2015/12/31

ノンフィクション作家・片野ゆかが語る「ここ10年ぐらいすごく動物園の飼育方法が変わっている」

今回は2015年11月4日放送「荻上チキSession-22」
セッション袋とじ「片野ゆか『動物園飼育員のリアル』」
起こしたいと思います。


南部
今夜のお客様は「動物翻訳家」の著者でノンフィクション作家の片野ゆかさんお迎えしています。よろしくお願いします。



片野
よろしくお願いします。

南部
今夜は片野さんに新刊「動物翻訳家」に動物園の飼育員さんの4つのお話が入っているんですが、そのリアルストーリーについてうかがっていきます。

荻上
動物園に観にいくことはあるんですけれども、飼育員の方に話を聞くという機会はあまりないですよね?

今回動物園でしかも飼育員の方々に焦点を合わせてみようと思ったきっかけというのはなんだったんですか?

片野
もともとその犬とか猫とか私、ペット動物の方はすごく取材をしていたんですね。動物園にも自分個人的に好きな動物とかいるんですけれども。

でも本当の動物園動物の方は全く分からなくって「じゃあそっちはどうなってるんだろう?」というのがまあ本当にもう最初の純粋なきっかけで。ちょっと調べていったらここ10年ぐらいすごく動物園の飼育方法が変わっているということが分かってきて。

キーワードがあるんですけれども、「環境エンリッチメント」というものでこれは動物のクオリティ・オブ・ライフを上げるというちょっと難しげなんですけれども。

荻上
動物の満足度を上げるというのが・・

片野
そうですね、動物たちが「楽しい」とか「気分がいい」とか「リラックスする」っていうことを飼育員の方がそうなるような環境を作るためにいろいろ工夫するんですね。

まあ犬・猫に置き換えると、犬だったらお散歩をしてあげたりとか、猫ちゃんだったらキャットタワーを置いてあげて3次元に動くようにするとか・・そういうことなんですね。

私、動物園動物にそういうことをしているということですごく驚きまして、犬・猫ってもっともっと人間と近く一緒に暮らして歴史長いですよね。

犬なんか1万年以上前からって言われてますけど、それでも犬や猫に対して満足度を上げられているか?っていうと、けっこう難しいと思うんですね。

「これってきっと気に入ってくれるだろうな」と思って買ってきたおもちゃが完全無視されたりとか(笑)

南部
ショック!!(笑)



片野
よくあるんですよ。私も愛犬に犬用ベッドをすごい吟味して買ったんですけど、全く使ってもらえなかったっていうのがちょうどこのときにあって犬を私かなりしっているつもりだったんですけど、けっこうショックで。

でもじゃあ動物園で飼育されている動物ってもともとは人間と共存するのを拒否してきたっていう歴史がありますよね?

そういう動物たちにクオリティ・オブ・ライフを上げるためのいろんなやり方っていうのは一体どうやってやってるんだろう?と思って「じゃあもうこれは調べるしかない」っていうのでそこからスタートして取材が始まりました。

荻上
なるほど、犬・猫とかの方がむしろ間違った俗説が交合しているというか・・

片野
それもありますよね。すごく「こうに違いない」とかちょっと擬人化してしまったりとかもありますし。犬のトレーニングなんかもけっこう10年単位で「これが正しい」とか「実はこうだった」とか変わったりしてるんですよね。

ただ動物園で飼育されている動物たちっていうのは、動物園の歴史って長いですけれどもいろいろ調べると実はやっぱりそれぞれの動物の飼育方法とか彼らがどんなふうなものを好むのかっていうのはあまり研究されていなくって、本当にもう現場現場で試行錯誤をしながらっていうことなんですよね。

でもその中でも本当に素晴らしい取り組みをして、実際にその「環境エンリッチメント」を基盤にして「動物福祉」という考え方、

動物たちの幸せを考えるというものを全面に打ち出した上でお客さんに彼らの自然な姿を見てもらえるというそういった施設を実際に実現している動物園がいくつかありまして、

まあいろいろ調べるうちに私の中でのちょっと今の動物園業界で四天王ではないか?と言われる飼育員の方を選ばせていただき・・

荻上
おおっ、飼育員四天王!!

片野
ぜひ取材をしたいなと思って、会いに行きました。

荻上
それは「朱雀」とか「白虎」とかそういった言い様が付いたりはしないんですね?(笑)

では、お一方ずつお話をうかがっていきたいと思うんですけれど。じゃあまず1人目の飼育員さんの方を紹介いただくことになりますかね?

片野
4つのストーリーの中のまず1つ目のストーリーの舞台なんですけれども、こちらは「埼玉県こども動物自然公園」というところのペンギンを担当されている方を取材しまして、


ここの施設はですね、たぶん日本はじめてですし、世界的にも初ではないかと思うんですけれども。もう広大なところにサッカーグラウンドの半分ぐらいの土地を使ってペンギンたちを飼育しているというところなんですよね。

具体的にいうと、ペンギンってけっこう氷の世界に住んでいるっていうイメージを皆さん持つと思うんですけれども。実はペンギンって18種類ぐらいに分類されているって言われてるんですけど。そのうちで氷の世界に住んでいるのは3種類だったかしら?本当に一部なんですよね。

南部
そうなんだ!

荻上
なんだか陸上を歩いているというか、岩場を歩いているイメージとかもありますよね?

片野
そっちの方が多いんですよ。で、温帯エリアに住んでいるペンギンですとか中には本当に砂漠に住んでいる・・

南部
砂漠にペンギンですか!?

片野
そうなんですよ。

荻上
一番合わない!

片野
合わないんですけど、そうなんです。寒流が流れていればエサになる魚があるので、すごく乾いていてエリアが砂漠に近くて本当にサボテンの脇に巣を作って暮らしているペンギンとかもいるんですよね。

南部
うわっ、水がいるんだと思っていた!

片野
でも海は近いですよ。

荻上
水はもちろんいるだろうけれども・・

片野
なのでやっぱりペンギンイコール氷の世界っていうのを・・まあ間違ったイメージですよね。本来のペンギンの生態が分かる施設を作ろうということでここの「埼玉県こども動物自然公園」の「ペンギンヒルズ」という名称なんですけれども、格好いいですよね名前が。

荻上
格好いいですね、ギロッポンみたいな感じでね。

片野
ここのモデルになったのが、南米のチリにあるチロエ島というところがあって、ここはすごく四季が日本とちょっと違うんですけれども。日本のように四季があって本当に緑の山があって、その海にペンギンたちは魚を撮りに行って、巣作りはその岩場とか上の山に作って。

夏だったら綺麗なお花が咲いているし、真夏だったらちょっとジャングルのような気が鬱蒼としてっていうようなそういうところで暮らしているんですね。

なのでそれをモデルになるべくチリ・チロエ島を再現するっていうコンセプトで「ペンギンヒルズ」というのものが作られているんですね。

荻上
しかも広く?

片野
そうですね、広いのでプールがあって実際に土の丘があるんです。なので「ペンギンヒルズ」なんですけれども。

南部
その土の丘で「ペンギンヒルズ」

片野
そこにペンギンたちが夕方になると、えっちらおっちら登っていって自分たちの巣に戻っていくというのが現在ではそういう姿が見られるんですけど。まあそこに至るまでなかなか大変で、担当の飼育員さんがすごい努力をしたという経緯があるんですけれども。

荻上
大変というのは「ペンギンなのに氷なくて大丈夫?」とか「そんなに設備が広くてお金どうするの?」とかそういうことですか?

片野
設備の方もあるんですけれども、ここに来たペンギンたちというのがもともとここの動物園に来る前に別の県の動物園でクローズしてしまった動物園があって居場所を探しているということで二十何羽まとめてグループでこちらの動物園の方に引き取られたんですね。

ここに来た以前の施設というのがコンクリートとガラスと、まあお水とプールはあったんですけど。

荻上
そういうところ多いというか、まあありますよね。

片野
多いですよね、全て動物園で繁殖した個体だったので生まれてからコンクリートしか知らないっていう個体たちなんですね。

なので、本来そのこれ全部フンボルトペンギンなんですけれども。フンボルトペンギンにとってはチロエ島のように土の山があって草があって、本当に太陽が燦々として雨も降ってっていう本当に自然の中が本来は理想なんですけれども。

コンクリートしか知らないペンギンたちは「その自然の中が怖い」っていう本当に最初は怯えていて。

荻上
「何、この環境!?」みたいな。

片野
そうなんですよ、箱入りペンギンちゃんたちが自然の中にいかに暮らしていくか?っていう。

荻上
シティ派というか都市派の。僕が自然の方に行っても慌てますからね。「いや、住み心地が・・」みたいな・・そりゃペンギンも慌てますよ!

片野
そうなんですよ!ペンギンもけっこう焦ってたみたいで・・。

荻上
「本能だけでどうこうなるわけじゃないんだぞ!」っていう。

片野
最初はそうですね、なのでいかに怖い思いをしないでここが彼らにとって快適なのかっていうのを聞いて伝える術というか・・それを飼育員の方が。

南部
うわー大変!!

荻上
プレゼンするわけにもいかないわけじゃないですか?

片野
言葉で通じないですからね(笑)やっぱりペンギンたちにとって「快適ですよ!」とか「意外といいんじゃないか?」っていうのを本当にもうちょっとずつアプローチをしていって・・なんでしょう?ちょっと進んでまた後退するみたいな。

荻上
どんなアプローチなんですか、それは?

片野
これは本当に一例なんですけれども、まずその怖い思いをさせないというので、もう屋根もない本当にオープンエアな施設なんですね。なので上空をカラスとかトンビとか飛んでいるわけです。

例えばその鳥たちが場内に舞い降りたら彼らはかなり恐ろしい思いをすると思うので。食事をしたあとにペンギンさんってお魚を食べるんですけれども。

生のお魚を食べるので、いろいろその破片とかちょっと血が残ったりとかそういったものを徹底的に掃除して排水口の中まで全部ブラシで1日2回お掃除をして。そういうふうにするとエサがなければ鳥が来ないんですよ。

なのでそういう外敵になるようなものが絶対に彼らに近づかないようにっていうので、そういった守り方をするんですよね。

まあ清潔を保つというのもあるんですけれども、本当に外敵をシャットアウトするっていうので実はお掃除ってすごく飼育員さんにとって重要なものなんだなというのを。

荻上
それはその後もずっと外敵から守り続けるっていうことですか?

片野
そうです、今でも毎日毎日続けていらっしゃいます。

荻上
じゃあまあ来ないから見ても驚きはしないぐらいにはなれるっていうのは?

片野
そうですね、今は飛んでいてもそんなに脅威ではないし、最初は本当にプールの中にしかペンギンたちは居れなかったんですよね。

荻上
「うわー、出たくない」みたいな?

片野
出たくない。で、どうやらやっぱり水の中っていうのが彼らにとって安全地帯らしくって最初はもう頑張ってなるべく潜っていて。

ただ息をしなきゃいけないので本当にギリギリで息継ぎしてまた潜るみたいな感じで。

荻上
体力もちょっと心配ですよね、それは。

片野
そうですね、それがだんだん慣れてきてペンギンがプールの上で浮くようになって。で、プールから上がる時間が本当にだんだん増えて行ってっていうので本当にもう1年2年かけてちょっとずつ彼らは慣れていってっていうような状況ですね。

荻上
じゃあこうスモールステップで小っちゃな1歩ずつをやっていくということなんですね。じゃあいきなりなんか「最善だろう」と思われる環境をバンと与えても、その通りには行かないということですよね?

片野
施設を造ってそこからがスタートみたいな本当にそういう感じですよね。

荻上
はいはい、慣れさせていくっていう苦労。これもお金もそうですけど、アイデアもそうだし、周りの人を納得させていくっていうのも大事ですよね。飼育員の情熱が伝わってくるような。

片野
細かい情熱が。

荻上
チームプレーしかもやらなきゃいけないわけですよね?

片野
あとやっぱりある程度ペンギンの中で繁殖個体がいるので、その繁殖個体とちょっとタッグを組むというか・・

人間ともともと来た群れと後はペンギンヒルズで生まれた繁殖個体で「ペンペン」という名前で今このペンギンヒルズのアイドルなんですけれども。

荻上
2世ですね?

片野
ペンペンが人間がこの飼育員さんが造った巣とかに入っているのを見て他のペンギンたちが「あれ?もしかして仲間が入ってるから安全?」みたいな感じで。

荻上
ペンペン!

片野
ペンペンはすごいんです!

南部
ペンペンが翻訳しているみたいなことですよね?

片野
そうですね、なんで私も全部書き終わってから気づいたんですけど。やっぱりこの飼育員さんとペンペンがタッグを組んでいたんだなっていうので後で気づきました。

荻上
2世が架け橋になるわけですよ。

片野
2世もやっぱり人間べったりでは群れにアプローチできないので、飼育員さんの方で人間べったりにならないように優しく突き放しつつ群れと一緒に居る時間を作ったりとかしたんですけど。

南部
ああ、外交上手!ペンペン!

荻上
いやこれはやっぱり飼育員の方々の努力の痕跡がよく分かりますね。

南部
センスもすごいですね。

荻上
ではまあ四天王の一角、紹介していただきましたけれども。続いてはどんな動物園の方なんですか?

片野
次はですね、茨城県日立市の「かみね動物園」というところでこちらはチンパンジーの担当の方なんですけれども。

もともとこちらにはチンパンジーが3頭だけ暮らしていまして、ただチンパンジーというのは群れで暮らすものでもっともっとその7頭8頭10頭とかそれ以上の群れで暮らすのが自然な姿って言われているんですね。

だからやっぱり日本の動物園どこもそうなんですけど、スペースの問題がありましてなかなかその大きな群れが買えないという。

荻上
だいたい数匹でっていうね。

片野
そうですね、特に昔は本当に1頭か2頭展示するみたいなちょっと寂しい感じだったんですけれども。

それがこの動物園が2005年に50周年というので企画事業をやることになって、ちょっとその広い施設が造れるというのに合わせて、

じゃあチンパンジーを群れで生活しているところを来園者に見れるようにということでスタートした企画なんですね。

荻上
基本的な話なんですけど、動物園によって「ペンギンならあそこ」とか「チンパンジーならここ」みたいな感じで

「動物園といったら大きなあそこに行くべきだよね」みたいなことではなくて、1個1個やっぱり最適環境により近いところって個別にあるんですね。

片野
そうですね、ただ人気動物っていうのはどこの動物園もなるべく飼育したいっていうのはあるはずなんですけれども。

逆にちょっとマイナーな動物で「ここの動物園が見どころ」とかそういった押し出し方っていうのはあると思います。

荻上
そして環境はこの場所はチンパンジーにとって最適なものを用意している、こっちはペンギンみたいなものもあるそれがまあ今回はチンパンジー、どうしたんですかこのチンパンジーの新施設は?

片野
こちらはチンパンじーというのはボスにあたるオスのリーダーがいて、あとリーダーを中心にメスが集まって群れを作るっていうのが基本的なスタイルなんですね。

なので、群れを作るにあたって新しいその個体を別の動物園から譲ってもらうっていうかたちで、なんとかメスのチンパンジーがお引っ越しをしてきたんですけれども。

そのチンパンジーたちがですね、チンパンジーの本来の社会に適応できていなかったりとか。ほとんど彼らはショーとか芸能ビジネスですか?ショービジネス?

チンパンジーってとても頭が良いので、子どものときにけっこうお洋服を着て竹馬をさせられたりとかありますよね?

なので、全部ショービジネスをしていた個体っていうのは子どものときに人間としか接触をしていないんですね。

ある程度大きくなると体力的に人間がもう敵わなくなるので、5,6歳が限度でショービジネスを引退して、今度群れに戻されるんですけれども。

戻ったところで彼らは群れのルールも知らないし、挨拶の仕方も知らないわけですよ。

荻上
芸をしたらご飯を食べられるとか、カメラの前ではこういうことはしちゃいけないとか。

片野
それは人間の社会の話ですよね?それはすごくできるんですけど・・

南部
価値観が。

荻上
だから体の良い追放をされたみたいな捉え方になる・・

片野
本当にいきなり全く知らない文化圏にポンとやられたようなことと同じだと思います。

荻上
「そっち本来出身なんだから」って言って「そんな強制的に!」みたいな。

南部
「言われても!」っていうことなんだ。

片野
本当になかなか難しい問題を抱えているお姉様が集まっていたんですけれども、ここも飼育員の方とここのリーダーがゴヒチさんという人・・人というかチンパンジー。

でもチンパンジーは、1人2人といま数えるんですね。専門の方とかはいまそれがスタンダードになっているので。ゴヒチさんは本当に懐の広い素晴らしいボスで。

このゴヒチさんと飼育員さんの方がここも本当にタッグを組んで、お姉様方がいかにリラックスできるか?っていうのを環境を作っていたという。

南部
ゴヒチさん、おもてなし。

荻上
オスはゴヒチさんだけ?

片野
えーと、ゴヒチさんとゴヒチさんの息子がいるんですけれども。まだちょっと若いので。ただ息子さんも19歳20歳になっているので、そろそろ代替えなのかな?というのはあるんですが。

またゴヒチさんとても優しい人で、その血を継いでいるので息子もむちゃむちゃ優しい人なんですよ(笑)温厚なので、ちょっとお姉様方に押され気味で。

荻上
チンパンジー業界で「優しい人」ってどういうことなんですか?

片野
これは本当に、私も全部のチンパンジーをみているわけではないのでよく分からないんですけど。

ゴヒチさんに関してはちょっと人間の・・なんでしょうね?心の広い長老みたいなそういう感じで。

荻上
慈愛に満ちた眼差しで、お姉様方を受け入れる。

片野
お姉様方ちょっと挨拶ちょっとできない人とかもいて、普通だったら挨拶しないで「私は私だから」みたいな感じの人もいるんですよね。

普通だったらやっぱりオスのチンパンジーはそういうメスに対して非常に厳しく対応しますし、

周りのメスも「あんた何やっているのよ」ってちょっといじめの対象になっちゃったりするんですけれども。ゴヒチさんがいじめの対象になるところをかばったりするんですね?

南部
どういうふうに?まずチンパンジーの挨拶ってどういう挨拶なんですか?

片野
挨拶は自分の方が背を低くするとかそういったことだと思うんですけれども。

荻上
それが「ツーン」ってこう頭が高いなみたいな。

片野
要は自分からまず近づいていって挨拶をするっていうのがあるんですけれども、一緒のオリに入れてみても「えっ、何あんた」みたいな感じでツーンとしているんですね。

南部
お高いと。

片野
で、ゴヒチさんも「あら、参ったな」みたいな感じなんですけれども起こらないんですよね。

他にメスにちょっと怒られたりとかいじめられたりとかしたときにも、本当にそれ以上やったらダメだというので止めて立ちはだかるんです。

それによってオスがかばったメスは他のメスもやっぱり本気で攻撃してはいけないっていうふうになるので、それで平和が保たれて群れがちょっとずつリラックス出来る雰囲気になっていって。

荻上
それでその新参のお姉さんはそれで心を開いていったりはするんですか?

片野
だんだん開いていったりして、最後にはちょっとネタバレなんですけれども。出産も、子宝に恵まれたりとかちょっと奇跡的なことが起こったりというので。

荻上
はあ!「ちょっと、あたい・・」

南部
なんで「あたい」なんだよ!さっきの「ギロッポン」の逆さまもどうかと思ったけど。

荻上
なんかすっごいもう任侠の世界というか。

片野
そうなんですよ、ちょっとなんか人間の世界を見ているみたいに。なんでボスが「いや彼女はうちの群れだからちゃんと居場所を作りなさい」と。

ボスを立てながら、飼育員の方がやっぱりボスも疲れるわけですよね。強いお姉様方をフォローしたりとかするので、

なので飼育員さんはボスに「すごく君が努力しているのは分かっている」っていうのを本当に話しかけたりとかチンパンジーの場合は。

まず一番最初に話しかけて、「本当に今日は頑張ってくれてありがとう」とか、本当にお礼を言っていますね。

南部
人間側も立てる?

片野
そうですね、まずボスを立てるっていうのでそれを周りにも見せるんですね。なんで本当にここはタッグを組んでいるっていうのだと思います。

荻上
茨城県のかみね動物園ですね。

片野
「チンパンジーの森」という施設名です。

荻上
ということで、四天王2つ紹介しましたけれども。残りの2つは「動物翻訳家」という本を読んでいただきたいなと思うんですけれども。残りの2つはちなみにどういう?

片野
もう1つは「アフリカハゲコウ」というちょっと珍しい鳥なんですけれども。コウノトリの中まで。

荻上
やっぱりハゲているんですか?

片野
アフリカエリアでは、割と街の中に飛んで住んでいるらしいので、ちょっとカラスみたいな存在らしいんですね。

そのハゲコウ、「キン」と「ギン」というカップルがいるんですけれども彼らに本当に何も羽根も切らずに何もリードとか付けずにフリーのフライトを実現して

本当に鳥は飛ぶものなんだからその姿をお客さんに見せたいっていうので、いちからトレーニングプラス信頼関係をちょっとずつ築いて、いま「キン」と「ギン」がフリーフライトをするところを公開しています。 ( 秋吉台サファリランド )

荻上
もう1つは?

片野
京都市動物園なんですけれども、キリンの飼育をしていて。キリンってすごく繊細な動物で怖がりなんですよね。

大きな音だったりとかちょっと本当にお掃除のときにホウキ1本忘れて飼育員が出てしまって、動物たちを入れようとするともうそれがあるだけで入れないっていう。

南部
「いつもと違う!」と。

片野
違うっていうので、ビクビクしちゃうんですけれども。ここの動物園は飼育員さんがビクビクしないように育てようということで、来れも本当にけっこう話しかけたりとかして。キリンたちがまず人間とか施設に対してリラックス出来るように作ったと。


荻上
その続きは本で!



(紹介された動物園のホームページ)

埼玉県こども動物自然公園 

日立市かみね動物園 

秋吉台サファリランド 

京都市動物園 

(了)

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