カンニング竹山が語る「芸人を諦める年齢が上がってきた」

2012/07/23

Dig カンニング竹山 芸人

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今回は、2012年6月25日放送ニュース探求ラジオDig
「カンニング竹山の黒ぶちメガネ」を起こしたいと思います。

音声は配信期限を過ぎたため、ありません。


カンニング竹山(以下、竹山)
はい、えーと・・あれですよね?
芸人の話ですよね・・をしようと思ってたんだよね。
ああ、そうだそうだ別のこと考えてた、ごめんなさい。

あのね、僕41なんですよ。今、歳がね。
でちょっと最近若手と話す機会があったり、
若手で今、30代で「お、これ売れそうだな」って勢いある人と
この間しゃべったりとか。

あと昨日、ネプチューンの名倉さんのライブちょっと出させてもらって。
名倉さんと久々に・・20歳ぐらいの時に同じ事務所だったので
それですごい可愛がってもらってたんですけど。


名倉さんと久々にいろいろ喋ったりしてて、
いろいろ感じることがあったんですけどね。

僕41で芸歴21年。
東京でカンニング組んだのがちょうど20歳ぐらいの時で、
そっから29歳くらいでだんだん変わってきたんですよ。

28歳くらいで、「もう、これやばいな」と借金もあるし
もう辞めなきゃいけないなっていうのがありまして。
「じゃああととりあえず1年、30歳までやってみるか!」と。

30歳までがむしゃらに何でもいいからやってみて、
駄目だったらもう辞めなきゃいけないって何となく思ってたわけですね。

実際、20歳からカンニングを始めたとすれば、
だいたい8年目とか9年目くらいの時に、「あれ食えるかもしれない・・」っていう。

なんでか?っていうと、いろいろギャラとかが入って来たりとか
仕事がちょっと入って来たりとか、「あいつら面白いね」って言われたりっていう
流れが来たんですよ!

深夜のネタ番組出たりとか、オーディション受かったりとかあったんですけど。
それでちょうど30歳、31歳ぐらいの時に結構テレビに使われ出して、
で、皆さんにカンニングって覚えてもらうっていう時期が来たんですけど。




それでだいたいザッと計算してカンニング結成から10年なんですよ。
当時、今41ですから今から11,2年前になりますけど、
当時僕ら何て言われていたか?っていうと・・

「遅いね-」って言われてたんですよ、出て来るのが。
「苦節10年!」とか「下積んでたねー」って、それを逆に僕らネタにしてたんですよ。

あれから早10年、11年経った今、
現状がちょっと変わってまして。
10年やったぐらいでは遅くないんですよ。
そんな芸人いっぱいいるんですよ!

それでまた・・こんな言葉使うのは嫌なんですけど、「売れてない」っていう。
30代の芸人で芸歴15年、16年そして中野あたりでライブ出てますっていうのが
ゴロゴロいるんですよ!!

ほんでそいつらにこの間聞いたら、
中野あたりとか新宿とかでもいいけど。
ライブハウスの楽屋で芸歴10年超えたやつがゴロゴロ居て、
芸歴9年のやつが楽屋で着替えられないって現状になってるんです。

僕らの時は、芸歴10年くらいじゃもう
楽屋でけっこう威張ってる組ですよね。
でも今はもう芸歴10年以下とはちょっともう
楽屋には入れなくて、非常階段で着替えてますみたいな。

それ何故なら?芸歴十何年のベテランたちが、
でもテレビには出てない売れてないベテランたちが辞めずにみんないると。
その裾野がものすごい広がってるらしいんですよ、東京の場合はね。
在京事務所ですよ、吉本さんじゃなく。
まぁ吉本さんもそうかもしれないけど。

すごく増えてると話したら、
昔は30だったけど辞めなきゃいけない夢見て良い時期は30だったけど。
今、「夢、諦めろよ」っていう歳が40歳になってんじゃねぇか?って思ったそれ。

実際うちのワイルドスギとかそうですけど、38とかで売れたりしたし。
Hi-Hiとかも36とか37じゃなかったですか?
だからそれがちょっと変わってきてるんじゃないか?と思ったんですけど。


果たしてじゃあそれが悪いことか良いことか?
昔このラジオでもちょっと話したかもしれないですけども。
僕はこう思ってたんです、自分の経験から。
お笑い芸人のパターンね。

20歳で入って来たとしましょうっていうパターン。
20歳で入って来て、だいたい23歳ぐらいまではノリでいけるんですよ。
何故か?っていうと、見た目が可愛かったり見た目がフレッシュじゃないですか?
だからネタとかもフレッシュなネタとかもやる子が多いんですよ。
元気いっぱい!とか動きいっぱい入れてます!みたいな。

そこにライブハウスがメインになりますけど、
ライブハウスも20歳・21歳ぐらいの子を一番近い感じで
応援する女子高生くらいがいるわけですよ。
「かわいい!」とか「カッコイイ!」とか「面白い!」とか。
面白いのも勢いだから面白く見えるし、
ネタも「高校時代さぁ」とか「高校時代の先生がよー」みたいな事をいうから
ライブハウスの客と近かったりするわけなんですよ。

だから勢いで行けるんだけど、
たいがい1回23歳くらいでコンビを解散したり辞めたり
人気が無くなったりするわけライブでは。

何故か?っていうとこれ良く出来た話で。
3年くらいは勢いで行けたんだけども、
23歳になったらライブハウスの客が変わるんですよ。
すなわち、ライブハウスの女子高生たちが高校を卒業して
大学行って彼氏が出来たりするんですよ。
そして、ライブハウスには新しい女子高生が入って来たりするんですよ。

ということは、新しい女子高生にとって
23歳のやつはちょっと上のやつなんですよ。
それと同時に20歳の芸人がまた入って来るわけです。
そして23で1回辞める人が多いんです。
僕の経験から言うとよ。

でもそれでもまたやろうって人が芸人やると
次、26か27で辞める人が出て来るんです。
23から26まで昔は人気があったけど、
今なかなか昔みたいな人気がないってことでずっとやってると。
26の時に親から言われたりとかそこで自分に恋人が出来たりとか、
色々考えて「30の壁」が見えるんです。

親から「いつまでそんなことやってんだ!」って
「いや、30までやらせてくれ!」とか。
そこでちょっといろいろ自分で考えたやつは、
「やばい!今辞めて働いたら、30の時はちゃんとまともに戻れるかもしれない」
ということで、26くらいで結構ごっそり辞めてく。

で、次が30なんです。
30になってまだ売れてなかったりすると、
もう親からも言われ「もう30か・・辞めなきゃな・・」ってことで
夢破れて辞めていくというそういう動機とか後輩とか先輩が
僕らの時いっぱいいたんですけど。


30になっても売れないで続けてるって
あんまりいなかったんですよね。
それが今、30からでもゴロゴロいるから。
だからその、「無理だ」とも言えないし全然売れたやつもいるし、
そこらへんが変わってきたのかな?

じゃあ実際みんな40になった時に辞めんだろうか?って
考えた時に、みんな辞めないと思うんだよ、きっと。
なんていうのかな?全然お仕事をしてない・・
言ったら売れてないけどもずーっとやってます・・
下手したら「43歳だけど若手芸人です」みたいな。
41歳でも若手芸人も出てきてると思うし、45だけど若手芸人です・・
このまま言ったら「今年で50何ですけど、若手です」って言うやつが
俺いっぱい出て来ると思うんだよね。

実際いま38歳で若手芸人ゴロゴロいるわけだから。
それが良い悪いは別としてね。

で、そいつらに話を一昨日聞いたらね。
僕らの世代は例えば上がいるじゃないですか?上の人。
まぁ昔からよくベタに言うと、頂点にはさんまさんとかたけしさんとかいて。
その下にも雨上がりさんとかさまぁーずさんとかいっぱいいて。
よく冗談で「上が辞めないから俺たち上行けない!」とか。
それはもうさんまさんとか昔から言われたことじゃないですか!


それを僕テレビとかでみんなよく言ってたんだけど。
そのライブの30代でライブ出ている子たちは、
僕らを見て、僕らちょっと世代上ですから。
僕らを見て、「テレビ出てもその人たちがいるから俺らテレビ出れない」ってなったりとか。

あと20代の子たちはその30代でライブハウス出てる奴ら見て、
「この人たちがいつまでもライブハウス出てるから、辞めてくんねぇから俺たち・・」
だからピラミッドの構図の中身が下の方までぎゅうぎゅう詰めで詰まってきたっていう。

だからそれがちょっと変わってきたのかな?って思いますよね。
高齢化社会とこれがつながってるのかな?ってなんとなく思ったりとか。
だから40ってのが上がってきてるのか・・・。
でもたかだか10年で。

俺が喋った後輩に言われたのが、そいつらが16年やってるやつだったんですね。
「16年やってんのよ、大丈夫?」みたいなトークした時に、
「いやいや、待って下さい!僕らはカンニングさんの話を聞いてるし、昔カンニングさんを見た」
「カンニングは苦節・・売れなくて苦節でやっとおじさんになって売れたんじゃないですか!」
「あういうパターンもあるからやろう!って言ってやってるんです」って言うんだけど。

「いや、ちょっと待って!」と。
「あの時、俺29だよ!」って言ったら、みんな顔青ざめるのよ!
「あの時、俺9年目くらいよ!」って言ったら、
「えーっ!もう16年やってる!」みたいな。
だからその幻想だけでやちゃったみたいなの・・もあるんですけど。

でも今からはわかんない。
ちょうど18年くらいで売れるっていう世界になるのかもしれないですし。

外山恵理アナ(以下、外山)
竹山さんが老けてたからじゃない(笑)



竹山
そう!!いやそれ冗談じゃないのよ!!
本当にそれがあるのよ!それも言われたの!
「えっ!あの時20代ですか!」とか。

外山
そうです、だって全然変わりませんもんね。

竹山
細かく言うとだいぶ変わってるんだけど。
テレビに出してもらった時にもう現に老けてたから。
相当苦労したおじさんみたいな出方してるから、
そういう間違いが起こってるんです。

そういうおじさんになるまで全然駄目だったんだろうな?と
思ってらっしゃる方も多いと思うんですけど。
実際は28、29くらいから変わりだして、
30の時くらいからはちょっと家賃払い出してるのよ。
31,32ぐらいはちょっと仕事回ってきてましたし。

なかなか、ね難しいっすよね。そういうのがあります。
それが時代が変わったのかどうかわかりませんけど。
役者さんとかいっぱいいらっしゃるじゃないですか?
だから役者さんで50代で売れた方もいらっしゃいますし、
ずーっと芝居をやってる方もいる。

お笑いってなかなかそれがなかったんだけど、
何か最近そうなってきてんのね。
下手したらこれからバンドマンとかもそうなっちゃうのかな?
バンドマンとかのシステムを知らないからさ、
バンド界ではどうなってるのだろうか?とか
すごく気になるとこではあるんですよね。
高年齢化が進んでるのか?
だから、夢見る人たちの高年齢化がちょっと
進んでるんじゃないかな?と僕はなんとなく思ったりしてました。

(了)

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