2015/10/31

心理学者・伊東明が語る「『気にしすぎ』問題とポジティブ思考の罠」

今回は2015年9月5日放送「夢★夢Engine!」
伊東明さんの回を起こしたいと思います。


松尾貴史(以下、松尾)
早速、今週のゲストをご紹介します。心理学者の伊東明さんです。よろしくお願いします。

伊東明(以下、伊東)
はい、よろしくお願いします。

松尾
まずは伊東先生のプロフィールをご紹介します。

加藤シルビア(以下、加藤)
伊東明さんは早稲田大学政治経済学部を卒業後、NTTでの勤務を経て慶應義塾大学大学院で社会心理学の博士号を取得。大学などで講師を務めたあと現在は東京心理コンサルティング代表としてビジネスや人間について心理学の観点から研修や講演を行っていらっしゃいます。

今回は、今年伊東さんが小学館新書より出された「気にしすぎ症候群」を元に「気にしすぎ」について科学していただきます。


松尾
この「気にしすぎ」という状態になって苦しんでいる人が増えているんでしょうか?

伊東
そこは残念ながら量的なデータで「10年前に比べて・・」っていうのはないのがね、科学的には申し訳ない部分ではあるんですけど。

私からすると量ですよね、その気にしすぎの量が増えているか?っていうと、データは正直ないんですけど。種類は確実に増えているだろうなあと。もしくは昔と違って質が変わってきたなと。

昔でいうと、例えば「出世したい」とか「お金が欲しい」とか。もっと古代で言えば「天気が心配で、作物が・・」だったじゃないですか?それがどんどん質っていうものが変わってきて。

例えば今でいうと「既読スルー」とかってみんなすごい気にしますよね?もうなんかLINEでもメールでもあれして。人によっては3分で返信が帰って来ないと「嫌われたかな?」とか。

松尾
いやでもそうですよね。昔は返事がないときには「あれ?電話なり手紙なりが届いていないのかな?」「メッセージが伝わっていないのかしら?」「どうしたのかしら?」

「どっか出かけているのか?それとも病気で伏せっているのか?」「誰かがイジワルしているのか?」って漠然とした不安だったものが、今は「見てるくせに返事が来ない!」っていうのでちょっとした嫌悪みたいなものも湧いてくる。

伊東
恨みが募ってきたり、自己嫌悪みたいなのになったりとか。恥ずかしさとかもういろんなネガティブ感情ですよね。

ネットなんかでも「エゴサーチ」っていって自分の名前を入れれば、まあねいろいろ書かれているじゃないですか?それ見ると眠れなくなるとかも気にしてしまうとか、これって正直10年前ではほとんど考えられなかったことですよね。

松尾
もう本当にネットで例えば自分が気になっているものを、まあ自分のことでもそうなんですけどけど。検索すると例えば100人のうち98人が褒めてくれてて、たった2人が悪口言ってて半々でストレスの方が大きいぐらいになっちゃうんですよね。

伊東
そうですよね。ひょっとしたらもっと大きいかもですよね。

松尾
うん、だからエゴサーチなんかやるべきじゃないんですよね。

加藤
そう思います。

松尾
心の健康のためにも。僕ね、あるときそれに気がついて一切やらなくなりました。

加藤
あっ、それでもうそれを貫き通していらっしゃるんですか?

2015/10/26

歴史学者・山室恭子が語る「データで解き明かす江戸商人の実像」

今回は2015年9月9日放送「荻上チキ Session-22」
「セッション袋とじ」山室恭子さんの回を起こしたいと思います。


南部
今夜は山室さんに「データで解き明かす江戸商人の実像」と題してうかがいます。

荻上
そうですね、実像に迫りたいですね。江戸商人の。最近江戸商人に関する虚像がね、こういろいろと広がってるじゃないですか?「ほにゃしぐさ」みたいな感じでね(笑)反応しづらそうですけど。

というわけで、今日は実像の方に迫りたいと思うんですけど。「データで解き明かす」って言ったときにあまり歴史の話ってデータがそんなには出てこない分野でしたよね、今までは。これはどんなアプローチでどんなものを研究されているんですか?

山室
3年ほど前に割と分厚い資料集を買って、7冊くらいあった。そこでそれは江戸の商人についてかなり網羅的に「いつ、誰が、どこで商売した」というようなことが書かれている紳士録的なものだったので、

少し、小さなデータベースを作ってみたんです。それで動かしてみたら今まで知られていた江戸の商人の実態とはずいぶん違うものが現れてきていて、「あっ、これ面白いかな?」と思ってデータを増やして3年がかりでまとめたのが今回の本になります。

荻上
ほーなるほど、最初にその入力したデータというもので覆された通説というかイメージというのはどんなものだったんですか?

山室
江戸の商人は昔からのれんを継いでずーっと先祖代々長くやっていたっていうのが、私たちが普通に持つ「創業元禄何年」とかそういうイメージですけれども。調べてみたら全然そうではなくて、どんどん変わっていくということが分かって、それが1番最初の驚きでした。

荻上
むしろ変わるほうがほとんどで、今残っている方が珍しい。

山室
はい、で残っているから目立つだけで消えてしまったものはもう消えてしまって誰も気づかないのでっていうことが新しい手法でやるとまた分かってきてっていう。

荻上
すごい伝統が大事だってそこの文脈で言われるとね、それはまあ勝ち残った側の論理であるということにはなるわけですよね。市場原理において。

なるほど。ということはいろんな調査ができるじゃないかというふうに気づいたわけですよね?その後はどんなデータをいじったんでしょうか?

山室
人口のデータをちょっと調べてみて、江戸の幕府さんはとても真面目にしょっちゅう国勢調査のように人口調査をしているんですけれども。今伝えられている数字というのは全体の数しか、町人の全体の数しか伝えられていなくて。

全体の数が例えばある時点では574,927人と1人単位まですごく細かく出てるのですけれども。でもどこに何人住んでいたの?っていうことが全く分からないままに今までは、全体の数しか分からないねっていうふうになっていたんです。

荻上
その当時、江戸全体で57万人ほどだったと?

山室
プラス武家人口がいます。武家人口の方はそれこそ幕府も調査をしないので全く今どれくらいかは・・数十万と言われていますけれども。

荻上
えっ、武家の方が分かってないんですか?

2015/10/22

東進日本史講師・金谷俊一郎が語る「日中韓の歴史教科書の比較」

今回は2015年8月8日放送「夢★夢Engine!」
金谷俊一郎さんの回を起こしたいと思います。


松尾貴史(以下、松尾)
早速、今週のゲストをご紹介します。歴史コメンテーターで東進ハイスクールの日本史講師、金谷俊一郎さんです。はじめまして。

金谷俊一郎(以下、金谷)
金谷俊一郎でございます。よろしくお願いします。

松尾
まずは金谷先生のプロフィールをご紹介します。

加藤シルビア(以下、加藤)
1967年生まれ。京都府ご出身の金谷俊一郎さんは歴史コメンテーターとして活動するほか、東進ハイスクール・東進衛星予備校で日本史講師を担当されており、このたび祥伝社から「歴史認識の違いはこうして生まれる 日中韓教科書読み比べ」を出されました。


松尾
早速本題にまいりますが、日中韓の歴史教科書ってちょっと政治的でナイーブでいろいろなご意見も皆さんお持ちの話、これはなぜ取り上げようとされたんですか?

金谷
やっぱりですね、私なんかが例えば予備校とかいろんなところで若い人たちを教えているときに若い人たちがやはり自国の歴史をきっちり知らない。知らなかったらどうなるか?というと、例えば相手の国に何か言われたときに言い返せない。どっちかになるんですよね。

どっちかっていうのは何かっていうと、相手が何か怒っている。それに対して「何か悪いことしたのかな?」なんとなく謝っている自分。もう1つが例えばネットとかを見てやたらと「韓国はダメだ」とか「中国はダメだ」みたいになっちゃうとか両極端になっちゃうんですよ。

松尾
最近そういうのはよく聞こえてきますよね。

金谷
そうなんですよ、だからやっぱりそういうふうになるのってのは何か?というと、やっぱり中途半端な知識だと私、考えるんですよね。だからやっぱりそれをしっかりと知ってもらいたい。だから是非とも若い人に読んでもらいたいと思って、それでお願いしてこの番組出させてもらったの。

松尾
なるほど、そうだったんですか!ではちょっとこれからうかがいましょうか?はい、こちら。

加藤
「ここがヘンだよ!日本の歴史教育」

2015/10/13

講釈師・神田松之丞が語る「江戸の町人たちにとって怪談噺というのはこういう意味があるんだよ」

今回は2015年7月12日配信『渋谷らくごポッドキャスト「まくら」』
【神田松之丞さんのまくら】を起こしたいと思います。


前回の
講談師・神田松之丞が語る「相撲の話やる前に鰻屋の話行っていいですかね」
続きになります


サンキュータツオ(以下、タツオ)
まずはすごく面白い肩の強さを観ていただいたんですけれども、続いてやっぱり聞いていただきたいのがこの松之丞さんの多面性という意味でこの翌日です。

「谷風の情相撲」まあこの日のまくらは鰻屋の大将、みんなが神みたいなふうに思ってる人とその幻影がどこまであるのか?みたいなのをちょっと昔の谷風っていうお相撲さんの噺を引っかけているのだと無理矢理解釈していましたけど。

この翌日ですよ、7月13日。これは平日の6時から7時の回。神田松之丞さんと橘家文左衛門師匠との「ふたりらくご」というね1時間の短い公演なんですけど。力のある人の激突を観ていただこうという平日の夕方の回。

こちらの方ではですね、こんなお話をしてくれています。この場合は語り手・神田松之丞としてのちょっと怪談噺をするんですけど。怪談とはどういうものだったのか?そして作った人がどういう感じなのか?っていうところをまあ惹き込むような語りで聞かせてくれてます。それではこちらの方を聞いて下さい、どうぞ。

神田松之丞
えー、一席申し上げたいと思いますけどもね。もうあの楽屋が緊張感走ってるんですよ。文左衛門師匠いらっしゃいますからね。もちろん文左衛門師匠はね、僕に優しくしてくれるんですよ。

ニコニコニコニコしてましてね、でもニコニコニコニコすればするほど怖いですね。すごい怖さを感じてね、僕に威圧感を与えないようにすごい師匠は優しいですからやっていただきまして。

2015/10/06

講談師・神田松之丞が語る「相撲の話やる前に鰻屋の話行っていいですかね」

今回は2015年7月12日配信『渋谷らくごポッドキャスト「まくら」』
【神田松之丞さんのまくら】を起こしたいと思います。


サンキュータツオ(以下、タツオ)
どうも、サンキュータツオです。暑い日が続いております。あの今お盆ですけれども。来週「渋谷らくご」が始まります。よろしくお願いいたします。さあ今日ご紹介するのはちょっといつもと編成が違うんですけれども、2本立てでお送りしますが神田松之丞さん。

まだ32歳、芸歴も8年ぐらい。えーとこのポッドキャストでは2回目トークゲストとして出演して下さったときの音声を配信しましたけれども。実際その松之丞さんがどんな高座をやっているのか?そのまくらを聞いていただきたいなというふうに思います。

まずは7月12日に行われました「渋谷らくご」の高座より松之丞さん、この日は「谷風の情け相撲」というお噺をやったんです。まあ古典で、講談のお決まりの大人気ナンバーでございますけれども。

その前にですね、松之丞さんの前に春風亭昇々さんという芸人さんが上がられまして、ちょっと別居した奥さんと散々揉めるお話、罵倒するお話、まあ喜怒哀楽がいっぱい詰まった創作落語を昇々さんがやって。

もう会場がうなるぐらいウケたりとか、ちょっとドヨドヨした感じのところに松之丞さんが上がってくるというような感じを想像してください。途中聞こえる「パンパンッ」とかっていう音は松之丞さん講談の方、講釈師でございます。

いわゆるみんながイメージする落語の前に小っちゃい机が置いてあって、その前にハリセンと拍子木でまあちょっとしゃべりのリズムを整えるみたいな。とにかくおしゃべりが達者な方でございます。

身辺雑記からお客さんをどうやって惹きつけていくのか?まずはその7月12日松之丞さんのまくらを聞いていただきたいと思います、どうぞ。

松之丞
なんかあのずっと昇々兄さんの高座をソデで聞いてたんですけどね・・なんかあったんですかね?(笑)いやなんかあったんじゃねかな?と思ってね。いや、あったのかな?分からないですけどね。ビンビン来ますよね!なんかあった感が!なんかあった感、ハンパなかったですよね(笑)

いやなんかすごかったなと思ってね。まくらでも兄さん話してましたし、集団行動も出来ねえし、プライベートはあんなだし、もう最悪ですね兄さんの人生が(笑)

でもそんな昇々兄さんがですね、楽屋ですごい優しい言葉かけてくれるんですよ。もうね、ものすごいキュン!ってなるような言葉かけてくれたんですよ。ちょっと皆さまにおすそ分けしたいと思いますけど。

そんな泥沼の昇々兄さんがかけてくれた優しい言葉!「俺、楽屋で松之丞といるときが1番楽しい」超かわいいでしょ!!超かわいいのよ!それであの高座やってるからね。「フワーッ!」と思って。なんとも言えない気持ちになりますね。

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