イラン人芸人・エマミシュンサラミが語る「イランの怖い話」

2012/09/25

イラン エマミシュンサラミ デイキャッチ

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今回は、2012年8月16日放送・荒川強啓デイ・キャッチ!
「メキキの聞き耳」エマミシュンサラミさんの回を起こします。

音声はこちらから

荒川強啓(以下、強啓)
今日はお笑いコンビ「デスペラード」のイラン人芸人
エマミシュンサラミさんです、こんにちは。

エマミシュンサラミ(以下、サラミ)
サラーム、サラミです。
いつもありがとうございます。

強啓
あのサラミくんさぁ、今日ちょっと足下見たらさ
あなた雪駄はいてるよ!
ちょっと民族衣装で雪駄!


サラミ
僕、ターバンまいて民族衣装着てるんですけど。
個人的に雪駄が大好きなんで・・。
素材が畳と一緒じゃないですか?
イランでも今、畳がすごい人気があるんですよ。

強啓
日本の畳が人気あるの?

サラミ
い草の感じが良いとか、匂いが神秘的だとかそういうので。

強啓
ええーーーー!何?ペルシャ絨毯から離れてっちゃってるの?

サラミ
まぁペルシャ絨毯、高いですし(笑)
やっぱみんな当たり前になってるんで、畳の方が斬新でおしゃれだぞ!みたいな。
日本でペルシャ絨毯人気あるんで、今なんか交換トレードみたいな感じに(笑)

強啓
そんなね夏の装いの、雪駄履きのサラミくんは
暑い夏にぴったりイランの怪談話ということなんだけど。
そんなにたくさんあるんですか?怖い話は。

サラミ
いやまぁまぁ定番というか「お岩さん」みたいなそういう話も
イランでも結構あって。

強啓
あるんだ!例えばどういう話ですか?

サラミ
これは300年前くらいの話なんですけど。
人形職人さん、腕のいい職人さんがいて
その人の娘さんが3歳で死んじゃったんですよ。

で、まぁ悲しいんで一生忘れないという意味で
その娘さんにそっくりな人形を作って別に売るわけでもなく
慰める用に置いといたんですけど。

その職人さんが死んじゃって遺品整理の時に、
なんか商人さんが娘さんの事情も知らずに
「これは可愛いから売れるぞ」ってことで売っちゃったんですよ。

その人形をもった人たちがみんな何か病気になったりとか
変死したりとか不吉な事件がすごい多発しちゃったんで。
その人形を回収・・売られなくなっちゃったんですよね。

それが300年前くらいの話なんですけど。僕が6歳、20年くらい前の時なんですけど、
怪奇現象特集みたいなバラエティー番組がイランで放送された時に
その人形の話が出たんですけど、なんか人気が出ちゃって
レプリカ版が売られる様になったんですよね、人形の。

結構いろんな人が持ってたんですけど、
それがまた病気になったりとか同じような事件が起きちゃって
これは「呪いの人形だな」って現代でもなっちゃって。

僕の同級生の妹も持ってたんですけど、
落ちてる人形を取ろうとしたらタンスが倒れてきて骨折しちゃったりとか。
「これはやばい!」と思って・・。

当時イラン・イラク戦争で、家とか壊れた人が
難民収容所みたいに集まってる場所があって
そこに衣料品とかおもちゃとか食べ物とか送ってるんですけど。

それと一緒にその人形を送ったんですよ、「いらない」って。
で何日かして、その難民収容所が空爆されたってニュースが起きたんですよ。
一応、戦争のルールとしてその収容所は絶対攻撃しちゃいけないんですよ、民間人の。

ただそのルールを犯してイラク人が攻めてきたって
ニュースのキャスターはすごい怒ってたんですけど。
「ここが攻撃された場所です」って映像が流れたときに
ガレキの中にその友達が送った呪いの人形があったんです。

僕らはイラク軍がルールを犯したんじゃなくて、
呪いでそうなったんじゃないか?ってことですごい怖かったっていう・・。

強啓
と、鳥肌・・。

杉浦舞(以下、杉浦)
いや、怖いですよ・・。

サラミ
いや言ってる僕も・・。
これ本当に僕が同級生から聞いた話なんで・・。

強啓
もう一つ怖い話。

サラミ
これも僕が体験した話なんですけど。

小学生の時に当時イランはイスラム教がすごい厳しい国なんで
自由に音楽は聞いちゃいけない、外国の音楽は聞いちゃいけないですし。
性にもすごい厳しいんで、ポルノ雑誌とかビデオとかも
絶対持ってちゃいけないんで、全部没取されてた時代なんですけど。

その時代に政治犯も多くて、反対する人も多くて
ほとんどの人は処刑されちゃってたんですよ。

僕らの近所に誰も使ってない家があって。
話によるとそこが政治犯で処刑された人の家で悪霊が取り憑いてるって。
で、なんか夜な夜な女性のうめき声が聞こえたりガサゴソってすごい音が聞こえたり、
とにかく悪霊が棲みついてて、みんな怖くて近寄れなかったんですよ。

有刺鉄線とかも張り巡らされててもう入れないようになってたんで。
ただなんか友達同士の罰ゲームか何かで僕ら5人くらい肝試しじゃないけど
「行ってみよう」ってことになったんですよ。

夜中1時くらいにバリケードくぐって、その家に着いて。
まぁ鍵が閉まってたらそのまま帰ろうと思ったんですけど、
ギィィーって開けたら開くんです!

杉浦
鍵閉まってなかった!

サラミ
僕ら廃墟とかも知ってるんですけど、その寂しさはなくて
なんか人が住んでるような・・なんか悪霊がいるんじゃないか?ってなって。
「うわっこれ、やばいぞ!やばいぞ!」ってなったら、
部屋からコソコソコソッ、コソコソコソって。
「本当これオバケいるぞ!」って。


強啓
あ、音が聞こえたの?

サラミ
音聞こえて、「これ帰ろう!」ってなって。
で、何人かが「ちょっとオバケも見てみたい」って部屋をギィーって開けたら、
ものすごいエロ本の山が・・。

杉浦
はぁ!どういうこと?

サラミ
そこに警官がバァーって見てて・・。
どういうことか?って言うと、
当時禁止されていたエロ本を警官が没収しますよね?
そこからお気に入りのものをピックアップしてコレクションにして保管してたんですよ。

杉浦
なにそれー(笑)

サラミ
だから、今思うと夜な夜な女性のうめき声っていうのも
大音量でポルノビデオ見てたんじゃないのか?とか。

ただその時、警官に
「これバラしたら一家全員処刑してやるからな」って
怖いこと言われてるんですけど、片手にエロ本持ってるんで。
こっちもどうしていいかわかんないみたいな(笑)

強啓
あのー、そこに入ってこさせないために
「そういう怖い場所なんだぞ!」と言いふらしていた。
そういう感じなんだね。

サラミ
一応、口封じにエロ本1冊もらったんで、
この話は墓場まで持って行こうと思ったんですよ。
まぁ日本だったら治外法権かな?って(笑)

強啓
いやーー!この話だけは伝わってると思うよ!
知ーらない!口の軽いやっちゃなー(笑)



(了)

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