2015/04/22

社会学者・開沼博が語る「福島県広野町は『死の町』どころか生き生きしちゃってる」

今回は2015年3月10日放送「荻上チキ Session-22」
セッション袋とじ「ゲスト・社会学者の開沼博さん」
起こしたいと思います。


荻上
先日、福島で一緒にワークショップをしたときに
あまり最近の話が出来なかったんですけれども、
その「福島学」っていうその看板を掲げたことに対する反応はどうですか?

開沼
そんなに反発も・・特に褒められることも反発もなく
リアクションはないですね。

まあただ、実はこの前の時間に社会学者でフェミニストをずっとして有名な
上野千鶴子先生、僕の師匠にあたるわけですけれども。
対談を書店イベントをやってきて

荻上
大学時代の師匠?

開沼
まあそうですね、まあやはり上野千鶴子は「女性学」という学問を
仲間たちと立ち上げて大学に「女性学」というポストも
ないような時代からそれをやってきて

実際にジェンダー論の授業を、
「女性学」の授業っていうのが大学に制度化されるところまで見守って
力を尽くしてきたという立場から

「いかにお前はそれを背負っていくのか?」とですね。
「いかにそこに人が関われる状態を作っていくのか?」みたいなツッコミを
ずっと受けてくるという拷問のような時間を過ごしてきました。

荻上
拷問ですか?まあ叱咤激励ってやつですか?



開沼
叱咤激励ですね、まあでもそんなにすごい重くは考えていませんけども
しかしやっぱりこの本にも書いているんですけども。
やっぱり福島の問題かなり分かりづらくなっていると。

で、面倒臭くもなっていると。
やっぱりそこに対して学問が出来ることってあるんじゃないかな?と。

「学問的」っていうとちょっと難しい話をするっていう
イメージがあるかもしれないですけれども。

そうではなくて、やっぱりそこにあるデータとかで分かりやすく見せたりとか
そこにある複雑な構造を「こうなんだよ」というふうにモデル化して見せるとか
まあそういったことをしているつもりです。

荻上
「水俣学」ってありますよね?
熊本大学なんかに行くと「水俣学」の資料センターとかもあったりして
そういえば、開沼さんも水俣に取材行ったことあるんですよね?

開沼
一応ありますね。

荻上
私も取材に行ったことがあって、そのときに資料の膨大さと
それから「水俣学」と言ったときには当然「水俣病」のことだけではなくて
それぞれの地域がどういうふうな状況でどんな・・

例えば漁業がものすごい盛んだった。豊穣の海だったその海に
ある種「米びつに毒流された」っていうような表現を使われた漁師の方いましたけど
取材したときに。そういった感覚なわけですよ。

となったときにどんな米びつだったのか?というか、
どんな社会だったのか?っていうものをやっぱり描かないと
分からないことがあるわけですからね。

開沼
まあ特に内側と外側の文脈の違いというかですね、
これはもしかしたら沖縄の問題であるとか、まあ広島の問題であるとかも
抱えているかもしれません。

やはり内側で起こっている言論ってかなり外側とは隔離された状態に
ある側面もあってですね、やっぱりじゃあそこでどういうことが困っているのか?
どういうことがある面で迷惑なのか?あるいはどういうことがありがたいのか?

っていうことも含めて出して行く必要があるのかな?
っていうふうに思っています。

荻上
そうした中でその例えば「水俣の教訓を福島に」って言ったときに
人によってこれ意味の捉え方が随分イメージが違いますね。

例えば当時はその医者とかが誤ったこと言ったんだから、今回も慎重にっていう形で
あるいはより単純化して言うと「だから医者とかの言うことは信じるな」
っていう形でいろんな議論に対して疑義を、懐疑を抱く。

それ自体は必要な議論だったりするんだけど、
じゃあ科学的な評価をどうするのか?っていう議論の方には
あまりコミットしなかったりすると、

それはそれで情報を共有する活動に実は参加しないっていうことにも
なったりするわけですよね?

ただ一方でその水俣の方は今でも残っている分もありますけど、
いろんな評判というか風評被害っていうのもあったりして。

そちらの角度からじゃあ福島について語るときに
でも単純にイコールで結ぶことは出来ないだとか。

いろんな「○○学」っていうのはその学問の特殊性があるが故に
外に向けてどう説明するのか?とかどう繋げていくのか?っていうのが
逆に難しくなる面もありますよね。

開沼
そうですよね、まあこの本もそれこそ上野千鶴子さんは
「物足りない」という言い方をしたんですね。

どこが物足りないのか?というと、福島と言っているのに結局オチが
「これは全国に普遍的な問題ですよ」という方向に向かっていくじゃないか!と。
で、それは別に嘘をついているわけではなくて

確かにデータを見ていくと、そういうふうに納得せざるを得ないという
こともまあ言うわけなんですよね。

これはつまりあなたの傍でも福島の問題が起こっていることなんですよと。
福島の問題を深掘りしていけばいくほど、実は「原発が・・」とか「放射線が・・」
というところを通して福島の問題を見ちゃうけど、そうではないと。

まあよくよく見ていくと、じゃあ仮設住宅で聞く話っていうのは
「病院が混んでいる」とか、「若い人から出て行く」とか
「既存の産業がどんどんダメになってる」

これ別に日本全体起こっていることですよね?と。
だから確かにそういう原発・放射線の問題という極めて特殊な問題もあるけども。

その奥で起こっている問題って普遍的なんだということによって
当事者性を皆が持てるように論じていくっていうのが
この本の1つの通底するテーマになってるかなと思っています。

荻上
普遍化するときに、例えば本の中でそのまま「これは普遍的なものです」
と言ってしまうのか?それとも読み取った側がそういったものに繋げていくのか?
ってまた別の部分だったりするじゃないですか?

となったときに「福島学」は「福島学」のままで徹底した上で
例えばフェミニズムは「ジェンダー」という概念を
手に入れたことによって発明したことによって

いろいろな分野にその学問の骨子っていうものを埋め込んでいくことが
出来たわけですよね?じゃあ「福島学」というのはそういった遺産のようなものを
どうやって生み出すのか?っていうのを問えば

「フェミニズム」の歴史なんかを踏まえると、
そうした問い返しみたいなものは起こるのかな?っていう気はしますよね。

開沼
つまり今おっしゃって頂いたのは、ジェンダー論っていうのを深めていくことによって
経済学の中に例えば女性の活躍を推進すれば経済成長もするよっていうような

これまでだったらとりあえず男女別に関係なく経済学というのを論じていたところに
そこに女性っていうジェンダーが入ったらどういう変化が起こるのか?
っていう議論に繋がっていたり、

もちろん文化論とか政治論とかでもそういうことがあったということですよね。
で多分、福島の問題っていうのもじゃあ少子高齢化するときに
どういうふうにそこでイノベーションを起こしていくのか?とか

高齢者のコミュニティを作って行くのか?っていうようなことが
だいぶ色んな実践が行われているし、成功事例も出て来てるというふうに
私は思っています。

まあ分かりやすいところで言うと、例えば広野町原発から20kmのところ。
人が1回避難して空いている家などがあるところですけれども。

そこは一方で今作業員の方たちが大量に入ってきていて、
新しい町づくりをしているわけですね。

まあそういうこの人口減少に時代において
若い人たちが入ってきているところの町づくりってどうなんだろう?
っていうことって

例えば今後日本が移民受け入れの話をし始めるとかですね。
あるいは全然これまでと違ったまさに地方消滅の本で書かれていること

30年掛けて拠点となるような例えば北海道で言ったら札幌みたいなところに
若い人がどんどん流出してきちゃうんだと過疎地では。

そういう地域でどういうふうに新しい町づくりするのか?みたいなことは
実は仮想的に福島で起こっているんじゃないのかな?っていうふうに見れます。
まあ本の中にそういうことを書いているわけなんですけども。

荻上
ある種、社会問題の先取りをしているんだと。

開沼
そうですね、課題先進地・福島として捉えたときに
「福島学」で出た知見っていうのは他の学問や実践に埋め込める
というふうには思ってます。

荻上
なるほど、もしかしたらその普遍化の作業が早過ぎたとかね、
あるいはそれこそ「水俣学」の元になっている「水俣病」の歴史とかっていうのは
それが発覚しても数年間はずーっと運動のフェーズが続いて

それを改めて検証し得たところまでやっぱり何十年とかかったりしたわけですよ。
そのときにそこで起こったことは行政の国民無視であるとか、
あるいは産業に対する不適切な野放し状態があったとか、

そうしたものって言うのは実は今中国で起こっている公害問題とか
いろんな公害問題というカテゴリーで普遍化することは出来ると。

その前に例えば賠償問題とか、いろんなところで言うと個別の問題に
まず徹底的に向き合った上で普遍化を抽出するっていう順番になるわけですよね?

多分上野さんがフェミニズムを研究されたときと
開沼さんが今生きているときって時代が違うじゃないですか?

既に先輩方がいろんな普遍的な議論を構築した後に「福島学」に向かったのと
そういったものが無い状況で個別に向かった後で、普遍的理論を作ったっていう
順番から見ると、

多分議論のやらなきゃいけない順番感みたいなものが
違って見えるんじゃないか?っていうのを聞いていて思いましたね。

開沼
そういう食い違いはまあいろんな点であったのかな?っていうふうには
思っています。だからそう!もっと特殊性を見せろ、じゃないとそれは戦略的にも
やっぱり「福島は特殊なんだ」って見せた方が耳目を引けるだろうと。

荻上
「ここに来ないと分かりませんよ」みたいな。
それは例えばツアーみたいな形だったりとか、あるいはそうした作業を通じて
何かもう本当に普遍的な概念を作って埋め込んでいく

だから「同じですよ!」って言ってしまうんじゃなくて、
概念を作った方が贅沢だっていうようなそうしたようなものを
もっと求めるっていう気持ちはまああるのかもしれない。

ただ一方で今の福島の問題を正字化するっていうものも
開沼さんは課題として抱えていますもんね。

開沼
そうですよね。

荻上
そうした中で今回の本のポイントは今までの社会学者、開沼さんご自身もそうですけど。
あまり踏み込まなかった領域に1歩踏み込んだ本でもあるわけですね。

というのは、世の中に出回っている福島に関する誤解を解くということで
具体的に25の数字をクイズを出しながら「この数字答えられますか?」
っていうふうに聞いていく。なんか開沼さん1つ選んで頂いていいですか?

開沼
まあ例えば1番使うネタですけども、震災前福島県で暮らしていた人のうち
県外で暮らしている人の割合はどのくらいでしょうか?という問いです。

つまり避難などで震災の後に福島の人のまあいくらかの部分は県外で暮らしていると。
どのくらいでしょうか?っていうふうな問いですね。

ちなみにちょうど1年前に全国調査インターネットでしたんですけども。
「だいたい24%位かな?」っていうのが日本全体の平均的な意識でした。
南部さんは本あれですか?目を通して頂いたりしましたか?

南部
前に別に形で開沼さんと、北海道を歩きながら・・

開沼
そうでした!はい、北海道を歩きながらこの話をしたんですよね。

荻上
まあリスナーの皆さんもちょっと考えて、
何パーセントくらいが圏外避難したのかな?っていう。

開沼
まあ言い換えれば震災前の福島が100人の村だったら、
今そのうちの何人が県外に出ているでしょうか?ということですけども。

「だいたい24人くらいなんじゃねえか?」っていうのが
まあ全国の意識調査の結果だったと。

南部
私、そのすすきの歩きながら話しているときに、
「3人から5人ぐらい」って答えたと思うんですよ。

開沼
なるほどなるほど。まあ全国の意識よりもだいぶ少ないですけども。
これは南部さんの感覚が非常に近い。まあ答えは2.5パーセントくらい。
2,3人という感じです。

で、まあこう全国のイメージが24パーセントくらいで、
実際現実は2人から3人であると、10倍くらい差があるんですよね。

つまりまさに一昨日の朝日新聞とかも「被災地で人口流出がひどい」
っていうのが1面だったんです。ただよくよく読んでいくと、
これ全国の傾向だよっていう話も一緒に載っていたりして

「あれ、そんなに被災地って特殊じゃねえじゃん!」っていう読み方も出来るし、
実際東京を見るとそうなんですよね。

荻上
だからその他の地域での人口流出の平均値を取って、
福島の場合の数字がそのギャップでどうなのか?っていうと

関係なくそもそも引っ越した方っていうのが
当然ながら中にはいるわけですよね?その数字の中には。

だから原発事故を理由として越した方となると、
更に数値が変化するわけですよね。

開沼
そうですね、つまりかなり被災地、福島、原発事故イコール
皆、放射線、原発事故を怖がって出ている人口流出がしている
そういう見出しが実際に立つ、

ああ何となくそうなんだ!っていうようなイメージの作られ方がしてきた
部分があるんじゃないのかな?というふうにまあこの数値からは言えるわけですね。

だからこの10倍ぐらい実際現実とイメージが差があるっていうのが
いろんな側面にあるんで、それを産業だけじゃなくて子育ての部分とか
町づくりの部分でも論じていくという本になっています。

荻上
特にその面白いなと思ったのは、福島県の一次・二次・三次産業の
割合の比率はどうでしょうか?っていうような質問項目も載っていて
これはあの割合で僕考えたことなかったなっていうふうに思ったんですけど

なんとなく例えば福島だと米の話、農業の話、そして漁業の話が多いので
やっぱり農業と漁業で支えられている地域なのかな?っていうイメージは
開沼さん強いですよね?

開沼
だからこれもじゃあ「3:3:4とかですかね?」とか
「いやでも農業多いイメージがあるから、5:2:3とかですかね?」みたいな
イメージがあるわけですね、一次・二次・三次で。

まあ答えは一次産業は1割未満です。7~8パーセントの世界なんですね。
にも関わらずやっぱり「福島の農家が苦しんでいます」みたいな。
でまあまあそれは苦しんでいると、もちろんそれは重要であるけれども。

さっきの避難の話もそうですね、2.5パーセントで少ないから問題がない
ということを言いたいわけではありません。

でも、やっぱりそれ以外にもいろん問題あるよね?っていう話であるし。
少ないそれだけ孤立化されているあまり政治的なリソースが行っていないんだ。
そのことにも気付こうよねって言うような話をそろそろしないとダメだと思うんですね。

荻上
そうですね、だからなんとなくたぶんこの4年間で築かれた
福島イメージというものがあって、たぶんそれは情報ギャップでいうと
むしろ海外との情報ギャップっていうのはもっともっと大きいかもしれない。

そうすると変わった情報が飛び交って、例えばYoutubeとかで「福島ハッピー」
っていう動画が作られて笑顔の福島県民の人が次々と写るっていう
シンプルな動画なんですけど



それへの反応で「えっ、福島で人が笑えるの?」みたいな
「なんじゃそりゃ」みたいな反応とかも中には海外発とかであったりして

その情報ギャップに対してどうするのか?っていうことも
1つの課題だったりしますよね?

開沼
まあ海外行ったら本当に福島全体が焼け野原みたいになってるぐらいの
イメージの人もいますし、実際まあそれは国内でもやっぱり地理的な距離感で
関西のある地方紙の記者の方にさっきの人口の話をしたらですね

「4割ぐらい流出しているんじゃないですか?」みたいなことを
言ったりするわけですね。もうびっくりしますよね?

でもまあ東北に行ったら流石にそれは「スカスカ過ぎるだろう」とか
っていうふうにそういう地元感覚ある人は思ったりもすると。

やっぱりそこの理解なくして復興が遅れていると言い続けたり、
風化が進んでいると言い続けたりしていても、もうそろそろちゃんと
細かいことを考えるようにしていくべきなのかな?というふうに思います。

一昨日くらいに出た福島民報のアンケートでやっぱり7割くらいの人が
福島が対外的に理解されていないんじゃないか?というふうに不安感を感じている
と答えているんですね。まあこれはけっこう大きなギャップかな?と思ってますね。

荻上
「俗流フクシマ論」っていう形で連載をお書きになってましたよね?
「俗流フクシマ論」っていうのはおそらく、
まあ「俗流若者論」という言葉とかが先にあって

これは2000年代ぐらいからウェブ上でけっこう話題になったキーワードで
つまり「若者は○○離れ」を起こしているとか、
「若者の犯罪が凶悪化してる」とか言ったりするんだけど、

データを見ると全然してねえんじゃねえか?っていうツッコミがあった。
そういったものをトレースして福島に関する語られ方っていうものを
やはり事実と違いますよというツッコミをこれから開沼博は入れ続けていきますという

ある意味では上野千鶴子さんがフェミニズムで女性に対する語らえ方のおかしさを
ツッコミ入れていきますということを今度は福島をテーマにやりますという
宣言にほかならないと思うわけですけれど。

あのときは確かに少年犯罪とか論じられると「LINEの影響なんじゃないか?」
みたいな形でそこだけピックアップしてなんか全体を語る。

だからさっきの人口移動の話も「じゃあ原発事故の影響だね」っていうことで
全部説明しようとしてしまうとかっていうそのミスマッチの情報を是正していく
っていうことになるわけですよね?

開沼
だからそこにあるのは、人が移動したのは例えば高齢者の方が
「やっぱり病院が近い方が良いんだよ」って言って移動していたりとか、

「やっぱり子どもの進学を考えたら前みたいな選択しないところよりは、
 都市部の方がいいのかな?」って言って移動しているような人もいたりとか

よくよく聞いてみると、
その結果戻らないという選択をしていたりとかするわけですよね?

だからそういう細かいところも含めて見ていかないと、
たぶん今後の問題ってより分かりにくくなっていきますから。
まあなかなか解決しないのかな?と思いますね。

荻上
今私ね、犯罪統計に関する本を作っているんですよ共著で。
そのときにちょっと反省じゃないですけど、
モードチェンジが必要だなって最近思ってまして。

「俗流若者論」批判っていうのは僕も今でもやるんですね。
「統計的に間違ってますよ」と、でもその先もまた必要で。

じゃあその統計的に間違っているっていうふうに応答するのはともかく。
では実際に必要な犯罪対策とかあるいは
犯罪に対するケアとかってのは何が必要なのか?っていう

そういったプランもやっぱり出していかなくてはいけない訳ですよね?
となると、やっぱりツッコミだけじゃなくて1つのボケっていうとあれなんだけど、

「こっちの方がこうだよ」っていうものを出していくという作業も
また必要になってくるわけですよね?
それは今度どうされていきます?

開沼
まあこの本の中でもある程度まあ処方箋を出していってる部分というのもありますし、
その処方箋自体がでもあんまり煎じ詰められているかというと、
そうでもないと思っています。

そこはまあ磨いていきたいなというふうに思っています。
あとはこれはちゃんとより多くの人に届けていくと。
それは支援する側・される側。

あるいはたぶん無関心になっている人、帯にも書いている通り
「難しい面倒臭い福島の問題」ってなってる人が多いと思います。

で、その人が「あ、なるほど福島関わっていったら面白いんだ」っていうふうに
なるような状況を作る中でその解決策にアプローチする人が
いっぱい出てくればなと思っていますね。

荻上
これは別に観光ガイドとかでないんですよね?
「はじめての福島学」と書いていますけれども。
何ガイドですか?



開沼
これはブックガイドとかもついていますけれども、
まあ福島への眼差し方ガイドだと思っています。

でも実際これ行ってもらいながら例えば広野町に行って「死の町」発言を
閣僚がしたような地域です。で、行ってみたら「あっ、やたら人がいるぞ」って
いうことに気付くわけですよね。

住民票ある人は2,000人しか戻って来ていないんだけど、5,500人の町でした。
そこに実はプラス3~4,000人来ているっていうことが最近分かったと。

それは町の水道の使用量を全部見たらですね、
「あっ震災前よりも人が住んでいるらしいな」っていうことが分かってきたんですね。
っていうことの背景がこの本に書いてあるんですね。

だからたぶん行く前に思っていたイメージと実際に見た風景とのギャップの
答えがここにあるんだなというふうに思っています。そういった意味で広い意味で
観光ガイドというふうに捉えて頂いてもいいかもしれないですね。

荻上
ギャップに気付くポイントみたいなものが網羅されているという感じですかね?
行くとおそらく「あれ、すごく生きた町じゃないか!」って逆に思うっていう。

開沼
「死の町」どころか生き生きしちゃってる。

荻上
ちなみに今おすすめのポイントとかスポットってあります?

開沼
これはネタ的なところなんですけども、福島市に「UFOの里」
っていうのがあるんですね。まあ要はバブルのときに町おこしだということで
UFOで盛り上げようみたいな話になっちゃったんですね。


で、売店に行くと「NO UFO,NO LIFE」ってTシャツが売っていて
「UFO博物館」ってまあ自治体がやっているんですけど。

行くとかなり作りの粗いUFOの模型とかがあって、
人形があってまあ5センチくらいなんですけれども。
スケールが1/10って書いてあるんですね。

これ10倍しても50センチじゃねえか!と人間じゃねえじゃねえか!と。
作りがイチイチ粗いという(笑)

「FBIの機密文章」って書いてあるのがあって、
よく見ると「NEWS RELEASE」って書いてあって
普通のただの英字新聞が載っていましたね(笑)

荻上
「TOP SEACRET」って書いてないんですね(笑)

開沼
いちいちツッコミを入れられる面白さがありますね。



(了)

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