと。

ですから、教育の中に睡眠の知識を与えられるようなものというのを
入れておくべきだというふうに考えています。

荻上
食育の変わりに「睡眠学習」って・・別のものだよな・・。
・・「眠育」?

南部
まあネーミングはどうにかこうにか工夫をしていって(笑)

荻上
その大事の睡眠の学習を我々リスナーの皆さん一緒に今からしましょう。
というわけで、今回の東京メトロ職員の寝坊のニュースは
営業に支障が出ているということもあって、笑えないニュースではあるんですけれども

「寝坊」と聞いてドキッとした方もいるかと思いますけれども、
福田さんはこのニュースはどういうふうに聞きましたか?

福田
えーとですね、これは交代勤務の中に入るんじゃないかと思うんですけれども。
普通の人が寝ているときに仕事をしなきゃいけないというような・・
まあ仕事の中にありますよね?

それでどうもお聞きしますと、一応東京メトロでは12時30分までの
駅員は寝ることになっていて、4時30分に仕事をしなきゃいけないということで

ですから規定通り寝ていたとしても
大体正味4時間弱しか寝られてないということになるわけですしね。

で、眠りっていうのは大体寝てから3時間以内ぐらいが
もっとも深い睡眠が出てくる時間帯ですので、
かなり起きるのに規定通り寝ていたとしても辛いのではないかな?と。

荻上
一番深いときに起きなきゃいけない?

福田
12時30分より少し実は夜更かししていたなんてことがあると、
4時ぐらいに起きるのはかなり辛かったんじゃないかな?と思います。

荻上
4時30分に仕事っていうことは起きるのはもっと早くというですもんね?
となると、そもそも起きるのが困難なスタイルという。

福田
そうですね、もうちょっとこの点に関しては改善が必要なのかな?という気も
ちょっと睡眠を研究している者としてはしますね。

荻上
じゃあ再発防止という意味では睡眠学のプロを呼んで
なんかこうレクチャーとか研修だけじゃなくて体勢を考えるということも
大事かもしれないですね。

福田
えーとですね、睡眠というとどうしてもですね、
気合いの問題だとか・・実は眠りというのは脳の中にある生物時計で
コントロールされているので意思だけではどうにもならないところがあります。

ですから、眠りの基本的なメカニズムを知った上で
こういうのものというのを考えていただきたいなというふうに思います。

南部
生物時計っていうのが脳の中にあるんですね?

福田
あります。

荻上
ということは、どういうことをしていけばいいのか?
という話をやりたいんですけれども。

今日はその話を伺う前に新橋の駅前で寝坊などで失敗したエピソードと
あなたが抱えている睡眠の悩み、聞いてきましたのでお聞き下さい。

(中略)

荻上
いやー皆さんいっぱい失敗してますね。
試験に遅れてしかも受験っていう方ね、大変だ。
今日遅刻したてホヤホヤだという方もいらっしゃいましたね。

またすごく遠くまで電車で寝過ごして行かれてしまうという方もいらしたけれども
そもそも家が遠いんだという方もいましたけど。

いくつかありましたけど、お酒飲んで失敗という方も多かったですけれども、
このあたりお酒と睡眠との関係、福田さんいかがですか?

福田
お酒はですね、アルコールには催眠作用と言って眠気を催す作用があります。
ですから飲んでいる間に居眠りしてしまったり
ということがあると思うんですけれども

アルコール自体は比較的早く分解されてしまうので、
しばらくすると急によみがえる方いますよね?居酒屋で。

それからもう1つは利尿作用もあるので、眠りを最初促す作用はあるんですけど、
途中であのおしっこがしたくなって途中で当然目が覚めるので

睡眠全体としてはお酒は睡眠の内容はあまり良くすることはない。
悪くしてしまうということになりますので、
睡眠薬代わりに使うのは絶対によくありません。

荻上
いろんな身体にも負担も出て来ますもんね。

福田
あの・・アル中まっしぐらということですね。

荻上
こんな質問メールも来てますよ。

メール
歳のせいか最近寝付きが悪くなって困っている40代のオッサンであります。
以前は眠れないと思ったときには某政党の今後など不毛なことを考えれば
2,3分で眠ることが出来ましたが、

最近は某政党の議席回復の方法など相当不毛なことを考えているんですが
なかなか寝付けません。
頭の中で何を考えればよく眠れるのでしょうか?

荻上
よく「羊を数える」とかありますけどもね。

福田
あの・・考えているうちは眠れないと思うんですね(笑)

「羊を数える」という方法はですね、世界中でみんなやってるんです。
ところが実際にイギリスの研究者で
「羊を数えると眠れるか?」っていう実験した方がいて

「羊を数える」のと比較したのは、綺麗なビーチに行って横になってリラックス
しているところとか滝を眺めながらリラックスしているところを
そういうようなのと比較したら

そういう綺麗な景色のところで横になっているっていうのを想像した方が
リラックスして眠れたと、羊は全然ダメだったっていうような。

で、世界中でなぜやってるか?なんですけれども。
おそらく羊飼い・・昔は羊1頭ずつに税金が掛けられていたので
1頭逃げると大変な騒ぎなんですね。

ですからちゃんと檻の中に戻ったかどうか?っていうのを数えていて
でも単調な作業なのでその間に羊飼いが寝てしまったということが
どうもあったらしくて、そこから来てるんだろうというんですね。

でも実際に眠ることには役に立たないと。

荻上
それも実証されているんですね。
ちなみに先ほどの音声の中で「金縛り」という方もいらっしゃったんですけれども。
これは睡眠障害なんですか?

福田
先ほど研究の中で発達の話もしましたけれども、
もう1つは割とウケがいいのは「金縛り」の研究っていうのを私やってまして、

「金縛り」は心霊現象とかよく言われるんですけれども、
これはあの夢を見る睡眠である「レム睡眠」のときに訪れるというか
時々起こる現象で、夢と非常によく似てます。

ただし夢と違うのは、本人が起きているというふうに思ってしまうと。
それくらいハッキリといろいろなものが見えるわけです。

ただ金縛りの最中に見えている、
寝ている部屋の様子とか見えたりするんですけれども
それ自体が全部頭の中で創り出した夢と同じような幻覚なんですね。

荻上
あれ、そうなんですか!
そっくりですよ、何度か「金縛り」遭いましたけれども。

福田
はい、私もそっくりなものを見たことがありますけれども。
よーく見ると違ってますので気をつけていただければ。

荻上
あと、身体が寝ていて脳が覚醒したっていう説明を昔されてたりしましたけど。

福田
それはそんなに間違いではないんですけれども。
ただ「金縛り」っていうのは実験室でも誘発することが出来まして・・

荻上
えっ、人工的にですか?

福田
人工的に出来ます、そのときに例えば赤外線のモニターカメラで
寝ている方の顔を写していてもずっと目は閉じたままなんですね。

ところが起こしたときに金縛りでしたと。で、「部屋の様子がよく見えました」と。
それから例えば「先生が白衣を着て入ってきました」それ全部ないわけですよ。
そんなことは、入ってないし。

実際に彼とか彼女とかはずっと目を閉じたままですので、
頭の中だけで再現されたものです。

荻上
へー!ビックリした。

南部
錯覚・・。

福田
錯覚というか我々いま現実に見ているものも脳の中で再建されたものですので、
ただそれが記憶を元にして再現されて、それが夢よりは
ずーっとハッキリしているという話で。

荻上
「マトリックス」みたい。

福田
そうです、そうです。
そういう比喩で良いと思います。

荻上
こんなメールも来ております。

メール
当時私は午後5時からの仕事をしていたんですが、
起きて目覚ましを見たらなんと6時。

着替えもそこそこ家から飛び出してチャリンコにまたがり
勢いよく走り出したんですが、

しばらくしてふと「夕暮れどきにしては人が少ないな」と思い、
冷静になって辺りを見回してみると、朝6時であることに気がつき
1人苦笑いしてしまいました。

ちなみに私の睡眠導入法はYouTubeで見つけた
「World's Most Relaxing Music」という音楽を掛けることです。


荻上
まあヒーリングミュージックとか・・
音楽を聴くとかどうなんでしょうか?

福田
えーとですね、「眠れる音楽」とかよく売られてるんですけど
眠りそのものに音楽が効くっていうことはおそらくありません。

むしろ寝る準備として、緊張した状態では眠れないので
リラックスする眠りの準備状態を作るという意味では好きな音楽を聴くだとか
そういうことは有り得ると思いますけれども。

聴いたら寝ちゃうなんていうそういう催眠術みたいな音楽はないですね。

南部
あの、香りとかどうですか?
よくアロマで匂いをとか・・

福田
そうですね、女性なんかはよくそういう方がいると思うんですけど。
ただそういう入眠儀式っていうふうに呼ばれるようなものが
あまり有り過ぎる人の方がやや神経質で病的だというようなデータもあります。

あまりこだわりが強過ぎる人の方がむしろ眠れないというような
逆説的なこともあって「寝なくても死なないや」ぐらいに思っている人の方が
よく寝たりしますね。

荻上
ほおー、こんなメールも来てますよ。

メール
睡眠の悩みですが、起きたい時間よりかなり早く起きてしまうことがあるので
「早朝覚醒」っていうのかな?疲れていても3時間くらいしか寝ていられなくて
もう1回寝ようとしても全然寝られないという感じ。

ストレス掛かるとそうなるとは聞きますが、
何か回避する方法はないでしょうか?

福田
その方、何歳ですかね?

荻上
この方、お歳は書いてないんですかね?

福田
ある程度年齢が高くなってくると
「早朝覚醒」が出てくるのは仕方がないことなんですね。

それからあの「注意睡眠」っていって、翌日何かやらなきゃいけない。
気にしているときには早めに目が覚めるっていうのはそれは自然なことです。

ただですね「早朝覚醒」はですね、抑うつというか「うつ」のサインであることが
あるので、しかも「うつ」を自覚する前に睡眠に影響が出てくることっていうのが
けっこうあることなので

何かそれの原因となるようなことがあるのであれば、
ちょっと気にされた方がいいのかもしれませんね。

荻上
ストレスかかるとそうなるとは言うのは当たってるんですね?

福田
それは有り得ます。

荻上
そうしたものを回避する方法としてはストレス源をまずは・・?

福田
それはなかなか難しいでしょうけれども、そういうことが出来るのであれば
そうしていただいた方がいいですね。

荻上
眠りで「良い眠り」と「悪い眠り」っていうものの質の違いとかって
どうやって分けられるんですか?

福田
質の良し悪しっていう言い方をよくされて、
それが深い眠りがいっぱい取れてる方が良いっていうふうに解釈というか
考えておられる方が多いと思うんですけど

例えば脳波を取って深い眠りがいつっていうのは
我々も脳波を見れば分かりますけれども
じゃあ自覚出来るか?っていうと自覚は出来ません。

例えば睡眠段階3,4っていうのは深い眠りなんですけど
それが昨日何分取ったか私自身分かるか?って言われたら分からないわけです。

で、分かるのは寝付くまでにどのくらい時間がかかったか?とか
夜中に何回も目覚めたか?というのはそこでは意識がありますので
それは分かりますよね?

睡眠の主観的な質、朝起きたときにグッスリ眠れたかどうかっていうことに
影響を及ぼすのは寝付くまでにかかった時間と夜中に何回目覚めたか?っていう
そういう意識のある時間なんです。

ですから、寝付くのに短くすぐ眠れて、夜中朝までグッスリ目が覚めなかった
これが大事なことだというふうに思います。

荻上
その話も具体的にどうやるのか?っていう話は後ほど伺いますから
もう少しお待ち下さい。

であの・・日本人が寝てないって聞きますけど。
僕もいくつかデータを見たんですけどね、寝てないですね日本人。

福田
いや、その通りなんですよ。
それで日本は島国なのでいかにネットが繋がっていても

寝ている間とか夜の時間どうしているのか?っていうのは
他の国の情報は伝わんないですよね?

ですから日本人は日本人のことしか夜何しているか?分からないので
みんな寝不足な状態になっているのでこれが普通だと思っていることが多いんですよ。

例えばOECDのデータなんかでも、たいていと日本と韓国と台湾っていう
東アジアの国っていうのが最も睡眠が短いというのが必ず出て来て
日本はたいてい1位か2位です。

荻上
韓国と争っているんですね。

福田
世界中で見るとこれは非常に異様な、異常なことです。
他の国では大人でもだいたい7時間半くらいから8時間ぐらいの間で寝ている
っていうのが普通ですので。

日本人は世界中で見るとかなり夜の睡眠時間は短くなっている
国民だというふうに言えます。

荻上
時間的に6時間後半とか7時間前半なんだよ日本人は、っていう話をすると
「えっ、そんなに寝てるの?」っていう反応が返ってくるわけですよね。
それぐらい寝ないことに慣れてるということになってしまってる・・。

福田
今の大学生もだいたい6時間ぐらいが平均の睡眠時間で
彼らもそれで十分だと思ってる方がほとんどだと思うんですね。

ところが世界中を見るとだいたい大学生でも7時間半ぐらい寝ているのが
どこの国でもだいたい多いです。

荻上
これ6時間で十分だっていうのはどうなんでしょう?
慣れてるから、日本人はそれでいいんだっていうことなのか
それとも誤解なのか?ってどうなんですか?

福田
いやいや、完全な誤解ですね。
大学生が6時間は十分じゃないですよ、だって昼間ちゃんと寝てますもん。
授業中に(笑)

それは寝てしまうのは、夜の睡眠が十分じゃないからで
夜ちゃんと寝てればあんなことは起きないはずです。

荻上
それは説得力がありますね(笑)
これは何で日本の睡眠時間改善していかないんですか?

福田
それはいろんな理由があって一言では言えないですけれども、
ただですね韓国と日本と台湾という東アジアの国が非常に短いっていうことが
ヒントになるかもしれないんですね。

これらの国っていうのは家の中の住宅の照明っていうのに
蛍光灯を使ってます。欧米で家の中の照明に蛍光灯を使ってる家っていうのは
ほとんど皆無です。

で、非常に家の中が暗いですね、夜。
しかも蛍光灯は昼光色とか昼白色と呼ばれるかなり白っぽい光を使っていて
それで最近問題になっているブルーライト非常に多く含んでいる。

非常に短い波長の光を含んでいて、
それが睡眠に対して非常に悪い影響をもたらしている。

ですから、家の中の照明を少し見直していくっていうことが重要だと思います。
夜になったら暗いのが当たり前なので、それを何故人工照明で
明るくし過ぎるのか?っていうところですね。

荻上
じゃあ昼は昼光色とか使って仕事するのはいいけれど。
夜例えばリラックスするときによく間接照明がオシャレだしみたいな
あれは合ってるんですか?

福田
合ってます、オシャレだっていうのも合ってると思いますけれども(笑)
もう1つオレンジ色の、青をあまり含まない照明っていうのが重要なんですね。

それで最近ノーベル賞をとかでも話題になったLED照明なんですけれども
あれはブルーのLEDだけを使っているんです。

3つ使っているような説明が最近されていますけれど、
実際にはLEDの照明っていうのは
ブルーのLEDだけが使われているものがほとんどで

黄色の光を出す蛍光物質が中に一緒に入れてあるんですね。
だから黄色と青の混色で白く見せているので
実際には非常に強い青い光なんです。

荻上
そうなんですか!あれけっこうその間接照明みたいな色っぽいから
いいのかな?と思ったんですが・・

福田
ただ光源自体は青なんです。
なので蛍光物質自体が劣化していくと青い光が残りますし、

ですから夜の照明としては
LEDはまだもうちょっと様子を見た方がいいんじゃないかな?
というふうに私は思います。

荻上
となると、従来からあるような電球のオレンジのやつを間接照明として使ったり?

福田
ただもう売ってないですよね?白熱灯は。

荻上
僕はそういったものは探してけっこう買います。

福田
それは夜、そういうものを使うのは良いことだと思います。

荻上
それに今、目の前にあるのはカメラマンの方が
たまに使っている・・

福田
照度計ですね。
照度計で測ると「ルクス」っていう照度の値が出てくるんですけど、
この機械で測ったものと我々の目の感じ方っていうのはずいぶん違うんです。

我々の目っていうか、目だけじゃなくて聴覚やなんかもそうなんですけれども
対数に従って、つまりだいたい物理的なレベルで言うと10倍ぐらい違うものが
我々の目だと2倍くらいにしか感じられない。

荻上
センサーが人間の方が弱いっていうことですか?

福田
弱いというか、違うスケールに従うんですね。
ですから、例えば分かりやすいのはカメラで室内撮影をしていて
急に窓の方に向けると真っ白になるじゃないですか?

絞りが追いついてきて、外が見えますよね?
でも我々の目ってどうかって言うと、室内と窓の外は同時に見ることが出来る。

これはですね、光の強さを上手く調節してくれているので
同時に見ることが出来る。そういう意味では良いんですけど。

荻上
必要な機能であると。

福田
逆に言うと、外の明るさと家の中の明るさっていうのの
違いがよく分からない目でもあるわけです。

ですから昼間明るい部屋の中にいるから、
目から光が入ってですねいいんじゃないか?と
思われる方もいると思うんですけれども

実際は外と中でずいぶん違うので、
家の中に閉じこもっているだけで睡眠っていうのは
どんどんズレちゃうんです。

ですから不登校の方やなんかでよく昼夜逆転なんてすぐするんですけど。
その理由は外に出ないから。目から光を取り入れないから。

荻上
屋内にいてもやっぱり明るさ的には昼だから明るいじゃん!
って感じてしまいがちですけれども。

福田
でも実際に照度で言うと300とかせいぜい500ルクスぐらいしかありません。
ただ曇った日だと3,000ルクスとかそのくらい、曇った日でもあります。

快晴だったりすると10,000ルクスを軽く超えてきますので、
全く違うんですね。

荻上
まず出来ることは家庭の照明、特に夜と昼は使い分けようとかいうことですね。

福田
とにかく暗くして寝て下さい、夜は。

荻上
なるほどなるほど、豆電球とかにするのはいいんですね?

福田
真っ暗でも構わないと思うんです。
ただ高齢の方ですと、夜中どうしてもトイレ覚醒がありますので

そういうときに真っ暗だと蹴躓いて怪我してしまったりしますので
そういう意味ではある程度の照明は必要ですけれども。

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