2016/03/02

評論家・山田五郎が語る「日本は英語が一切通じなくても生活に困らない国」

今回は2015年12月10日放送「荒川強啓 デイ・キャッチ!」
「デイキャッチャーズボイス」山田五郎さんの回
起こしたいと思います。


荒川強啓(以下、強啓)
今日のテーマはこちらです。

片桐千晶(以下、片桐)
「日本の国際化は絵文字から」

山田五郎(以下、五郎)
先月11月なんですけれどもね、海外の報道で絵文字に関する報道が相次いだときがあったんですよ。

1つはフィンランドの政府がフィンランドらしさを表す政府公式絵文字っていうのを発表したっていうニュースだったんですよね。

サウナ、ノキア、そして…! フィンランドが公式絵文字を発表(GIZMODE)

強啓
あのー、スマホでやりとりするの可愛らしい絵でイエスとか文字描かずにね。

五郎
このフィンランドらしさを表す絵文字っていうので、サンプルとして「サウナ」ですね。

それで「NOKIAの携帯電話」っていうのがもう1つあって、そしてもう1つが「ヘッドバングするヘビメタファン」っていう。

片桐
後ろ姿で両手を挙げて・・

五郎
これ前なんですよ!ヘッドバングしているから髪の毛が・・

片桐
髪が前に来てる!

五郎
なんでこれがフィンランドかっていうと、実はフィンランドは知る人ぞ知るヘビメタ大国でヘビメタの鋲を打ったリストバンドあるでしょ?これの国民当たりの保有率が世界一って、高い国として有名なんですよ(笑)

まあそんなものを作って、こののちクリスマスを待つアドベンドカレンダー用に30種くらいをまた追加で発表したっていうニュースがあったんですよね。

で、もう1つのニュースは今度イギリス。世界的に有名なオックスフォード英語辞典ってありますよね?


あれが日本の流行語大賞みたいな感じで、毎年「今年の言葉」っていうのを発表しているんですよ。

その「今年の言葉」に選ばれたのがこの「うれし泣きの絵文字」だったんです。スマイルマークみたいなのが笑いながら・・

英オックスフォード辞書の今年の言葉、2015年は史上初の絵文字「うれし泣きの顔」(GIZMODE)

強啓
涙を2つ、両目から落ちてくるという。

五郎
これ「嬉しいよう」って泣いている。

片桐
これが選ばれたんですか!?



五郎
これが選ばれたんです!これが要するに絵文字の代表として選ばれたんですけれども。なんでこの泣き笑いの絵文字が選ばれたか?っていうと・・

今年イギリスとアメリカで最も多く使われた絵文字がこれだったそうです。スマートフォンで使われた絵文字のうちイギリスでは20%、アメリカでは17%がこの泣き笑いだったそうです。

片桐
へえ、ただの笑顔じゃないんですね。、泣き笑いなんですね。

五郎
なんかしてくれて「嬉しいよう」って「ありがとう!」っていうときによく使ったんだと思うんですけどね。ちなみにそれ以外で多かったのはね、こういうのはなんですけれども・・うんこのマークと(笑)

片桐
みんな好きなんだ。

五郎
いわゆる中指立てたサインですね、そういう絵文字がよく使われていたそうなんですけれどもね。

2つの報道どちらもですけど、注目すべきはどちらの記事も絵文字っていうのはもう日本語をそのまま使っているわけですよ。ローマ字で「EMOJI」になっている。

絵文字は「EMOJI」なんですよ、もはや世界的に。これちゃんと日本初の文化であるっていうことをちゃんと報道されているんですよね。

まあ我々は知っていますけど、もともと絵文字って1990年代に携帯電話の普及と共にいわゆる「ケータイメール」でこう通じて発展したものですよね。

ある意味、日本にしかない独自のガラパゴス文化だったわけですよ。ところがこれ2008年にiPhoneが3Gで初めて日本に入ってきたときに

アップルが「やっぱり日本でやる以上は絵文字いれなあかんの違うか?」つって絵文字を導入したんですよね。

この辺から国際的な人気に火が付いてきて、2010年にはスマホだけでなくパソコンなんかでも使われる国際的に文字表記基準の1つにUnicode(ユニコード)ってあるんですけども。

Unicode(ユニコード)にも絵文字が採用された。これ2010年ですよ!そこから5年、これSNSの普及と共に爆発的に普及して世界中で。

Unicode6.0の携帯電話の絵文字の一覧(Wikipedia)


今年の8月にはアメリカのヒラリー・クリントン元国務長官。あの人Twitterでやたら絵文字を使うことで有名なんですけれども。

学費ローンが問題になっているんですね、アメリカ。いま学生が学費ローンを支払えなくなっているっていう。

その学生たちに「学費ローンを抱えている気持ちを3つ以内の絵文字で表現して欲しい」っていう呼びかけて大ひんしゅくを買ったっていうくらい。そのくらい広く普及しているんですよ。

こんなことなら特許とか商標取っておけば良かったって。

強啓
あっ日本でね、取ってないの?

五郎
取ってないですよね、だからこそオープンソースだからこんだけ普及したってこともあると思うんですけれども。

なんでそこまで急激に普及したのか?っていうことをね、だからこそ「オックスフォード英語辞典」は「今年の言葉」選んだんですけれども。

この「オックスフォード英語辞典」の代表のキャスパー・グラスウォルさんはこう言っているんですよ。

まあ今ネット環境の進化とかあってね、コミュニケーションがものすごい高速、速くなっていく。あとビジュアル化していると。そういう中で伝統的なアルファベットではついて行けなくなっているんだと。

その点、絵文字っていうのは非常に柔軟かつ迅速にニュアンスに富んだ表現をすることができると。

だからもう今のコミュニケーションのスピードとビジュアル化に一番マッチした表現だから急激に世界的に普及したんだというふうにね。このキャスパー・グラスウォルさんは言ってるわけですよ。

僕この記事見ていて、そのちょっと前に日本のデジタルアート集団、まあ本人たちは「ウルトラテクノロジスト集団」って言ってますけれども。

「チームラボ」っていうところね、代表の猪子寿之さんっていう方が今年の10月だったかな?「GQ JAPAN」に書いてたコラムを思い出したんですよ。

これ猪子さん曰く、例えばナイキとかスターバックスっていうのは今ロゴから「NIKE」とか「STARBUCKS」っていう英語表記を外しているんですよ。

マークだけに変えてきている。このように世界のグローバル企業は言葉を使わない非言語コミュニケーションの方向に進んでいると。で、それは当然だと。

例えば世界中で商品を売る場合ね、それぞれの国の言葉で別々の広告を何本も作るよりも1本の広告で言葉を越えて世界中で通用するような広告を作った方が絶対効率が良いでしょ?

強啓
安いしね。

五郎
安いっていうか、まあそこにお金をかければそれだけ良いものができるし。まあどっちでも良いんですけどね。

強啓
インパクトあるしね。

五郎
どのみちその方が効率が良いんじゃないか?と。だからこのグローバル化っていうのは非言語コミュニケーションの方に向いているのに、日本は未だに英語を話すことがグローバル化だっていう言葉の問題として捉えていると。

これではダメだと猪子さんは思ってたと。ところがその猪子さんの知り合いのアメリカ人で日本にも住んでいたことがあって。

今その英語が非常に普及している・・まあ「あるアジアの国」って書いてあったんだけど、たぶんシンガポールだとは思うんですけれども。そこに暮らしているアメリカ人の友だちが「実は日本の方がはるかに暮らしやすかった」と言うと。

なんでだ?って聞いたら、英語が通じるからじゃなくて逆に英語が一切通じなくても生活に困らなかったって言うんですよ。

それは例えばファミレスとか回転寿司とか行くとほぼ全てのメニューが写真入りで載ってますでしょ?

片桐
あっ、確かに!見れば分かりますもんね。

五郎
下手すりゃタッチパネル押せば注文ができるじゃないですか?写真どころか3Dの食品サンプルまで置いてあったりするから「これ」って指差すだけで注文ができるんですよ。

あと、自販機。自販機やたらめったら多いでしょ?日本って。しかも自販機ってほとんどのところに見本がついているでしょ?缶の見本だったりタバコの見本だったりがついているんですよ、だから間違うことはない。

そのアメリカ人が言うには「これほどしゃべらないで暮らせる国っていうのは世界中にない」って(笑)

強啓
そうか!確かに(笑)

五郎
言われてみればそうなんですよ!猪子さんも実は日本って非言語文化がものすごく発達していたんじゃないかと。

日本がグローバル化するには下手に英語を学ぶよりもこの非言語コミュニケーションの技術を磨いた方が良いんじゃないかと主張してて、僕もまったく賛成なんですよね。

これは猪子さんも指摘していたんですけれども、意外に知られていないんですけれども実は日本人って絵が上手いんですよ。

強啓
えっ!!

五郎
人口あたりの絵が描ける人の質と量が世界一なんですよ。

強啓
どの程度まで?

五郎
まあ普通僕らマンガみたいな絵を書けるじゃないですか?上手い下手はともかく。で、身の回りに1人は絵の上手い人っているでしょ?これ多いんですよ!

ものすごい下手なんですよ!アメリカ人とか。要するに書き慣れてないんですよ!やっぱり僕らは感じっていう象形表意文字を使ってきた伝統とかマンガの伝統があるから、

自分でも気がつかないうちに世界トップレベルの非言語コミュニケーション能力っていうのを普通に身につけちゃってるんですよね。

その象徴が絵文字だと思うんですよ、だから実際アメリカの絵文字とかイギリスの絵文字とか持ってきたけどダメでしょ?日本の絵文字に比べたら。

強啓
これ精巧すぎるのね。実写をこう・・

五郎
アニメの違いとも言えますけどね。

片桐
絵文字っていうか「絵」っていう感じですね。

五郎
絵なんですよ、まだまだなんですよ。だからこれ日本が圧倒的に進んでいるっていうことになるとこのグローバル社会がね非言語コミュニケーションを向かう今このアドバンテージを活かさない手はない!って言う気がするんですよ。

1つのきっかけになりそうなのが、以前ボイスでお話ししましたけれども東京オリンピックに向けての案内サインの統一作業ね、これやるべきだと思うんですよ。

個々のサインはできているのに鉄道会社や行政の管轄で表示がバラバラだから結果分かりにくくなっているじゃないですか?

これやっぱりオリンピックを機にその後の世界標準になるような案内サインっていうのを作って統一して日本の絵文字文化がいかに進んでいるか?っていうね。

みんな「ピクトグラム」とか言ってますけど、あれ直訳したら「絵文字」ですからね。日本の絵文字文化がいかに優れているか?っていうことをこれ世界中に訴えるきっかけになるんじゃないかな?と思うんです。

強啓
横断歩道のあのランプもいいよね。「歩行者が歩き出しましたよ」とか、「もうダメですよ」とかってものすごいよくできてますよね。

五郎
我々もう当たり前として気がつかないんだけども、実は我々は言葉を使わないでも世界一コミュニケーションができる民族だったというお話しです。

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