コラムニスト・深澤真紀が語る「『女子力』より『女子術』に長けてる方が良い」

2012/10/18

ゴールデンラジオ 深澤真紀 真鍋かをり 草食男子

t f B! P L
今回は、2012年9月11日放送「大竹まことゴールデンラジオ」
「大竹メインディッシュ」深澤真紀さんの回を起こします。

音声は、配信期限が過ぎたためありません。

太田英明アナ(以下、太田)
今日のお客様は、コラムニスト・編集者として活躍中
フジテレビ系列の「とくダネ」のコメンテーターも勤められています。
また、平成18年には、「草食男子」「肉食女子」という言葉を産み出しました。
深澤真紀さんです、こんにちは。

深澤真紀(以下、深澤)
こんにちは、よろしくお願いします。

真鍋かをり(以下、真鍋)
よろしくお願いします。
現在「とくダネ」は今、金曜日?

深澤
金曜日ですね。

真鍋
私いま月曜なので、ちょっとやっぱり曜日が違うと
本当にお会いするのが・・

深澤
年に1回、2回とか・・忘年会とか(笑)

太田
あの・・小倉が大変お世話になっております(笑)
どんな立場でも無いですけど(笑)

真鍋
誰ですか?(笑)

太田
あの・・深澤真紀さんというと、
「草食男子」「肉食女子」という言葉を最初に仰った方ということなんですけども。
これそもそも最初に使い出した意味合いと違った意味合いでいま世の中に
流布しちゃってるってことなんですよね?

深澤
はい。流行語ってだいだいそうなんですけど。
私自身は今どきの若者を「とてもいいな」と思って
まぁフラットだし、そもそも「草食」って仏教国の日本では
むしろレベルが高い・・精神性が高いというガツガツしてない・・

私自身もバブル世代なんですけども。
バブル世代とか上の世代よりも全然良い世代が生まれてきたな!と思って


真鍋
あ、良い意味だったんですね!!

深澤
全然良い意味だったので!!
あのー未だに怒られるんですけど、
「いや・・良い意味でつけたのになぁ・・」と思って。

真鍋
今なんか「あまり元気がない」とか、「やる気がない」とかー。

太田
「性欲がない」とか、「おとなしい」とか。

深澤
全くそういう事は無くて、あの全然留学してないとか
そういうこともデータ的に出てないですし。
「若者を悪い」というデータは間違いなんですけど。
まぁ社会の状況が悪いので「若者叩き」されがちにはなってますね。




真鍋
なるほど、逆にその「肉食女子」っていうことも結構言われるじゃないですか?
私もう本当にまさに昨日あのね、イベントで「肉食女子宣言」みたいなのを(笑)

太田
確かに、お肉食べましたけどね、それとちょっと意味合い違いますけど(笑)

真鍋
牛丼屋さんのね「吉野家」のイベントだったので、
「肉食です」ということで「肉食女子」っていうのを言ってきたばっかりなんですけど。
またそれもちょっと色んな意味合いがありますから、「肉食女子」。

深澤
そうですね、ただまぁ女性が恋愛に積極的でもいいなと。
つまり、「ナンパ」と「逆ナンパ」って変な言葉じゃないですか?
なんで女が男に声を掛けたら「逆」なの?
「ナンパ」は「ナンパ」のまま・・ねぇ。

真鍋
うん、女が声を掛けてもいいじゃないかと・・。

深澤
いいし、「逆プロポーズ」とかって・・。
「逆プロポーズ」って結婚を断ることでしょ?よく考えたら(笑)

真鍋
そうですよ、本来なら。

深澤
そうでしょ?
「逆ナンパ」もナンパを断ることなので、
なんか女性が何かをやると「逆」って付けたりする
積極的なことをよしとしないのは、よくないなぁと思って
「女性は女性でガンガン行けばよろしいがな」ぐらいのつもりで
付けたんですけど。

まぁなんか言葉がシンプル過ぎて、インパクトが強すぎたので、
皆が自分の意見が言いやすいテーマですよね?
「草食男子」とか「肉食女子」とか。
前、「とくダネ」で中野さんと討論になってるの見ましたよ!

真鍋
あ、「草食」が好き、「肉食」が好きっていうので(笑)

深澤
それを普通に見てました、「ふーん」とか思いながら(笑)

真鍋
名付け親に見られてたんですね・・。

太田
中野美奈子さんといろいろ議論を戦わせるかたちになったんですか?


真鍋
中野さんは「肉食」が好きっておっしゃってて。

深澤
そう、「私は『草食』でもいいわ」って真鍋さんが仰ってたんで
「いい人!」と思って見てました。

真鍋
ありがとうございます!そうなんですよ!

深澤
その後、中野さんには軽く抗議をしました(笑)

真鍋
ただやっぱり感じるのは、
「草食化」っていうのが悪い意味・良い意味っていうのは違うと思うんですけど
ただやっぱり30代とかの男の人が結構おとなし目になってきてるというのは
事実としてあると思いません?

深澤
そうですね、堅実なのが悪いことなのか?というかですね・・。
うちの世代とかは大きいことばかり言って、
いなくなっちゃうみたいな人も結構いっぱいいて(笑)

真鍋
あーーー!わかる!

深澤
大学とか高校の同級生、連絡けっこう取れないですからね。
まぁどっちが・・有言不実行みたいな人も多かったので、
どっちかっていうと、言わないけどちゃんとやるというか・・
しっかり者が多い気がしますけど。

真鍋
そうですねー。でもなんとなく感じるのが、
私その「草食男子」と言われてるような男子たちは、
もう「草食男子」を超えて、「草」そのものになってるような人も
結構多いと思うんですよ。

太田
今、山田昌弘さんっていう大学教授の方が
もう「絶食男子」、食わない!と。
「草」も食べないというふうに今なりつつあるっていうふうに・・。


深澤
いやでもね、そんな事はなくて
実際には海外に行ってる若者も増えてますし、
NPOとか社会貢献したい若者も増えてるし。
そもそも今どきの若者って優しいじゃないですか?
お年寄りとか弱い人とか子供とかに対して、
だからこう前向きな、ガンガン攻めてる方からはよく見えないんですけど、
弱者目線でいうとですね、そこではすごく優しくて思いやりがあって、
社会に目を向けている若者がいると思うので。

とにかく「若者叩き」って商売になりやすいんですよね。
やっぱメディアに乗りやすいだけ、要するにメディアの中心がおっさんばっかりなので。
おっさんは若者を叩きたいだけですから。
「今の時代が悪い」とか「若者が悪い」と思うと、脳が気持ちよくなるんですよ。

太田
まぁ確かに自分を逆に肯定することになりますものねー。

深澤
やっぱ35くらいになると、バチンってスイッチが入って
若者を叩いてる時がお酒が美味しくなるという病気になりがちですから・・。

真鍋
そうなんですか(笑)

深澤
まぁ、老化です、老化。

真鍋
そうか・・でも、エネルギーみたいなものは必要じゃないですか?
やっぱり若者にとっても、なんかこう「どっか行ってみようよ!」っていう
提案をしても「面白くなさそう」とか、「行ってから言えよ」みたいなことを
最初からやらないで否定する人が結構多いなというのが思うんですよね。

深澤
そういう人はね、どんな時にも居る!
私たちのバブル世代にも一歩も家でないなんて人は
山ほど居たし、つまり私たちはその時代に合った人を
そのとき探しちゃうだけ!

どんな時代にもやる気のある人も居るし、やる気のない人も・・。
いろんな人がいるんだけど。
「あ、やっぱり今の時代ってこういう人がいるんだ!」って
その人にフォーカスしてしまうだけで。

で、ちょっといい人見ると「今どきの若者も捨てたもんじゃない」って
「勝手に捨てるな!」って話ですよね。
あのね、自分の目が曇ってるだけなのですよ!

太田
まぁこうね散々、話盛り上がってますけど、
そもそも深澤真紀って何者で、どっから出て来た人なのかな?って
思ってる方も多いと思うんですけど、あなたは何なんだ!っていうことですよね?

深澤
そうですね、それは未だに思われてます。

真鍋
元々は編集者さんから始めて・・。

深澤
そうです、大学時代に「私たちの就職手帖」っていう
就職のミニコミを始めたところからスタートして。
私たちの頃はまだ就職、女子は本当に無かった時代なので、
それをレポートするみたいな仕事をしていたんですけど。


そこからけっこう堅めの出版社に入ったので、
バブルが丁度はじけた時だったんですけど、
変わった仕事ばっかやりたがってですね(笑)

「プライベート・ゲイ・ライフ」って、
まだ当時22年くらい前なので本当におすぎとピーコさんくらいしか
いらっしゃらないような時代に一般のゲイの方の本をやりたいとか。

その企画は通ったんですけど、他にも「セックスレス」という言葉が
日本にやって来たので、「セックスレス・シンドローム」っていう本がやりたいとかですね、
友人たちがけっこう良い大学を出ても就職しなかったので、
「塾講師シンドローム」っていう本をやりたいとかって、いちいち企画会議に出る度に
「深澤くんの企画は、聞く度に嫌な気持ちになる」とか言われて。
「本当にみんなが読みたいような仕事がやれないの?」とか言われて。

若いから、「それは他の人がやればいいと思うんですよ!」とか言ってですね。
まぁ今はダメな会社員だったなと当時の社長には申し訳ない・・。

太田
でもお話を聞いてると、今スポットライトを浴びなくても
ちゃんと世の中に生息していた人たちにキチっとスポットライトを浴びせることを
したっていうことですよね?

深澤
自分がスポットライトを浴びない人生をずっと歩んで・・全くですよ!
王道とか女子力とか全く分からないんで。
だから、「女としてこう生きろ」みたいなことが未だに化粧の仕方も分からないですしね。

真鍋
今日もスッピンですもんね。

深澤
「とくダネ」のときにやられる30分が長い!長い!

真鍋
もうじゃあ苦痛なんですよ。

深澤
何が行われてるかよくわかんないんです。

太田
今日はじゃあ、あえてスッピン何なんじゃなくて、やり方が分からない。

深澤
これで公演とかしてます、普通で。
NHKくらいならこれで出てる。

真鍋
へぇー、でもやっぱり深澤さんご自身も相当変わってるじゃないですか?
自分でなんかキャッチコピーとかは付けないんですか?
そういう女の人を人くくりにしてとか?

深澤
あーだからですね、まぁやる気がなくて良いなって思ってて
「女子力」より「女子術」とかね。
「女子力」頑張ってる女の人はなんか宇宙人みたいな感じで
ただ尊敬するだけなんですけど。
いやな人とか上手にあしらう人とか居るじゃないですか?
なんかこう「上手いな!」っていう、あういう技術って年取っても腐らないどころか・・。
「女子力」頑張ってる方って急に私くらい・・45ぐらいになると、
いろいろ苦情が出てきて「こんなに頑張ってるのに!」とか言って
なんか辛いことが多いのでなんかこう「術」を頑張るというか・・。


真鍋
「女子術」学びたいです!そっちを。

深澤
「女子術」ってすごい高度な方いらっしゃるし、
長く働いている女性って、「女子力」高い女の人って
時々すごい転んじゃうときがありますけど。
「女子術」に長けてる人って男の人でも「女子術」に長けてる方が良いんですよ。

太田
ちょっと多分、「女子力」と「女子術」と
「力」と「術」のちょっと違いを分からない方が聞いてる方にいると思うんですけど、
具体的には、「力」と「術」はどう違うんですか?

深澤
そうですね、「力」ははっきり相手を負かしたいわけですよね?
「力」っていうものは、やっぱり相手があって相手との勝ち負けが
どうしても出てきますよね。

でも、「術」って相手とどういうふうに組み合うか?っていうことで、
そういう長いこと見せられる技なので。
やっぱり技術を磨くことって特に女性は絶対に
どっかのタイミングで「ガタッ」ってきますから。
その「ガタッ」って来た時に多くの同世代の女性たちが受けきれてないんですよね。
私、本当に更年期の話とかマジでしたいんですけども。

真鍋
もう、どうぞ!どうぞ!

太田
でもそれは聞きたいかどうかは分かんないですよ(笑)

深澤
違うの!違うの!カフェとかでみんなに聞きたいわけですよ、同級生に。
「どうなの?みんなは上がったの?」とか聞きたいんだけど、
「真紀ちゃん!そういうこと言うと上がるから」とか言われて!
で、そういう話が出来ないみたいな・・。
いやーすごいよー!怒られるよー!
だって聞けないでしょ?「更年期ですか?」なんて。

真鍋
もちろん!もちろん!

太田
でも同世代だったら聞けるでしょ?

深澤
いや、そんなこと無いんだって!

太田
なんで、なんで?

深澤
いや何か知らないけど怒られる。

太田
あーそう!いやそういうのにブレーキかけること自体が
そのなんかね・・、かえって女性にとって良く無いような、ねぇ。

深澤
良くない!良くない!
だってこうやってね、年下の人も気を遣せるのもおかしくて。
「深澤さん調子悪いですね、更年期ですか?」くらいの方が
気が楽じゃないですか?


真鍋
いや、言えない!言えない!絶対言えない!

深澤
それは要するに、そういう社会の抑制がかかってるだけで。
だって、「二日酔いですか?」っていうのと変わんないもん。
「昨日飲み過ぎたんでしょ?」って言うくらい軽く言って欲しいんですけど。

太田
あー、うちの奥さんなんて全然平気ですよ!
まだ卒業してないんですけど、「もう早く卒業したい、面倒臭い、面倒臭い」って。

深澤
そうなんですよ!私もね、ドキドキしちゃって。
1日2日遅れると、「やったー」とか思うんですけど。

真鍋
それは・・なかなか。
ただその女の人のホルモン的なことって
結構やっぱり触れちゃいけないみたいな。
人もそれぞれ違うし、なんかタブー感がすごくあって・・。

深澤
でもそれがさぁ辛いじゃないですか。

太田
いや、違うっていうことを認め合って
話し合った方が楽じゃないですか!

深澤
「あ、そうなんだ。真鍋はそういうタイプなんだね」
「じゃあ私もこうなんだね」とかって言って、
みんなで足をさ・・

太田
なんで異性間の私と深澤さんの話があって、
同性の真鍋さんと話合わないのかわかんないですけど(笑)

真鍋
なんかこうまぁ、女の人によっては
ホルモンのバランスですごくイライラするとか、
自分でコントロール効かないっていう人もすごくいるし、
私はそういうのが全然わかんなくて、女性の・・。
ただもう血が出るだけなんですよ。イライラとかもしないし。

深澤
でも、そういうのも知りたいわけですよ。
「あ、真鍋はいつでも仕事を頼めばいいな」とか思えるし、
「だけど、私はちょっとあれだから・・」ってみんながシェアすれば、
「酒に弱い」とか「胃が弱い」ぐらいの感じで情報をシェアしないと。
だって40年とか女の人も働くわけだからさ、いろんな事があるわけで。

太田
調子悪くてイライラしてるのを人に言えないことが
かえってイライラや調子の悪さを増してたり、
こう周りが気を遣ったらいいのか?使わなかったらいいのか?
っていう気の遣い方のさじ加減でなんかねぇイライラしたりとか。

深澤
私、大竹さんがいないと思って言いたいこと言ってますね(笑)

太田
いやいやいや、たぶん大竹さんがいても
言いたいこと言うタイプだと思いますよ、深澤さん。

深澤
リスナーの皆さん、すみません。

真鍋
あと、先ほど言っていた「草食男子」とか「肉食女子」とかで
2009年に流行語大賞トップ10に入ったのが、
未だにずっと3年くらい言われ続けてるじゃないですか?
なんか次にちょっと来そうな言葉とか・・そういう・・。

太田
今、発信している言葉とか、深澤さん発信の。

深澤
そうですね、これからドンドン増えていくだろうと思うのは
何年も思っているのは、「愛でられ男子」というか・・。

太田
何ですか?愛でられ男子?

深澤
「愛でられ」つまり、可愛がられるというかアイドルみたいな感じ。
「愛でられる」という事はすごく大事で、男の人からも女の人からも可愛がられ・・
つまり昔はね、私たちの世代のときはおじさんに可愛がられなかったら、
絶対に!偉くなれなかったんですよ!

真鍋
絶対に!!

深澤
だから私は、全く偉くなれなかったんだけど(笑)
だけど、今っておばさんに可愛がられても偉くなれたりするんですよ、男の人が。
そういうふうに色々な力のある人とか面白い人に
愛されるための技術を持つという方が大事。

つまりね、「前向きに積極的に頑張ろう!
「男はエネルギーを持っていこう!」っていうときに
道が間違っていたらどうしようもないわけ。

真鍋
そうですね!

深澤
だけど、いろんな人に愛されてる事によって
「お前を助けたい」と思うっていう事がすごく大事で。
だから、そういう男性が増えていった方がいいし。
それも「女子術」に近いんだけど、やっぱ技術なんですよね。
誰かに引っ張ってもらう。

真鍋
芸人さんとかでも提唱してる人とかいますよね?
(カラテカ)入江さんとか・・。


深澤
とかもそうだし、あと(サバンナ)高橋さんとかもそうじゃないですか?

真鍋
「太鼓持ち芸人」ってそういうスタンスでやってらっしゃる方。

深澤
そうそうそう。あういう人はこれからすごく増えていくし。
私たち自身もやっぱり、昔だったら若い男の人に何かをアドバイスするのはすごく難しく・・
初めて男性の部下を持ったときなんか、本当にハゲるほど悩んだんですけど。
今は本当に普通に相談とかされて。

むしろ男性のうちの世代とかだと、バブル世代なんで勝った方法論しか知らないから
良いこと教えてあげられないんですけど。
私たちは負けた方法論を知っているので、「とりあえず嘘ついちゃえ!」とかね(笑)
「休んじゃえ!休んじゃえ!」「逃げちゃえ!逃げちゃえ!」とかって
そういう事も教えられるのでやっぱり愛でられるのは男子にも女子にも・・

あのね、女子はね「愛され」とか「モテ」とか訳わかんない方に行っちゃうので
女子も「愛され」とか「モテ」とかじゃなくて、「愛でられ」!

太田
同性の先輩から愛でられたりとか。

深澤
「あの子がいると面白い」とか「楽しい」とか「とりあえず呼んどけ」とかね。
「メールのCCに入れといてやれ」ぐらいの。
「愛され」とか「モテ」はね、やっぱり人に嫌われますよね?

真鍋
ああ、嫉妬も生みますもんね。

深澤
そう!「愛され女子」と言って好かれる人はあまりいない!
「愛でられ女子」だったら、「なんかそうなのかな?」
真鍋さんなんかは、かなり愛でられ?

太田
いや、「女子術」「愛でられ力」はかなりあると思いますよ!

深澤
あると思いますよ。
おっさんでもあると思うんですけど、
おっさんと愛でられがちゃんと持ってる気がします。

太田
あのー、深澤さんにあえて反論するわけじゃないですけど
その「愛でられ男子」「愛でられ女子」の方が
これから生きやすいとおっしゃいますけれども。
やろうと思っても、絶対そうなれない人も、やはりいますよね?
そういう人はどうしたら・・?

深澤
そういう人は愛でればいいんです。
下の人を引っ張ればいい。
私もね、愛でられることが全く!1個も出来ないので
今もう愛でまくってます!

真鍋
それでもいいのかー!

深澤
「北京ダックとかフグを初めておごるおっさん」っていう
仕事を今やってます。
これが本当に幸せなんですよ!

真鍋
確かに覚えてるもん!はじめてフグ食べさせてくれた人!

深澤
そうですよ!「はじめてのフグのばばあ」として生きていこうと思って
もうね、「フグ食べたことある?北京ダックは?」とかって言って食わす。


真鍋
なるほど(笑)
フグ童貞を奪うっていう・・。

深澤
もうね、たまらん!
フグ処女とか5人くらい、ガッとね狙っていくみたいな。

太田
深澤さんの話を聞いてると、
これから良い意味で性差がなくなっていった方が
みんな生きやすいっていうこともあるかもしれませんね。

深澤
というかね、性差を自分の中のチャンネルで
真鍋さんみたいにおっさんと女子を上手く切り替えるみたいな・・。

太田
上手ですよねー!

深澤
上手ですよ!
いやでもね、この世代はだから私すごい学べて・・
私、男子も女子もこれぐらいの子が一番してるんですよ!本当に。

太田
あら、真鍋かをり持ち上がっちゃいましたよ!

深澤
だからね、やっぱり何て言うのかな?
面白がれる人たちなので、おっさんの時はおっさんで。
女子の時は女子で、男子の時は男子でっていう
チャンネルをたくさん持っているので。
チャンネルたくさん持ってると、しんどい時に逃げられるんですよね。

太田
なるほど!
このあのね、さっきちらっとご紹介しましたけれども
深澤真紀さんの御本『「そこそこ ほどほど」の生き方』も
ある種、良い意味での逃げ方のノウハウ本っていう感じしますよね。


深澤
ただただもうね、私も本当にひどい人生を歩んできてですね。
もう自分も悪かったし、人間関係を・・

真鍋
いや、そこすごい気になりますけど!

深澤
いや本当ね、真鍋さんとは朝まで語れるくらいのですね。

真鍋
いや、語りたい!!

深澤
たぶん真鍋さんと私はけっこう色々あると思うんで・・
すごい目に遭ってるんですよ(笑)

真鍋
私もけっこうすごい目に遭ってるんで・・。

深澤
知ってますよ!もちろん!!(笑)

太田
その場に一緒にいたいとはあまり思わないですけど(笑)

深澤
その時に思ったのは、
少なくとも私は戦うと上手くいかないタイプ。
「戦いキャラ」ではあるんですけど。
その度に「あなたは間違ってると思う!」とか言ってはですね
自爆し・・自爆し・・自爆し、みたいな。
で、今はもう目をつぶって走って逃げます!

もうね逃避的仕事術というか、
でも嘘もつくし・・
とにかく長い目で見たら、絶対に逃げたり嘘つく方がやっぱりいいことがあって。

その時イライラすることを解決しようとする・・
特に女の人は真面目だし正義感が強いから、
「これが許せない!」とか思うと、ギーッてなっちゃって。
夜中に200語くらいメール書いちゃったりとかね。

「ちょっと太田さん!会議室来て下さい!」とか言って
「この間の件ですけど!」とか言ってね。
なんかさぁ、そんなこと言ったってどうにもなんねぇよ!ってことを
私も最初の15年くらいはそういうことやってたんですけど。

今はもうとにかく、「あーそうなんだー!じゃあ帰ります!」みたいな
だいぶたくさん叔父さんと叔母さんが死にましたね(笑)

太田
良かったー!会ったのが今の深澤さんで!

深澤
本当!本当!
当時の私はね、今より面白かったけどキャラはまずかったですね。

真鍋
ただ力で来たものに対して力で返すと
やっぱりうまく出来ないですよね。

深澤
負けても傷つくんだけど、勝つ方がだめですね。
あのね、負けた相手がいつまでも恨んでる。
で、何かの時にすごい穴を掘ってくれるんですよ!そういう人って。

私がみんなの前で会議とかで勝ったりしたら、
3年後とかに復讐されたりとかするんで(笑)

こっちはさ、その復讐された原因をもう忘れてるから。
「なんで私、この穴に落ちたのかな?」って。
また私が復讐されやすいキャラクターなんですよ。

真鍋
そうですねー。

深澤
「そうですね」って何だよ(笑)

真鍋
いや、なんか分かるな!と思って(笑)

太田
この『「そこそこ ほどほど」の生き方』って私も読ませて頂きましたけど
どなたでも薦められるという本でもないし、
どんな状態の人でも薦められる本でもないけれども、
ある人のある状態にはズボッとはまって、
「どんだけ救われるか!」っていう人が絶対たくさんできるだろうな!っていう本ですよね。

深澤
だいたいね、「誰でも5分で幸せになる」みたいな本は
絶対有り得ないですよね?
私、もう1冊このシリーズの本を出してるんですけど、
「幸せな人は読まないで下さい」って帯に書きました(笑)
人生が上手くいってる時はね、本なんか必要ないですよ。


でやっぱりね、私だって別に成功した話の
A面だけを取り上げる本だって作れるんですけど。
人の自慢話なんて面白くないじゃないですか!

だからね、B面が山ほどあるので、
いろんな方に読んで頂いて、私ほどひどい目に遭わないで頂きたいな!と。

真鍋
そこ何があったか私、聞き出します!

深澤
未だに半泣きになりますけどね、そのB面。

太田
その時に僕、呼ばなくていいわ(笑)

深澤
たぶん太田さんね、ちょっとね吐いちゃうと思うな(笑)
小倉さんにも話せません!B面。
小倉さん私のA面しか知らないです。

真鍋
いやー深澤さん、私もけっこう今まで人生のテーマが
「臥薪嘗胆」っていうのを肝に銘じてやって来たので・・。

深澤
真鍋さんの方が私よりB面多様だと思うけどさ。

真鍋
そこもちょっと語りましょう!

深澤
いやちょっと私、ディープな街をいろいろ知ってるんで。

真鍋
すごい先生が出来た!


(了)

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