今回は、2012年12月28日放送「ニュース探求ラジオDig」
「書籍年間ベストセラー」の一部を起こしたいと思います。
音声は、配信期限が過ぎたためありません。
参考リンク:
TOHAN 2012年 年間ベストセラー 総合
江藤愛アナ(以下、江藤)
このランキングをご覧になっての率直な感想を
お二人に伺っていきたいんですが・・。
まずはどうですか?・・大森さん。
大森望(書評家・以下、大森)
いや・・あの毎回そうなんですけど
大体やっぱりこのところずっとダイエット本だとか
実用書が強くて、小説はあまりなかなか入ってこないとか・・
そういうことはあるんですけど。
これ・・あの・・何のベストなのか?っていうのも
問題があって書籍の総合ランキングみたいに言われて
これがでも全部の書籍かっていうとそういうわけでもなくてですね。
これあの「単行本」といわれる形のものなんですね。
例えば「ムック」は入ってないし、「文庫本」も入ってないし
「コミック」も入ってない。
それ以外の全部の本の中のベストっていうことになるので
例えば、小説は実は「文庫本」で売れてるとかね。
一番世の中で売れてるのが「ONE PIECE」だったりするんですけど(笑)
ここには入ってないとかですね。
まぁそういうこともあるので、その辺を考えないと
「あ、今の世の中の人はみんなこういうダイエット本しか読んでないのか」とか・・
藤木TDC(以下、藤木)
毎年、毎年ねそういう危機感を覚えるんですけども、実は同じような・・。
大森
それはだから分母の取り方の問題なので
そのへんをちょっと勘違いしないで欲しいという感じですね。
江藤
なるほど、速水さんはいかがですか?
速水健朗(以下、速水)
とはいえね毎年毎年、出版の流行とか傾向ってあるんですよ!
ただ、本当に出版不況って10年くらい言われてるんですけど。
結構ビジネス本ってここ10年バブルだったんです。
ただ本当に今年というか去年ぐらいから
ビジネス書の編集者たち、ぼく仕事上付き合いある人たちも
「本当にビジネス書もバブルがはじけてきた」と。
でやっぱ、「本当にダイエット本しか売れないよね」って
ことを言い始めていて。
で、今年のトップ10見てみると、「タニタ」って別に今年じゃないんですよ。
ブームになったのってもう2年くらい前じゃないですか?
「人生がときめく片づけの魔法」って近藤真理恵先生
これも今「2」が出てる、「2」が話題ですけど。
「1」がミリオン超えたのって全然去年の話で、
本が出たのって更にもっと前の話だし。
まぁ「人間革命」とか言うまでも無いですけど。
そういう「昔の名前で出ています」っていうか
今年の流行ではないものを引きずっているものだけのものが多すぎる。
まだ去年までは例えば「サンデル」ブームとか
「ドラッガー」ブームとかあういう知識を得るっていう流れの本の流れがあったりとか
いくつか流れがあったんですけど、
今年は本当にそれすらね、ちょっと無くなってますよね。
藤木
これは何か・・批判するわけでは無いですけども。
「ラジオ体操」とかね・・非常に分かりやすいというか
分かりやす過ぎる感じのものがね。
速水
「死ぬ」「痩せる」「救われる」で
その3つのワードで語り切れるというか・・。
割とその「死ぬ」っていうのは宗教とか「大往生したけりゃ・・」とか
いわゆる、お年寄り・高齢者向けに「いかに死んでいくか?」っていう本が
ここ5年くらいのブームなんですよね、それはやっぱり強いですよね。
藤木
終わる方の「終活」っていうのがね。
大森
だいたい定番化が進んでて。
お馴染みのもの、あと絶対失敗しないもの、みんなが「良い」と言ってるものとか。
みんなが読んでいるものを読んでおけば間違いないだろう的なことがすごく多いですよね。
ただ、今年は去年と比べると
去年はミリオンセラーが7冊とかあったんです。
すごい結構大々的にいろんなものが売れたんですけど。
今年はミリオンセラーが全然でなくて。
これ実は「聞く力」が最後の最後に年間ランキング発表した後に・・
本当は11月末締めなので、まだ100万いってないですけど。
その後に文春がご祝儀でドンとまとめて100万部まで到達させる
増刷を最後にドンとやった・・
江藤
ああじゃあランクインした時点ではいってなかったんですね。
大森
ええ、その後100万部まで到達させて無理矢理1年間では
100万部っていうのを達成したんですけど。
それでまたね実際売れてるみたいですけど、新聞広告も大々的に打って。
昨日某所の忘年会で阿川さんが大々的におごって頂いたんで・・。
「もういいわよ!私が全部出すわよっ!」って。
こう散々言われてるから(笑)
でも阿川さんはおかげであっちこっちでそれ全部言われてる。
「阿川さん売れたんでしょ?100万部でしょ!?」って
あっちこっちで言われるから全部おごらされて「全然残らない」って
愚痴ってましたけど。
藤木
印税って税率が高いから結構稼いでもね・・ごっそり持っていってしまうんですよね。
だからなるべく少しでも経費に反映させないとドッサリ持って行かれて・・。
大森
実はね大したこと無いんですよ、100万部って言っても。
「聞く力」新書で定価も安いですし、これはライターの人にも
一部印税が行ってたりするので。
そんなに何億も儲かったりはしてないと、ウン千万ぐらいなので
それを気前よくおごって散財してるという状況らしいですよ。
江藤
ちなみにお二人が読んだ本というのはランクインしてたりするんですか?この中に。
大森
そうですね・・僕はそれこそ「聞く力」と「舟を編む」と
ああまぁ「置かれた場所で咲きなさい」も一応読みましたね。
江藤
一応・・。
大森
ああちゃんとラジオで紹介したので。
「人生がときめく片づけの魔法」も読みましたね。
まぁ読むとそれなりにね、なんか「片づけの魔法」もなるほど!とは思いますけど
「なるほど!」とは思うけど、それが出来れば苦労は無いよなっていうね。
「書類は全捨て」とか「あっ気持ちがいいな!これいい!」とは思うんだけど。
藤木
速水さんてこういうの結構お仕事の書評もやっていらっしゃるから
無理矢理でも読まなきゃならないみたいなこともね・・。
速水
割と僕はそうです、なんか偏って読むことはないので。
この中では「人間革命」以外は結構読んでます。
読んでるかも知れないですね。
結構「聞く力」はね、すごい実は影響を受けたというか
全部面白い本というか10面白い本というか面白いことばっかし書いてる
本では無いと思うんですよ。
9凡庸なんだけど、1もの凄いこと書いてあって、この本って実は。
僕ね、インタビューの仕方この本読んで変えました。
成功しました!
1凄いことを書いてる本ってすごいな!と思うので
僕には書けない本なので・・
藤木
あ、じゃあ僕も読んでないけど、ちょっと読んでみる・・
江藤
これじゃあ私、貸しましょうか?後で。
藤木
ああ、じゃあお正月休みが終わったら・・。
速水
僕らの仕事に取っては結構必要な情報というかね、
「えーっ!そうなんだ!」っていうね
あっと驚かされること書いてありますよ。
江藤
へー、だってこの本の中にも
「聞く」っていうのは実は普段の会話の中にもありふれてて・・
速水
まぁそう言うとなんかありふれた話じゃないですか?
「そんなの分かってる!」って。
けど、僕は今までインタビューの仕方を
例えば10質問を考えていって、それを全部聞いてくるのが
インタビューだと思ってたら、阿川さんはそうじゃないんですよ。
「聞くことは1個だけでいい」と。
余計なことを元々メモして行くな!と。
それやってから僕インタビュー上手くなったんですよ!
それってあんまりプロだから逆に考えつかないことじゃないですか?
藤木
それは後で構成されるアンカーの方に気を遣ってとか
そういうことではないですよね?(笑)
インタビューが上手くなる本とか取材力がつく本とかって
本当に昔からねぇ延々ありますよね?
だから、まぁ僕もちょっと自分の仕事頑張らなきゃなんないなと思って
何冊か読んだりはしたことはあるんですけど。
全然上手くならないのでね・・
速水
僕もそうです。
完全に今までは「あ、すごい!わかるわかる!」っていうのが9有る本って
分かるけど、「いや、別にやってるしな」とかあんまり身につかないんだけど
この本は「こんなの知ってるよ!知ってるよ!」って思いながら
1個だけすごい情報があったので。
大森
普通に考えると、そういう商売の人以外が「聞く力」は別に必要ない
100万部もどうして売れるんだ!っていう話になると思いますけど
やっぱ今、コミュニケーションスキルがものすごく重要視されるという
世相の反映になっていて・・
やっぱ「就活」の人とかが、こうね。
でも就職の役に立つのか?っていうとまた別だと思いますけど。
藤木
一般の人はその「聞く力」から何を導こうとしてるのか・・
大森
そうなんですよ、でもやっぱり人付き合いが上手くなるっていうことが
全て上手くいく人生の秘訣みたいなことになっていて・・
でも阿川さんがこれを書いたおかげで・・何だっけ?
昨日も言ってたのは、20年ぶりにお父さんと会って全然話すことは無いんだけど
何を聞けばいいんでしょう?とかって相談されて
「そんなこと私に言われたって知るわけ無いじゃない!」って言ってましたけど(笑)
まぁ「聞く達人」となってしまった以上
あらゆる質問にもパパっと答えなければいけない。
藤木
ただ池上彰さんとかは、「なんとかの力」みたいな本を出して
けっこうご自分でもテレビでもたくさん・・
まぁ文筆に専念すると言った割には選挙とか色んなテレビに出てるじゃねえかと
思ったりするんですけど、今日も出てるのかな?もしかしたら他局に。
だけど阿川さんは「聞く力」って出したからって
そんなに「阿川佐和子の○○インタビュー」ってドドドドドって
増えてるわけでは無いですよね?
大森
まぁでも今、「サワコの朝」っていう冠番組をお持ちになって
もうすっかり日本を代表するインタビュワーっていう感じに・・
逆にでも「聞く力」が売れたっていうのは、阿川さんがあれだけ
「週刊文春」で仕事を毎週してこられたご褒美というか、
阿川さんの人柄もみんなが分かった上で阿川さんの魅力で本も売れてるっていう
感じがしますけどね。
藤木
速水さんはこれ、ご自分ではすごい役に立ったでおっしゃってましたけど
普通の読者はね、あと残りの人たちっていうのはどんな事に
役立つと思われますか?
速水
「聞く力」が?
まぁ本当にコミュニケーション能力が大事だっていう話に
本当尽きると思うんですよね。
でまぁすごい読んで易しい本なのとやっぱベストセラーになるって
女性の力がすごい重要なんですよ。
それって昔から「窓ぎわのトットちゃん」のころから
あれなんだっけ・・「サラダ記念日」とか
「愛される何たら・・」とか。
藤木
あとハリーポッターなんかもそうですよね。
速水
読書好きって人たちってやっぱミリオンいないんですよね。
ある程度、読み手としては女性でうちの母親とかのレベルで
読むようになったらミリオンなんですよ。
うちはまさに本当に「吉里吉里人」とか「窓ぎわのトットちゃん」とか
うちにあったんですよ、子どものころに。
まさに阿川さんってそういうところに届いた感じですよね。
藤木
あの、亡くなった飯島愛さんの「プラトニックセックス」とかもね
全然本とか読まない人から持ってると「貸して!貸して!」って言われた
記憶がありますね。
速水
ミリオンセラーってだいたい本読まない人に届いた本っていうか
本読まない人しか読まない本と言っても過言ではないんですけど。
江藤
この女性の力ということで、
35歳の方なんですが、主婦の方でですね。
「阿川さん前から素敵だと思っていましたが、
話を聞いて早速『聞く力』を買いました。」と
「今読んでいますが、阿川さんの人柄とか
これまでインタビューされた数々の方とのエピソードが楽しくて
あっという間に読んでしまいそうです。
メールやパソコンでの顔を合わせない会話が増えている今、
人と人とのコミュニケーションを教えてくれる本です。」
速水
鋭い!そうでしょう、まさに。
江藤
もう1位なのも納得!っていう感じなんですかね?
速水
うん、しかもロングセラーなんですよね。
これ結構長い間ジワジワ・・まぁ最後にラストスパートとかもあるんですけど
ここまで来るまでに「なんか常に売れてるぞ、売れてるぞ」ってランクインしながら
気づいたらミリオンになっていたっていう。
大森
もう1月ですもんね、発売がね。
藤木
いま、速水さんも大森さんもその「コミュニケーション力」みたいなことを言うんですけど
「コミュニケーション力」ってそもそも何なんですか?
それとそれがあることが何か人生にとって役に立つっていう・・
大森
いや、それはもう幻想だと思いますけど(笑)
少なくとも「聞く力」を読んだからといって
コミュニケーション力は身につかないし、
コミュニケーション力は本を読んでる時点で
コミュニケーション力は身につかない。
速水
町へ出て合コン行けよ!っていう・・。
大森
コンビニの店員さんと毎日あいさつしましょうとか、
なんかそういうことから始めた方が良いと思いますけど。
そういう空気にすごいなってるわけですよね、やっぱりね。
面接でもとにかくコミュニケーションの力が有るか無いかだけが
判断されるみたいなことが言われるので・・
速水
さっきのランキングで「片づけ本」ってここ数年のトレンドなんですよ。
「断捨離」とか「整理術」とか
みんな片付いてたら買わないですから!2冊目は!
江藤
相変わらず片付いてないってこと(笑)
速水
片付かないし、コミュニケーション能力つかないから買うんですよ。
大森
で、ダイエットも成功してないから(笑)
速水
当然ですよね!
大森
みんな上手くいかない・・。
江藤
でもなんか世の中って自己啓発っていうのを求める
もちろん私もすごく求めるので、それはなんでそういうブームが
ずっと?どのくらい続いてるんだろう?っていう。
速水
「自己啓発本」のブームは基本的にはアメリカで90年代に起こって
日本ではここ10年だと思います。
「自己啓発本」ってすごく難しいんですよ。
英語で言うと、「セルフヘルプブック」って言って割と「宗教本」なんです、実は。
「宗教亜種」みたいな感じなんです。
ただ日本では「ビジネス書」と「実用書」とすごいそこの中間ぐらいの
どっちでもない本みたいなものが有り得るんで非常に分かりづらいんですけど
本来はかなり宗教的なアメリカでのセルフヘルプ寄りの本なので
オカルトです、はっきり言うと。
大森
そういう宗教団体なのか自己啓発団体なのか区別がよくつかないみたいな
ところがたくさんあって・・。
速水
元々90年代アメリカで何故流行ったのか?っていうと
アメリカは90年代、景気は良かったんですけど、すごい格差が広がった時代じゃないですか?
社長とかCEOにお金が行ってしまって、一般労働者たちは貧乏になった。
その時にいわゆるメガチャーチっていう宗教ブームが来るじゃないですか?
そのメガチャーチの側がよもや宗教で亜流だったセルフヘルプを認めて
自分たちがそれを取り込んで売るんですよね。そこで大ブームになって、
「あっ!教会が認めたんならいいや」っていうふうにみんな思っちゃうので。
それが10年ぐらい遅れて日本来た。
日本は宗教はそこまで根づいてないので、個人のスキルとかね。
ちょうど日本でも格差が起こったのが90年代後半以降なんですけど。
みんな社会が黙っていても良くなる時代って自分のスキルってどうでも良かったんです。
ただ、社会が悪くなっていって
「いや、会社に頼れないぞ」とか思ったときに、
「自分のスキルを上げなきゃ!」っていうので割と日本で受けた
「セルフヘルプ・自己啓発本」っていうのは・・元々は「信じれば救われる」だったのが
「努力したら救われる」に変わるんです!
これ日本人のすごい面白いところで、日本人は努力が好きなんですよね。
藤木
だから最初からいらない・・
多分、「年功序列」とか「終身雇用」とかが無くなった段階で
その自分でなんとか切り拓かないと将来は無いぞ!収入は無いぞというような
何か危機感みたいな、危惧みたいなものがね読ませるということになるんでしょうか?
速水
まさに勝間和代さんみたいな人が「自己啓発本」の書き手だと思うじゃないですか?
勝間さんってけっこう「努力しろ!」って言うんですよ。
「努力して実力を付ければお金持ちになれる」とか「成功出来る」
それって本当は「自己啓発本」ではおかしいロジックで、
「自己啓発本」って努力しないでも大丈夫って言うんですよね。
「ナポレオンヒル」とかは。
そこがちょっと、勝間さんが受けるところっていうのは
宗教ではなくてやっぱ「努力信仰」日本的な自己啓発本っていう
ジャンルが生まれているっていうのは、ここ10年の日本的な流れですよね。
大森
やっぱりその「引き寄せの法則」みたいなものは
話がうますぎて日本人はどうも信用出来ないということですか?
速水
まさに「引き寄せの法則」がど真ん中カルト・・あれなんですよ。
本当に「努力要らないよ」っていう話なんですよね。
江藤
ちなみにこういうベストセラーに入っているのも
やっぱり「努力型」という本ですか?
速水
えーとね、自己啓発が原点にある本ってこの中では実は、
「人生がときめく片づけの魔法」ってみんな「お片づけ本」だと思ってるし
こんまり先生すごい可愛らしいので、「自己啓発本」だと思わないじゃないですか?
けど版元を見ると「サンマーク出版」っていう
完全にビジネス書・自己啓発本の・・
藤木
「脳内革命」のね。
速水
あの「脳内革命」は日本の自己啓発本のはじまりと言ってもいいジャンルなので。
いわゆる「自己啓発本」もおじさんたちに売ってるだけ・・
「サンマーク」って元々おじさんに売る出版社なんです。
それが女性に向けて売るようになったのがまさにこの
「人生がときめく片づけの魔法」で、自己啓発本のメソッドを
女性向けにアレンジをして書いたってところがあるんですよ。
だからけっこう流れとしては新しい流れですよね。
大森
「断捨離」が単なる片づけの本じゃなくて
「生き方指南」というか「人生をどう生きるか?」っていうところから
出発しているので、その流れですよね?
速水
しかもヨガとかを持ち込んで・・
藤木
「断捨離」はね、僕の周りでも影響を受けた人間って相当いますよ。
なんかやっぱりライターとか出版関係の人って
本とか大量にね、僕らの時代は本とかCDとか大量にみんな購入してた人だから
みんなドドーっと「引っ越すから全部捨てる!」とかね。
速水
けどあれは実は完全に「自己啓発本」で
「捨てれば救われる」っていう、ほとんどそれしか言ってないんですよ、あの本って。
一応それにロジックをヨガとか付けてくるのは、
自己啓発ってすごいニューエイジと結びついているので東洋哲学とかヨガとかと近いんです。
なので、日本は日本なりにやっぱりヨガとか東洋っぽいものを経由したのは
受け入れられてるんですよね。
藤木
全部が全部そういうわけじゃないんですけど。
大森さんなんか難しい質問かもしれないですけども、
「自己啓発本」とか自己啓発の新書なんか読んでて文章的に見て
読みやすいとか論理的に整合性があるとかちゃんとしてるみたいなことを
感じたものってあります?
大森
それは・・どうなんでしょうね?
むしろ、如何に情報を減らすか?とか如何に同じ事を繰り返す書くか?とか
分かりやすくする努力っていうのの凄さっていうのは思いますけどね。
だから自分が書いたり作ろうとする本の全く反対のところにあるから
「こんなに薄くしないといけないのか!」とか
「こんなに何も言わないようにしないといけないのか!」
「毎回各章でさっき書いてあったことが繰り返し表になってないといけないのか!」みたいなね。
そういうところもちょっとその対極にあるものがすごい売れたりするっていうことに対しては
世の中についていってない感じがしますけどね。
速水
近藤真理恵さんなんてお部屋の片づけとかよくビデオとかでも売ってるので
すごい綺麗に片づけますけど文書はかなりとっ散らかってますから!
情報詰め込みすぎですからね!
藤木
すごいやっぱり読みにくいなーというか・・。
大森
そういう意味では、こんまりさんの本はむしろ親近感が・・(笑)
速水
確かに、自分で書いてる感がすごいありますしね。
大森
で、結局あれも、「ついていけないな」と思うのはやっぱり
「捨てる・捨てない」の基準がね、「いちいち触ってときめくかどうか?」って
その「ときめき」っていう感覚がそもそも分からない(笑)
速水
いや-、あれ結構共感されてるから支持されて。
僕もあれ分かるんですよ!「ときめき」結構!
江藤
「ときめく」っていうのは分かりますよね。
速水
だいたい自分の持ち物っていうのはときめかないんだな!って
俺、嫁を含めて全部捨てなきゃいけないんだな(笑)
江藤
ちょっと失言ですよ(笑)
(後略)
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