今回は、マキタスポーツ「ラジオはたらくおじさん」#14
(7月1日放送分)
マキタスポーツさんが自信の「作詞作曲ものまね」について
語っています。
(音声はこちらから)
マキタ
今日はですね、ここのフリートークのコーナーは、
「作詞作曲ものまね」講座と題して、
僕のネタの作り方、僕の代表的な「作詞作曲ものまね」と
僕がラッピングしているですねネタがあるんですけど、
その奥義みたいなものをチラリと
触れられたらなという事でございます。
以前「作詞作曲ものまね」の定義に対して、
「歌まね」と「ものまね」とちょっと異なる。
僕の「作詞作曲ものまね」ってのは、
番組上ちょっとお話ししました。
僕の場合は、声を真似たりとか姿形を似せてったりすることに
あまり関心がないもので。
アーティストの作風、思想考えてることみたいなこととか、
歌いそうなことやりがちな音楽的なクセみたいなものを
これを模写する。
かつ、その人らしくオリジナルな楽曲として
作り替えてみせるってのが僕の「作詞作曲ものまね」なんですが。
一つには作る方法なんですよ。
「ものまね」っていうように言ってるから、
ちょっとそこらへんはぼやけてるんですけど。
これはもう演芸用語に落としこむために
僕が「ものまね」というふうに言っているだけで、
音楽を作るにあたってのプログラミングの手法と
いうように考えてもらっていいと思います。
あのこれから何か音楽を作りたいなっていうときに、
何から始めていいか?
ギターはいけるけどもコピーもやったことあるけども、
歌本とかで口ずさんでコードとかを
覚えてやったことはあるけども、
オリジナルを作ったことがない人に
最適な方法になるんじゃないかな?
ということなんですね。
古くから、(ここからは永六輔チックでいきますよ)
「学ぶ」というのはね、「真似ぶ」という語源から有りますから、
「学ぶ」=「真似る」っていうことなんですよ。
だからアーティストの作詞方法・作曲方法を真似るところから、
自分の換骨奪胎してですねオリジナルのものを
そこから産み出していくってことになってくわけですね。
ものまね芸人との違いってこともひとつあるとおもうんですけど、
ものまね芸人さんはただ単に
その人になりきることを目的にしてるんですけども、
僕がやっていることは、真似ながら自分の
オリジナリティーを出していくっていう作業
にスライドしていくひとつのきっかけなので、これは。
これが第2のポイントですね。
あとですね、仕分けをしたいんですけど。
アーティストにも、
オリジネータータイプとフォロワータイプ
僕はあると思うんですよね。
オリジネータータイプっていうのは、
その人一代限りの一代芸みたいなことに
なってる人のことなんですけど、
極めて天才的な希少価値のある
キャラクター、パーソナリティの人はいるんですよ。
そうではなくて、そういう強烈な個性は持ってないけども、
方法を身につけることによってなんとなくオリジナリティを
なんとなく探し得る方法になるということなんですね。
その人達の事を僕はフォロワータイプというふうに言ってるんですけど、
単純にいうと、
長渕剛さんっていうのは、フォロワータイプの代表的な人だと
僕は思ってるんですね。
あの人は、僕のいう定義の中では「ものまね芸人」だっていう
ふうに言ってるんですよ。
あの人は、元々は吉田拓郎さんというフォークの大家がいるんですけど、
その人のフォロワーみたいな形で出てきたんですけど、
やがてそれが変節を辿っていって
どんどんどんどん進化していく。
で、ビジュアルも変化していって、必ずその元には、
出典があるんですよね。影響されてるんですよ。
影響されて、それを自分の中に取り入れながら、
自分でしかない今日の「長渕剛」像みたいなのを作り上げてる。
やり方が、僕のやっている「作詞作曲ものまね」的な感じで
入っていって、やがて自分の「らしさ」を追求している。
っていうことでいうと、フォロワータイプのアプローチなんですよね。
一方、オリジネータータイプでいうと
矢沢永吉さんっていうのは天から矢沢永吉でしか無かったりとかする。
何かに取り組む時の姿勢だとかあり方に通じると思うんですけど、
僕はフォロワータイプの人に向けてですね。
オリジネータータイプはそんなにいないんで、
フォロワータイプに向けて、
「こういう方法がありますよ」ってことが
3つ目で必要な、ちょっと取り上げたい焦点と
なるところなんですね。
「作詞作曲ものまね」に必要な5つの要素があるんですよ。
これは、
1.歌いまわし
2.歌詞世界
3.メロディーの導線
4.コード進行
5.大づかみな印象論と妄想を含んだキャラ付け(見立て)
ということですね。
1個1個ちゃんと説明していきますね。
1.歌いまわし
「喉ぐせ」というふういうに言ってるんですけど、
何かしら歌い方でいうことで言うと、なんかあるんですよ。
喉の使い方っていうのが。
例えば、「内山田洋とクール・ファイブ」の
前川清さんっていう人がいるのね。
♪ウォゥウォゥウォゥウォゥ みたいなね。
いにしえのものまねとかで聞いたこと無い?
♪あなたひとりにうぃぃぃぃぃ~ みたいな。
これ、喉のくせなんですよね。
そういうバイブレーションの使い方によって、印象付けていく。
その「喉のくせ」を盗むこと。
歌い方のバリエーションがひとつできると思うんですよ。
引き出しになると思うんですよね、そういうのを探すこと。
あと、大友康平とか。あ、同じですからこれね。
ということも発見できますから。
対象となるアーティストの「喉のくせ」を発見すること。
2.歌詞世界
必ず、詞を書く人・作詞をするタイプの人には、
歌詞世界の中で使いがちなキーワードとか、
着眼点みたいなところを象徴するな言葉遣いってものが
あったりするんですよ。ここに注目すること。
3.メロディーの導線
コード進行とかを覚えたらわかると思うんですけど、
CとかFとかGとかの流れの中で、
たどりがちなメロディーの導線って
あるんですよ。そのアーティストが。
なんで同じコード進行はあるんだけど、
そのアーティストはそういうメロディをたどるんだろう?と
必ず気持ちいいところのゴールがあるとしたら、
そこを目がけていくのに、
コード進行がC→F→Gみたいな形だったら、
色んなメロディーのたどり方ってのがあると思うんだけど、
アーティストがたどりがちな癖があるんですよ。
それをちょっと発見すること。
4.コード進行
コード進行なんてのは、手癖なんてことも言いますけど、
必ずそのアーティストが得意なパターンってのがあるんですよ。
典型なコード進行、C→F→Gみたいなのがあるとしたら、
C→B7みたいなとか挟んで、Amにいくとか。
そういう流れがあるんですね。それをつかむこと。
5.大づかみな印象論と妄想を含んだキャラ付け(見立て)
これが結構重要なんです。
これがお笑いになるかどうかのポイントなんですけども。
「この人はこうなんじゃねぇかな?」っていう妄想を含んだ上で、
言い切っちゃう考え切っちゃうって事ね。
「この人はこういう人!」みたいな感じ。
例えば、CHARAさんとかだったら、
「この人は8歳くらい」「精神構造は8歳くらいの女の子」
って思い切って考えてみる。
そういう感じで妄想してみると結構面白いんですよ。
後付けで答え合わせが出来たりするんですよね。
子供っぽい無垢な純真なイメージって有るでしょ?
CHARAさんって。
それをあえて「8歳」みたいなとこにバーンと当て込んでみる。
精神年齢8歳の女の子な感じで当て込んでみる。
そうすると思わぬギャップが生まれて面白いことになるんですよ。
ちょっとね、ギターを持ってきたので作詞作曲ものまねで、
つい最近できたての新曲があるので、やってみたいと思います。
今日はスピッツをやりますね。
スピッツをキャッチフレーズ化すると、
「冷酷と叙情のあいだ」
すごい詩の世界は叙情的なんですよ。
でもなぜか冷酷な感じがするっていうかね、
暖かみがありそうで、暖かみがない。
友達になろうぜ!っていう親しみのあるようなサウンドなんですけど、
握手をしようとすると、
「近いからあまり来ないで」みたいな感じの
距離感を微妙にあるんですよね。
それは歌い方にも現れて、喉ぐせとかにもあるんですけど、
草野正宗さんっていう人はビブラートを全然使わない人なんですよ。
ビブラートって言うのは熱を伝える時に
非常に伝えやすいテクニックなんですけどね。
あと、歌ってる時にあまりまばたきをしないっていう印象があるんですよ。
例えば、眉間に皺を寄せてとか苦しそうにとか、
時にアーティストっていうか歌手はしがちじゃないですか?
この人は目が全然笑わない感じで、まばたき一つしないような感じで
しかもビブラートを使わずに歌ってるところが冷酷な感じがする。
そのギャップなんですよ!
叙情と冷酷があるから素晴らしいんじゃないかなと
言うことなんですね。
(中略)
ということで、作詞作曲ものまねをして
彼らが歌いそうにないよなタイトルを
どうせならつけてギャップを作りたいなということで、
叙情的な詞の人たちは、
絶対にやらないだろうな事って考えたときに、
「ダジャレ」じゃないかな?と思ったんですよね。
ということで、スピッツで「スパッツ」というタイトルの歌を。
だけど、歌詞の世界は叙情的ですよ。
ね、スピッツらしいでしょ?どうでしたか?
橘
あの、パンタロンって何ですか?
マキタ
えっ!そこっ!!(笑)
パンタロンがわからないの?
橘
なんだろうなー?と思って。
マキタ
昔有ったんですよ、そういうズボンが。
パンタロンっていう名称を知らないだけで、パンタロンみたいな
最近だったらサイケチックなズボンとかあったりするでしょ?
それこそ西野カナちゃんみたいな子がバンダナみたいなのまいてさ、
ベルボトムみたいな。ベルボトムだったらわかるでしょ?
橘
えーーっ!!分かんないです。
マキタ
ラッパズボンですよ!ラッパズボン!!
ラッパズボンのことを昔パンタロンって言ったの!!
橘
ああー、そうなんですね(笑)
ありがとうございます。
マキタ
だけどこの、スピッツの草野正宗さんは
なんつーかいい年したおじさんなんですけど、
このね実際自分が言ってるんですけど、
死生観とかセックスが実は歌のテーマ
だったりするんですよ。本当に。
だけども、全然そのセックスの感じとか
死の感じとか表に出して言わないでしょ?
そこがすごく芸のあるとこなんですよ。
だけど、そういうことを全部知ってる
知的な大人でもあるんですよ。
色んな汚れとかも全部知ってる大人で有るはずなんですよ。
でも、そこはかとなく童貞臭がするという。
だからBGMで流れている「チェリー」という歌がね・・。
そこにも繋がってくるんじゃないかな?
と僕は思ったり何かもするんですけど。
ということで、スピッツの見立てと作詞作曲方法ということで、
ちょっとやってみました。
声真似とか余り期待しないで下さいね。
もう一つaikoをやってみたいと思います。
代表曲が「カブトムシ」とかね、「桜の時」とか。
僕大好きなアーティストなんですけど。
以前もチャートのとこでも軽く触れましたけど、
aikoを見立ててキャッチフレーズ化するとですね。
「難解とベタ」ということことが言えると思うんですね。
実はaikoさんっていうのは、
音楽的には小難しいことを
すごいやりがちなんですよ。難解なんですよ。
ところが歌の世界ってのは、
昔からある少女漫画チックなロマンチックな
センチメンタルな女心っていうのを歌にすると、
やはり優秀なアーティストは、スピッツもそうなんですけど、
ギャップがあるんですよね。
キャッチフレーズ化するとよくわかるんですけど「難解とベタ」と。
音楽的には難解、歌詞の世界はベタ。
(中略)
それを踏まえた上で、aikoさんを作詞作曲ものまねしてみました。
aikoさんっていうのは、非常に擬音を上手に使う方でもあるんですよ。
詞の世界で言うとね。「ギュッと」とかね、「鼻先をツンと」みたいなね。
そういうのが上手なので「オノマトペ」って
いうのが擬音・擬態・擬声語ということで
タイトルも「オノマトペ」ということで、擬音と擬声だけで作ってみました。
素晴らしいじゃないですか!!
この41歳のおじさんがaikoさんのテクニックを借りると、
かわいらしく聞こえたりするっていう。
これこそ「aikoマジック」ですよね。
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