2016/12/31

起こし・オブ・ザ・イヤー2016~今年1番読まれた記事は?~

2016年もご愛顧いただきありがとうございました。
今年一番読まれた記事をランキングでご紹介します。

(過去の起こし・オブ・ザ・イヤー)

起こし・オブ・ザ・イヤー2011

起こし・オブ・ザ・イヤー2012

起こし・オブ・ザ・イヤー2013

起こし・オブ・ザ・イヤー2014

起こし・オブ・ザ・イヤー2015

今回はベスト10をご紹介します。

第10位
元・日テレアナウンサー町亞聖が語る「18歳から始まった介護生活はおよそ15年」

第9位
大竹まことと光浦靖子が聞き出す「芥川賞作家・西村賢太の私生活」

第8位
水道橋博士と町山智浩が語る映画「監督失格」
第2位
吉田豪が語る、乙武洋匡について

第1位
山田五郎が語る「「ザ・ピーナッツはただのアイドルじゃない」

今年は多忙にて起こしが少なかったので、来年はもう少し更新頻度を上げていきたいと思います。来年もよろしくお願いいたします。

(了)

2016/12/25

コラムニスト・深澤真紀が語る「童貞率はバブル期と今も実は変わらないんですよ」

今回は2016年9月20日放送「大竹まこと ゴールデンラジオ!」
「大竹紳士交遊録」深澤真紀さんの回
起こしたいと思います。


深澤真紀(以下、深澤)
先週、交際相手のいない若者が過去最多というニュースが流れたのをご覧になった方も多いと思うんですけど。

でね、「やっぱり!」と思っている人が多いんですけど実はこれ調査内容とそのデータの読み方に問題があって。私、ご存じの通り10年前に草食男子を名付けたときも別に恋愛ができないとは全然言ってなくて恋愛にガツガツしてないし同性の友だち・女友だちもいるよっていう

飢えた世代よりだいぶ良いよ!っていう褒め言葉だったんですけど。まあなかなかこの意味が伝わらなくてですね。今回もこの調査はどういう調査かっていうと・・

(参考)コラムニスト・深澤真紀が語る「『女子力』より『女子術』に長けてる方が良い」

阿川佐和子(以下、阿川)
この調査は間違っとる!という話ですか?

深澤
間違っとる!というか質問と読み方がおかしいぞ!っていう話なんですけれども。

「出生動向基本調査」という厚労省の下に「国立社会保障・人口問題研究所」というのがございまして。1940年にやっぱり「産めよ増やせよ」なんで子どもをどうやってたくさん産んでもらったらいいのか?っていうために調査しようっていうことで始まったのが・・

もうすごい大規模な調査で、これ2015年で5年おきなので15回目です。結婚している夫婦への調査っていうのと、1982年からは独身者にも調査を始めています。

出生動向基本調査 - 国立社会保障・人口問題研究所

阿川
どこで調査されているんですか?私、された記憶ないけど・・一応独身ですが。

深澤
1万件くらいしか調査票が配られていないので。

太田英明アナ(以下、太田)
18歳以上35歳未満の独身の方です。

深澤
いやいや、82年のときにはまだ35歳未満だと思いますよ!

阿川
そもそも対象外と(笑)

太田
対象だった時期もあったと。

深澤
そのとき忙しくて来てても気がついてないこともあります。

阿川
どうも変だと思ったら!(笑)

深澤
「出生動向基本調査」で検索したらどなたでもダウンロードできます、調査結果が。ただA4で56枚もあるので、結局ニュースになりやすい部分が1枚目に「プレスリリース」としてまとめられるんですね。

そうすると、だいたい忙しいんで記者は。そこしか読まない。そうすると「交際相手のいない若者」というのがプレスリリースに書いてあるので「やっぱりそうなんだ!」って記事にしちゃうんですけど。

多くの中高年の方は「俺たちの時代は交際相手がそんなにいないなんて考えられない!」ってみんな言うんですけど、全然嘘で。実はバブル期も今も交際相手がいる人と性経験のある人の人数は変わりません。

阿川
交際って何をすると、交際相手になるの?

深澤
そうなんですよ!その通りなんです!阿川さん、いいことおっしゃいました!

阿川
友だちと恋人の間に何があるの?(笑)

深澤
バブル期は「恋人として交際している異性がいる」っていうのには男性は87年には19.4%いました。19.4%しかいないんですよ、バブル期でも。で、2015年も19.7%。

倉田真由美(以下、倉田)
5分の1しかいないの。全然変わんないね。

深澤
女子は87年は26.2%、2015年は27.3%。あんま変わらないんですよ。私たちなんとなくバブル期の若者は超イケイケでみんな恋愛をしていると思っているんですけど。

倉田
でもなんで男女差・・勘違いしている女ってこと?

深澤
既婚者と付き合っている人が多いっていうこともあると思いますけど。

倉田
ああーーっ!!なるほどね!

阿川
そういう計算になるんですか!

太田
二股かけてる男が多いっていうのもある。

深澤
まあいろいろな理由があると思います。

倉田
なかなかそこは面白いことに。

深澤
さっき阿川さんがおっしゃった「交際とは何か?」っていうのが実はこの質問を複雑にしているんですけど。

「交際している異性がいますか?」っていう質問項目なんですけど、1番は「婚約者がいる」っていうのに丸をつけて下さい。2番は「恋人として交際している異性がいる」、3番にですね「友人として交際している異性がいる」っていう質問があるんですよ。分かりにくいでしょ?

「交際している異性はいますか?」って聞いて、「1:婚約者・2:恋人・3:友人」って出てくるんですよ。4で「交際している異性はいない」って出てくるんですよ。

「友人として交際している異性って何?」って言ったらこれ調査が1987年に始まった質問項目なので、たしかに30年前は異性の友人がいること自体もちょっと特別な人というか・・

阿川
えっ、いついつ?

深澤
30年前です。

阿川
たかが30年前って、ついこの間じゃないですか!

深澤
阿川さんは発展家でいらっしゃったからね。

阿川
男女雇用機会均等法でしたっけ「席を同じくしてなんとか」っていう年は越えてましたよ。男友だちはいたわ!私だって。

深澤
そうなんですけど、厚労省はたぶんまだ男女の間には異性の友人もいないだろうと思っちゃったもんですから・・こういう質問項目を作っちゃったんですよ。

若者も1987年の男子に「友人としての交際している異性はいますか?」って聞いたらね、23.6%も円をつけている。だからお友だちなんだけど丸をつけちゃってる。

それが当然2015年の若者に「友人として交際している異性はいますか?」っつったら、そんなのただの友だちだから丸をつけないでしょ?だからね、今は5.8%しかそれに丸をつける人がいないんですよ。

阿川
えっ、解釈の違いってこと?

深澤
そう!つまり昔は友人として交際しているかどうかが「交際」の質問の中に入っちゃってたの。そのまま今に・・

阿川
「交際」って何!?ちょっと待って!例えば太田さんがガールフレンドが3人いて、その3人ともチュッチュしたりイチャイチャなんかしたりしていると「でも友人」っていうそういう解釈?

深澤
そういう解釈ではなくてですね・・

倉田
それは太田さんと深澤さんがご飯食べに行きますよ。これは?

阿川
友人として交際しているの?

深澤
たぶん当時のこの質問項目を作った人の気持ちは分かりませんが。ただ87年当時に「交際」ということを聞くにあたってはやっぱり異性の友人がいるかどうかも「交際」であろうというふうに思っちゃったもんですから、この質問を作っちゃったんですよ。

87年当時の若者はまだそんなに発展家ではなかった。決して必ずしも・・

阿川
そうかなー、87年は痴情の時代だと思っている人たちはここらへんにいるけど(笑)

深澤
と思ってらっしゃいますけど、データ的にはそんなに恋人もいなかったんです。

倉田
でもバブルのころですよね?

深澤
そうなんですよ。つまりみんなバブルのころは「赤プリで・・」とか「ティファニーで・・」とかっていう一部の人だけがニュースで流れていたので若者がすごい恋愛していると思っていたんですけど。

それは全共闘世代とかね、団塊の世代がみんな暴れていたわけではないように8割の人は全然暴れてなかった。そのようにバブル期も実は8割の人は全然恋愛に関係なかったんですよ。

私はあの時代に生きていて割といろんな人に当時から取材をしていたので、学生時代から。それをけっこう肌感覚として、みんなが思っているほど別に今の若者は恋愛していないなっていうのは知っていましたけど。

阿川
それで同じ質問を今すると、解釈の違いで「友だちとして交際していますか?」って言われたら。「そりゃ女友だちはいるわいな」と。

深澤
いるけど、丸はつけないわけですよ。「交際」についての質問だから。つまり彼氏か彼女か?って聞かれていると思っちゃう。

阿川
「女友だちがいますか?」っていう質問じゃないの?

深澤
そうなんですよ。全体としては「異性と付き合ってますか?」っていう中に「1:婚約者 2:恋人 3:友人 4・・」って非常に難しい質問でしょ?「友人として交際」してなんかいないわけですよ。

だけど87年は4分の1の人がそれに丸をつけちゃって。今はその数がどんどん減ったから結果として交際している異性がいないのは今は増えちゃったんです。その「3:友人」ってみんな丸をつけたから「4:いない」に丸をつけなかっただけで。

っていう話を私5年前にも同じ結果が出たので、新聞記者とかテレビの人に表に丸をつけながらやったんだけど。「深澤さん、それだとニュースが面白くならない。やっぱり『過去最高』と書きたいんだ。インパクトが欲しいんだ」って。

とうとう今回の発表では取材にも来なかったですからね。私がその抗議をするもんだから。「このデータがおかしいんだ!」っていうことを言うもんだから・・(笑)

阿川
でもなんか・・すいません、茶々を入れるわけじゃないですけれども。それ最初に倉田さんがおっしゃったように女と男の付き合っている解釈の違いがあって、それ今の質問4項目を男にした場合に例えば「婚約者がいますか?」これはもう両方の同意があるから丸かバツかがはっきりするな。

それから「恋人として付き合ってますか?」っていうのは男の視線で「こいつは恋人で、これは女友だち」と。つまり両方ともセックスの関係はあるけれども。恋人はこの子だから、あとの3人は友だちなんだっていう。

つまりセックス関係はあるけど友だちなんだっていうのが、男の方そういうふうなので「3」に丸を付けるかもしれない。女は逆にそういう性的関係になったら「これは恋人」っていうふうに。

倉田
そう、それぞれ4人ともみんな恋人、恋人、恋人って思ってるわけですよね。同じ1人の男に対してね。

深澤
でもね、女子も同じように「友人として交際している人」が87年当時の方が25%くらい丸をつけていて、今の方が7%ぐらいで減っているので。基本的にはその質問の意味をたぶん80年代は・・

阿川
いや、オンナがオトコ化したんじゃないの?

深澤
それもあるかもしれないです。とにかくこれ一番困るのは何が困るかっていうと、中高年がドヤ顔して「俺たちのころは恋愛もセックスもイケイケだった」と。で、童貞率も処女率も87年と今は実は変わらないんですよ。

阿川
えーーっ、ちょっとこれびっくりなんだけど。

深澤
そう思うでしょ?87年も未婚者は43.1%。

阿川
性経験のない未婚者の割合が男性が42.0%、女性が44.2%って。

倉田
これ増えているんじゃないの?

深澤
全然、全然。男性はバブル期にも童貞は43%、女性に至っては65%も処女でしたから。

倉田
当時?

深澤
そうですよ。

阿川
そりゃそうね!(笑)

深澤
本当、本当!だから一番よくないのは、結局のところ経済活動なんですよ。1987年から確かに少し増えるんですよ、1987年から2002年から2005年に向けて交際相手もセックス経験も増えるんですけど。そこから経るんですよ。

何でか?っていうとやっぱり2008年のリーマンショックで一気に減るので。結局、恋愛とか結婚ってほとんど経済活動なんですね。やっぱり社会の状況が良ければ。

阿川
当人も?

深澤
当人も、だって自分が一番怖いじゃないですか?日本って非正規の男の子は7%しか結婚できないんですよ。

倉田
えっ、7%!?

深澤
20代から30代。だけど正規雇用の20代から30代は27%結婚できるんですよ。

阿川
安定があることが前提ってことなんですね。

倉田
それはちょっと暗澹たる気持ちになるなあ・・。

深澤
本人も・・なんだったら男子の親も反対するから。「お前は非正規なんだから、今は結婚するな」と。

倉田
当然、相手の女子の親も反対しますよね。

深澤
だけどそんなことを言ってられないわけ。皆さんとにかく中高年の人は、俺たちのときはそうだったからとプレッシャーを与えないで、これはあくまでも社会経済の状況ですのでもうちょっと考えていただければと。酒場の呑みネタにしないでいただきたいということを言いに参りました、以上です。

(了)

2016/12/20

TBSアナウンサー・熊崎風斗が相談する「仕事への熱意が周りに伝わりません」

今回は2016年2月27日放送「ジェーン・スー相談は踊る」
20時台オープニングを起こしたいと思います。


スー
それでは20時台最初はTBS熊崎風斗アナウンサーからの相談「仕事への熱意が周りに伝わらない」ということなんですが?これどういうことですか?

熊崎
いや、もうまさにこの通りなんですけど。自分の中では例えば将来オリンピックに行きたいとか世界陸上に行きたいということもけっこう周りに言ったりもして、そういうアピールもしているつもりだし。

そのために自主練とか、いつもけっこうやってるっていう気持ちはあるんですけど。ふと先輩と飲み会とかで話していると、

「お前から『やりたい!』という気持ちを感じたことは4月で4年目になるけど、1回もない」とかそういうことを言われたりするんですよ。

スー
けっこうガツンと来るね。

熊崎
それが1回だったら、その方だけのご意見なのかな?っていうこともあるんですけど。何回もあるんですよね。だからもしかしたらその熱意の伝え方が下手なのか、自分が思っていると思っているだけで思ってないのか?とか。

なんでこう伝わらないのかな?っていう解決策が僕の中で見つからないんですよ。

スー
どういうふうに会社の人にはアピールしているんですか?何がやりたいっていうのを?

熊崎
えー、まず一番として将来的にオリンピックに行ってリポーターそして実況がやりたい。これがまず第一。

スー
今年の?

熊崎
これはもう将来的な目標ですね。

スー
じゃあ4年後とか見て?

熊崎
そうですね、今回はないんですけど。あとは面談とかあっても情報番組でこういうプレゼンやりたいとか、もっとニュースを読みたいとか言ってはいて。やってはいると自分の中では思ってしまっているんですけど・・伝わらない。

スー
本当に何がやりたいか?っていうのを自分では明確にあるって言ってたよね?さっきね。

熊崎
明確にあります。

スー
それを明確に話してる?

熊崎
明確に話しているんですけど、もしかしたら周りにこれもよく言われるんですけど話し方的に情熱がこもってないんじゃないか?と僕のしゃべり方が。あとなんか雰囲気とかそういうのも相まってこういうこと・・

熱意が周りに伝わらないっていうことになってしまってるんじゃないのかな?とも思うんですよ。

スー
周りの人に言っているんだけど、周りのみんなから「お前が何をやりたいのか、熱意が伝わらない」みたいなことを言われてるってけっこうヘコみません?

熊崎
めちゃくちゃヘコみますよ!解決策とか明確な理由があるんだったら分かるんですけど、自分の中でそれが見つかってない。だから「なんで言われているんだ?」っていう。

スー
聞いた、それ?

熊崎
それはですね・・聞けないですね。

スー
なんで聞けないの?

熊崎
そのとき聞けなかったっていうことですね。

スー
何回か言われているでしょ?で、「あ・・はあ・・」で終わっているの?

熊崎
「はい・・はい・・・はい、そうですか?」「頑張ります」みたいな。

スー
もう1歩食い下がればいいのに!

熊崎
食い下がりが足りないんですかね?やっぱり聞いてそこから解決するっていうところの方がいいんですかね?

スー
なんだろうね?なんか言わんとしていることは分かるけど、その人たちの。

熊崎
いま対面をして情熱がなさそうですか、僕って?

スー
っていうかね、壁が厚い!

熊崎
壁が厚い?それはどういう意味ですか?

スー
本当に何を思っているのか見せない方法っていうのをすごいパターンで手練手管持っている感じがする。

熊崎
怖いのかもしれないですね。

スー
なんか相手に踏み込ませないで、上手くツルツルツルって流していくための油はさっきからジャンジャン出てるね。

熊崎
ああ、だからもしかしたら自分を出すのが怖いのかも?「ザ・トップ5」とか半年間やらせていただいて、その感じをちょっとずつ剥げてきたのかなと、メッキをね。

剥がして自分を出せるっていう方向性に向いてきたのかな?っていうところもなんとなくちょっと手応えあったりしたんですけど、まだまだですか?

スー
いや、あのーなんでさっき話を聞いててちょっと「あっ!」と思ったかっていうと、

さっきの20時前の放送で子どものころからご両親が転勤が多かったっていう話をしてたじゃないですか?一緒になって転勤してたっていう。だから転校が多いっていう話をして・・

そういえばこの間、小林麻耶さんがテレビ出てたなと思って。なかなか八方美人で嫌われちゃったみたいな、なかなか難しい話を正直にしててすごいなと思ったんですけど。麻耶さんもけっこう転校が多かったんだよね?

(参考)
小林麻耶が語る「それね!出ました、自己肯定!やり方が分からない!!」


熊崎
だからそういう感じになったっていうことですか?

スー
麻耶さんの鉄壁と似てる!出方は違うけど、本当に何考えているかは見せないっていうところの360度のバリアみたいなのはちょっと似ているかな?と思ってて。

転校が何か自分に及ぼした影響とかっていうのはあるんですかね?ちょっと誘導尋問になって申し訳ないですけど。

熊崎
本当に小学校のときとかは1年生と2年生は群馬県、3年生・4年生神奈川。そこから5年生・6年生・中学と千葉だったので、仲良くなり始めるかな?ぐらいのところで転校して悲しい思いをするみたいなことが多かったので。

それでもしかしたら、当時はそんなこと考えてなかったけど無意識で仲良くなり過ぎても「うちは転勤族だから引っ越す可能性あるよな?」みたいなことを・・。

スー
私、転校したことがないので分かんないんですけど・・仲良くなり過ぎてもつらいだけだしな・・みたいなことってそんな小さいころから思うんだ?

熊崎
当時は別にそれを思ってそういう行動を取っていたわけじゃない。そのとき毎日毎日を楽しく生きてたつもりなんですけど、結果的にいま考えたらどうだったのか?っていうのを考えたら・・

スー
君、すでに私に対して身体が正対してないんだよね。いま完全に横を向いて肩が私にむかって向いているんですよ。すごい防御反応に入っていて、めちゃめちゃ面白いなコイツ!と思って。

さっきまで前を向いてしゃべっていたのに、どんどんどんどん横を向いてめちゃめちゃ防御しているなと思って。

熊崎
別に何も怖い思いをしているとかいうわけじゃないんですけど。ちょっとこれね、変な汗をかきそうな自分が今いるんですよ!スーさんと対面で面と向かって話のはちょっとなんかこう・・

スー
いい子のフリしていろんな人に踏み込ませないでやってきたんだろ?・・あ、ごめん蹴っちゃった、今。テーブルの下で蹴るって一番パワハラみたいなことしちゃった!ごめん、ごめん(笑)

熊崎
でも僕は踏み込んでもらいたいというか、もっともっと自分を出して行きたいんですよ。どうすればいいのか?・・はい。

スー
出している?

熊崎
出して行こう!っていう気持ちはあって、それを出すつもりでいます。

スー
出さないっていう方法もあるよ、でも。

熊崎
でも僕は出していきたいんです。

スー
なんで?

熊崎
結局、自分を出した方が自分のやりたいことがやれると思うんですよ。

スー
そうかなー?どうかなー?

熊崎
これ甘いですか?いやでも自分を出さないことには、自分で言わないことには仕事とかも降ってこないんじゃないですか?

スー
もちろん。でもそれと自分を出すのは全然関係ないからね。やりたいことを言うのと。

熊崎
でもやりたいこと言えない。

スー
なんだそれ!言えよ!!何がやりたい?

熊崎
オリンピック行きたい。

スー
言えてんじゃん、それは。

熊崎
そうなんですけど、その・・「言ったとしても上辺だけだよ」みたいに思われたりもするんですよ。

スー
うんうんうん・・上辺なんじゃないの?

熊崎
上辺じゃないです。

スー
ツルツルツルっと行く感じっていうのを指摘されるのは分かります?自分でも思い当たる節はあります?別にこの文脈読まなくていいですけど。

熊崎
そんなにないです。

スー
そんなに思い当たる節はないと。彼女から怒られるときなんて言われます?

熊崎
怒られないです。

スー
あ、本当!?なんか「人の話、聞いてるの?」とか「いっつもこうじゃない!」みたいなことを怒られることはない?

熊崎
ないです。

スー
あ、そう!?じゃあ全然ケンカしない?

熊崎
ケンカしないです。

スー
歴代の彼女も全然ないですか?

熊崎
それはないです。ケンカはします。

スー
今の彼女とはケンカはしない。歴代の彼女にはなんて言われてきた?

熊崎
たし・・・・でもまぁ・・・そうだなぁ・・「何、考えているのか分からない」とか。全然、話が変わってきちゃうかもしれないですけど「本当に私のこと好きなの?」とか「私のことを思っているの?」とか。まあ自由にしちゃうタイプなのかもしれないけど。

スー
違うよ、バカ!同じことじゃん!上司が言っていることと。だって上司はなんて言ったの?あなたに。

熊崎
熱意が周りに伝わらない。

スー
で、上司はお前は口で言っているけどやる気が見えないってことでしょ?今までの歴代の彼女は本当に私のこと好きなの?とか何を考えているのか分からないって同じじゃね?

熊崎
うーん、だからそれを同じとして僕は理解できてなかった。はっきり言うと。

スー
何キャラ!?(笑)今ね、腕を組んで古畑任三郎的な手の動きっていうんですかね?私をちょっと卵を持つような手で指差しながら、その手を返して自分の胸に置くみたいな。古畑任三郎みたいな動きをずっとしているんですけど。

熊崎
でも伝えたい!熱く・・熱い人間でありたいんですよ!

スー
どうして?

熊崎
どうして、先輩に松岡修造さんに似ている石井大裕アナウンサーいるじゃないですか?あそこまで自分ができるか?と言えばできないですけど、先輩の熱さって素敵だなって思うんですよ。

スー
系譜として似ているなと思って話を聞いてたんですけどね。1回しかいらしていただいていないんですけれども。

熊崎
そういう方向性も自分の中で取り入れていきたい。

スー
自分を人にどう見せたいかっていうことばっかり考えているんじゃないですか?

熊崎
それは往々にしてあります。自分本位な人間なんです。

スー
自分が大好きなんですよね?まあ、それはみんなそうだからいいですけど。自分が大好きな人って自分以上に自分のことを好きになってくれる人はいないので・・良くも悪くもね。

熊崎
自分が自分のことを一番好きでありたいって僕はそれを思っています。

スー
もちろん、もちろん。だけどその人たちに対して「こうある自分」が自分の中の理想みたいな状態を見せること・・

私よくその「Fake it till you make it! 」って「できるようになるまで、嘘でも良いからやってけ」って言葉はすごい好きなんですけど。

ただどこまでフェイクかな?っていうところはちょっと気になるよね。だって前の彼女もそうだし、上司も「本当はお前そう思ってねえだろ?」っていうことだよね、言いたいのは?

熊崎
まあ、たぶんそう・・。

スー
「口ばっかり」っていうことでしょ?行動が伴ってないっていうことなわけじゃないですか?

熊崎
そうですね、自分の中では伴っていると思っても結果的に伴ってないんですね。行動が変われば・・・だから僕のしゃべりに真実味がないというか現実性がないんですか?

スー
うん、ないと思う。

熊崎
アナウンサーとして大丈夫ですか?

スー
別にそれはどうにでもなると思うんだけど。それよりも本当に自分が何をしたいのかをゆっくり考えた方がいいんじゃないかな?と思うけどね。

熊崎
今の段階で「これやりたい、これやりたい」とか言うのは逆効果ですかね?
もしかしたら?

スー
そんなことない・・だからもうそのノウハウとか、どうやってアプローチするっていうの置いといて・・

熊崎
マニュアル人間なんです、僕。

スー
そうだねえ。だから自分で考えるクセを付けたら?オリンピックをやるとかなんとかっていうのは、もちろんぜひ目指すべき目標だと思うんですけど。本当に自分がやっていて楽しいこととか?

だってそれって完全にさ、まあ私の見立てだけどオリンピックに行ってオリンピックから熱いレポートしている俺、カッコいい!とか、イケてる!とかそういうことじゃん?

熊崎
まあ・・それ言いたくないですけどね。皆さんにお伝えしたいっていう気持ちが大前提にありながら、今スーさんがおっしゃったところもありますね。

スー
例えば、オリンピック今回この種目が増えるんですけど僕はこの種目に関しては前から注目してたので、それを絶対実況したい!って言ってその種目について詳しかったら、みんな「おっあいつやる気だな」って思うと思うんだよね。

熊崎
そうか、そういうところがないのに・・

スー
それマニュアルとして受けるなよ!そういうことじゃないからね。就職試験じゃないんだから。

熊崎
受け取りそうになっちゃいました。

スー
気をつけて、マニュアルじゃないから(笑)そうじゃなくて、そういうふうに夢中になれるものは何なんだろう?っていうことをハウツーではなく考えると何なんでしょう?

熊崎
陸上は一番中継をやりたいんですよ!

スー
どうして?

熊崎
ずっと陸上をやってきまして、長距離をやってきたんですけど。トラックの5,000mとか10,000mとかマラソンとかそういった競技の実況を自分の言葉でやりたいなっていう気持ちはですね、これはもう嘘偽りなく入社する前から思い続けてきたんですよ。

スー
5,000m・10,000m・マラソンって言ったけど、ほとんどの人は5,000mと10,000mってどういう競技だか分からないよね?

マラソンは42.195kmっていうのは分かるし、だいたいどのへんから盛り上がってくるのか?とか。どういうふうにダンゴになって人が離れていったりとかこういう劇があるっていうのはみんなだいたい分かってる。

5,000mと10,000mの見所って全然分かんないですよね?

熊崎
今いいですか、お伝えしても?

スー
はい、どうぞ!

熊崎
男子10,000mだとすると、だいたい世界だと9,000mくらいまでは日本人もつけるんですよ。で、9,600mぐらいになってきてから本当に強い選手5人くらいに絞られて

9,600mそこまで走ってきたにも関わらず、ラスト1周400mは女子の短距離選手並みのスピードで走り切るわけですよ。

スー
10,000mっていうのは、トラックを何周するゲームなの?

熊崎
えー、ちょっと待って下さい・・

スー
400で割るの?

熊崎
25周です。

スー
問題は最後の1周、25周目からだ。

熊崎
その前にも揺さぶりが、ペースをいきなり遅くしたり早くしたりっていうので本当に早い選手じゃないとつけないようにしておいて、最後はもうガチンコ勝負になるんですよ。

スー
うん、5,000mは?

熊崎
5,000mも最後1周っていうのもあるんですけど、5,000mは最初っからハイペースで行って・・揺さぶりですよね。

スー
同じじゃん!なに?「揺さぶり」って何?What is「揺さぶり」?

熊崎
結局ですね・・だから金メダルを取るような選手が後ろの方にいても、そのレースを支配するんですね。

スー
どうやって?

熊崎
他の選手はその選手がラストスパート強い選手。強い選手だからこそ自分は最初っからハイペースで行かないといけない。ラストじゃ絶対に勝てないから。

っていうことを言って早めに行ったりっていうこともありますし。結局自分はその選手に勝つにはラスト100mでどうにかするしかないと思ったら、その選手の後ろにピッタリとついてマークするとか

全部がその選手が前にいても後ろにいても、その選手1人の走りによってレースっていうのがガラっと変わっちゃうんです。そういったドラマ、これを伝えたい。

スー
確かに42.195kmよりは時間が短いから、けっこう仕掛けられるのは1回とか2回しかないよね?

熊崎
そうですね、だからこれはラストスパートがない選手は残り1,000mでいきなりペースを上げたりしますし。

スー
残り1,000mでペース上げるってどれぐらい?もうヘロヘロでしょ?9,000m走ったあとだったら?

熊崎
それが余裕しゃくしゃくなんですよ。

スー
どこの国が強いの?

熊崎
ケニア・エチオピア

スー
やっぱそのへん、マラソンと一緒なんだ。日本の選手で強い人って誰なんですか?

熊崎
大迫傑(おおさこすぐる)っていう早稲田出身で日本の実業団に入りながら日本の実業団のシステムじゃ自分は強くなれないとアメリカに渡ってっていうサムライがいるんですけど。

彼が1番日本で強くて、それでも5,000mで世界陸上で決勝には残れないんですよ。予選で落ちる。

スー
おー!あ、そう?けっこう日本の人でも短距離とかで残っている人とかいるじゃない?

熊崎
長距離そこは日本じゃ、今は絶対に行けないって言われているところで・・

スー
なんで?

熊崎
やっぱり心肺機能と言ったらそこまでなんですけど・・だからその心肺機能じゃないっていうことを証明したくて大迫はケニア人に勝つためにアメリカでアメリカの練習をしているんですよ。

日本の練習はとにかく長い距離を走ると。そういう練習は5,000m・10,000mじゃケニア・エチオピアのスピードには対抗できない。

スー
だから実業団を辞めたの?

熊崎
辞めてアメリカに言って、アメリカでケニア・エチオピアに勝てるスピード練習をガンガンやっている。でも現状予選落ちだった。

ただその予選落ちの質が今までの日本人とは全然違って。ギリギリあと0.5秒とかで予選落ちだったんですよ。

スー
ああ、惜しいね!

熊崎
だから予選落ちながら、夢を見せてもらったっていう。今度のオリンピックでは夢の決勝進出を目指してやってほしいっていう気持ちはあるんですよね。

スー
ああ、なるほど。楽しかったよ!今の話。

熊崎
ですかね?今、熱が・・

スー
あったと思うし。

熊崎
でも今、熱があるとかないとか考えなかったんですよ。

スー
このへんがまた嘘臭くなる。お前一瞬にして嘘臭くなるな(笑)すげーな!

熊崎
自分の話したいことをしゃべった。

スー
とにかく5,000mと10,000mのことを注目している人がそんなにまだいないのであれば、今のことをブログやってる、会社の?

熊崎
やっておりません!

スー
そしたら会社のブログを始めて4年後までにとにかく5,000mと10,000mのことをひたすらずーっと書いて勝手にナレーションでもつけなよ。

その最後の1周のことを何か上手く言いなよ。「魔のなんとか」なのか「ラストの断末魔の叫び」なのか。

いろんな選手に全部あだ名つけるとかさ、やって構築していったらもっと盛り上がると思うし。周りに人も見てくれると思うよ。頑張って下さい。

熊崎
頑張ります、ありがとうございました!

スー
すぐ嘘臭くなるとこは、注意な!

(了)

余談:2016年12月現在、熊崎アナのブログを検索してみましたがヒットされませんでした。





2016/12/03

大森靖子が語る「自分もファンのファンみたいな気持ちなので『あの人に会いたいなー』みたいな」

今回は2016年2月16日放送「荻上チキ Session-22」
「ミッドナイトセッション」大森靖子さんの回
起こしたいと思います。


前回の
大森靖子が語る「自分は風俗資料になりたいと思っているので自分と一緒に歌詞も古くなっていけばいい」
の続きになります。



南部
「荻上チキが惹かれるシンガーソングライター・大森靖子の世界に迫る!」

荻上
もう迫ってます。ずっと迫り続けていて一方的に告白をしているんですけれども。リスナーの方は台上ですか?普段と違う僕の姿にドン引いていないかどうか・・(笑)

今日を限りにラジオとさよならにならないか?どうか心配ですけれども。

南部
そこも含めて荻上チキなんで!

荻上
リスナーの方からも「こう迫りたい!」という質問いろいろ来ているので次々と紹介しましょう。

メール
大森さんはアイドルっぽい曲やラップっぽい曲やロックっぽい曲など様々な種類の曲がありますが、個人的には大森さんを本質的にフォークシンガーだと思っているんですが、本人としてはどのジャンルの影響が大きいと思っていますか?

大森
私はカラオケ世代なので自分で歌って気持ち良ければなんでも良かったんですね。だから本当にメロディと歌詞しか聴いてなかったんで。あんまり分かってないんですね、その辺のところが。

でもたぶん中島みゆきさんは一番聴いたっていうところは大きいのかな?そのフォークっていう・・。

あと最初にやっていたライブのスタイルがアコースティックギターとボーカルっていうスタイルでずーっと長年やっていたのでそれが一番定着しているのかなと思いますね。

荻上
フォークの特徴って個人的には、もちろん歌詞が重要だっていうのはあるんですけど。生活を肯定するところから出発するところがあるじゃないですか?

大森
そうですね、生活に寄り添う音楽っていうのがあって。

荻上
大森さんの歌詞もそうですよね?

大森
そうでありたいですね。

荻上
なんかキラキラした固有名詞が散りばめられているようなんだけど、そういう風景を共有している人たちの何か生活を肯定するために歌声があるみたいな?

大森
そうですね、寄り添っていきたいですね。

荻上
歌を作るときは自分の情念を歌うというよりはけっこう人の生活を歌うっていうことを意識されているんですか?

大森
それが多いです。人の生活の方が多いですね。自分の情念みたいなのはどう書いても入るので基本的に人の書いた方が綺麗に書けます、自分の情念も。

南部
人のことを書くって観察がいりますよね?どういうふうに「この人書こう!」と思ったときにその人を観察してチェックしているっていうか・・?

大森
もうインターネットの世代なので、ブログを読み漁るのが大好きでした。

南部
ブログ!その人が言葉にしたものを見てインスパイアされて・・

大森
それも多いし、やっぱりアイドルのライブとか1番行きますね。もう大事な時間をそこに費やしてくれているのでね、青春をね。それを見逃せないんですよね!

荻上
MCとかもそうですし。

大森
もうエネルギーを。学校に行って自分の青春みたいなものをやる時間を割いてやってくれているので。もう全て見逃せないですね。指先の動きから何まで。

荻上
一挙手一投足全てを見逃すまいと。特にアイドルの方が好きなんですよね?だからそのブログの話で言うと「ミッドナイト清純異性交遊」は道重さゆみさんのブログなどを見ながら、そこのラブコールを込めて歌詞を編まれたということですよね?

大森
はい、あのー、道重さゆみさんはハロープロジェクトというところに所属されていらしたんですけど。そこで1番最初にブログというものを始めた方なんですね。

私はハロプロをずっと好きだったんですけど。素人の女の子のブログを見るのがずっと中高生のときに好きであって。

南部
中高生の時に?

大森
はい、「魔法のiらんど」とかそういう。

荻上
もうガラケーの時代にポチポチとみんなが・・

大森
もう手作りでみんなでHTMLとか打ち込まずにできるサイトを作るのが流行ったんですよ。いろんな色で音楽が鳴ったりとかもするんですけど、そういうのを見るのが好きで。

ブログを読むのが好きであって、ブログを始めたのがグラビアアイドルさんが早かったんですよ。やっぱりアイドルさんはけっこう遅くて、いろいろ書いてはいけないこととかもあると思われいたから。

荻上
確かに最初に始めた「ブログの女王」と呼ばれたのは眞鍋かをりさんでしたね。「ココログ」でした。

大森
愛媛県出身の(笑)で、そういうのが好きだったのでもう本当に情報を開示して欲しかったんですね。クラスの女の子も好きだったんですけど。その手紙とかも盗んで読んだりとかもしてたんですよ。

南部
うそっ!えっ、それはどうして手紙を?知りたいから?

大森
知りたいですね。何を考えているのかも知りたいし、その子がどんな文字を使うのかとか。

南部
字!

大森
字ですね。

荻上
丸文字とかギャル文字とかね。

大森
「(笑)」を使うのか、「笑。」を使うのか?

荻上
最近だったら「w」とか「わら」なのか?

大森
そうそうそう!そういうのを知りたいんですよ。そういうのの使い方とか。この子はどういう絵文字を使って・・

荻上
息づかいみたいなもの?

大森
そうですね、どういう人に対して敬語を使うのか?とか。

荻上
他人の生活に昔から興味があったんですね。特に女子の。

大森
まあ自分とどう違うのか?っていうことも女子に対しての方がやっぱり・・身の回りに男子の方が多かったので兄弟とかも。女の子の方が「どういうものなんだろう?」っていう興味が深かったんですよね。

荻上
それは自分との比較というよりは、生命体としての女子なるものに。

大森
そうですね。で、「なんか綺麗だな」っていうのがあって。手紙とかも読んでたし。でもやっぱり怒られるじゃないですか?身の回りの人に。最初は本当にトイレのぞいたりとか(笑)

南部
それは怒られる!(笑)

荻上
それはちょっとプライバシーが。

大森
小学生のときですけどね。怒られるようになって・・いけないって分かってなかったんで。「いけないんだ・・」って怒られて初めて知って。でもネットは怒られなかったんですよね。

荻上
まあ、のぞいてもいいものですからね。

大森
情報を開示してくれているので。それでアイドルの方がどんどんどんどんブログを始めていって。しかも「愛して下さい」って言っているんですよ。情報を開示をしてくれている上に!

「この情報を持って私のことを愛して下さい」って言ってる存在がいる。私が求めていた存在が!ここにいるぞ!と思って好きになっていったんですよ。どんどんハマって。

荻上
最近はもうブログだけじゃなくてインスタグラムに写真を上げて「すっぴん画像だお」とか言って「ちげーだろ!」っていうツッコミもあるんだけど(笑)

大森
どんどんどんどんブログというのも違くなっていっているんですけど。求めているものと。

荻上
そうしたものを普段歌詞を作る際にもインスパイアされるところが?

大森
それはされます。

荻上
それは道重さんだけじゃなくて、他の歌手でもそうなんですか?

大森
そうですね。

荻上
本の中で読んで驚いたんですけど、普段ライブに来てくれているファンの方とかのツイッターをリストで作ってその人たちの日常生活なんかを見ることで、まあライブにどんな姿勢で来るのかな?ということもそうですけど、これは歌詞にもやっぱり影響するもんですか?

大森
そうですね、自分のライブの感想とかもツイートして下さるんですけど、それよりも帰って何をしたかとか自分のライブに来たことによってどういうふうに気持ちが変わったのか?とか。

それによって次の日仕事を頑張れたのか?それとも別に頑張れなかったのか?次の日の学校はまた同じように過ごしたのか?ちょっと変わったのか?とかそういうのを見るのが好きですね。

荻上
そういうエゴサーチしている人ってなかなかいないと思いますけどね。普通は自分の本の感想だけつぶやいているとか。

CDの感想をつぶやいているところだけを見て、よっぽど罵声を書いているやつだったら「こいつどんな奴か?嫌いになる情報を探してやれ!」っていうことでタイムラインを追うみたいなことを僕はしますけど。それとは違いますよね?(笑)

大森
嫌いでも気にしますけど(笑)

南部
効果を見たいということですか?

大森
効果も見たいし、その人の生活が見たいです、日常を。どんな人が来ているんだろう?とか。

南部
特にさゆみんに惹かれたというか、どうしてハロヲタになっていたのかっていう・・

大森
ああ、道重さんは生き様ですね。ハロプロが好きというのもあるけども道重さんが特にやっぱり。彼女はたぶんロックミュージシャンだったら27歳で死んでるタイプなんですよ。・・の心持ちでアイドルやっていたんですね。

(参考)
ダイノジ・大谷ノブ彦が語る「道重さゆみから学ぶ、リーダーとは何か?人のために生きるとは何か? そしてアイドルとは何か?」

書評家・大森望が語る「モーニング娘。道重さゆみの素晴らしさ」


南部
本気!その役割に完全になりきって。

大森
そこに自分をはめ込んでいったタイプで、かと思えばそこにはめ込めなかった自分みたいな。人間としての弱さもラジオとか巧いところで出してくれるっていうか、そこもまた可愛い(笑)

荻上
そういったその自分が好きだという感情そのものは曲に込めながらも、歌詞そのものはいろんな人の言葉から?

大森
そうですね、あんまり感情は入れたくないですね。「お前の話なんかどうでもいいよ!」ってけっこう思っちゃうタイプなんで、自分も聴いていて。

荻上
一方で「絶対彼女」とかはそうした中では割と感情をそのまま鼻歌のように歌って作られたというように。



大森
「絶対彼女」は珍しいタイプで。加護亜依さんが好きだったんですけど、自分と同じ歳だったんですね。加護さんに子どもが産まれたときにけっこう思うところがやっぱりありまして・・スーパーの帰りとかにそれもネットで情報を見て「うわーっ、子ども産まれたんだ!自分と同じ歳・・」まあ辻ちゃんにも思ったんですけど。

っていうときに、自分に子どもが産まれるんだったら・・まあ男のだったんですけど。そのときは「女の子がいいな」と思って「絶対女の子がいいな」っていう歌詞を鼻歌で作ったんですけど。

それもでもライブでやっているうちにこういうふうに『「女の子がいいな」って思っていいんだって思いました』っていうのを感想でいただいて。「自分でも女の子をしていいんだ!」って思いましたっていうそういう解釈で聴いて下さった方がいて。だったら「そういう曲でいいや」って思って、そういうふうな曲に作り替えて。

南部
聴いた人の解釈で。そうすると曲の在り方がたくさんあるっていうことになってくる。

荻上
解釈はいろいろ広がっていくじゃないですか?作者の意図っていうものはどんどん離れていきますよね?そういったのを見るのってむしろ好きな方ですか?

大森
楽しいですね、たまんないですね。

荻上
最初に「絶対彼女」って聴いたときは「なんて自己肯定する曲だ!」って最初は思ったんですよ。「絶対女の子いいな」って生まれ変わるとしたらみたいな仕方で最初はとらえて・・「そんなに女であることが楽しいのか!マジうらやましい!」っていうふうに聴きながら最初思いましたね。

大森
そういうふうに思えれば良かったですけどね(笑)

南部
思えなかったんですか?

大森
自分はけっこう・・今ピンクが大好きでけっこうジャケットとかもピンクいっぱい使ってるし、本も文字までピンクとかにしているんですけどれども。

南部
髪の毛の色も。

大森
絶対に自分が使ってはいけない色だと思ってましたね、ピンクっていうのも。もう真っ黒、全身真っ黒。

南部
いつまでそう思っていたんですか?

大森
22,23まで・・クアトロでライブしたんですけど。そのへんまでは。

荻上
昔のPVでも黒が基調なものがけっこう目立ったりしまして。

南部
それはピンクが女の子の色みたいな象徴だから・・

大森
ああ・・女の子の色っていうよりは自然界にあまり少ない色。だから手が届かないっていう印象があって。花とかもすごい頑張って1年とかかけてピンク色咲かせるわけじゃないですか?そんなものを自分が持っちゃいけないだろう?みたいな意識があったんですけど。

荻上
それは自尊心が低かったってことですか?

大森
そうですね、それはありますね。でもなんか自分の内側の肉とかもピンク色じゃないですか?鶏肉の生肉のスーパーの色とかも、あのパッキングされている。あの色はすごい好きなんですよ!っていうのに気づいて。

「すごい!内側の色でもあるんだ!だからなかなか人には見せられない色なんだ」っていうことにすごい気づいたときにすごい好きになりました、ピンク色って。

荻上
ハートもピンクだけど、恥ずかしいですもんね。人に見せてやるのは。

大森
だからあんなに綺麗で惹かれるんだなっていうのは。

荻上
アイドルは人にハートを振りまく仕事ですよね?だからこう見ていて飽きないっていうところがあるんですかね?

大森
もうピンク色をメンバーカラーな人ばっかり好きになっちゃうんですよ。

荻上
7色のグループとか5色のグループとかいろいろあるけれども?

大森
いっつもピンク色好きになっちゃうんですよね。

メール
影響を受けた人は誰ですか?また同年代のライバルあるいは同士的に感じている存在はありますか?

荻上
他のアーティストをどう意識しているのか?

大森
同年代のアーティスト自体がメジャーに出て来ている人がそんなに・・あんまり会ってないだけかもしれないですけど、少ないんですよ。

たぶんちょうど自分の世代は全て失われた世代だと思っていて、自分の上の世代がいろいろ作って来た世代で自分の下の世代はもう作られてきものを元に勉強できた世代なんですごい上手いんですよ、音楽をするにも何をするにも器用でデータもあったしYouTubeとかもあったし。

コード譜とかも全部起こされていたものがネットに落ちていたので、すごい上手いんですよ。いろんなものが安価で自分の家に持ち込めてみたいな。自分ちょうど間の世代なので・・

荻上
MD世代ですもんね。だからスコアを買わなきゃいけないときで。愛媛でスコアって手に入りました?

大森
入んないんですよ!ちょうど何もなくて、でも全部あったっていう最悪の世代だと思っていて。でもこの世代だからこそできることっていうのもあると思っている。だから自分が風俗資料になりたいっていうのは自分以外のデータが圧倒的に少ないってすごい思っていて。

荻上
じゃああまり意識しないで?「haytochiri」という歌詞の中には「世界の終わり」が出て来ますけれども。あれは同世代感を出しているような感じ?

大森
・・はないですね。

荻上
一つの単語として。あれも知っていた東京にしかアンダーグラウンドはないんだよっていう、それは愛媛で実感したフレーズではありますか?

大森
でも東京に来てからかもしれないですね。本当に「自分みたいなサブカルは」って言ってる人がどのくらいすごいか?っていうのをまざまざと見るわけじゃないですか?「こんなとこには行けてない歌だ、自分は」みたいな。

ちょうど震災があったときぐらいの後ぐらいに書いて。自粛ムードみたいなのがあったんですね。でも自粛したところで自分がライブをやったところで聴いてくれているところで2,3人しかいないわけなんですよ。なのに自粛って思って。

荻上
でも確かに地方で「この町では私『サブカルナンバーワン』だな」みたいなことを思っていたとしても、東京に来ると「うわっ、仲間!」って「うわっ、秋葉原!」ってみたいな世界の広さを知るみたいなところもありますよね?東京の第一印象ってどうですか?

大森
意外にそんな面白い人はいないんだなと思った。

南部
もっと期待があったんですか?東京に対して。

大森
ありましたね。やっぱり美術大学に行ったので、でも美術大学ってすごい面白い人がいっぱいいるんだろうなと思ってたら「美術してる俺、カッコいい」的な人が美術大学を歩いてることが多かったんですね。

荻上
ワナビー感のある人。

大森
要は美術にちゃんと没頭している人は外に出て来ないので。歩いて見せびらかせてるというか・・そういうふうに見えていただけかもしれないですけれども。

なんでけっこうアトリエとかに行ってもショックでしたね。他のことをやっていたりとか。思っていたよりチャラいなっていう印象が。

南部
もっと没頭していることを求めていた?

大森
はい、そうなんですよ。

荻上
でも大学生のころってちょっとでも目立っている人とか成功している人がいると、ものすごい焦るじゃないですか?「まだ何者でもない自分はひるがってどうなのか?」みたいな。

大森
ああー・・・・・はなかったですね、すごい自信があったので(笑)

荻上
ほう、自分はもう何かになる!みたいな。

南部
自信のもとみたいなもの?

大森
ないんですよ、もとがないんですよ。

南部
もとはないけど自信はあった?

大森
そうなんですよ(笑)

荻上
音楽はもう決まっていたんですか?

大森
音楽は東京に来た最初は決めていなかったんですけど。絵をやり始めて展覧会みたいなのをし始めて。その展示会をやって、いろいろやっていっているうちに「これは絵は遅いぞ」っていうのに気づいて。

荻上
完成して見せて感想聞いてみたいな。

南部
ああ、伝えるのに?ノロいと。

大森
伝えるのにも遅いし、売れるのにも遅いだろうっていう。要は作家の写真ってあまり絵って出て来ないじゃないですか?

特に女性は出て来ないのってけっこう成功するのに30歳くらいまでかかるから、30歳になってからの顔じゃないと出せないんですよね。とかいうのも考えて「遅くなるなぁ、これは」っていうのを考えて。

荻上
早く出たかった?

大森
早く売れたかった。私は今を見て欲しかったから。で、やっぱり描いているときの何とも言えないどんどんどんどん閉じていく感じっていうのがすごくて。

荻上
確かに内省的な行為ですよね。絵を描くとか字を書くとかっていうのは。

大森
その描いている瞬間の自分のモチベーションみたいなのも見せたいというのもありましたね。

荻上
そうした表現の方にもともとずっと惹かれていて、それがライブっていうものを中心とする活動につながっていったわけですか?そして今はCDなんかもいろいろ出して、CDを出すのもまた別の表現の仕方ですよね?

大森
全然違いますね。

荻上
作り込んでいくのもまた楽しい感じにはなっているんですか?

大森
なってますね。危ないですけどね。

荻上
危ない?

大森
ハマっちゃったらだって絶対音源やる方が楽しくなっちゃって、ライブなんかもう全然やんないってなっちゃう可能性もあるじゃないですか?

荻上
でも「第1期大森靖子」はそうだけどみたいな感じで変わっていく姿もまたファンも楽しみなんじゃないですかね?第2期は音源だったり、第3期でまた原点に返ったなみたいな。

大森
でもやっぱり自分もファンに会いたいっていう。

南部
だってtwitterでずっと追いかけてっていうぐらいだから。

大森
自分もファンのファンみたいな気持ちなので。「あの人に会いたいなー」みたいな。

南部
その掴まれるポイントって、その人にね。こういう傾向の人が好きみたいなのはあるんですか?

大森
えー、キョドる人?(笑)

荻上
それ言ったら次のライブからみんなでわざとキョドるような(笑)

大森
用意してきたことがあって、用意してきた通りにできない人が好きです。

荻上
それは高度ですね、演じるには。

南部
最後になりますけど大森さんの曲をかけたいと思います。
ではお聞き頂きたいと思います。
大森靖子で「劇的JOY!ビフォーアフター」



南部
この曲と先ほどお送りした「愛してる.com」は両A面シングルとしてリリースしたばかりですので是非チェックを。



それから大森さんのこれまでの半生が書かれた1冊です。「かけがえのないマグマ 大森靖子激白」こちらは毎日新聞出版より発売中となっています。



更に3月23日にニューアルバム「TOKYO BLACK HOLE」の発売が決定ということでこのアルバムはどういうアルバムになりそうですか?



大森
このアルバム、ブラックホールってすごいタイムリーになってくれた・・嬉しい(笑)

荻上
重力波を観測できるようになったわけですから(笑)

大森
大好きで、あういう話!重力波の音、聴きました?



あの音、お腹の中の子どもの心音にそっくりで。死んだものがぶつかって新しいものが生まれたら、新しいものが産まれる音がするんだ!みたいな。すごい感動したんですよ!

荻上
類似性で頭の中でどんどん連想していくわけですね。そのブラックホールというタイトルがついたアルバム。

大森
だからもうブラックホールって付けたらなんでもありになっているんですけど(笑)「ZERO SENSE」っていうコンセプトで作っていて「第0感」とかそういう明日何がなくなるかも分からないじゃないですか?もうこの状況で。

何がなくなっても、なくならない人間の真の部分っていうものを、まあ音楽作れると思っているんで。そういう部分に働きかけれるようなものが出来たらいいなと思って作ってるアルバムです。

南部
ありがとうございました、またお待ちしております。

大森
ありがとうございます!



(了)

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