今回は2015年5月14日放送「荻上チキ Session-22」
「セッション袋とじ」坂口孝則さんの回を
起こしたいと思います。
荻上チキ(以下、荻上)
今日のゲストは、分析大好き!調達コンサルタントの坂口孝則さんです。よろしくお願いします。
坂口孝則(以下、坂口)
よろしくお願いします。
荻上
僕も大好き。
坂口
ありがとうございます。
南部広美(以下、南部)
今夜は「目からウロコのデータ分析コラム」と題して分析マニア・坂口さんが分析した意外なデータをご紹介いただきます。
荻上
はい、といっても僕坂口さんから聞くデータ全て意外なんですけど。
坂口
あ、そうですか?
荻上
だってコンビニチェーンの動きのデータとか、調達や流通に関わることってやっぱり僕は押さえないじゃないですか?社会問題とかのデータとか失業、経済、労働、国策的なものは興味があるんですけど、ミクロなところって全く私疎いので、いつも目からウロコですよ。
坂口
例えばチキさんがあまりお好きではない食事に関すると・・
荻上
食事そのものは好きですよ(笑)
南部
ああ、興味がね・・。
坂口
例えば外食産業がどれくらいあるか?っていうのもなかなか中の人じゃないと分からないですよね?今、24兆円くらいですけど。
荻上
24兆円、規模が・・へえー。
坂口
でも確かに24兆って言われても何のことがよく分かんなかったりしますよね。
南部
ピンと来ない。すごい額なんだなとは思うんですけど。
坂口
まあトヨタ自動車くらいっていうことですよね。
荻上
はあ、でも以前も百貨店とかスーパーとかがコンビニとかいろんなものに置き換わっていく様とかいろんな話を聞くだけでやっぱり「そうなんだ、でも世の中そうなってるんだな」って納得しますよね。
坂口
納得するかも分かりませんし、それでなんか数字が1個あったら方がいいなと思ってまして。だからこれちょっと話がズレるかもしれないですけど。僕、日本テレビの「スッキリ!」っていうのの木曜日のコメンテーターやってるんですけど。
一応、心がけているのがほとんどのコメンテーターの方って数字をあまりこうお使いにならないんので。全てのコメントに一応数字を入れようかなと心がけはしていますけどね。意識して。
そしたら、なんとなくかも分かりませんけど違いが分かるんじゃないか?と。例えばさっきコンビニが客単価550円っていう話をしましたけど、今回転寿司の客単価800円くらいなんですね。
と考えるとある程度なんていうんですか?回転寿司がどれくらい優位性を持っているか?とかいうのがなんとなく分かるし、スーパーとかだったらだいたい2分長く滞在したら1品多く取っちゃうというデータがあるんですよね。
南部
あああーーっ、納得!
坂口
なのでスーパーの単なる施策を見るだけじゃなくて、なぜここに長く滞在させたいのか?みたいなところが数的なデータと照らしあわせてみると「あっ、なるほどね!」みたいな。
荻上
確かに、滞在時間か・・。前あの某ドン・キホーテのドキュメンタリーを見たときにわざと店内をジグザグにしていてまっすぐレジに行けないように壁にぶつかって曲がって壁にぶつかって曲がってっていうのが・・
坂口
確かに・・その話が来ると思わなかったんですけど。例えばシャンプー売り場ってあるでしょ?シャンプー売り場って子ども用のやつを一番高いところに置いているんですね。何故か?というと、抱っこしてみる子どもが「それ欲しい!」って言うために。
じゃあ下ろしたら取れないだろうと思うでしょ?まさに同じ商品が下にも置いてあるんですよ。そういうふうな工夫がそれぞれになっていて、かつドン・キホーテは一番いいのは入口入ったときに一番奥まで良い商品が見えるんだけれども、奥に行くのが時間がかかるっていうのが最高の陳列なんですね。
それで時間滞在を延ばす工夫というのが様々されていますんで。だからそういう見方をするとけっこう面白いかも分からないですね。
荻上
面白いですね。
南部
納得、私よく行くスーパー3階建てなんですけど。全部回らないとレジに行けないようになってるの。
坂口
だからあの有楽町にある家電量販店とかでは、やや真ん中くらいにおもちゃ売り場があって、子どもにそこに行かせてから家族連れを下に下ろすみたいなことをやってますし、新宿もそうですよね?
新宿のヤマダ電機も一番上におもちゃ売り場があって、そこにまず家族で行かせて1階1階下に下らせてモノを買わせるみたいな。
荻上
確かに子ども用のプレイスポットみたいな「ここでちょっと遊ばせている間に買い物行けます」みたいなものってけっこう上の階とかにあったりして。
坂口
それで話の続きでいうと、ショッピングモールってあるじゃないですか?ショッピングモールとかだったら女性の靴の売り場の前には必ず宝石売り場とか時計売り場があるんですよ。何故かというと、靴売り場って2分とか3分必ず待つじゃないですか?待っている間ってその靴屋の中で2足目ってあまり買わないですよね?
じゃあ手持ち無沙汰になってるときに外を見るでしょ?外を見たときに「ああ、宝石店だ」とか「時計店だ」って分かったらそこへ行くように動線設計されているんですよ。
南部
もうなんか術中に私ハマってるんだって今聞きながら(笑)
坂口
という言い方もできますし、「ああ、人類の英知がそこに詰まってるんだ」っていう見方もできると思うんですね。
荻上
こういう環境をコントロールするという話は大好きですね。今日はそういったメインというか普段のお仕事の話とはちょっと違うエッセイなんですね。
坂口
そうですね、それで常に仕事で「じゃあこの分析した結果、何が言えるんだ?」っていうことばかり強く求められているものですから、まあ余技として是非ちょっと今からご紹介するやつに対してお2人が入って欲しい感想はですね、「だったらいったい何なんだよ!」っていう感想をしてもらいたいなと。
荻上
「だから何なんだよ」
南部
怒りめで?
坂口
怒り目で、単純に純粋に分析が好きなだけじゃねえか!とツッコまれるくらいのやつを。
南部
ハリセンありますか?(笑)
坂口
ピコピコハンマーくらいあればいいですね。
荻上
なるほど、まあじゃあちょっとリスナーの皆さんも心のなかでちょっとツッコミの準備をしながら行きましょうか?じゃあ1つ目から言っちゃいますか?
坂口
まず最初なんですけども、僕チキさんと同じなんですけど本を書くような人間に20代ぐらいからなってまして、最初に考えたのがベストセラーと呼ばれるものの文章っていうのは違うものに対してどう違うんだ?っていうことを分析しようと考えたんですよ。
で、あるときに僕の先輩でもある山田真哉さんという「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」を書いた170万部か180万部売れた方があるときボソッと「売れる本って漢字の比率って3割以下だよね?」っておっしゃったんですね。
全体の文字数の3割以下だと、で同じようなことを国語学者の方とかもおっしゃってたりとかしたんですよ。普通はそれで聞いて終わりだと思うんですけれども。一応分析好きとしてはこれは分析しないといけないなと思いまして。
ベストセラーと呼ばれるものを全部買ってきて、それを全部裁断したんですよ。裁断してそれをスキャナにかけてOCRという機能がありまして、それで全部文字を読み取ってくれる機能があるんですね。
かつその後でひらがなを消せば文字数が分かるじゃないですか?マイクロソフトの「Word」というソフトがあってそれでその当時「Word」のプログラムの本って出てなかったんですよ、日本で。
だからアメリカからわざわざ取り寄せてそれでひらがなを全部消すようなプログラミングを全部作って。ベストセラーと呼ばれるものをずーっと漢字比率が何%なのか?っていうのをやっていったんですよ、引き算して。そうすると、結果でいうと例外はあるんですけど27~28%ですよ、だいたい。
南部
じゃあその先輩の話は合ってたってこと?
坂口
もちろんこれは必要十分条件ではなくて、もちろんその条件になっていても売れない本はたくさんありますし、逆に比率が低いんだけど売れている本はあるんですけれども。そうやってみると世界で初めて分析したんじゃないかな?と思ってるですけども。
逆の例外もありまして、福岡伸一先生の「生物と無生物のあいだ」とか、45%くらいあるんですよ。なんですけれども、おおむね売れている本の中の傾向でいうと27~28%ぐらいの傾向があるんですね。
「これは面白いな」と思って、目の前に座っているチキさんの文章をやってきたら非常に言いづらいんですけれども、チキさんは漢字比率が非常に高くて・・
荻上
そうでしょうね(笑)
南部
なんか分かるなー。
坂口
それでですね、チキさんの文章は・・ベストセラーは27~28%って言いましたけど、だいたい。チキさんのやつを見ると37%くらいあるんですよ。4割近く。だからやや完全にガチな大衆は狙っていらっしゃらないと思うんですけれども。
荻上
いつもこの人たちに与えよう、「教員向け」とかね。
坂口
で、チキさんの分析をしたときに奇妙なことに気づいたんですね。チキさんの漢字比率に似ている人が1人いるんですよ!
南部
へえー、知ってる人?
坂口
知ってる人で、これ名前言っていいのか?いいですか?
荻上
はい。
坂口
「ちきりん」さんなんですよ。
荻上
ハハハハハ、ブロガーのね(笑)よく僕と間違われる。大変あの困惑することがあるんですけれども。
坂口
だから僕はまだ「チキさん」=「ちきりん」説を捨てきれずにいます。
荻上
いやいやいや、最近ちょっと面倒くさいのは、いや「ちきりん」っていうブロガーの人がいてね本も出しているんですよ。かたや私、荻上チキは飯田泰之さんというエコノミストの方とコンビを組んで「チキーダ」と名乗っているんですよ。
そしたら最近その飯田泰之があるところで番組を持ちましてラジオの番組これ隔週なんですけど。隔週ということはもう1人パーソナリティがいるわけじゃないですか?それが「ちきりん」で、「ちきりん」と飯田泰之とコンビをやってる番組を始めたので「なんて面倒くさいことをやってくれたんだ!」ということ
坂口
じゃあ「I’m not CHIKIRIN」とおっしゃってましたけど、ガチじゃないですか!それ!(笑)
荻上
違いますよ、別人です。
坂口
すいません、そんなことはいいんですけども真面目なやつ入りますね。1つめ行きます、データで裸にする「その商品本当に安いの?」というやつを一応1発目に持ってきました。
南部
それ興味あるかも。
荻上
どういうやつでしょう?
坂口
これはですね、こんなにネチネチしたことやってるやついないと思うんですけど、例えばネット上ですとか実際小売りで売られている商品ってありますよね?で、商品の下落傾向だとか上昇傾向ってデータで取れるんですよ。
それを1個1個見ていくと、それぞれの商品を何月に買ったら一番安いんだ?っていうのを出すことができたんですね。これは僕は僕なりに「お買い得カレンダー」だとか「商品値下がりカレンダー」などと呼んでいるんですけれども。
それをちょっとリスナーに皆様はご覧いただけないと思うんですけど。今5月ですけども、5月から始まって・・
南部
本当にカレンダーにして持ってきて下さいました、坂口さん。
坂口
最近でいうと、最近というか4月とか5月でいうと発泡酒が値下がり傾向にあるんですね。これ面白いのが4月のお花見需要が終わった後にけっこう大量に市場に出るっていうところがあって、
それで見てみるとビールっていうのは「この銘柄飲みたい」っていう人がけっこういて値下がり傾向があまり見られないんですけれども、発泡酒の場合は4月下旬から5月ぐらいに渡って値下がり傾向があるので。
荻上
発泡酒はやっぱり安いやつを手に取ろうみたいなマインドになりそうですもんね。
坂口
ありますよね。で、ビールは夏と年末に下がるんですけども発泡酒は今どきが買いどきだとかが分かって。
荻上
なるほど、つまりどの時期に需要が過ぎたときが来るのか?みたいな。
坂口
これ意外なことが、5月でいうと電子レンジが安くなる時期なんですよ。
南部
何でですか?
坂口
電子レンジが昨年の年度末あたりに出るんですね。これリスナーの方も覚えていただいて損はないと思うんですけど、電子レンジだとかいわゆる白物家電と呼ばれるものっていうのは発売して半年ぐらい経つとだいたい底値を迎えるような傾向があるんですね。
もちろんそれ以降も下がるんですけども、ある程度の底値を迎えるっていうのがこの時期なんですね。
荻上
価格比較サイトの「価格.com」で見ててもね、やっぱりそんな感じがします。
坂口
例えば男性の方が多いとしたら黒物家電と呼ばれるテレビだとかオーディオ機器だとかあるいはその他、ブルーレイディスクレコーダーとかいろいろありますけど、ああいった黒物家電というのは発売して3ヶ月くらい経ったら底値を迎えてるんですね。
なので、ちょっとこれテレビ的な言い方になりますけど。欲しい商品があったら3ヶ月くらい待つっていうのが一番お買い得な時期かな?ということですね。
荻上
電子レンジ5月っていうのは、やっぱりあれですか?1人暮らしの人が買ってとかっていうピークが過ぎてとかもあるんですか?
坂口
過ぎてっていうことですね。逆に言えばそれに向けて新商品を出してきますから。
荻上
そうですよね、だいたい2、3月くらいに「新生活応援フェア」みたいなものが始まって、そのあと余ってっていうことになりますもんね。
坂口
で、あとね意外なのが車なんですよ。車が5月。これデータを見ると5月と年末に下がってるんですけど。自動車って企業の需要ってけっこう多いんですよね。だ
から3月末に企業の需要が盛り上がったあとにけっこう4月5月っていうのは中々企業需要が無いときにディーラーの人が頑張って個人客相手に値下げしようとするのか、傾向から見ると5月そして年末という傾向があるので。
といったようなものを集めて、でちょっとこれ3つほどネタを用意してるんですけれども、役に津立つのはこれぐらいです。
荻上
今日はこれだけ?だからこれを読んでも「だからどうした!」って思わないもん。これはだってガチにいいやつじゃないですか!3月にスポーツウェア類が安くなるって・・これ言って良かったですか?
坂口
良かったです、これ東京マラソンが終わったあとに需要が減るんですよね。
南部
スポーツクラブの9月っていうのは何ですか?
坂口
これは競争が激しくなって割引が多くなるっていう。
荻上
ああ、「スポーツの秋」っていう。なるほどね、需要が増えるからこそ取り合うっていうこともあるんですね。
坂口
そうですね、だからスポーツウェアのTシャツとかは8、9月に向かって安くなっていくんですね。
荻上
なんで1月のパソコンが安くなるんですか?
坂口
1月のパソコンっていうのは、これ1月に書いてますけど年度末モデルのやつが1番値下がりする時期で年末年始あるいはクリスマス商戦で安くなったやつが1月にこう底値を迎えていくと。
ただし2月まで行くと、新しいモデルが入ってきちゃうんでややちょっとまた値上がり傾向にあるっていう感じですね。
荻上
なるほどね、こりゃええこと聞きました。
南部
すごいカレンダーだ。
荻上
では続いて、残り2つがツッコミ待ちということですね。
坂口
そうなんですよ、2つ目なんですけども。これちょっと僕は呼び捨てになっちゃいますけどもいいですか?「荻上チキよ、よく聞け!テレビの食レポコメント分析」です。
南部
チキさんに向けて?
荻上
はい、食レポを分析したんですね。
坂口
はい、これなんですけどね。チキさんと同じ悩みを僕は抱えてまして、テレビっていくつか出ると食事させられて感想を言うっていう場面ってあるじゃないですか?
荻上
私、1回もテレビでやったことないです。
坂口
ないですか!?それ幸運ですよ。
荻上
だって僕、バラエティじゃないけどワイドショーとかのコメンテーターやったことないですもん。
坂口
それで僕とチキさん同じなんですけど、食事にあんまり興味がないじゃないですか?ぶっちゃけ。
荻上
ハハハハハ(笑)そうですね。
南部
いろいろ今夜共通項が見えてきた(笑)
坂口
それですごく困って、一番最初に何か食べろって感想を求められたんですよ。っていうときに俺に当てられると思わなかったんでとっさに「ああ、今日何も食べて無かったので美味しいです」って言っちゃったんですね。
そしたらものすごく後で怒られてしまって、これはいかんということでですね。これでダメなままではいかんということで、そこから如何に食レポといいますか食のコメントを上手くできるか?というのを考えまして、
やたらめったらですね他のコメンテーターの人がどういうことを言っているのか?っていうのを全部分析したんです。
荻上
舌を鍛える方に行かないのが、らしいですよね。
坂口
もうそこは諦めて(笑)とりあえず返しだけで頑張ろうということで、そうしますとですね・・100人以上のやつを全部分析した結果、だいたい5パターンに分類できることが分かったんですね。
これ今から5パターン説明しますから、チキさんどれがいけるか?ちょっと考えながら聞いて下さい。まず1つ目は味覚を純粋に解説するっていう、これ1番ムズいです!
南部
これ得意じゃない?
坂口
これムズいでしょ?例えば「鮭の美味しさがもう野菜に染みこんでとても美味しゅうございます」的な。これ本当に真面目に語るようなやつ。
荻上
これはどんな人がいてたんですか?
坂口
これは料理評論家が中心ですね。で、2番目のやつがわりかし簡単だと思うんですけれども。食感を解説する系。要するに味そのものじゃなくて口の中の感じをやると。「とにかくプリップリです!」とか、あとですね「噛むときに逃げていくくらい美味しいです」とかですね。何か言ってそうで何も言ってない。
荻上
「口の中で溶けます」とか。
坂口
あと1番鉄則らしいのが「思ったより」を頭文字につければ何でもOKです。「思ったより柔らかいですね」「思ったより歯ごたえがありますね」とか、たぶんそれで逃げているじゃねえかな?と思ったぐらいですね。
3つ目なんですけども「そもそもその食事の説明を諦める」諦めて状況を解説をするっていう。この料理が作られるに至った背景を自分なりに想像して説明すると。「いやー、この料理ができたのはやっぱり秋の味覚が今溢れてますからね」とかですね。
「これ全然大丈夫か?」みたいなやつがあるんですけれども。「いやー、実に見事な収穫がバッチリこの料理の中に注入されている感じですね」とか。
荻上
「苦労した甲斐がありますね」とか、「お父さんの気持ちがこもってますね」とか。
坂口
あと4番目が「感想絶叫系」なんですけども、これも1番簡単です。「うまい!」とかですね。
荻上
芸人さんがよくやってますね。
坂口
あと松岡修造さんのコメントが秀逸だったんですけれども。何かを食べてその名称を言って「これは○○じゃない!」っていう決め台詞があるようです。
荻上
えっ、どういうこと?
坂口
空豆を食べて「これは空豆じゃない!」みたいな。何を言ってるのかよく分からないんですけれどもとりあえずそれを越したような美味しさがあったんだなと。
荻上
空豆という範疇にとどまらずっていう。
坂口
これたぶん何にでも応用できますね。「これはケーキじゃない」みたいな、「これはバナナじゃない」みたいな。これけっこう使えるんじゃないかな?と思ってるんですけど。
で、5番目がちょっと次に1番目の次にレベルが高いんですけど、1発ギャグ系です。これはあの某有名な方がですね「味のデパートやー!」みたいなやつで有名ですけども。
荻上
「味覚の宝石箱や!」とか。
坂口
「肉汁のナイアガラや!」みたいなやつですね。
南部
その方のレポートは高度です、いろんな意味で。
荻上
最近は見るたびに健康が心配になる体格の変化があって、ちょっと・・。
坂口
確かにこの前番組でご一緒したんですけども、ちょっとそうでしたね。感じからすると。
荻上
この5パターン?
坂口
はい、5パターン。だからチキさんは是非・・ちょっと1番は無理かも分からなかったら2番の食感をとりあえず叫ぶ系か、あるいは「○○じゃない!」っていうのはどうですかね?
荻上
これ僕に役に立っちゃうんですけど?
坂口
えっ、マジですか?
南部
食レポ多いですもん。鍛えようっていうコーナーまであったぐらいですから。
荻上
リスナーの方の99%は「だから、どうした!」だと思いますけど。僕はこれからどうしようか?っていうのに「あっ、なるほどね」って思っちゃいますね、これ。
坂口
そうか、じゃあ1発ギャグを除いてはいけますかね?
荻上
そうですね・・これたとえ系はちょっと難しいけど、味覚解説系と食感解説系はこの番組でよくやります。
南部
最近もうね、ジワリジワリと上達してきてるんですよ。
坂口
かつてゲストでお呼びしたのは誰でしたっけ?食レポの解説を?
南部
えーと、阿藤快さんに来ていただいて訓練してもらいましたね。
坂口
なるほどなるほど、でも1発ギャグ系もどうやらトレンドがあるようでそのときの流行のやつを全て味覚につなげるっていうやり方があるらしいんですよ。
南部
高度だわ、それ。
坂口
例えば2001年のときは「味覚のIT革命や」みたいなやつがあって、これ何でも言えそうだなみたいな。
荻上
今だったら何だろうな?
南部
それはイケるんじゃないですか?坂口さん。案外時代を取り入れてっていうのは。
坂口
デザート食べさせられて、「安保」・・まあ止めときましょうか。
荻上
「安保」じゃないよ、せめて「味覚のアベノミクス」だとか、「味覚でおもてなし」とか。
坂口
「これは『味覚のリフレ』ですね」みたいな。
荻上
「リフレ」もどうだろうかな?
坂口
まあ「デフレ」よか良さそうですけどね。
荻上
「味覚のデフレ」ってそれすっごいマズいですよね、きっとね。他にもいろんな分析をされてますよね?
坂口
あとですね、これテレビつながりで言いますとフジテレビの朝やっている番組で「とくダネ!」って番組があるんですけど、「とくダネ!」って番組名の最後の「!」が付いているんですよ。
それで僕が出ている「スッキリ!!」っていうのが「!」が2つ付いているんですよ。僕ハッと思ったのがもしかしたらテレビ業界っていうのはかなり厳しいと言われてますけど、少しでも目立たせるようにですね、番組名とか内容に「!」を多用しているんじゃないか?というふうな仮説を立てまして
ほら、けっこうこれはイケそうでしょ?イケそうっていうのは怒ってくれそうでしょ?南部さんが。「これ分析して何なんだ」っていう。
南部
私まさか数えたりしてないよな?って今思いながら見てるんですけど・・
荻上
なんか表出て来た。
坂口
それでですね、1960年から2015年まで国会図書館に籠もりまして、テレビ欄を全部分析して「!」が何個登場しているかっていうのを全部数えていったんですね。これ南部さんまだ怒ってくれませんか?「何だよこれ、誰の役に立つんだい?」みたいな。
荻上
いや、誰の役にも立たないですけどね。
南部
でもなんかその努力の跡を感じると怒れないっていうね。
坂口
そうしましたらですね、1960年代はフジテレビの番組で1個見受けられただけなんですよ。民放とNHK、NHK教育を含めて。それが1980年代になりますとですね、この「!」の使用回数というのが1日あたり35回。
南部
グッと上がってる!
坂口
それで2010年にはですね、63回までインフレが生じまして。2015年、今月には89回ですよ。だからアベノミクスが実際インフレになったかどうかは分かりませんけども。少なくとも「!」業界においてはインフレ・リフレが進行しているっていう。
荻上
「!」は何の意味があるんだろう?
坂口
これ何の意味があるんでしょうね?だから僕の1つの仮説としては多少でも目に付かせるために他のネットメディアだとか他の番組間の競争もあるかもしれませんし、少しでも強調するためにっていう狙いじゃないかな?と思うんですけど。
荻上
心の中で読むときに「スッキリ」って読むのか「スッキリ!」って読むのか歯切れ感は・・
南部
語感を表しているっていう?
坂口
ということかもしれませんし、ちょっと少しでも目立たせようかなってなる。もう今すごいですよ、テレビ欄の内容とか見たら「衝撃!」とか、衝撃は衝撃だろうと思うけど。
いろんなところに「!」付いてまして、もう今年89個ということは1日で90個ですよ!我々は「!」とは引き離せられない生活を送っている・・言い過ぎました。
荻上
「だから何だよ!」ですかね。
南部
いいですか?行きましょうか?
荻上・南部
せーの、「だから何だよ!!」
坂口
ありがとうございます。言っていただいて良かった。
荻上
でもこういう作業、僕は大好きです。僕は風俗雑誌で風俗嬢の名前を数えたことがあって時期ごとに風俗嬢の名前のトレンドがどう変わるか?っていうのを調べたことがあるんですけど。それはやっぱり面白かったですね。
坂口
しかもなんか昔そんな本がありましたね、「『子』がつく女の子は頭が良い」っていう本があってあれ名著なんですけども。名前から社会が見えるみたいなのってけっこう面白いですよね。
荻上
80年代とかは「ラムちゃん」とか「モンローちゃん」とか外タレ系の名前とかが付いたんだけど、95年以降はアニメ系の名前がどんどん付いていく。「アスカちゃん」とか「ハルヒちゃん」とかね。
坂口
えっ、ハルヒちゃん?
荻上
ハルヒちゃんいますよ、最近はちょっと少なくなってると思いますけど。
南部
数え好きのお2人にちょっと質問したいんですけど、数えるときってどうやるんですか?なんか忘れちゃうじゃないですか?例えば正の字書いていくとかなんか数えるときって「1,2,3,4ってどこまでだっけ?」ってなっちゃうんですけど、なんかコツとか間違えないようにしてる何かあるんですか?
荻上
対象にもよりますけど、やる範囲を決めて方法を決めて、後はExcelにどんどん埋めていって数えるとか。
南部
あっ、そうか。パソコンを使って。
荻上
あと新聞のデータベースとかデジタル化されているものは検索結果がもう数値上で出るのでそれを時期ごとに整理していくとか。
南部
あっ、そうかそうか。私「野鳥の会」方式なのかな?って勝手に想像して「面白い画だな」と思って浮かべてたんですけど。
坂口
あと全てのビジネスマンがそうか分からないですけど、僕は必ずカバンの中にストップウォッチ入れてますよ。
南部
何に使うんですか?
坂口
例えば、回転寿司があるんじゃないですか?そしたら1座席通過するまで何秒か?とか測りたいじゃないですか?
南部
すごいわー。
荻上
もう1個あるんですよね?
坂口
もう1個ありまして、これこそ「何だよ」と言って欲しいんですけども。
荻上
あと2分です。
坂口
テレビ有名コメンテーターの早口度っていうのを調べました。これだいたいテレビで15秒でコメント求められることが多いと思うんですけども。じゃあ有名な人が15秒あたり何文字語っているか?っていうのを分析していったんですよ。僕も15秒でどれくらい適切か?と思ったら。
そしたらこれ素晴らしいのが、ほどよい池上さんって106文字くらいなんですね。これ有名な人たちの中でちょうど中間くらいです。非常に聞きやすい。それで1番逆にゆっくりなのが宮崎哲弥さんでした。87文字15秒あたりですね。
津田大介さんが131文字なんですけども、ここで驚いたのが1番早口な人がいるんですよ。15秒あたり146文字、ということは池上さんの1.5倍です。
荻上
すごいな。
坂口
これすごいでしょ?これ誰だと思います?
南部
誰だろう?テレビでしょ?
坂口
テレビ・ラジオ両方ですよ。
荻上
デーブ・スペクター?
坂口
いや、チキさんなんですよ。
南部
私も間違いなく。チキさんを数えて欲しいって言おうと思ってた。
坂口
僕が調べたテレビの有名コメンテーター早口では1番ですよ!1.5倍ですよ、池上さんの。
荻上
宮崎哲弥さんの倍ですね。
坂口
ちなみに安定感があると言われている斎藤孝さんはだいたい池上さんと同じぐらいの109文字なんですよ。ちなみに飯田泰之さんは100文字だったんで、だいたい池上さんぐらいのスピードかな?と。でまあ思い出してみるにそれぐらいかな?と思うんですけどね。
でもチキさん不思議なのがラジオでは早いんですけど、「サンデーモーニング」のときはゆっくりなんですね。なんかあるんですかね?周りから影響されてるんですかね?
荻上
いやテレビ出るときはゆっくりしゃべろうっていう意識は確かにありますけど、目の前の人が理解出来るようにしゃべらなきゃいけないのでそうなるのかもしれないですね。
坂口
実際測っていただければ分かると思うんですけど、だいたい15秒で120文字くらい話すっていうのが普通かな?っていう感じですね。なのでけっこう池上さんゆっくりちゃんと分かりやすいように説明するっていうのでまた技を見たなという感じでございました。もちろん早くても素晴らしい人はたくさんいるということは、もちろんチキさんを含めて。
荻上
では、行きましょうか?
荻上・南部
せーの、「だから何だよ!!」
坂口
失礼しました。
荻上
でもこれも役に立ったんだよ・・。
(了)
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