漫才師・スパローズが語る「貧乏のレベルが違うので、あいつだけ目が違うって言われた」

2012/08/16

ゴールデンラジオ スパローズ 光浦靖子 大竹まこと

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漫才師・スパローズが語る「貧乏のレベルが違うので、あいつだけ目が違うって言われた」

今回は、2012年7月5日放送・大竹まことゴールデンラジオ!
「大竹メインディッシュ」スパローズさんの回を起こしたいと思います。

音声は配信期限が過ぎたためありません。

大竹まこと(以下、大竹)
ようこそいらっしゃいました。
あのー、これラジオなんだけど。
どう言ったら「あ、スパローズだな。どっかで見たな!」っていう
テレビでちょっと見たことありますとか無いの?

森田(スパローズ)
あ、去年THE MANZAIで一歩手前のワイルドカードで
落ちちゃったんですけど・・。

レッドカーペットに出して頂いて、「15周年」っていうネタで
自虐のネタをやったことがあったんですけど。
「GLAYと同期」とかなんか叫んだりとかしながら・・


大竹
それオンエアになったやつ?

大和(スパローズ)
それでレッドカーペット賞いただいて、
「これで間違いなく売れる!」って事務所がいった矢先に、
そっからレッドカーペットが終わっちゃって・・。

森田
そっから今、3年経った状態で。

大竹
えっ!今の話は3年前の話なの?

大和
「どこかで見たことある」を頭の中で
引き出してみたら、3年前が出てきました。

大竹
ああ・・他には?
「どっかでスパローズ・・」
だって2人ともさぁ・・おいくつですか?

スパローズ
35です。

大竹
ねぇ、2人ともガタイはいいしさ、身長は高いしさ。
特に、大和くんなんかは身体鍛えてるの?

大和
いや、あのぴっちりしたシャツなだけで
もうなんか初老の身体・・(笑)

大竹
俺、振り方間違えた?
なんか身体鍛えてボクシングやってますとか
そういうのがあると思ったら。

スパローズ
無いんです、全然。

大和
同じ高校のサッカー部で元々知り合って。

大竹
えっ、サッカーなの?2人とも。

光浦靖子(以下、光浦)
じゃあ、あれだ!
学園の人気者から来たパターンの人だ!ああー!

大竹
ちょっと間違えばとんねるずみたいになった感じが・・。

森田
高校の時はワーワー言われてて。

光浦
ちょっと格好良くて面白くて。

森田
で、福岡吉本の華丸・大吉さんがやっている番組が高校に来たんですよ。
それで高校の時にテレビに出てそのまま福岡吉本に最初入ったんですよ。
「簡単に売れる!」と思って。




光浦
もうアイドル漫才師で。

大和
相方はファンクラブ500人くらい・・。

森田
福岡の吉本の頃はそういうファンクラブもあって。

光浦
確かに目がクリッとしてて可愛いもんね、顔は。

大竹
2人とも二枚目だし、サッカー部で。

森田
そっから売り出してたんですけど、
18年の時を経て人格すらも変わりました(笑)

大和
芸風とかもいろいろ・・。

光浦
だって2人をパッと見た時、明るくないもんね(笑)

森田
その頃に福岡吉本入ってすぐにまず、
「芸人は借金しなきゃ駄目だ!」って教わりまして。

光浦
あーーっ!間違えた教育の時代ね!!

森田
福岡の・・遅れて大阪の芸人の方が来ているので。

大竹
特に大阪の人はギャンブルとか好きだから・・。

森田
で、すごい20くらいで大和なんかも
400万くらい借金があって。

光浦
馬鹿だなーー!

大和
すぐ売れると思ったんで(笑)

大竹
400万借金って、何で誰にしたんだよ?

大和
いやもう、消費者金融に。

森田
福岡でテレビに出てるから貸してくれるんですよ!
当時ある消費者金融でジーコさんがポスターのがあったんですよ。
キャンペーンボーイみたいなので。

僕がそこに借りに言ったら、
ジーコさんの足のところにうちの相方のサインが書いてあったんです。


大和
もう関わった会社は40社以上ぐらいありました。

大竹
なんか尊敬するわ。

大和
駅ビルとかに金融会社がいっぱい入ってるじゃないですか?
「あのビルとあのビル全部いった」みたいな。

光浦
うわああああ!
ねぇそれってさ、利子ってすごいでしょ?

大和
当時は、最高39.9%まで貸せたので・・。

光浦
今は違法だけど、昔はOKだったんだよね。

大和
昔はよくて、だから利子だけど16、7万収入無しの状態・・。

森田
だから当時一番ピークの時、大和の口グセが
「息してるだけで金かかる」って言ってたんです。


光浦
いやぁーーーーーー!

森田
もう普通に生活してるだけで利子がかさんでいってるんで。
それくらいひどかったですね。

大和
もうお金がなくてスクーターで上京してきたんですよ。
福岡から原チャリで東京。

大竹
ちょ、ちょっと待って下さい。
スクーターで?

大和
冬の2月

光浦
よく転ばなかったね。

大和
転びました、1回。
箱根でアイスバーンになってまして(笑)

光浦
やっぱ箱根の関所つーのは超えられないんだね。

大竹
あの箱根の山を越えるのは難儀だからね。
お前それは、江戸時代の旅人の話だろ!!

大和
ちょうどあの日本がスキージャンプで金メダル取った時の
2月の冬の、あの時に上京してきまして。

大竹
日の丸飛行隊!98年。

大和
もう着いた次の日から支払いが始まるんですよ!
収入もなくて家もなくて、京都でもお金全部使っちゃって。
ギャンブルしまくってたので、お金借りながら上京・・。

森田
もともと飛行機代が金かかるから、
「バイクで行く」って言って来たんですけど。
途中でパチンコとかで負けて6万くらい使ってるんですよ。

光浦
バーカーだーねぇ。

大和
親に「あんたよく携帯が止まるから」って
テレホンカードをもらってたのを金券ショップに速攻売りに行って(笑)
もう着いた時、1円もなくて。

大竹
どうしたんだよ!

大和
高尾山口の相方の同級生の寮が・・。

大竹
お前それで高尾山までしか着いてないの?
東京って言っても。

大和
高尾山に住み始めて。

森田
僕の友達の仕事の寮がそこにあって住ませてもらってたんですよ。

大和
相方のパンの端とか投げられたのを拾って食べてました。

大竹
パンの端投げたの?投げたのかよ!

森田
僕もお金無いのに、
「お金が無いからパンを一口くれ!」って
もう余りにもつらかったので、パンをひとかけらやるのが。
「じゃあ拾って食え」ってその拾うさまを見てちょっとでも明るくなろうと思って。
それ見て逆に辛くなったんですけど自分。

(中略)

森田
同居生活を僕らもしてて、芸人6人くらいで住んでたりしてたんですけど。
誰かがシュークリームとか勝手に食べるんですけど。
取り方がシュークリームの横を突き破って、力ずくで。
それを当時ヒロシが一緒に住んでたんですけど、それを楽しみにして
力仕事が終わって帰ってきて、暗い部屋の冷蔵庫の光だけ顔が見えてたんですけど。
「戦争や・・」ってちっちゃい声で、シュークリーム食われた瞬間に。

大和
シュークリーム一個で戦争になる世界だったんです(笑)


森田
だからそっから食べ物は全部食べきる制度に変わって、そっから。

光浦
そうか、残しておくと食べられちゃうんだ・・。

大和
盗られます、親から送られてきた米を盗られたことが・・(笑)

光浦
ハハハハハ!
なんか生きてる時代が違うね!すごいサバイバルな・・。

大竹
親から送られてきた米を盗るってどういうことだよ?

大和
その段ボール開けないでしょ?人徳的に。
勝手に開けてるんですよ!

森田
一応、飯ってわかるんで。
親から届くイコール・・。

大竹
そうか!飯とか缶詰とかそんなの入ってるんだ!お菓子とか。

大和
で、開けて少し抜き取って閉められてる。
もう悪質なんです、やり方が。
証拠を無くしたりするんです。

大竹
それはあれだな、シュークリーム箱の向こう側から抜いたのと同一犯だな!
だってやり方が同じじゃないか(笑)

大和
今でも名乗りでないですから!

森田
もう10年経ってるけど名乗りでないですね。

光浦
でもよくそれで仲良く暮らせたね、6人で。

森田
一番ヒドい時は6畳の風呂無しトイレ共同に6人住んでたんですよ。
でも昼バイトしているの3人と、夜バイトしてるの3人で入れ替わりで住んでたんすけど
もう共同玄関なんですけど、
「あなたの家、クツが多い!」っていうことで追い出されたんですよ。

大和
「いつもお通夜ですか?」とか言われて(笑)
クツがめちゃ多いんで。

大竹
6畳で6人かぁ・・。
俺はね、4畳半2つに男4人の女3人だから7人だな!

光浦
でも女3人っていうのがこっちの方が楽しそうだよね。

森田
うちでも6人に1人だけ大和の彼女住んでましたから!

大和
その彼女がプレーリードッグ連れてきたんですよ。

森田
お金が無い家にプレーリードッグ連れてきて。

大和
それで相方の家なのに、押し入れの中でプレーリードッグを飼っていたら
掘る習性があるんですよ、プレーリードッグって。

それで「連れてくるな!プレーリードッグだけは返せよ!」って
ケンカになったの次の日にプレーリードッグが穴掘って家から抜け出したんですよ(笑)

俺が起こってたから俺が捨てたんじゃないかっていう疑惑掛けられて、
すごい薄い壁の川沿いの家だったんですけど、
その外の夕やけの綺麗なとこで僕の彼女が「ぐりー!ぐらー!」って
ずっと公園を探し回って。


森田
すごいですよ!その彼女も本当に強い子で。
お風呂がないので夜中ぼくがパッと起きたら、
台所で濡れたタオルで裸で身体拭いてたんですよ。

大竹
いや、それくらいするよね?
久本なんて昔遊びに行ったら流しでシャボンだらけになってたことあるよ。
ドア開けたら「ちょっと待って!」って言われて、
流しの上でシャボンだらけだったもん。

いやいやいや、それはどっかで話したこの話は。

森田
いやもういっぱいあるんで(笑)

大和
メディアが追いついてこないんですよ(笑)

大竹
ちょっとこれ誰か本屋さんいないの?

大和
今どんどんエピソードだけが増えてってるんですよ。
話す場所がないのにまだ貧乏だから・・。

大竹
あ、そうか!
まだ続いてる(笑)

森田
昭和の話じゃなくて、この平成の今なんです。

大和
消費者金融が15社あるときに、もう頭の中が支払いのことしか考えられない。
容量があるじゃないですか?
80%で2日に1回支払いがあるので、ずーっと「次の支払いどうしよう?」っていうのを
日払いの仕事をやりながら毎日働いてたんです。

で、2%くらいでお笑いをやって、親のことを1%で考えて
彼女のことは考えられなかったりして別れたりとか。

そしたらある日、7・8年だけ利子だけ払ってるんで
債務整理っていう方法があるからって。
もうちょっと半信半疑で行ってみたら、
「あなたグレーゾーンの利子分はもう全部払ってるから」って言って
目の前でいきなり当時12社あったカードを切ってくれたんですよ。

森田
その弁護士さんが。

大和
その時に頭の中で考えていた80%が
急にスポンって抜け落ちるわけじゃないですか?

それで最初の感情の話なんですけど、
ビル入った時の自動ドアがういーんって開いた最初の感情が
まず春の匂いがしてきたんです。

入り口は春で匂いはあるんですけど、
頭は打ち消してたんですよね。

「あ、春だ!」と思って。
歩くたびに「草花が綺麗だ!」とか
もう10メートル進めないんですよ、いろんな感情がありすぎて!
お金のことで押し殺されてた感情がドバドバ目覚めてきて。

光浦
町は色づいてた?いろんな色が・・。

大和
そうなんですよ!本当に色づくんですよ!!

大竹
悪いけどそれ画に撮らせてくれないか?
映画撮ろう!カメラ回して撮りたいよな!!
白黒でそっからカラーにしちゃえばいい(笑)

大和
もう動けなくなって目の前にあるコーヒー屋さんで
落ち着かないと異常な状態になってるなと思って。

180円のコーヒー飲んだら、
今度はその味が口の中に広がるんですよ(笑)


光浦
フレーバー!!これが噂のフレーバー!

大竹
コーヒーの味もわからなかったの?
今までは苦いやつを平気で飲んでるだけだったんだ。

大和
煙草呑むための理由としか考えてなかったのが、
「美味しいんだ!」と思って。
そっから僕にお金を貸してくれた人に感謝の電話とかどんどん電話かけて、
そっからまた借りることになるんですけど(笑)

光浦
なんでだよーーーー!
アハハじゃないよ!!もう!!

大竹
また借りちゃうの?
借金でたくさん苦しんだ時に、身体に異常はきたさなかったの?
精神的に追い詰められなかったの?

大和
3畳くらいのところに住んでたんですよ。
もう起きた時に笑顔で「あー死にたい」って言ってたんですよ(笑)

3畳の小さな部屋で1社遅れると1回電話かかるんですよ。
5社遅れると5回かかるんですけど、電話が止まってたら実家に連絡が行くので
バイブ機能のまま部屋に置いていたら、3畳の部屋を
バイブ機能の携帯が動き回るんです(笑)
それで思わず「あー死にたい」と、逆に笑えることに。

森田
本当にやばい時に当時やっていた「炎のチャレンジャー」という番組で
断食で100万取ったりしてるんですよ、大和が。

大和
もうちょっと食べなくて、「この世にいなくなる」か「ドクターストップ以外は」って
100人の知り合いに先に宣言していって100万取りましたから。

光浦
あれどれくらい断食したの?

大和
6日でした、余裕でした!

光浦
ハハハハハ!余裕でしたってうわーっ!!

大竹
「俺は前にもっと長い期間やったことある!」みたいな(笑)

大和
もう売れないレスラーとかミュージシャンとかいっぱいいたんですけど、
貧乏のレベルが違うので、「あいつだけ目が違う」って言われて、
最初の500ミリだけ20人に渡されて。
僕3日目まで水も開けもしなかったです(笑)


光浦
ハハハハハ!
すごーい!3日間!!

森田
そしたら周りから「サイボーグ」ってアダ名付けられて(笑)
あっ、いとうあさこさんもいらして。

大和
後半は女性の方が強いんですよね。
急に体重が男の人は落ちたりするんですけど。
いとうあさこさんもギリギリのところで、
ドクターストップで心臓音が「ドンドドン」って鳴ってたっていう(笑)

大竹
不整脈みたいななってきた、ドンドンって打たなくなってきたんだ。
肉体にもちゃんと現れるんだねー。
お前ちょっとシリーズで来てくれよ!!

光浦
なんか今日全部出さずにさ、ちょっとずつ長い落語ものじゃないけど・・。
今ももしかして借金ある?

大和
そうですね、あの牛丼屋の店長に。
今ちょっとあの借りれない状態なんですけど、人に借りてまして45万円・・。
日本一いい人なんですよ。

森田
45万借りてる人にこの前僕ら単独ライブやったんですけど、
「チケット買ってくれ」って言って売ったんですよ。

光浦
招待でしょ!!!

大和
その人帰り際に僕に握手してきて、
「ありがとう」って言ったんですよ。

大竹
今の人聞いてたら、もう付き合うな!!


(了)

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