今回は2015年2月17日放送「大谷ノブ彦 キキマス!」
「3時台 キダ・タローさん」の回を起こしたいと思います。
大谷ノブ彦(以下、大谷)
キダさん、今までいろいろ曲を作ってきましたけど
今覚えている限りでこれは早く出来たなみたいなのってあります?
この曲はパッとすぐ出来たなみたいなのは、お話しいただいてすぐ出来たみたいな。
キダ・タロー(以下、キダ)
えー、ありますよ。
結婚してすぐ作ったのが「ふるさとの話をしよう」なんです。
あれは詞が抜群に良いんですよ。詞を見ているだけで1番から3番まで読んだら
ちょっとホロッとしてくるでしょ?それだけ感動を受けているわけ。
それでも詞が「こういうメロディーで作れ」言うて言うてるわけですよ。
私はただその詞に乗っかってメロディー考えるまで15分
せやから、詞が良かったらものすごい触発されてすぐ出来る。
詞が悪かったら1週間経っても1月経っても出来へん。
大谷
そういうときはもしかしたらもうちょっとお断りするときもあった・・?
キダ
しない!
大谷
それでも、絞り出して絞り出して最後は出す。
キダ
それで「まあええか」ちゅーて行くわけ。
大谷
それはやっぱりヒットしないでしょ?
キダ
うーん、どうなんでしょう?
1つだけもうポシャったのはありますね。
「これはアカンで」と、もう素人さんの詞なんですよ。
それでどないしてもしゃーない。
せやけど締め切りやからしゃーないから作って行ったけど。
それはポシャりました。
大谷
やっぱりそういう思いが自分の中に入ってこないと作曲も行かないもんなんですね。
キダ
理論的に間違った詞というのはダメです。
だって1番がここ、2番がアクセント逆、3番が1番のアクセントと一緒って
くちゃくちゃになってる何の考えもなしに作った・・
あのほれ、素人さんでよくプロの詞を見て「こんなん誰でも書けるやんかい!」
って思いますやろ?違うねんて。全然違うねんて。
玄人と素人の詞、全然違う。全部に配慮してあるんです、プロは。
もう一言一言吟味して、それも1番2番3番全部統一して思想が一緒なんですよ。
大谷
はー、なるほどね。
だから逆に言えばもう詞がある種、曲を選びに行ってるってことですよね?
向こうが。だから想定できるってことなんですよ、書いている人が。
キダ
そうなんです、せやからもう詞は私でなくても猫でも作れるんですよ。
大谷
わがままな自分勝手な思いだけを散らかしているような歌詞は
やっぱりそれだけメロディーが想起出来ないんだなあ。
キダ
出来ないです。
例えば、簡単に言えば1番・春、2番・夏、秋、冬とこう並ぶのが多いでしょ?
1行目のトップに春が出て、2番目に夏が出るでしょ?
ほんなら、春・夏・秋・冬アクセント通り仰っていただけます?
脊山麻理子(以下、脊山)
はる・なつ・あき・ふゆ
キダ
ちょっと違うでしょ?アクセントが。
それアクセントがちょっと違うのを並べられたら作りようがない。
大谷
なるほどね。1番で「春」にしといて、2番「夏」にしているけど
その「春」と「夏」がそもそもアクセント違うのに。
そうか!「夏」と「春」じゃ全然違う!そういうことか!
キダ
反対になるんです、それはもう素人さんがやることなんです。
タブーですね。
大谷
はーなるほどね。作詞家の人たちはそれを規格して書いてるつもりで
1年を表しているように見えるけど、そうじゃないんだ。
だから季語とかってそういうことなんだ。
キダ
基本的にダメなんです。
大谷
しゃべり言葉のそのトーンとかもじゃあ本当にすごく大事だってことなんですよね。
キダ
めちゃめちゃ大事です。
大谷
もし可能であれば今目の前にちょっとキーボードあるので
例えば「キキマス!」のジングルとかを作っていただくとかって
キダ
歌っていただけます?
大谷
僕らがですか?僕は音大丈夫かなー?
キダ
大丈夫とかそういう問題やなしに歌え!言うてるわけや。
大谷
なんかね・・ちょいちょい来る・・この人ねえ。
歌いますよ、じゃあ!
キダ
ほいじゃちょっと音域、はい。♪ラー。
大谷
♪ラー
キダ
オクターブ上。
大谷
♪ラー・・ってこれ以上高く出ないかもしれないですよ。
キダ
どうしよう・・えーと大谷さんでしょ?
大谷ノブ彦さん、これ標準語で言うて。
脊山
大谷ノブ彦
キダ
「お・お・た・に」ですね、で「ノブ彦」は?
脊山
ノブ彦
キダ
「のぶひこ」でしょ?これでもう曲出来るんですよ。
「おおたに」言うたら上がりゃ、「おお」と。
で、「のぶひこ」でしょ?
だから
♪大谷ノブ彦 ランランランラン キキマス!
大谷
ちょっと僕ら黙るんでもう1回
キダ
「キキマス」はね、本当は無声化せないかんね。「ス」は。
発音したらいかんねんけど、これは「!」が付いてあるからはっきり発音します。
「ス」をはっきり言いますね。せやないとバッと番組の終わりにならへんから。
大谷
もう1回ちょっと最初からやってもらってもいいですか?
キダ
♪大谷ノブ彦 ランランランラン キキマス!
いや、一緒に歌おうや。一緒に。
ほなイントロね・・♪・・・歌わんかいっ!!
大谷
ちょっと僕緊張しちゃってますから(笑)
もう1回下さい。
♪大谷ノブ彦・・
キダ
ちょっと、俺が間違うてん。
俺間違うてるけど、そのメロディーが全然違うぞ。
もういっぺんメロディーだけ ♪大谷ノブ彦 ランランランラン キキマス!
出るやん!さっき出えへんかったやろ。
横着な男やねん、要するに。
大谷
横着な男とか言わないの!
放送に乗っけて言わないの!
♪大谷ノブ彦 ランランランラン キキマス!
キダ
一緒に歌いましょ。
今度は彼女、下行きましょ。
♪ランランランラン キキマス! ほな♪ランラン・・から行きますね。
♪ランランランラン キキマス!
あんたむちゃくちゃ歌うてるやろ!!
脊山
ちょっと難しい。
キダ
もうあかんわ。はい、仕上げ行きましょうね全員で。
♪大谷ノブ彦 ランランランラン キキマス!
大谷
うわー、これすげえ歌上手い人でもう1回録り直したいな(笑)
こんな早くに出来るんですか!
キダ
あのー、ジングルはすぐです。
で、アクセント通りいけば自然にメロディーが出来ますから。
大谷
つまりこの会話の中でも名詞って1つメロディーが付いてるってことなんですよね。
キダ
これ例えば、違うアクセントやったらものすごい不自然でしょ?
だからアクセント通りに作って行けば、そのメロディーになれば聞きやすいわけです。
大谷
だから口ずさみたくなるんだ。
キダさんの曲はだから口ずさみたくなるんだ。
無理がないんですね。
キダ
無理ないように作らなあかんのです。
大谷
作曲ってそういうことなんだ。
キダ
あっ、無理なことをワザとするときもありますよ。
大谷
それは技としてということですね、逆にそれが耳に残ると。
キダ
これジングルではあんまり冒険できないです。
覚えて貰わないとアカンから、基本。
大谷
CMソングもそうですよね、じゃあ。
キダ
CMもそう、冒険できないです。
大谷
はあ、沿って沿って。
脊山
急に大谷さんの名前が可愛く思えてきましたね。
キダ
ええぞー!
大谷
これ脊山さんが頼りだって心の中で思いましたけど、
「あっ、この女クソ歌下手なんだ」って(笑)
すぐ気付いちゃった、テレビで何回か見たことあって、僕も下手ですけど。
キダ
音域外やったんですよ、彼女の。
脊山
うん、ちょっと難しかった。
大谷
低かったので難しかった・・そういうことにしておきましょう。
これキダさん、やり残したことってやっぱりいろいろあると思うんですよ。
この先の夢?
キダ
夢はもっと良い曲を書きたい。
手始めにまず大河ドラマのテーマを2、3本書いてね。
大谷
いや、いいですね。
キダ
あれは最高よ!要するに日本有数のオーケストラで
十分に金額的にいろんな楽器が使えるわけ。
これお金いらんねん。
お金のためと違うて、こんだけ自分が思いきしメンバーで
グワーッと毎週鳴る音楽っていうのもの凄い魅力があるわ。
大谷
なるほどね、そうかお金のためじゃなく
毎週茶の間に流れてるそれこそ大衆のものですから。
でありながら、自分の思っている音のこだわりが全部できるっていう。
キダ
はい、もうこれ何年も前からずーっと言うてるねんけど
全然アプローチないんや。
大谷
ねえ、あっても良さそうな今この歴史を考えたら
全然キダ・タローさんでいいような気がする・・っていうかむしろ聞いてみたい!
キダ・タローさんが作り大河ドラマの主題歌聞いてみたいなと思いますもん。
脊山
司馬遼太郎さんがお好きならこの大河ドラマだったらって
なんかいつかやってみたいな・・
キダ
司馬さんのは皆いいですね。
あれも大概やっているん違います?司馬さんのはね。
大谷
キダさんにとって音楽って何ですか?
よく聞かれると思いますけど。
キダ
うーん、苦労の種ですね。
よく仕事で楽しんでやるという言葉がやたらに横行してますけど
私はそれはいけないと思います。
楽しんでやったら絶対にダメやと思います。
大谷
でもそれって結局あれじゃないですか、キダさん?
苦労してるから楽しいんじゃないんですか?
キダ
楽しみはもっと後にくるんです。
例えば100万売ったとかね、レコード。
これでヘッヘッヘッ言うてそれが喜びでしょ?
それはもうずーっと後になって結果として残るわけでしょ?
やってる最中はもう苦しみ以外の何物でもないです。
それは今日日ちょっと楽しんでいきますとかね、
やたら言うでしょ?アマチュアの方がね。
で、プロも言いよるんよ。
大谷
うーん、僕はたぶんその苦しい状態が結果的に楽しいものだったって
後で振り返るものなのかな?って思ってたんですよ。
キダ
そうですね、求道ですからね。
道を求めるわけですからね、我々は。
道を求めるものが楽しんでどないすんねん!っていう。
よくその少女の団体の歌ありますやん?
いろいろありますやん今日日、それを聞いてみたら
「楽しい」って言うんですよ。仕事が楽しいって。
「何で楽しいの?」って言うたら、
「私たちが楽しんで踊らなければ観てる方も楽しくないでしょ?」って
反論しているわけです。
違うねん!板が違うやろ!と。お前は板の上や。
お客さんは客席や、客席と舞台の上と同じ楽しんどったら
それは盆踊りやないかい!みたいな。
大谷
だから楽しそうに見せてるだけですよね。
キダ
それが芸術なんですよ。
大谷
それが芸っていうことですよね、その通りっす、その通りです。
師匠に指差して「その通り!」ってどんだけ俺偉いんだ(笑)
師匠よりも若い嫁さん貰ってる僕が言わせて貰います!
その通りです!
キダ
お名前なんと仰るんですか?
大谷
ハハハ、失礼いたしました(笑)
お時間でございます。
(了)
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