2015/02/15

登山家・栗城史多が語る「楽しくなかったら下山しろ」

今回は2014年12月1日放送「大竹まことゴールデンラジオ!」
「大竹メインディッシュ」栗城史多さんの回
起こしたいと思います。


阿川
本日のお客様をご紹介いたします。
1982年のお生まれ北海道のご出身で現在32歳でいらっしゃいます。

8千メートル級の山岳登山の様子をインターネットで全世界に生中継をするという
独特の登山の仕方をしていらっしゃって、
時には号泣しながら自分の弱さをさらけ出す姿に大きな注目が集まりました。

2012年エベレスト挑戦中に凍傷で手の指9本の第2関節から先を失われました。
約2年の治療とリハビリの末、復活し今年7月には世界第12位の高さを誇る
ブロードピーク登頂に成功されました。

本日のお客様、登山家の栗城史多さんです。
どうもお久しぶりです。

栗城
どうも、お久しぶりです。

大竹
ようこそ、いらっしゃいました。

阿川
凍傷になられる前にテレビの番組でインタビューして
「危ないんだからさあ」みたいな話をしてたら、
その後ニュースで大変な凍傷をされたっていうふうにちょっと・・

栗城
2012年の秋のエベレストで両手と足と、あと鼻も凍傷になりまして・・

阿川
鼻はその赤いのは?

栗城
ちょっとまだ残ってるんですよね。
8,070メートル地点のところで強風でもう下山を決意したんですけれども
その下山中に両手と両足があっという間に凍傷になりまして

阿川
あっという間なんですか?

栗城
手の感覚自体はだんだん無くなっていくんですけれども
もう本当に1日ぐらいで

阿川
でもそれ予防・・「あっ、来たぞ」みたいなので
なんとか止めることは出来ないものなんですか?

栗城
一応、保温はきちんとやってはいるんですよね。
それでもよくヒマラヤの先輩方も指なくしてる人も多いんですけど。

あれは何故なるかって言うと?人間の体の中で一番酸素が必要な場所は脳なので、
酸素は1/3で気温がマイナス35度で風速30メートルの風が吹くと
体感温度はマイナス55度くらいになるんですよ。

すると脳の方に酸素を行かせなきゃいけないので、
指先の方とかから・・

阿川
体が「みんな酸素行けーっ!」って号令する?

栗城
そうです、それで細胞が閉じていくっていうふうに言われてますね。



阿川
「指は仕方がない」みたいな話になっちゃうの?

栗城
そうですね、もっと早めにね下山すれば良かったかもしれないですけども。

阿川
そこの判断ですか?でも無事に凍傷しながらも下山を果たすっていうこと自体がもう
途中でだって意識を失ったりしそうにならないんですか?

栗城
まあそうですね、途中はそういう6,000メートルに撮影している仲間がいたので
そういった人たちにも助けてもらったりとはあったんですけども、
まあ無事に帰って来れまして。

阿川
何でそんな怖いことするの?

栗城
ハハハハハ(笑)

大竹
まあ、すごいね。まだ行くんでしょ、それで?

栗城
また、実は(笑)
行こうということを準備中でありますけれども。

大竹
すごいことばっかり聞いていても何なんで、ちょっと良いことも聞きたいんだけど。
一番高いのは何メートル?

栗城
エベレスト8,848メートルですね。

大竹
何が見えるの?そこから。どう思うのそれは?

栗城
そうですね、この間も8,047メートルのブロードピークっていう山に
実は凍傷になってから復帰して、復帰第1号として昇ってきたんですけれども。
その山頂からの景色っていうのは意外とあんまり綺麗だとはあんまり思わないんですよ。

大竹
えっ、そうなの!?

阿川
じゃあ登り詰めたときにどう思うの?

栗城
もう登ったときは感動して泣いてはいるんですけど。

阿川
それは達成感?

栗城
達成感ですね。

大竹
景色はそれほどでもないと(笑)
そうだよね?まあ考えてみればね、8,200メートルと8,400メートルでは
200mしか違わないわけだから。

栗城
そんなに変わらないかと思うんですけど(笑)
あとはもう1つはやっぱり人間の心の余裕があるから
モノって美しく見えるんだと思うんですよね。

そんなに余裕があるものじゃなくて、早く帰って来なきゃいけないので
下山を考えているときに・・

大竹
旗立てたらすぐに帰らなきゃ・・帰りも心配だもんね。

栗城
ようやく地上に帰ってきて、思い出してみたら「あっ、すごいところにいたな」みたいな。

阿川
映像でよく見ると、山頂ってだいたい畳1畳ぐらいな感じなんですか?

栗城
本当、ものによっても違うんです、3畳ぐらいのところもあれば・・
あとチョ・オユーっていう8,201メートルの山は昔2007年に登ったときは
それはだいたい幅2キロとか3キロぐらい、すごい広かったですね。

大竹
でも当然、雲は下だよね?

栗城
雲は下です、はい。

阿川
なんかジャンプしたくなるとか?

栗城
それ、怖いですよね(笑)

大竹
まあでもそういう人もいらっしゃるって聞きますよね。
でも、それを動画配信・・何て言うの?

栗城
ネットで生中継をしまして・・

阿川
電波は通じるんですか?

栗城
電波は基本的には通じないところなんですよ、
この間もパキスタンもそうなんですけれども。

それを僕はブースターという映像を飛ばす装置を担いで上がっていきまして
8キロ離れたところに僕のベースキャンプがあって仲間がいるんですよ。
そこに電波を飛ばしてそこから衛星回線を使ってやるってことをやってまして。

それでリアルタイムで登っている姿が
見れるということをやってるんですよね。

大竹
号泣したりしてるんでしょ?

栗城
よく泣きますね。

阿川
何人か一緒なんですか?

栗城
ベースキャンプまでは仲間がいるんですけど、
そこからは1人で登って行くんですよ。

大竹
時間はどのくらい掛かるの?1人になってから。

栗城
あーそうですね、だいたい1週間とか。
上がって下がってを繰り返していくんですよね。
徐々に標高に合わせたり・・

あとは天気が悪くて4日間くらい悪天候で閉じ込められたりすることも
あったりするんですよ。

阿川
でもやっぱり配信しているっていうことは、しないで登るのと違いますか?

栗城
基本的に登山家とか冒険家の人たちってナルシストだから
やっぱり人に見られてると嬉しいっていうのはあるのかもしれないですけど(笑)

でもやっぱり重要なのはこういった今までの冒険の世界っていうのは
登頂して帰って来たっていうだけの世界だけだったんですよね。

ヒマラヤとかそういった世界というのは実は地上でも感じられないような
素晴らしい体験とか学びがたくさんあるので、
僕はそれをもったいないなというふうに思っていまして

それを過程も含めていろんな人たちと共有しておくことによって
自分も何か挑戦してみたいなとか、

よく僕メッセージで「見えない山を登る全ての被災地へ」っていう
メッセージを出してるんですけれども。

栗城だけだエベレスト登っているんじゃなくて、
皆さんそれぞれいろんな山を登ってますんで

やっぱり挑戦って成功もあれば失敗もありますので
結果じゃなくてトライをして楽しんでいくことが僕は大切かな?と思いますんで、
そういうのを共有できたらなと思いながら・・。

阿川
例えば小っちゃい雪崩とかそういうのに遭ったこともあるんですか?

栗城
雪崩がこう目の前まで止まったというのはありますけれども、
巻き込まれたことはないですよね。

阿川
それも映像で流すわけですか?「来た!来た!来た!」なんてね。

栗城
それも映像で流したりとか。

阿川
「皆さん、さようなら」とか

栗城
「皆さん、さようなら」はまだないですけど(笑)
まだそこまではないですけど。

大竹
まあそれで後さ、心の問題だけどさ。
俺なんかもうヒドい話で1人で夜中自宅で寝ててもよ、
ああだこうだ考えると不安になったり眠れなくなったりもこの年で

まあよっぽど疲れてたらグーッて寝るだけのときもあるんだけれど
そういうの1人になって山で寝て良いのかどうかさえも分からないでしょ?

栗城
実は7,000メートルから先っていうのは本当酸素が薄くなっていきますので、
横になっているのが一番危険だって言われるんですね。

っていうのは人間は横になって寝ているときが一番呼吸が浅くなるので、
そのまま寝てしまうとどんどん脳の方に酸素が行かなくなってしまうんですよ。
だから7,000メートル以上はずーっと起きて腹式呼吸してますね。

阿川
でも体力的にはクタクタヘトヘトでしょ?

栗城
ヘトヘトですね、もう眠たいですし。

阿川
何考えているんですか?その1人になってからは。

栗城
まあ1つは登るということに集中して考えたりしますけれど。

阿川
「あれ食いてえな」とか、「お風呂入りてえな」とか?

栗城
でも意外とですね、登っている間はそんなに考えないんですよ。
それだけ心に余裕が無いんだと思うんですけど。
下山している途中で食べ物とかいろいろと考えますね。

大竹
俺たち登山のコント作ってね、
「ダメだ寝るな!寝ちゃダメだ!寝るんじゃない!羊が1匹、羊が2匹」っていう
コントがあるんだけどね(笑)

阿川
「八甲田山」出てるから、登山仲間とも言える。

栗城
「八甲田山」行進していましたよね?

大竹
まあそれは、そうなんだけど(笑)
でも何故最初にこの「俺は山に登るぞ!」って普通に車の免許も取って
就職してって考えてたんでしょ?嫁さん貰って・・

栗城
そうですね、元々は20歳くらいに僕がお付き合いしていた彼女が山を登ってたんですよ。
雪山とか登るようなかなりすごい人だったんで。

阿川
栗城さんはそのころ登ってなかったの?

栗城
僕は登ってなかったんですよ。

阿川
何をしていたの?その頃は?

栗城
その頃は僕はニートやってました。

大竹
ニートだったの?

栗城
北海道出身で東京に来たんですけど、半分アルバイトして半分ニートやってまして
っていう生活をしてたんですけれども、その彼女が「公務員がいい」とかいうことを
言うので「そうだ、それを目指そう」ということで北海道に戻って

大竹
彼女の言われるままに公務員になって、免許取って?
どうしてそれはそうならなかったんですか?

栗城
それが彼女のために車を買ったんですよ。ドライブに出かけたんですけど
その車の中で「2年間付き合ってたけど、あんまり好きじゃなかった」
って言われたんですよ(笑)

大竹
度肝を抜かれたよね、それは!(笑)
車買って、彼女言う通りに公務員を目指してたら
2年付き合った途中で「あまり好きじゃ無かった」

阿川
彼女色に染まりますっていう感じだったのに。

栗城
それで失恋をして、そこから「自分はもうどうしよう」っていう感じで
1週間くらい本当に落ち込んじゃって、熱が38度出たりですね、
怪奇現象が起こり始めたんですよ、体で(笑)

大竹
分裂しちゃうような(笑)

阿川
そんなに好きだったのね。

栗城
このままだともうヤパいなというときに、
何かこれやらないとダメだなと思ったんですよね、本能的に。
そしたら彼女が山を登ってたんですよ冬山とか。

阿川
まだ引き摺っているのか!(笑)

栗城
男は引き摺るんですよ!

大竹
10年くらい引き摺るのは当たり前なんだよ、男は!

栗城
それで彼女がどうやら山がすごい好きで、
あとは山好きな男が好きらしいという情報も得まして

阿川
何まだ奪回しようと思ってるの(笑)
引き摺っているどころの騒ぎじゃないない!

栗城
いやー分からないですけれども、その世界も自分もやったことはなかったので
行ってみようということでそれでやったのが最初のきっかけだったんですよね。

阿川
最初は山に登る度に彼女の顔が浮かんだんじゃないですか?

栗城
最初はそうだったと思います(笑)

大竹
でもどう言っていいのか分からんけど、
付き合ってみたけどもそんなに好きじゃなかったって言われてショックだろうけども
逆に考えれば好きじゃないのに2年間も付き合ってくれた・・(笑)

栗城
ちょっと考えただけでだんだん今涙が流れそうでした(笑)

阿川
でもその一言のおかげでですね、逆に考えれば自分の道が切り開くことが・・
だって放っといたら今ニートかもしれないじゃない?
あるいは、公務員だっていいけれど全然別の・・。

大竹
でもそっから体を鍛え始めたの?

栗城
最初は安易な気持ちでやってたので、全然やる気がなかったんですけれども。
ただ僕の入った山岳部が非常に厳しくて先輩と一緒に山を登って行くんですけれども
下山が許されなかったんですよ。

大竹
どういうこと?

栗城
つまり天気が悪くてもダメなんですよね。
もう登頂するまで帰らないっていうちょっと変わった先輩だったんですよ。

大竹
それは危ない人だねえ。

栗城
危ない人だったんですよ(笑)
それでまあ、1歩間違えたら危ないんですけれども

その人にだいぶ鍛えられて自分がもう限界ですと無理ですと思ってても
気付いたら頂上にいたっていうことが何回もあったんですよ。

阿川
辞めようと思ったことないんですか?

栗城
たくさんありました、先輩について行って「もう辞めよう」と思って。
いっぱい思ってたんですけれども無理繰り拉致されて連れて行かれるので
それでだいぶ鍛えられて

それで分かったのは自分の中で限界とか不可能っていうのは
自分の脳が勝手に作っているなってすごい悟ったんですよね。

自分は「もう無理だ」とか「ダメだ」とか言いながらやってるんだけども
本当はそうじゃないんだっていうことが分かってきて・・

阿川
でも本当に本当の限界だったら、どうするんだろうね?

栗城
まあまあまあ、そのときはね(笑)

大竹
本当の限界はどこに、どこにあるんですそれじゃ?
僕たちの知らないところに本当の限界はあるのかね、そういう意味で?

栗城
ちなみにこれ山の先輩、別の方なんですけど言ってた言葉で
下山の判断基準っていうのがあるんですけど、

どういうときに下山したらいいかっていうときにその先輩が言ってたのは
それの1つは「楽しくなかったら下山しろ」っていう言葉があるんですよ。

阿川
そんなことならすぐ下山するよ、私なら(笑)

大竹
すごい寒いとかちょっと腰が痛くなってきたぞっていうのは
対象にならないんだ。

栗城
そうですね、やっぱりその人間って苦しくても
楽しいから頑張ることが出来ると思うんですよ。

大竹
変な話なんだけど、高田純次とゴルフに行くんだけどあいつ腰痛めてるのね。
で、ティーショットをバチンッて打つわけよ。
打った後、腰痛くてねしばらく屈むんだよ。

それで立ち上がってニコニコしながらついてくるんだよ。
あいつだから体が痛いより楽しいことを。
今もうちょっと腰が良くなってるんだけど。

阿川
でも同じ、私もゴルフの話ですけれども。
例えば仕事で5時起きだって言われたらものすごく体じゅう辛いし、
機嫌悪いし耐えられないけど。

「明日ゴルフなんだけど5時起きなんだけど?」「あっ、大丈夫!」って
運転も出来ちゃうし、あれは何の違いなんだろう?と自分も思いますけどね。

大竹
しかも・・まあ高田純次の話で恐縮だけど、
暑くても平気なんだよあいつ、何でか聞いたら「俺、暑さ感じねえんだ」って言うんだよ。
あのね、ゴルフの方が楽しいから先攻しちゃうんだよね。

栗城
なるほどね、でもちょっとそれはなんか危険な感じですよね(笑)

大竹
九死に一生を得た人に言われたくないけどね(笑)

阿川
でもその中でも楽しいだけじゃダメでしょ、やっぱり?
もうちょっと冷静な判断といろんなポイントから決めるわけじゃないですか?

栗城
冷静な判断っていうのはすごく難しいですね。
1つやっぱり山を登ってきて感じるのは、
やっぱり執着しないっていうことなんですよね。

阿川
執着しない・・してたくせに!

大竹
まあその1つは置いておくことにして別のことで話を進めると・・

栗城
つまりその頂上を見ながらも、もう1つは生きて帰って来なければ意味が無いので
やっぱり頂上ばかり見ているとすごく危険だっていうのはあるんですよ。

阿川
えっ、どこを見るんですか?

栗城
つまり自分を見るっていうことなんですよね。
実は凍傷になって2年ぶりにこの間復帰できて山登れたんですけれども。

何故登れたか?というと、その山の先輩と八ヶ岳に復帰するときに行ったんですね。
で、トレーニング付き添ってもらったんですけども。
実は最初靴の紐が結べなかったんです。切断してからは。

もう荷物も全部いろんなものも手伝ってもらってて
「これ復帰出来るのかな?」と思ってたらその先輩に言われたのがですね、
「栗城くん大丈夫だよ」って言ったんですね。

で、「何が大丈夫なんですか?」って言ったら
「大きな事故の後に良い山登りが出来るようになるよ」って言ったんですよ。

そこで先輩が言ったのは、「山を見るんじゃなくて、自分を見ろ」
っていうふうに言ったんですよ。それはすごく大きかったんですよ。

今までその自分っていうのは過去4回エベレストは
チャレンジさせてもらってるんですけど
やっぱり途中で断念したりいろいろとありまして、

そのときの自分っていうのは山ばっかり見ていたと思うんですよね。
そこでどうしても失敗だったりとか下山というのを繰り返していくと
やっぱりプレッシャーとかいろんなものがあったと思うんですけれども

阿川
挫折感とか悔しさとか

大竹
あと登頂すれば大きなニュースになって、それもあるけれども。
断念したやつのことなんかはあんまり扱ってくれない。

栗城
もうボロクソに言われますしね。

阿川
ある程度、達成した経験があると尚更のこと、
こうちょっとみっともないことしたくないみたいな。

栗城
でもやっぱりそういうのが一番危険なんですよね。
なもんで、今回ブロードピークを登るっていうときは
一回全部リセットをして本当に心から楽しんで山を登ろうと。

ゼロからということにして登って行ったら、
それが実は凍傷になってでも上手く登れたっていうのがありまして。

阿川
靴紐も結べるようになったんですか?

栗城
結べるようになったんですよ。
最初は全然結べなかったんですけども。

大竹
指を今失っているわけだけどもそれでも結べるように。

栗城
はい、なりまして。

阿川
山から下りた日常生活も別に不満とか不自由とか?

栗城
不自由さは多少不便なことはあったりとかするんですけれども。
でもまあ凍傷になったらけっこう友達とか皆が優しくしてくれるようになった(笑)

まあ最近だんだん薄れてきたんですけども。
最初の頃は皆「大丈夫か?」みたいな感じで優しくしてくれたんですよね。
山の先輩方も。

大竹
さっき途中まで言い掛けで、今のきっかけになったのは
あんまり自分を見ろという以外にも執着しないっていうことを仰いましたね?

やっぱり私たち年寄り見てて、いろんな名誉欲とか
いろんな欲を持って皆生きているじゃない?
そういう欲望系ジジイもいるし、名誉欲ジジイもいるし・・

阿川
いろんな山を目指してるのね(笑)

大竹
そういう大人たちを32歳のあなたが見たらどう見えるの?

栗城
えー僕ですか?でも欲が全くないっていうのもおかしなことだなと思いますし。
やっぱり人間、欲はあるんですけれどもやっぱりバランスなのかな?
っていうふうには思いますね。

それはそれで人間としてやっぱり持ってるものですので、
逆にそれを無くしてしまうと今度人間らしさが無くなってしまいますし。

阿川
自分の分にあった?

大竹
自分をどうやって見るのよ!(笑)

栗城
やっぱり自分を見るっていうのが非常に難しいんですけどね。

大竹
いやーでも、その山の中でそのちょっと一晩でも
その孤独のどん底に突き落とされるみたいなところをよく・・タフだねえ。
阿川さんなんかはけっこうそういうところは平気なの?

阿川
私は白神山地くらいしか雪じゃないけど、登ったことがなくて

大竹
いやいや、その孤独みたいなことに対して

阿川
孤独ね、本当の孤独に遭ったことがないから分からないけど。

栗城
でも僕、阿川さんはきっと冒険家とか登山家に向いているタイプだと思いますよ。

阿川
何ですか!好きなんですけど。

栗城
やっぱりそうなんだ。

阿川
幼少のみぎりから道なき道を行くのでね、親が心配したっていう。
・・何でですか?

栗城
やっぱり1つの要素としては、ポジティブっていうのがあるんですよね。
精神的体力って言われているんですけども、

例えば鍋とかで1週間同じ鍋を使って氷河とかで水を作るんですけどね、汚くなりますし。
寝床もまっすぐ寝れるところだとまだ良い方で、曲がってたりとか座りながら寝たり
というときもあるので、そういう環境を楽しめるっていう。

阿川
私ね、腹立てながら「いつかエッセイにしてやる!」って思って(笑)
ネタとしては最高じゃないですか!本当に不自由とか不便とか困ったこととか。

栗城
そういうマイナスな要因をプラスに変えられるっていうのがすごく重要ですね。

大竹
俺ね、若い頃は忘れたけど年取ってからはね、道が二股に分かれてて
ちょっと不安だなと思ったときには俺は戻るの。

阿川
すごく慎重派なんですよ。
石橋を叩いて渡らなかったりする。

大竹
そうそうそう、石橋叩いてからね「んー、帰ろう」っていうね。
ちょっとネガティブなのかね?

栗城
いやでもそうじゃないと思いますね。
やっぱり山登りも下山が一番重要なので、帰って来なければ。

大竹
あっ、俺は帰って来るタイプ?
阿川さんは帰って来ないタイプ(笑)

阿川
じゃあ全然向いてないじゃないですか!

(了)



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