2016/06/01

元TBSアナ・吉川美代子が語る「その声はあなたしか持っていないのでもっと自信を持っていい」

今回は2016年2月3日放送「大竹まこと ゴールデンラジオ!」
「大竹メインディッシュ」吉川美代子さんの回を
起こしたいと思います。


町亞聖(以下、町)
本日のお客様をご紹介します。現在著書「アナウンサーが教える愛される話し方」が朝日新書より発売中です。元TBSで2014年に定年退職されてからはフリーアナウンサーとしてご活躍されています。大先輩です、吉川美代子さんです。


吉川美代子(以下、吉川)
こんにちは、よろしくお願いします。

大竹まこと(以下、大竹)
はい、こんにちは。ようこそいらっしゃいました。ご本をお出しになってらっしゃいますがこれは初めてのご本ですか?それとも何冊もお書きになっている?

吉川
アナウンサーとしての仕事を反映した本というのは、これが定年の半年くらい前に書いたんですが。これが初めてだったんですが。30代終わるごろにラッコについての本は出しているんです。

大竹
ラッコ?


海の上に仰向けで浮いている?

吉川
動物のラッコです。

大竹
あー無理している奴ね、ちょっとね。


そうですね、腹筋が大変そう(笑)

大竹
ラッコがお好きなんですか?

吉川
ラッコが日本の海にはいないものですから、研究者は9割がアメリカなんです。アメリカのラッコ研究の権威の先生のもとに通って勉強して。あとアラスカのラッコの生態の研究所にもずっと行って、それでラッコの本を書いたという・・。


大竹
ちなみに、なんでラッコ好きなの?



吉川
それいろんな方に聞かれるんですけれども、小学生のときに読書感想文コンクールってあります?今もあるんですけど。

読書感想文コンクールの小学校高学年向けの課題図書にラッコを主人公にした本があったんです。それを私は小学校の3年のときに読んで。

まず名前がラッコって変な名前だし、本当になんでそのイヌやネコみたいに毛がむくむく生えているのに、なんで仰向けで海にいるの?ってそれも不思議で絶対大人になったら本物のラッコを見たいなと思い続けて大人になり。

ところが日本の海にはいないし、日本の水族館にもいないし。写真集なんかもちろんないし、ラッコの専門家も誰もいないっていう中、30代半ばにちょうどラッコが日本にはじめて輸入されてきて水族館で人気者になったんですね。

で、テレビの動物番組でよくラッコがかわいくて仕草がかわいくていろんな番組で取り上げられて人気になったころに、ラッコの写真集を出すので昔からラッコ好きだった吉川さん写真のキャプション書いてくれって言われたんです。

ただ「かわいい」「かわいい」で来たもんですからキャプションでどの写真も「かわいいですね」じゃ変だから「これちょっと勉強したいな」と思って海洋哺乳類のいろんな専門家の先生に・・京大とか北海道大学とか帯広畜産大とかいろんなところにお電話したら

やっぱり先生たちは「私はゾウアザラシです」とか「私はゴマフアザラシです」とか、で結局「ああそうか、日本には研究者がいないんだ」と思って、じゃあどうしようかな?と思って水産庁の中央水産研究所の研究者さんに電話したら

「それはもうラッコはアメリカでしょ!」と、それでアメリカの先生を紹介していただいて通ったんですよ。

大竹
さすがアナウンサー!話が分かりやすい!


もう本当ですよ!後輩としては見習わないと!と思いましたから。

大竹
終始事細かに、ちゃんと理論立てて。

吉川
まあでもこの話聞いている方が楽しいんだかどうかは分かりません(笑)

大竹
いやいやいや、ラッコって何科ですか?

吉川
イタチ科なんですよ。

大竹
臭くないですか?

吉川
大丈夫です(笑)

大竹
獰猛じゃないんですか?だって貝殻割っちゃうんでしょ?

吉川
獰猛じゃないです。ラッコって他のアザラシにしろオットセイにしろ発情期がありますよね?発情期のときにオスがいかに多くのメスに自分の子孫を残すかでオス同士が争うわけですよ。いわゆるハーレムって作りますよね?

たくさんのメスに自分の遺伝子を渡すために。ところがラッコは1頭1頭発情期が全部違うんです。だからメスを自分のものにするためにオス同士が争う必要がないんです。だから非常に平和的なんですよ!

大竹
でもあれメスが得な感じがしますけど?

吉川
そうでもないです。メスの群れとオスの群れがいつも別々に浮かんでいて、発情期を迎えたオスと発情期を迎えてメスがそれぞれ群れから出て来て2頭で新婚旅行に行くんですよ。


えー!人間みたいですね。

吉川
4日から10日くらい。

大竹
そういうことも含めてラッコがお好きなんですか?


そうなんです・・あ、そうですね(笑)

大竹
ラッコってそういう習慣がある限り愛を中心にノーマルな。

吉川
あとラッコのエサって貝、でも一番好きなのはウニとアワビなんですよ!主食は。ウニとアワビとタラバガニ。


高いものが好きなんですね。

吉川
寿司ネタで一番高い。

大竹
俺と一緒ですけどね。

吉川
じゃあ大竹さんラッコの仲間ですね。

大竹
あなたのラッコにして下さい!仰向けて暮らします!

吉川
だから相手を一撃に倒す必要がないんですよ!

大竹
なんで一撃で倒す必要がないの?

吉川
アワビは岩にひっついていますし剥がしゃいいし。


ウニも痛いだけですもんね。

吉川
だから相手を追いかけたり、相手に噛みついたりする必要がないのでそう言った意味でもそんなに攻撃的な性格じゃないんですね。

大竹
そういうところもラッコがお好きだと?

吉川
しかも毛が生えているのに、なんで無理して冷たい海に浮いているの!と。陸で暮らしゃいいのに。

大竹
でも吉川さんも今日、冬なのに半袖ですよ!なんで半袖なの?


黒いタイトなワンピースに。

大竹
美脚でしょ?

吉川
嘘!そんなないですよ!それはないです。

大竹
いや美脚で噂されてたんですよ!

吉川
嘘!一度も言われたことないですよ!太い脚だってよく言われますけど。

大竹
町は太いなちょっとな。


中肉中背なんですよ、私(笑)私は売りを中肉中背で・・。

吉川
だけど、町さん。アナウンサーの若い子ってあんな細いんでしょうね?


細い子増えましたよ!私でも入ったときから中肉中背なんですけど、ガリガリですよね!

吉川
私もTBSのアナウンス部で一番体重重かったですもん。


TBSはまた長身のアナウンサーが・・女子アナすごい大きいですよね。みんな170cmくらい。

吉川
何人かいますね。


私、小島慶子が同期なんですけど。小島もデカいじゃない、しかも態度も。


大竹
態度もデカい。


新人のときからそうでした。

大竹
あっ小島、態度デカいと思いましたか?

吉川
ええもう!研修の先生やってましたけど。

大竹
生意気でした?

吉川
生意気でしたね(笑)こんなところで後輩の悪口言ってどうすんだって。


いやいや、本当のことですから!

大竹
あいつの生意気は治らないですね。

吉川
研修しているときに研修の教則本があるじゃないですか?それを立てて私に見えないようにして教則本の内側でハガキ書いてましたからね。暑中見舞いを。起こったことあります。


大胆な新人ですね。私、絶対吉川先生の前でそんなことできません!(笑)

大竹
生意気ですね、あいつは。


でも小島はもともともうすごいんですよ。意志が強いんですよね、もうはっきりしている。

吉川
ここでいいですよ、別に小島のこと話題にしなくて。


そうですよね!「私が振っちゃった!」と思って(笑)

大竹
長い間アナウンサー生活を30?

吉川
37年と2ヶ月ですね。


見てましたもん。

大竹
取材とかそういうので1番残って「これは憶えているな」っていうのはありますかね?

吉川
もちろんずっと報道が長かったので、JALの事件だの松本サリンとかそれからそれこそオウム真理教とかいろいろありましたけれども。長くやって思い出すのはけっこう楽しいことが多いですよね。


少ないですからね。

吉川
あとやっぱり仕事していると当時は女性アナウンサーが報道にいるの少なかったのでけっこう大変なこともあったし。あとは組織に入れば嫌なやつの方が圧倒的にいるわけじゃないですか?

大竹
あ、そうなんですか(笑)

吉川
そうなんですよね(笑)


そうですね。組織はなんでねえ・・

大竹
それで話がまた小島の話になっちゃうんじゃない?(笑)

吉川
いや、なんない!なんない!


小島は組織には似合わない人間ですから(笑)

吉川
なんかこう理不尽なことだとか、辛いことだとか悲しいことの方が多い。で、いるときには「なんで?」っていつもイライラしてたり怒ったりがあったんですが

定年すると終わると「あの37年は良かったな」っていうこれはね、1つの仕事で定年まで勤め上げた贈り物かな?っていう思いはしましたもん。

大竹
申し訳ない、最初の質問は・・

吉川
質問は忘れましたね(笑)

大竹
最初の質問は37年間で何が印象に?楽しくても辛くてもそれはいいんですけど何が残っていらっしゃるかな?と思って。

吉川
やっぱり普通の仕事では会えないその分野のトップの方にお会いできて、いろんなお話をうかがえたのはアナウンサーになって良かったなっていう思いはありますね。

大竹
何か印象に残っている?

吉川
印象に残ったのはね、岡本太郎さん。ご自宅兼アトリエにうかがったんですね、生放送で。そしたらCMとCMの間で生でお話を聞いて「ここでCMが入ります」って言うとCMの間が我慢できないっておっしゃって。

いきなり立ち上がって2階にダダダダダッて行って2階のピアノでベートーヴェンのソナタをババンって弾いてまたダダダッて下りてきて「まだかっ!」って言って「いやすいません、あと1分あります」って言うと

今度はお庭に出て製作途中のオブジェをガガガガンってまた叩いて「まだかっ!」って言ってそういう話が・・

でも生放送終わった後に「こんな感じで良かったかな?」ってニコッとされたのが「えっ!?本当でやったのか?ウケようと思ってやったのか?」ちょっと不思議な方だと思いましたね。


やっぱり芸術家なんですね。

大竹
まあね、たぶん座ってられないんだろうね。

吉川
だから海外に行くときが大変なんですって、飛行機で。まずはシートベルトの着用サインが消えないのにイライラしてくるとおっしゃっていたので(笑)


でも岡本太郎さんに会うって貴重ですよね。

吉川
あとそれ以外の1つの分野でそれなりの方っていうのは、やっぱり・・


変わってますよね。

吉川
変わっているのと、やっぱり1つ1つの言葉に説得力があって。それはすごい影響を受けました。あとは淀川長治先生とかね。

大竹
どんな影響を受けたんですか?

吉川
あのね、私は映画がもう子どものころから大好きで高校のときに淀川長治さんの映画友の会にずっと入って月に1回先生と映画のこといろいろお話することをいろいろやっていたんですね。

そのときに淀川さんが「私はこれまでの人生で1度も嫌な人に会ったことがない」っておっしゃったんですよ。

大竹
すごいこと言うね。

吉川
「嫌な人がいても必ず人は良いところがあるからそれを見るようにします」っておっしゃって、「これはすごいなあ!」って。


うわー、それ大事ですね。

吉川
そうなりたいなと思ったけど、なれない!未だに。


ねえ、嫌なところばっかり目に入っちゃいますね。

大竹
なれない、俺殺したいやつ3人くらいいますよ本当に。

吉川
良いところ探そうと思ってもない人ってたまにいますよね。


いますよね?(笑)それが正直なところですよね。

大竹
ない人いますか、やっぱし!(笑)

吉川
ない人いますよ!


悪いところが良いところを隠しちゃう感じですよね。

大竹
いやーでも、秒に追われて時間内に原稿を全部読み上げてケツが決まってるわけ。もう神経のすり減るお仕事じゃないですか?

吉川
まあでも社員のときにはミスをしちゃいけないとか責任があるとかいろいろ考えていたんですが定年後になってからちょっと楽になりましたね、放送に出るときの心構えが。

大竹
なんかお酒で失敗とかそういうことはないんですか?「なんか失敗したなぁ」って。


吉川さんお酒飲めそうですよね?

吉川
いやあんまり飲めないんです。すぐ頭が痛くなるタイプなので。

大竹
じゃあ遅刻もなし?

吉川
ないですね。

大竹
失敗もなし?

吉川
プライベートではけっこう失敗していますけど、人生ではけっこうつまづいてますけど(笑)

大竹
それはなんとなく分かります。

吉川
なんとなく!ええーっ!大竹さんもつまづいていらっしゃいます?

大竹
俺はもう泥の・・ドブの中で生きているようなもんですよ、私なんかは!


モゴモゴしちゃって(笑)

吉川
でも大竹さんって昔のイメージと今テレビやいろんなので拝見するイメージ違いますよね?今は本当にダンディじゃないですか?

大竹
いや私、ダンディでもなんでもないですよ。


優しいですよ、大竹さんは。気遣いですし。

吉川
スーツをビシッと着こなして、穏やかに。だから大竹さんみたいな男性とホテルのバーに行ったらこれもちょっと帰れないなと思う人いると。

大竹
なるほど、今日吉川終わったらどうだい?


でも言ってすぐ目を逸らしちゃうんだ、これが大竹さん(笑)

大竹
お前ら、俺をおちょくってるのか!一生懸命生きているのに必死で。さてそろそろご本の方に行きたいと思うんですけれども。本をお書きになってあれですね、やっぱりアナウンサーって声とかとっても大事じゃないですか?

それと同時にご本に見出しだけチラッと見だしたら、やっぱり声に性格とかいろんなのが出るみたいですね?

吉川
声ってその人の筋肉の柔軟性だとか、筋肉の厚みだとか骨格とかその肉体からしかその声は出ないわけですよ。だから顔立ちとか背格好が似ていると電話で話すと間違えちゃうことってありますよね?


似ている人いますよね。

大竹
よく俺ももう娘に電話してお母さん出て来て間違えたことあったよ、昔はね。似ているからね、お母さんとね。

吉川
でも細かく調べて見ると声紋は違うわけですよね。ということは地球上何十億人、人がいても「その声はあなたしか持っていませんよ」っていうのがあるので声にもっと自信を持っていいと思うんです。

だから「こういう声を出したら良い」と思って作る声じゃなくて、自分の肉体から出るその素直な声は産まれてから死ぬまでその声しか出せないので自分の第2の人格のようなものだから、もっと自分に自信を持って出しましょうって。

で、結局最終的に相手にコミュニケーションで大事なのは本当に心からの言葉を出すことですよね?・・なんだろう?「こう言ったらウケる」だとか「ビジネスではこういう言葉遣いはいけない」それはもちろん大事ですけれども。

本当に思っていることを素直に言葉に乗せて相手の心に届けることが1番大事なので、まずそれがない限りは敬語が上手く使えようがきちんとした美しい日本語を使おうが意味がないなっていう気がしています、私は。

大竹
そうですか・・ただ一言だけ言わせていただきますけど今おっしゃた本当に思っていることを素直に言ったら仕事全部なくなりますよ!正直言わせていただくと。


そこはちょっとオブラートに・・

大竹
やっぱりね、俺みたいな性格、かなり思ったことを素直に言う方ですけど。それでもね、吉川さんそれやっちゃうと・・それいいんですか、本当に?

吉川
だからそのくらい本当に思ったことは相手の心にズバッと行くから、反対に強い言葉とか傷つける言葉は本当に相手を傷つけちゃうわけですよね。

でもだからそれを今度は「これはこういうことは言っちゃったらマズいな」「これはこれから大変な問題になるな」と思ったらそれをまた上手く言おうというのは今度はその人の人生経験でどの言葉をそのときに選んで言えばいいかという。

だから「言葉は第2の人生」みたいなもんでもあるわけですよね。

大竹
でもね、子どものときにしゃべって言葉じゃ世の中は通用しないわけじゃないですか?例えば自我の強いほど社会には打ちのめされるわけですよね。

そういうのは経験していろんなことがあって、その後に今おっしゃった「素直に自分の言葉を語れるようになる」っていうことですかね?

吉川
そうです、だからこれまでどんな本を読んで、どんな経験をして、どんな人と会って、どんな失敗をして。それでその言葉が出てくるのでだから「声が第2の人格」だったら「言葉は第2の人生」だなっていう気はしているんですね。

ただ、アナウンサーはしゃべって言葉を発することでお金をもらっているわけですよ。だからそれは私はアナウンサーを目指す人だとか若いアナウンサーには厳しいで。それが全般にそのイメージになっているのはちょっとマズいなっていう気はしているんですけれども。


はい、背筋伸ばしてます(笑)

大竹
ちょっと分かんない、どういうこと?アナウンサーは何、町?


いや分かりやすく「女子アナに厳しい」っていうことですよね?

吉川
はい、そうですね(笑)


今のを分かりやすく伝えるとですね、けっこう今ね、私もどちらかというと後輩に厳しいです。

大竹
いやでも俺も思うけど、やっぱりこう「良くしたい」と思うと厳しくなりますよね?まあだからそこは「こいつに嫌われるだろうな」って俺なんか覚悟するわけですよ。覚悟をして嫌われるけど・・

まあ俺なんかの忠告が良いか悪いかは知らないけど「ここでこいつ1発かましとかないとこいつこのままどっかで転ぶぞ」と思いますよね?若い人を見てて。そういうときはやっぱり言ってあげた方が良いんですかね?

吉川
私は言いますね。あとアナウンサーって特にラジオの場合にはこうやって生が多いので万が一大きな災害が起きたときにはラジオを通して何かを伝えるアナウンサーの声で命が助かる人も出てくるわけですよ。

例えば、「大津波警報が出ました。ただちに高台に逃げて下さい」って言われて河口近くや海岸近くの自宅に手提げ金庫のお金を取りに行こうと思った人がカーラジオから流れる町さんの声で「ああ、やっぱりやめよう!」と思って助かる人も出てくるから

そのくらい社会的責任があるので、アナウンサーは「私の笑顔で日本を明るくしたい」とか、それじゃダメだろ!!っていうのはありますよ(笑)


でも今の若い子たちは厳しくするといじめられてるって。

大竹
(拍手)おっしゃる通り!若いやつは思っちゃうけどね「私の笑顔で世間を明るくする」・・図々しいやついますからね。

吉川
もうアナウンサー試験でそういうこと言うのは全部バツ付けますもん、私。


「あのー、人が好きで」とか言いますよね?

大竹
ショートカットの人じゃないとダメですよね?


吉川さんのように。

大竹
吉川さんのようにショートカットで。たとえ美しかろうとちょっとかなぐり捨てて。

吉川
かなぐり捨てて!!(笑)


吉川さん捨ててないですよね!!

大竹
ああ!ごめんなさい。そういう意味じゃないんですよ!ショートカットでも十分おきれいで、また余計に・・(笑)


でもそうですよね、でも怖い先輩って私は必要だと思うんですよね。いるだけで背筋が伸びる人が重しになる人がいないと。

吉川
どこかでそういうのがあると、緊張感って必要ですよね?

大竹
お互いにそうですけど、でもあれですよね?年を取ってくるとものの見方は多少若い人とズレてくるじゃないですか?

吉川
もうこれはしょうがないですよね。

大竹
だからズレには気をつけましょうね、お互い。今、通用しない言葉遣いとかでも新しい言葉なんか「婚活」とか「トンカツ」とかなんかよく分からないでしょ?


平板化とかありますもんね、イントネーション。

大竹
あういう言葉が新しい時代に変わっていっちゃったりすると、やっぱり「うっ・・」と思いますか?

吉川
思いますね。昔、ラジオのニュースを読んでいても新しい言葉が出てくると例えば「クラブ」なんていうのは違いますよね?そのときに全部統一しちゃうと「それは銀座のクラブになりますから」とかそういうのはありますよね。

大竹
敏感ですね、「クラブ」情報に関しては。


いやいや、イントネーションに敏感。やっぱり気になりますよね?私もテレビでしゃべってるアナウンサーのイントネーションとか気になりますもん。「あっ、今間違えた!」とかって。

吉川
あと「2月(二\ガツ)」とか「4月(シ\ガツ)」とか平気で言うのも気になりますね。

「2月」「4月」のアクセント(NHK放送文化研究所のページより)

大竹
もう1つうかがっていいですか?例えばニュースを読むとき自分の意思とか・・例えば原発のニュースとかありますよね?でもそれは・・何て言ったらいいのかな?そういうときにどうしても思いがこもっちゃうっていうか、考え方がこもっちゃうじゃないですか?

こぼれるっていうんですか?それはご自分でちょっと意思を・・まあ同じ原稿読むんでもね、こういう意思を表示したいとかそういうのにお思いになるんですか?それともそういうことは殺そうと思うんですか?

吉川
あの自分の書いた原稿や自分のリポートだったらそういうことはできるんですけど、全国ネットのニュースの場合には報道局が書いた原稿ですよね?

だからそこに自分の個人的な意見はないので、なるべく書かれた内容を正確に伝えるっていうことはやりました。ただ、やっぱり読むときに声のトーンって変わったりしますよね?

大竹
やっぱり「こんなこと、自分はこっちの方向で物事が進んじゃおかしい」みたいなことを思ってるときに、そういう方向にね。

吉川
そういうのがあったりとか、あと読み終わったときの間だとか、次のニュースに行くときの間とか表情はあると思うんですが。ただそれが本当に正しいのかどうかっていうのは常に自問していないと失敗しちゃいますよね。

だからニュースって基本的には事実を書いているので、その事実を自分が「困ったものですね」なんて読み終わったあとに一言コメントを付け加える暇があったら、1つでも多くの事実をニュースとして正確に伝えて

聞いてたり見たりする方が「こういうことが起きているんだ、じゃあ・・」って自分で考えてもらった方がいいかな?っていう気はしています。

大竹
でもやっぱりなんか「困ったものですね」とかそういうことを言わなくても、なんか原稿を読んで「この人はこういうニュースを読んでいるけど、こういうふうに思ってないな」っていうのは僕たち感じますよね。

吉川
ありますので、ただすごくそのときに稚拙な感情表現をされちゃうと「違うだろ」って。よくあるのが大きな悲惨な事件とか事故が起きたときに犠牲者の数が多いとやけに悲しそうなトーンでやけに表情を作って読む人がいるんですけれども。

アナウンサーが悲しそうな表情で読んだから犠牲者の数が減るわけじゃないですよね?その数の犠牲者が出たっていうことを伝えればいいのと、あとは原稿の内容が「こんな事故も起きたんだ」と思えば明るいトーンにはなるはずがないんですよ。

一方で「かわいいラッコの赤ちゃんが産まれました」っていうニュースだったら「うわっ、かわいい!」ってなったら「この野郎、子どもなんか産みやがって!」みたいなトーンでは読まないはずなんです。

だからいかに内容を理解しているかどうか?っていうのとはリンクしますよね。

大竹
たまに「このあとは台風情報です、お楽しみに」って言うのが言いますよね?

吉川
ああ、間違えて言っちゃってる(笑)


もう絶対に間違ってはね・・「何が楽しみだ!」ってね。

大竹
いやいや難しいご職業で何年間もやってきて。


報道の一線で・・はい尊敬しております。

(了)

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