2013/04/19

大竹まことが語る「『衆議院選挙東京第25区の候補者に会って質問できるか やってみた』から感じ取るメディアの権力」

今回は、2013年3月4日放送「大竹まことゴールデンラジオ」
オープニングの一部を起こしたいと思います。


大竹まこと(以下、大竹)
さぁ太田さん今日はちょっと少し前の新聞ですけども。
この番組でいつも取り上げている高橋源一郎さんです。

太田英明アナ(以下、太田)
はい、朝日新聞の木曜日・論壇時評 高橋源一郎さん、
作家さんが書いていらっしゃいますけれども。

今回は衆議院選挙東京第25区の候補者に会って質問出来るかやってみた
というYouTubeにアップされている動画について
取り上げていらっしゃるんですね。


大竹
えー、YouTubeってみんなが投稿出来たりね。
勝手にいろんなことが中で出来る・・
ちょっとこれ簡単にたどり着けるの?無料で?

太田
無料で誰でも見られます。

阿川佐和子(以下、阿川)
私はよく音楽をね。

大竹
そのYouTubeでの話です。

太田
一人の無名の青年が自分の選挙区、つまり東京第25区の候補者たちのところに
出掛けていって質問するところを自分で収録したドキュメンタリーと。
これが話題になったということなんですね。

大抵の場合、候補者の事務所はそんな青年の希望を
時には無下に、時にはやんわりとみんなやっぱり断るんだそうです。

で、ある事務所のスタッフは「マスコミじゃないんだから、受け入れられないよ」と
冷たく言い放ったそうなんですが、それでも気を取り直して
また別の事務所を訪ねていく、そういうものを自分で撮ったドキュメンタリーなんですね。

大竹
若い青年がですね、いろんな東京第25区の候補者に・・
普通の市民です・・会いに行って質問出来るかどうか?
ビデオを持ってやってみたんです。

マスコミの権威もね、俺たちみたいな後ろに「TVタックル」とか
それから取材とかっていう名目もなんにもない。
バックボーンも何も無い。

でもそういう人が、選挙の候補者に会って質問するってことは
当たり前のことだよね?何もそんなもの無くたって。

阿川
だって有権者ですもんね。

大竹
それを・・まだ僕はそのYouTubeを見てないんだけど、
結構冷たくされてしょげてる少年が「またダメだった」みたいなことを
言いながら行くんだね。

太田
高橋源一郎さんはその動画を見て、「壁」の正体に気づくと。
で、青年が「壁」にぶつかっている。
どうやら、自分たち私たちみんなもあるものの「壁」に
常にぶつかっているんじゃないか?ということに気づくということなんですね。


それは何か?というと
その自分たちは絶対正しいと考えてそれに疑いを抱いたひとり
つまりこの場合では、YouTubeの青年なんですけども。



その声をはねつけようとする「壁」がドーンとそびえていることに気づくと。
実際に「壁」に体当たりしようとしているケースを何個か紹介しているんですけど。

例えば、水俣病について取り上げている4銃士、
建設的に一所懸命取り組んできた4人の方々について取り上げていて
国・裁判所・企業・専門家、ビクともしない巨大な壁に
悔しいけれど歯が立たないと。
でも、誰も読まなくても記録だけはしておこうと戦った人の話とか

あるいは、ロックバンドのボーカリストが
私財を投じて作っているフリーペーパー。
3.11後の被災地の様子を出来るだけ丹念にありのままに
記録していこうという試みとか。

そういった壁にぶつかっても、なんとか記録を正確に
残そうとしている人たちのケースをいくつか
高橋源一郎さんは挙げていらっしゃいます。

大竹
はい、まぁこの人気ロックバンドの「ASIAN KUNG-FU GENERATION」の
後藤正文さんもね、こう自分の活動とは別に私財を投じて
フリーペーパーを作ってるという話ですけども。
(参考リンク) TheFutureTimes



やっぱりね、この文章では仮に「ナベタくん」っていう仮の名前で
高橋源一郎さんは呼んでいるんだけど、これを大塚(英志)さんっていう方の書いた
文書で知ったって高橋さんはことわってるんだけども。

その通称「ナベタくん」は・・

阿川
選挙事務所に訪ねていった「ナベタくん」です。

大竹
バイトも辞めて、微妙に引きこもり状態。
それで、特別な政治信条も持ってない。
誰かに頼まれたわけでもない。

でも彼が言ったのは、
「もしかしたら誰かの役に立つかもしれない」と思って始めたんだ
って言ってるのね。

まぁカメラだから見たまま聞いたままが
このYouTubeに上がってるわけだね。
それでその動画を見た人たちは
「とてもすごい事をしているのかもしれない」っていうふうに
書き込みが返ってくるんだね。

この取材をした大塚さんって人も、
「僕もそう思っている」ってこれには答えるんだね。
やっぱし、今の時代わたしたちは民主主義・・
何でも発言出来て、全部自分の言ったことも行政とかそういうところに
届くような錯覚に陥っているけど、現実に市民一人が訪ねていって
「聞かせて下さい」って言ったら答えてくれないんだね。
答えてくれないところが多いんだね・・何だろう?

マスコミとかそういうのも、やっぱり権力なんだね。
僕たちも含めて。

阿川
ああ、それはそうですね。
絶対、権力ですね。

大竹
だから変な言い方ですけど、
「『タックル』の阿川が来た」「ラジオの大竹が来た」って言えば
それは権力なんですね。


僕たちは一般市民って言ってるけど、じゃないわけで。
それでそういう分にはやっぱり権力と権力の力の関係が働いて
取材が出来たりするわけですね。

力の関係の生じないところ、
そこの本当に暮らしている人たちがいるって話ですよね?これは。

いやーちょっと、きたろうさんじゃないけど。
「目がウロコ」で!

阿川
でも本当にそうですね。
私なんか本当ちっちゃなことでなんですけど。

まだ仕事始めたばかりの頃で、いろんな企業の人に
インタビューに行くって「よろしくお願いします!」って言うと
「どこの誰が来たの?」っていう感じで片手で名刺出されてたんですよ。

それが最近は行くと「あああ!よく見てます『タックル』」っていう
もう「この差は何?」って時々思い出しますけどね。

大竹
ああ、そう!
今は阿川さんが片手で名刺出したりして!
「誰、君は!」って(笑)

阿川
違うでしょ!そんなことしてないから!もう!
してませんよ・・と思います。だって!(笑)

大竹
でもね、そういうことだよね。
だから俺たちは図に乗っちゃいかんね。
図に乗らずに・・まみれていたいよね、市民の・・
一緒になんかこうね・・

阿川
あとこれでふっと連想したんですけど、
平田オリザさんがこの番組にいらしたときに
コミュニケーション能力をいっぱい持って会社に入社しなさいと言って
自分の発言をどんどんしろというのに、会社に入った途端に
コミュニケーション能力を発揮して「その空気を読まないのは何だ!」って言って
怒られるっていうこの「建前と本音」みたいな組織の中での違いっていうのは・・


大竹
まぁ俺も反省することがあってね、
気仙沼のこれから流れるビデオなんだけど。

やっぱしみんな現地の人がいろんなことを言うわけよ。
言ってんだけどさ、俺もう知ってるから、どうしても補足したくなっちゃう
本当は現地の人の言葉が、ちょっとたどたどしいんだけど
上手く伝わって欲しいと俺は思ってるんだよ。

だけど、やっぱし「タックル」って時間が短いじゃない?一人の。
そうすると「上手く伝えてあげなくちゃいけない」と思うと、
助けてあげようと思うと、その人が言ってるそばから俺しゃべってるのね。
・・そーなんだけさ、反省しきりだよね。

その言葉の裏側にその人の生きてた場所は
とっても僕なんかがね口で補足するには余り余るほど
重たい事実が隠されているわけで、
「ちょっと失敗したな」って俺はその時反省したんだけどね。

阿川
でも私自身も反省しますけど、
私たちがメディアである程度顔が知れている役割っていうのは
そういう人たちの声が届かないものをもう一度復唱して
伝えるっていう役割も有ると思うし、
だから時には必要と思いますけどね。

大竹
そうだね、この高橋源一郎さんはメディアも権力であるからね。
そこもやっぱしあんまり信用出来ない場所だっていうことを
言ってるわけで。

(了)

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