ダイノジ・大谷ノブ彦が語る「大谷ノブ彦って良いパーソナリティでしょ?」

2016/05/06

CHAGE&ASKA カズ山本 キキマス! 森脇健児 大谷ノブ彦 馬場俊英

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今回は2016年3月23日放送「大谷ノブ彦 キキマス!」
「キキマス!」3時台:森脇健児とラジオ論
を起こしたいと思います。


大谷ノブ彦(以下、大谷)
大谷ノブ彦でございます。

東島衣里アナ
ニッポン放送・東島衣里です。そして!

森脇健児(以下、森脇)
「言い訳は進歩の敵」森脇健児です。

大谷
今日良い言葉いっぱい言ってくれますね。それは今ノート広げましたけど(笑)

森脇
言わんでええやん!(笑)いらないこと言わないで下さい!

大谷
そうだ、これがいけないんですよね。これ説明しちゃいけないけど。描いているんですか、そういう名言みたいなのをいっぱい?

森脇
恥ずかしいこと言わないで下さい!(笑)

大谷
今、見ましたよ!けっこう書いてるでしょ!・・ちょっと待って、俺も手帳開いていいですか!俺もよくやるんですよ(笑)俺もよくやるんすよ!何だろうね、これ。やりますよね!?

森脇
あれ、やるんですよ。

大谷
「いい言葉やなぁー」と思ったらメモっちゃうんだよね。いろんなのを書きますよね。

森脇
何?例えば・・

大谷
僕は糸井重里さんが言っていた「人の一生は何を言ったかでもなく、何を思ったかでもなく、何をしたのか?ただそれだけなんじゃないかな?」って(笑)

森脇
書くのよ!

大谷
心の留まった言葉、書くの!!

森脇
で、「ここ!」言うときに言いたいねんけど、出てこないの!!(笑)これがね、スターになれない瞬間!

大谷
改めて森脇さん本当2年間ありがとうございました。

森脇
お世話になりました。

大谷
この時間はちょっとワガママを言わせてもらって、森脇さんそしてリスナーのあなたに曲を、森脇さんをイメージして曲を選曲したんですけど。

1曲目がですね、CHAGE&ASKAの「太陽と埃の中で」っていう曲なんです。これが1990年、僕91年上京してきたって欲このラジオの中でもクドく言うんですけど。

森脇さんもこれから上昇志向、まあもしかしたらCHAGE&ASKAが全国的にワーッてすごいスターになっていく時代。同時に森脇さんもスターになっていったと思うんです。

この91年の現象「太陽と埃の中で」のあとでASKAさんのソロで「はじまりはいつも雨」そのあと「SAY YES」「YAH YAH YAH」ってなっていく国民的な人気グループになるんですけど。

この曲、実は久々に聞き直して・・まあライブの映像なんかを見てぜひ今日「いいな」と思った方は動画あとで観てもらいたいんですね。


この「太陽と埃の中で」っていうのは実は少年が、まあ僕らもそうだと思うんです。僕いま息子がね野球に対してちょっと複雑な思いになってきているのが分かるんですよ。

つまり「あれどうも俺、プロ野球選手になれるほどの人じゃないんじゃないか?」って最近思っているんです。だから「今日、野球練習どうだった?」って・・このあと俺一緒に映画観に行くんですけど息子と2人で。

そういうのを言うと「うん、全然今日もダメだった」って返しちゃうんですよ。「そんな言い方すんなよ」とか言っても「うん、でもね本当にダメだったから」とかそんなふうに終わっちゃうんです。

でも自分も覚えがあるんですよ。自分も小学生のときにさっきも言ったんですけどラジオを持って野球中継をすげー聞いてたの。

自分は広島カープに入れると思っていたんです。山本浩二みたいな年俸1億円背番号8番付けて、広島市民球場でホームラン打つって思ってたんです。

で、小学生のときのチームが4番バッターだけど、中学入ったら「あれ?俺8番だ」バッターで8番、そのうちレギュラーじゃなくなってベンチのところで声出して「リー!リー!リー!」とか言ってるんですよ。

怪我しちゃったのもあったんだけど、それでだんだん野球の情熱が少し冷めていって中学生で辞めちゃうんですね。その挫折ってものがめちゃくちゃあるわけですよ。

ほとんどの夢って叶わないんです。僕が14歳のときに「ビートたけしのオールナイトニッポン」がすげー好きだったのは、ビートたけしが「夢なんて叶わねえから」って言ったんですよ。

「夢なんて叶わねえ」なんて言うラジオパーソナリティーはじめてだったんですよ!・・すごくそれが優しく聞こえたの。僕には優しく聞こえたの。

で、この歌は僕はいつもこのフレーズのところでグッと来ちゃうんだけど。「オイルの切れた未来のプログラム 大事に回してる」っていうんです。

「オイルの切れた未来のプログラム」実はとっくの昔に燃料がなくなってる。でもそれでもずーっと一生懸命大事に回している。「追いかけても追いかけても掴めないものばかりさ」って

「愛しても愛しても 近づくほど見えない」どんなに夢を追いかけても追いかけても実は掴めないことがほとんどだし。

愛しても愛してもどんなにその人のことが好きでも両思いになることって本当に稀でほどんどが片想いだっていう歌なんですよ!

だけどこの歌、どうしようもなく希望に満ち溢れているように聞こえるんです。その「太陽と埃の中で」っていう曲をそのタイミングでCHAGE&ASKAが歌って、

この曲ってあとで調べて知ったんだけど、シングルじゃなかったんです元々は。アルバムの中で人気が出てシングルカットして、CHAGE&ASKAで一番長く売れた曲なんですよ。

ずーっと口コミでだんだんみんなの歌になっていった。コンサートでやればやるほどなっていった曲なんですよ。だからこの歌を聴くとほとんど時人生ってそんなもんだと思うんですよ。

少年時代ってそういうものだと思うんですよ。さっきのCHAGEさんの歌じゃないけど「後悔」とか「諦め」とかの本当は連続じゃないですか?

僕が森脇健児さんを絶対最初にレギュラーにして欲しいって「キキマス!」が決まったときに言ったのは、森脇さんが笑われる人だったりとかそういうエピソードいっぱいあるってのもあるけど、

僕にとってはじめてお会いしたときに森脇さんが全部仕事がなくなったとき1回京都に帰って師匠のカバン持ちからしたっていう話が僕がものすごい感銘を受けたんですね。

人がゼロになってしまったときに、もう1度師匠のところに行って1からやり直すことの怖さって、そのときに森脇さんのことを思ったんです。「なんかそういうときに芸人ってどう思ったんだろう?」って。

僕、何回も何回も諦めてきたから。野球も諦めてきたし、バンドやっても諦めてきたし。文学青年だったから「本書きたい!」と思ってたけど諦めてきて。

芸人になって、ちょっとだけ飯が食えるようになったけど・・でももう実は食えなくなってるのがだんだん知ってたから。

でもそのときに僕は森脇さんずっと言ってくれるじゃない?「腹にドス入れて・・」って言ってたけど。本当に週何回トークライブやるんだ!ってくらいやったんですよ。

もう本当に何回やるんだ!っていうくらい1人ぼっちでやって。それに付き合ってくれたファンの人がいて。だから僕、バットは振っていたんです。

でもそれがそのあと何かになるとか全く考えてなかったんですよ、そのとき。考えないようにしてたんだけど、でもたぶんきっと聞いてる人でもそういう人がいて、人生ってそういうものなんです。

きっとビートたけしがそんとき俺に言ってくれたように、夢はほとんど叶わないです。でもたぶんそれが分かってても人ってさ夢見るし、人を好きになるじゃん?

それってたぶん夢が叶うことが大事じゃなくて夢のその過程の方が全然大事ってことじゃないの?

人の好きになって両思いになることが1番じゃなくて、たぶん人をとてつもなく好きだとか何かをめちゃくちゃ好きだっていうことが1番大事なんじゃないのって思ったんです。

森脇健児さんの生き方っていうのに僕はそれに感銘を受けたので。これなんで動画を見て欲しいか?っていうと、CDバージョンってフェードアウトなんだけど、

これ動画だと全国的な人気になる前のなんかうねりのような一番声が出ているCHAGE&ASKAなんだけど、途中のところで曲がゆっくりになって

最後に客席に向かってCHAGEさんが「がんばれ!」って言うんですよ。追いかけても追いかけても掴めないけど、愛しても愛しても近づけないけど、そういうもんだけど人生は、「がんばれ!」って言うんですよ。

それを今日はリスナーのあなたと聞いてないと思いますけど、CHAGE&ASKAのASKAさんに届け!っていう気持ちで森脇さんのために1曲目CHAGE&ASKAで「太陽と埃の中で」




CHAGEandASKAのキッズリターン - ダイノジ大谷ノブ彦の「楽しい工房」

大谷
作詞作曲・飛鳥涼。CHAGE&ASKAで「太陽と埃の中で」でございました。良い曲でしょ?好きなんですよね、なんかね。


「オイルの切れた未来のプログラム 大事に回している」ずっとやってるわ!ずっとやってるわ!ずーっとやり続けたわ・・。

だから本当に森脇さんの言う通りなの。俺だから「キキマス!」の2年間で何が1番印象的ですか?っていうと、まずその前に「オールナイトニッポン0」のことを思い出しちゃう。

もっと言うと、能町(みね子)さんと久保(ミツロウ)さんの「オールナイトニッポン」に1回出してもらったあの日のことを思い出す。元旦の日を。その日の夜に。

森脇
それのゲストに出て、そのあと・・

大谷
「パイロット版、録ろう」って言われました。その1回のゲストのたった10分に全部かけるっていうか。ここの有楽町1月1日だったんですよ。

元旦で・・元旦の日ってゲスト決まらないじゃないですか?だから急遽しつこく売り込みに行ってくれた作家の子がいて生駒くんっていう。まあ「キキマス!」の担当作家でもあったんだけど。

行ってくれて、だから2人で・・開いているのがファミレスだけなんですよ、有楽町の。そこのファミレスでずーっと「どっち方向で行く?」っつって。

「これだったら、たぶん2人喜ぶけど2人のこと喜ぶこと喋るのが必要なのか?」とか、もう自意識過剰ですよ!結果、洋楽の話するっていう、全く興味持たれなかったですけど(笑)

森脇
でもそこにそうやってひとつの10分間に勝負をかけるって。10分間のために作戦会議をする。初期設定を決めるっていう準備をいかにするか?っていうのが全ての仕事には大切で。

あと、CHAGE&ASKAさんで僕が印象に残っているのはCHAGEさんがだいぶ前なんですけども。僕は未だにそれをパクってるんですけど。寝る前に武道館でコンサートをしてるのをずっと想像していたんですって。

大谷
へえ、昔から?

森脇
昔から、たぶんこのときなんでしょうね。

大谷
イメージしたんだ。まあもっと前かもしれないですけど。

森脇
もっと前でしょうね、もう武道館で満員の中で自分が立って歌っているのを毎日想像してイメージしてイメージして信じ込ましていたっていう話を聞いたんですね。

それは僕も真似しようとパクろうと思って、常に・・まあ良いときもあれば悪いときあるんですけど。悪いときにも良いときを思い出して「もう一度!もう一度!」っていうイメージを常に。

大谷
ホームラン打つイメージですね。自分がホームラン打っている!っていうイメージをあの小学生のときに描いていたのと同じことを今もどっかで思い描きながら回し続けるんですよ。

もう実はエンジンなくなってるかもしれない。誰かが観たら「エンジン、お前とっくの昔に終わってるのに何やってるんだ!」って言われてるかもしれないけど、それやっちゃうんだよな。

森脇
だからよく今、けっこう聞く言葉だけど「根拠のない自信って大切だよ」ってよく聞くんだけど。あれはもうすごい大切なの。

大谷
イメージを描くっていうことね。なんかね、次の曲まさにそういう曲で馬場俊英さんの「ボーイズ・オン・ザ・ラン」なんですよ。たぶんお好きだと思うんですけど・・あ、知らないですか?

森脇
知らないですね。

大谷
馬場俊英さん、知らないですか?

森脇
は、知ってますけれども。我々と同い年だと思いますけど。

大谷
野球の歌なんですけど、実は野球の選手の歌じゃなくて、昔野球をやってた少年が今大人になって例えば営業巡りやって毎日頭を下げて日常を戦っている人たちの描写がずーっと続くんですよ。

で、要するにホームランを今も打つことをどっかで諦めてない。どっかでバッターボックスに立つことを憶えている。

僕たまに自分が負けそうなときに、またこれ動画なんだけど今も見るので・・カズ山本っていう選手。

森脇
はい、南海・近鉄・ダイエー、最後が近鉄かな?

大谷
近鉄なんです、最後は近鉄なんです。カズ山本選手は「ドラ」って言われてるんだけど、それも「あぶさん」知ったんだけど(笑)

近鉄に入って、最初ピッチャーで入ったんです。そのあとバッターになって自由契約ってクビになるわけですわ。

それで大阪のバッティングセンターに毎日通って、バッティングセンターで毎日やった、誰も練習付き合ってくれないから。とにかくずっと降り続けるの!もう終わってるはずなのに。

そしたらテストで南海が取るんですよ!それで南海が取って、そっから主軸バッターになってダイエーで九州に行って2億円プレイヤーになるんですよ!こっから!有名なんです「ドラ山本」って・・

森脇
ドラキュラに似ているから「ドラ」

大谷
そのダイエーもいずれクビになるんです。で、諦めないんです!また諦めないんです、バット1本持って拾ってくれるところ探したら、最初にクビにした近鉄が取ってくれるんですよ。

そしたら「ドラ山本」がオールスターに選ばれるんです。そのオールスターの場所っていうのが福岡ドームなんです。でドラ山本、ホームラン打つんですよ!ホームラン打つの!最後の最後。

それでヒーローインタビューに立って、ドラ山本はマイク向けられた瞬間に涙溜めちゃって言葉出ないんですよ。言葉が出ないんだけど、

やっと絞り出した言葉が「たまたまです」って言ったんですよ。俺もう、たまんなくて!!

森脇
ずっと練習してたのにね。

大谷
「たまたまです」って言いやがった!

森脇
謙虚やな。

大谷
そのとき福岡ドームの連中が全員立ち上がってね。昔、ダイエーにいた選手だからそこで打ったからみんなが拍手したの。

だから諦めるなとかそういうことを言いたいんじゃない、なんか分かんないけどそういう人の人生を見たいなっていうそういう歌でございます。

「ボーイズ・オン・ザ・ラン」ですからね。やっぱりまさに森脇健児のことじゃないですかね?馬場俊英さんで「ボーイズ・オン・ザ・ラン」





森脇
やっぱりサラリーマンやっておられたんだ。

大谷
そうですね、だからこの描写の中には自分もモデルに入っていただろうし。まあここのラインのところ「いったい誰があの日俺に一発逆転をそうぞうしただろう」っていうのはもう自分の歌だと思ってますから。

自分がそのラジオのときに「オールナイトニッポン」最初にやったときみたいな感じで。「でも俺は次の球をいつだって本気で狙ってる」って、「みんな笑うかもしんないけど本気だから」みたいなことですよ。

だから今もし、「でも2年昼のラジオお前の年齢でよくやった。芸人がよくやったな」ってマイク差し出されたら「たまたまです」って言いますけどね!

絶対言いますけど「たまたまです」と。はい、良いパーソナリティでしょ?(笑)

さあ、というわけでございまして本当にありがとうございました。たくさんの方に愛された「キキマス!」けれども明日で終了でございます。

(了)


(補足:カズ山本さんのヒーローインタビューは正確には「まぐれですよ」のようです)

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