2012/07/01

宮台真司が語る「オンナはもう、オトコに顔を求めない」

今回は、2012年5月25日放送荒川強啓デイ・キャッチ!
「デイキャッチャーズボイス」宮台真司さんの回を起こします。

音声はこちらから

宮台
これクエスチョンマーク付いてないんですよね。
サンケイリビング新聞社の「iza!」っつーのがありまして。


そこがですね、「citywave」っていうwebサイトと合同で実施したアンケート
回答した女性は479人いらっしゃる。まぁ結構多いんですけどもね。

「交際相手を選ぶ際に妥協出来る点」っていうことはつまり、
妥協出来る点と出来ない点を答えてもらっているんですね。

「妥協出来る点」60%の女性が「容姿」と回答した。
「妥協出来ない点」1位は、「性格」ということなんですよね。

この答えをみて中国などでは、
テレビ番組で億万長者と結婚するみたいな番組があり、
「金」とか「容姿」とか堂々と結婚や付き合いの要件・必要条件として
主張されるのと比べてどうなるか?みたいな話もあるんですが・・

ちょっと僕、歴史の話をして日本の結婚に関わる性愛事情についてですね、
ちょっと批判的な角度からお話しをしてみたいと思うんです。

御存知のように80年代のバブル時代の末に
「アッシー」「メッシー」なんて言われた事がありますが、
この時代「3高(収入・学歴・身長)」が重要スペックだ!っていう話がありましたよね?


しかしそれから10年ちょっと経った2000年期に入るか入らない頃からですね。
結構情報産業のOMMGがたびたび調査を出しているんですが、
繰り返しこの調査の中に出て来るのが。
以前ほど「3高」にはもはやこだわらず、特に彼氏選びの時にはね、
「一緒にいて楽しい」とか「リラックス出来る」とか「性格が合う」という要素が
非常に重要視されるようになってきたんですね。

それと同時に「性格が合っても飯は食えない」ということでね、
結婚の問題と恋愛の問題をまた以前とはちょっと違った形で
分けるという考え方も出てきましたよね。



だからその、恋愛で別に盛り上がってるわけじゃないけど、
「恋愛は比較的人畜無害なやつであればいい」と。
「結婚は金がなきゃダメよ!」っていうふうになってきて。

それはそれとして、この番組僕も批判的なことを申し上げたことがあります。
僕が今日、批判を申し上げたいのは、
顔にこだわらないで一緒にいるとそれなりに楽しい奴と恋愛をして、
プラス金が有れば結婚しても良いっていうね、
この発想の裏にある関係の薄さについてお話ししたいと思うんです。

僕は日本の今の様々な企業、つまり生産やサービスのプロバイダの
マーケティング戦略の貧しさと性愛のコミュニケーションの貧しさが
全く同じだと思うんですよ。


最近の若いナンパ師の子から色々聞き取っていて思うのはね、
とにかく質問するよね?「どんな料理が好きなの?」「中華が好きなの?」
「どういうところに行きたいの?」「どんな音楽が好きなの?」

強啓
男が女に聞くってこと?

宮台
そう、聞くんですよ!
いや、女も男にいろいろ聞くんですよ!
でね、僕らの頃はちょっとそれは有り得ない。

聞かないで話し合いを通じて、だいたい色んな仮説を立てて、
誕生日の時に特製テープとかを作ったりするでしょ?
そんなのいちいち聞かないでですね、推定して作るんですよ。

ど、ドンピシャ!女の子から何も質問してないのに
ドンピシャのストライクゾーンに玉を投げられたら「すごーい!」ってなるじゃない。
「そんなに私のこと分かってくれてるんだ!」って。

それだけじゃないんですよ!
僕らの世代は、若い子はジャズ知らない絶対ね。
だったらジャズの・・僕の大好きな・・もっとマイナーな
アバンギャルドジャズから素晴らしいのを探し出したりして素晴らしいのを聞かせるんですよ。
「こんなの聞いたこと無いけど、なんかすごいね!」っていうふうに言わせる。


聞かないで女の子に「これが君の好きなものでしょ?」っていうのが大切
マーケティングもそうで、マーケットリサーチをして人々がね望んでいるものを提供する。

そうすりゃ「儲かるんじゃないか?」
はっきり言って終わってます!

何故か?というと、我々は僕も含めて馬鹿なんですよ。
ニーズに応えたら市場はでたらめでつまらないものになるんです。

スティーブ・ジョブズが言ってましたよね?
「Think different」
これはね「違ったやり方で考えろ!」と訳すのはよくなくてね、
「君たちは間違っているよ」ってことです。
「君たちはそんなものを欲しがってるの?」
「ストレージ10倍?スピード3倍?意味ないんじゃない?」
「じゃあ何が意味があるの?」→「これさぁ!」って示す。


こういう態度が必要で、
どうも日本ではマーケティングも恋愛市場もすごい貧しいものになってるのは
ニーズに応じようとするからなんですよ。

そう言うコミュニケーションの末に、
出発点が「アッシー」「メッシー」だよ、女の子のニーズに応じる。
そこからねコミュニケーションのクオリティがすごい下がってきている
その中で「顔」か「金」かみたいな話をしていても意味が無い。

あともうひとつ、30代なって「顔」とか言ってるやつは死んだ方が良いと思うんですよ。
経験値がなさ過ぎる。顔は見なきゃ済むんだよ。
それに見慣れたら終わりだよ。

そうじゃなくて、もっと「歯ぎしり」とか「体臭」。
「体臭」っていうのはね色々な好みがあって、
他の人は大丈夫でも「僕はこの体臭は無理!」とかっていうのがあるんですね。
実際にはこれは目を潰れませんから。
そういうことの方が遥かに重要でしょ?
今になって30代になって「顔」とか言ってんの!

杉浦
この調査だと3位に入ってますよね。

宮台
終わってますね、この人たち何やってるの今まで。

杉浦
年代によって変わってくるっていうのは無いんですか?

宮台
変わっていくわけです。
例えば、年齢によって変わると言うこととね、年代によっても変わる。
僕は「出会い系」の最初のところである「テレクラ」ずっと調べてたでしょ?


80年代の後半の5年間くらいは女の子は年齢を気にした。
90年代に入ると突然年齢は気にしなくなったんですよ。

そうじゃなくて「ノリ」楽しいか?楽しくないか?っていうことを
気にするようになったの。
その時にはね「金持ってる」とか「ベンツに乗ってる」とかっていう
ナンパの手法が効いたのね。

でも90年代半ば以降になると、ちょうど「ブルセラ」「援交」の頃だけど、
「俺さぁ、ベンツ乗ってんだけど」
「ベンツはいいけど、あんたはどうよ?」っていうリアクションになっていくんですね。
女の子がどんどんどんどん年を経て、時代的に賢くなっていったプロセスがね、
確実にあるんです。
杉浦さんの質問もあったように賢くはなってる面はあるんだけど、
関係性の基本中の基本はすごく薄くなってると思う。


理解っていうのは、相手のニーズに応じることじゃないんですよ。
僕、「思いやり」という言葉が嫌い。
相手がね弱音を吐いたりとか苦しんでいるということを表明すればね、
そこに手を差し伸べる。これ「思いやり」でしょ?

で、「思いやり」程度ではね本当の恋愛にはなれない。
相手が弱音を言ってなくても全く涼しい顔をしていても、
「本当はこの人はこれが苦しいはずだ」ってことに気が付いて
ピンポイントで手を差し伸べることが出来る。
これが本当の理解なんですよ。

強啓
それは経験しなくちゃ身につかないねー。

宮台
これを身につければ、「絆」は作れます。
ただ、ご注意を!

こういうと若い人は間違えてね。
女の子と付き合って、「君は間違ってるよ!君の欲しいものはそんなものじゃない本当は!」
「僕が君の欲しいものを知ってる!これだろ!」

杉浦
いやだ!!!(笑)

強啓
さいならーー!

宮台
これだけは、止めて下さい!
それは暑苦しい勘違いなので、
全てはさりげない自然の延長線上で女の子が、あるいは男の子でもいいけど、
気が付いてもいたら、
「私はこの人とずっと付き合ってきたら昔のままのつまらない毎日だったな」と。
「私は今、以前とはもう全然違った好み、違った価値観を持ってるな、気が付いてみたら」
そうなるように関係性を作るのです。以上です。


(了)

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