2015/11/20

評論家・山田五郎が語る「自衛隊派遣より難民受け入れを訴えよう」

今回は2015年10月1日放送「荒川強啓 デイ・キャッチ!」
デイキャッチャーズボイス」山田五郎さんの回
起こしたいと思います。


荒川強啓(以下、強啓)
今日のテーマはこちらです。

片桐千晶
「自衛隊派遣より難民受け入れを訴えよう」

山田五郎(以下、五郎)
安倍首相がね、日本時間の昨日の未明ですかね?国連総会の一般討論演説というのを行って、シリアとイラクの難民支援に去年の3倍にあたる8.1億ドルから中東・アフリカ地域での平和構築支援に7.5億ドル

シリア難民を受け入れているレバノンに200万ドルの支援、難民が通過地になっているセルビアやマケドニアにも250万ドルの支援ということで、総計15億6450万ドル、日本円にして1877億くらいを拠出すると表明したわけですよね。

合わせて、いわゆる安保関連法案で「PKOでより貢献できるように国内法も整備した」とこういうことをおっしゃって、まあ国連安保理常連理事国入りへの意思をアピールしたわけなんですけども。

これね、日本の新聞なぜかここまでしか伝えてないんですけども。実はこの演説のあとに海外の記者から質問があって「日本にシリア難民を受け入れるっていうことは考えていないんですか?」っていう聞かれたんですよね。

でこう答えちゃったんですよ、ちゃったんですよ。まず1つ「人口問題として申し上げれば我々は移民を受け入れる前に女性や高齢者の活躍や出生率の上昇などまだまだ打つべき手がある」と。

2番目に「難民問題においては日本は日本としての責任を果たす」と。「それは難民を生み出す土壌そのものを変えていくことに貢献するんだ」とこう2つおっしゃったんですよね。

これね、せっかく立派な演説なさったのにこの回答はちょっとそれを台無しにしちゃったというか感心できないんですよね。

まずその最初の問題として難民受け入れって人道的な問題と労働力としての移民受け入れっていう経済的な問題を同じに考えちゃってるような発言をしちゃったんですよ、これ。それで「何言っているんだ、この人」みたいな感じになっちゃったわけですよね。

強啓
昨日もあのニューヨークから北丸さんがそのことを触れていました。

五郎
やはり、そうですか。それからこの2番目のところと含めると要するに日本はお金は出すけど難民は受け入れないよっていうことをけっこうはっきり言っちゃったわけですよ。

だから結局日本ってお金のことしか考えられない国なんだなみたいな印象を世界中に与えちゃったと思うんですよ。だから1800億以上も拠出したのにかえってイメージ悪くしちゃったかもしれないなっていう気がしてて。

実際これロイター通信がいち早く各国に配信してて、これイギリスの新聞の亞ガーディアンですけれども。「日本はシリア難民を受け入れるよりも国内問題が大事」ってでっかい見出しで。

そういうふうにそりゃとられますよね、これね?だからこれ国連安保理の常連理事国入りをアピールする上でもマイナスですしね。そもそもご自身の演説の主旨とも矛盾しちゃってるんじゃないかと思うんですよ。

というのは総理が演説でその誇らしげに言及された安保関連法案、これあれだけ国民の反対があったのを押し切って強引に通過させた大義名分の1つに「お金だけ出して人を出さないでは国際社会の理解を得られないんだ」っていう。

これ1つ大義名分としてありましたよね?だけど難民問題に関してはお金は出すけど人は受け入れないではそれこそ国際社会の理解が得られないんじゃないかなっていう気がするんですよね。

シリアの難民って日本には関係ないと思われるかもしれないですけれども。NPO法人・難民支援協会によると日本には現時点ですでに400人のシリア人の方が住んでいらっしゃる。

そのうち、60人が難民認定申請をしているんですよ。難民っていっても今逃げて来た人もいれば、それから仕事や留学で来日していたんだけど母国であういう内戦状態になっちゃって帰れなくなっちゃった、そういうタイプの難民の方もいらっしゃる。

いずれにせよ60人の方が難民申請をしているんですけども、今までの認められた方がたった3人なんですよ。日本は国際的な難民条約に加盟しているんですけどもね。

この難民認定審査の基準が著しく厳しいということで有名なんですよね。で、受入数が少ないから閉鎖的とか、それこそ国際的に非難されてるんですよ。

僕、個人的な意見としてはね出稼ぎ目的とか犯罪目的のいわゆる偽装難民っていう方もいるんで、やっぱり審査が厳しいこと自体は単純に非難できないと思うんですよね。

ただ今回のシリア難民みたいに明らかな明確な事情があって国際的な協力が求められるケースでは、このいま難民条約に基づいた審査というかたちじゃなくて、例えば閣議決定なんかがあればね通常の審査を経ないで受け入れることも可能なんですよ。

実際日本は今までもそういうかたちで難民を受け入れてきたことがありますよね?あのー、覚えていらっしゃいますか?ベトナム戦争で生み出されたインドシナ難民の方「ボートピープル」と呼ばれた人たちですよね。

これ1978年から多いときは年間1,200人、合計11,319人受け入れたということがあったんですよ。それから最近だと、これは結果ちょっと失敗だったかもしれないですけども・・

2010年から12年にこれ閣議決定によるパイロットケースとして年間30人のミャンマー難民の受け入れというのをやったんですよね。これなんかちょっと条件が厳しすぎて志願者が辞退しちゃったりして、必ずしも成功とは言えなかったかもしれないんですけども。

でもミャンマーの難民の方も受け入れていると。そうやって受け入れた方たちの多くは日本にそのまま住んで働いている方たちとかいらっしゃって、

割合ベトナム料理屋さんやミャンマー料理屋さんで、普通に顔合わせて話しているとそういう難民で来たんですよっていう方ってけっこういらっしゃいますよね。

そういう前例があるんだから、現在難民認定しているシリア難民60人の方これを受け入れるっていうことは十分可能だし、特にその問題があるとは思えないんですよね。

本当だったら安倍総理も国連総会出席されることを分かってたんですから、逸れ事前にこの60人の方難民受け入れて難民認定してそれで向こう行って「日本もすでに受け入れを始めています」ってアピールした方がよっぽど良かったんじゃないかと思うんですよ。

僕あの1800億、3倍に増やしましたってお金のことばっかり強調するよりもたとえ60人という少ない数でも「受け入れ始めてますよ」っていうことをアピールした方がよっぽど国際貢献をアピールできたんじゃないかなって思うんですけどもね。

強啓
ねえ、側近何してたんだろう?

五郎
いや分かんないですね。今からでも遅くはないんで出来るだけ早く現在認定申請中の60人のシリア難民の方を受け入れて認定してですよ。さらにこの「受け入れ枠」っていうのを設けてもいいんじゃないかと思いますよね。

さっきも言いましたように「日本はシリアから地理的に遠いから、積極的に関与する必要はない」っていうそういう意見もあって、まあそれも一理あるかなと思うんですけども。

強啓
それちょっと心配なのが難民と移民というのを分かっておいでなのかなと。

五郎
まあそれは違うんですよね。だからそこをごっちゃにしちゃったのは失敗だと思うんですけれども。

でも逆に考えれば遠いからこそ・・こういう言い方が良いのかどうか分からないですけれども。ヨーロッパみたいに大量の難民の方が押し寄せてくることもないわけですよ。だから受け入れ可能な枠内で十分日本も貢献することが可能だと思うんですよね。

それからさっきの話の戻りますけども、そんな地理的に遠いから積極的に関与する必要がないって言うんだったら、中東のPKOに自衛隊を派遣する必要もないはずなんですよ、これ。

強啓
それだ!!

五郎
だからやっぱりこれ矛盾しているんですよ。そっちの方は「人を出さなきゃ」っていって言ってるのに。難民に関しては「金出しゃいいだろ」じゃあやっぱりこれはなかなか理解を得られないですよ、逆に。

逆に言えばその1,800億も出したこの拠出金・・まあ変な言い方だけど無駄になっちゃうというか逆効果になっちゃいますよ。「結局お前ら金なのか」になっちゃいますよね。

これ僕、同じ国際貢献するんだったらやっぱり紛争地帯に日本から人を送り込むことよりも、その紛争地帯からの難民を受け入れるっていうそっちの方で貢献したいなって思いますけどね。

強啓
「積極的平和主義」ってそのことですよね。

五郎
そういうことじゃないかな?って思うんですけどもね。その方がやっぱり僕は国際的な評価も得られるし、良いんじゃないかと思うんですけどもね。

強啓
今から遅くないですよね。

五郎
今からでも遅くないと思います。やれることあると思いますよ。

(了)

関連コンテンツ

スポンサードリンク