2012/09/07

ライター・藤木TDCが語る「『特撮博物館』が素晴らしくて、もう口あんぐりですよ!」

今回は、2012年7月19日放送「ニュース探求ラジオDig」
DigTag「藤木TDCのCDT」を起こしたいと思います。

音声は、配信期限を過ぎたためありません。


藤木TDC(以下、藤木)
7月10日からですね、東京都現代美術館という
江東区にある割と最近ここ数年間の間に出来た・・数年間でもないか・・
割と最近出来た美術館で「特撮博物館」というですね
企画展をやっておりまして。
まぁ「特撮」って江藤さん言葉から感じるものってありますか?

館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技

江藤愛(以下、江藤)
ウルトラマン?



藤木
あー!やっぱり。あとは?

江藤
あと??ゴジラ?(笑)


藤木
ああそうか・・なんか無理矢理・・。
あ、あの・・身近な感じってあります?

江藤
あ、無いです!無いです!
あんまり私見てないからだと・・。

藤木
最近ほらSFXとかCGという言葉に置き換えられてしまって
「特撮」っていう言葉を使う機会が
どんどんどんどん少なくなっては来てるんですよね。



元々、特撮って現実的に撮影不可能だったり。
現実で撮ると非効率だったり、
お金がかかりすぎて撮れなかったりするような映像を
美術だとかフィルム・・映画はフィルムだった時代はフィルム処理なんかで
人工的に作り出すというのが目的で、
まぁ特殊効果を使った撮影っていうのが
「特撮」っていう本来の大きい意味での意味なんですけども。

だからその、昔の映画を見てますと車の運転してるシーンで
車の外の風景が「あ、これ確実に他のフィルムを重ねて・・」

江藤
「合成っぽいなぁ」みたいな。

藤木
そう、合成だったり。
そもそも映画を自動車の外で映画をそこに投影して映写して
止まってる車の中で運転してたりするようなものもあったりするんですけども。

そういうのとか、あとまぁ例えば若い女優さんが何十年後っていう設定で
顔に立体的なシワを貼り付けて撮ったりするような事も含めて
広義の意味では「特撮・特殊撮影」と言うんですけども。

日本の場合は「特撮」という言葉に特殊な意味があって、
それはやっぱり怪獣映画とかですね、SF映画。
特に東宝映画が得意としてきた「ゴジラ」とかですね。
あとまぁゴジラが出てこない他のSF映画とかですね。
そういったものがすごく多く作られたりとか。

元々、東宝から派生したものなんですけども
「円谷プロ」っていうウルトラマンを作ったプロダクションがあって。
そういったところがとにかく怪獣とかスーパーヒーローみたいなものを
トレンドとして作り出してしまったので、
それ以外のところ、まぁ映画会社とか
フィルムプロダクション、独立プロだったり
テレビのドラマを作ってる会社だったりするところが
そういった怪獣ものとか変身ヒーローものっていうのを
ものすごいたくさん作ったので、
「特撮」っていうのが怪獣とか変身ヒーローとかSFというところで
完全に独特の文化として、日本独特のものとして根付いてしまったんですよね。

そういったものを一つの括弧付きで「特撮」っていうようなかたちで。
やっぱり「特撮」と言うと、
「怪獣」とか「ミニチュア」とかいうイメージがあってですね。
ただそれはフィルムの映画のための一部門でしかないわけですよね?
だからその、映画の撮影が終わったらほとんどが
捨てられてしまっていたものなんですけども。

まぁ使い回しの効くものもあって、例えばビルのミニチュアだとか電柱だとか
そういったものは使い回しが効くので保存されたりもするんですけども。
多くのものはだいたい捨てられるんですね。

ただまぁそういったところに日本の文化、美術的価値観・・。
まぁ作る人たちもだいたい何か美術的な仕事を志している人たちが入って来てたりとか。
知らず知らずその職人芸として非常に美術的な価値のあるところまで高めてしまった
ということがあったので、それをもう一度・・。
要するに美術の一部分なんですけども、
それをアートとして再評価してみようかというのが
今回の『特撮博物館』というようなものの意味というか目的でですね。

館長が、『エヴァンゲリオン』の監督だった庵野秀明さんという名前を冠してやってまして。
新作映画の『巨神兵、東京に現わる』っていうですね、5分くらいかな?
かなり短い短編映画の新作も撮ったということでですね、
それがまぁメインアートに使われているんで庵野さんの新作だとか。


あとスタジオジブリがかなり力を入れて参加しているので
そういうのが見たくて来られる人も多いんじゃないかと思うんです。

基本的には特撮映画のミニチュアと怪獣の着ぐるみとか
そういった美術部分を徹底的に・・
まぁあるものは出来るだけ完成させた形で見せようというのが
この「特撮博物館」の目的なんですよね。

でまぁ、昨日行って来たんですけども。
まだ夏休みに入らない平日の午後なのに、やっぱりお客さんが結構来てて。
中心はやっぱり中年なんですよね、僕くらいの50歳から前後ろくらいの男性ですね。

あとは、庵野さん目的で来ている人はたぶん若い人も多くて、
カップルで来てたりするんですけども。
基本はやっぱり中年が一人でとかですね、中年二人でとかっていうのが、
やっぱり中年男子が圧倒的に多いんですけども。

内容ですけども、すごい素晴らしかった!!口あんぐりですよ、本当に!!
僕あんまり褒めない人なんですけども・・。

江藤
確かに。

藤木
ぐうの音も出ないくらい素晴らしくてですね。

まずね、展示室に入るといきなり東京タワーがあるんですよ。
2mくらいの、でこれがね素晴らしいんですけども。
色とか質感とか本当に鉄骨で組まれてる感じを出してるんですけども。
これ全部ブリキの板金加工。
ブリキを細かく曲げて鉄骨状にしたものを組み上げて作ってるんですよね。
これ素晴らしくてですね。

あと、色とかも本物の東京タワーに見えるような色使いをしてるし
圧倒的に素晴らしいんですよね。
それでみんなガーン!ってやられるんですよね。

で、そこを出て次の展示室へ行くと
東宝映画の特撮の間というか、展示室なんですけども。
これあの東宝映画が60年代から70年代に作ってきた
怪獣映画とかSF映画の特撮美術の展示を一気にやってるんですけども。
本当に僕と同じくらいのおじさん世代は「ウヒャー!」っていう感じで。

『海底軍艦』っていう映画に出て来る「轟天号」っていう
空飛んだり海底を行ったりする万能戦艦があるんですけども。
それのモデルがすごい完璧な形で再現されてあったりとかですね。


74年かな?70年代に作った『日本沈没』っていう最近リメイクもされましたけど。
その古い方の『日本沈没』に出て来る深海探査艇の「わだつみ」っていう
潜水艦があるんですけども、それのモデルが実物があったりとかですね。
「うおおお!!」っていう感じなんですよね。


やっぱり一番感動したのは、メカゴジラって知ってます?

江藤
メカゴジラ?ゴジラ対メカゴジラ?
はい、知ってます。

藤木
そうそうそう。これ昭和版と平成版があるんですけども。
昭和版の方の格好いいメカゴジラなんですけども。
これがですね、本当にスーツ、着ぐるみがバーンって置いてあって
「すげー!」って、これ今日自分のメカゴジラ持って来ました(笑)


これがですね、本当にそのもののスーツがあるんですよ。
これがねー、実物をみるとちょっと感動するぐらい・・。
ここに写真が・・今、図録を見てるんですけども。

江藤
これサイズはどのくらいなんですか?

藤木
サイズは2mくらいありますね。
結構大きいんですよね、この中に人が入ってるわけだから。

結構大きくて、これメカゴジラ2なんですけども。
メカゴジラ2っていうのは、ゴジラに首をボキッって折られて
中に電球がピコピコ光ったりしてて・・

僕らは「電球だー!」って言って馬鹿にしてたりしてたんですけども(笑)
この電球部分とかもちゃんと展示してたりするんですよね。
人工頭脳なんですけど、映画で見ると電球がピカピカ光ってるだけにしか
見えないんですけども実はそれはすごい作り込まれた美術品であるっていうことが
わかったりとかですね。

その次の部屋に行くと、円谷の部屋になって
ウルトラマンがあるかと思いきや、そうじゃなくて『マイティジャック』っていうですね。
これも戦艦なんですけども、『宇宙戦艦ヤマト』の原型みたいな感じの
万能戦艦、空飛ぶ戦艦なんですけども。
これの3mくらいのミニチュアがあって、すごい格好良いんですよ!
「うぉーーー!」ってもうね、声が出るくらい!
もう持って帰りたいくらい素晴らしいものがあってですね。すごいなーって。


で、その後に例えばウルトラマンのマスクだとか、
ウルトラマンシリーズに出て来る地球防衛隊の歴代の戦闘機とか
空飛ぶ乗り物がずーっと展示してあったり、すごいんですよね。

でまぁそれに関して、そういった特撮の乗り物だとか
ウルトラマン自体だとか、どういうふうに美術的に取り入れられてきたか?
例えば、プラモデルの箱絵だとかデザイナー、成田亨さんっていう人なんですけど。
その人が自分で書いた絵だとか、油絵みたいなのが展示してあったりとか。

プラモデルの箱絵で有名な人が小松崎茂さんっていう人がいるんですけど。
その人のプラモデルの箱と原画を同時に展示してたりとか、
すごいやっぱりビンビンくるようなね、おじさん本当に随喜の涙ですよ!
「わかってるなぁー!」って感じでね。

その他に、円谷とか東宝以外の変身ヒーローのマスクがずーっと飾ってあったりとか
今は無き東急文化会館はですね、平成になってから出来たガメラ2のレギオンっていう
怪獣が出て来るので使った東急文化会館をガメラが壊すんですけども、
その東急文化会館のミニチュアの実物が飾ってあったりとかですね。
これなかなかね、渋いなぁすごいなぁと思ってですね。


それでずーっと行くと『巨神兵、東京に現る』の上映する
シアターに導かれていくってわけですけど、
『巨神兵・・』の話をしていると時間が無くなってしまうのでですね・・その先なんですけど。

その後ね、東宝の特撮のミニチュアなんかを飾っている倉庫があるんですよ、
その先に地下に下りていくと。
古いブリキ張りの倉庫を再現して、それを展示室にしてるんですよね。
それもすごい僕らの世代っていうのは、なんて言うんですかね・・
「こういうところに来たかった!」っていうようなものをね、見事に再現してるんですよ!

ただまぁ、さっきも言った通り実はこういう特撮美術っていうのは
1回だけのために作ってるもので、本当はどんどんどんどん捨てられてるんですよね。
今回のさっき言った『マイティジャック』なんかも
バラバラになってたものをコレクターの方とかですね、
色んな特撮関係者がですね、今やってる原口智生さんっていう映画監督とか特撮の美術を
今でもやってらっしゃる第一人者なんですけども。
その人たちが修復して今のさっきの立派な形に作り直したんですよね。
その何て言うんですか?無償の行為っていうか?途方もない・・。

特に原口さんは図録の最後の方に文章を書いていらっしゃるんですけども。
一応その修復している過程で東日本大震災があって、
地震で自分のスタジオとか『マイティジャック号』を置いていた場所が被災して
大変なことになったと。

で、「もうこれで止めようかな?」と思ったんだけど、
たまたま偶然この『マイティジャック号』だけが助かったんで、
それをとにかく修復しなければならない!というところから
今回のその展覧会に参加していったみたいなことが書いてあって。
これちょっと涙無しには読めないんですよね。

だから本当にカケラみたいなものを
むかし在った形に再現していくっていう実は本当に考古学みたいに
カケラを取り出して修復していくっていうのが特撮を保存するって事なんだなぁと。
その保存の大切さとかそういったものも、実にこうなんか伝わってきて
胸がいっぱいになるような感じでですね。
またこれ絶対行かなきゃなぁ!っていうことでですね。

あと、僕と同じくらいの世代の40代から50代くらいの人っていうのは
本当にすごいところなので観に行った方が良いと思います!


今回は、関連記事として
実際に『特撮博物館』に行かれて感想を書かれた方の記事も
合わせてリンクを貼らせて頂きます。

【あひる道楽】
館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技 1 
館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技 2 
館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技 3 
【オタクな一口馬主】
館長庵野秀明・特撮博物館に行ってきました 1Fフロア 
館長庵野秀明・特撮博物館に行ってきました 地下フロア 

(了)

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