2011/08/04

ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル「浮世絵は、江戸のグラビア雑誌だ!!」特集・前編

今回は、TBSラジオ・ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル
2011年5月7日放送分サタデーナイトラボ
タマフル・カルチャースクールシリーズ 
『浮世絵は、江戸のグラビア雑誌だ!!』特集
を起こしたいと思います。
分量があるので、前後編になります。
今回は、その前編です。(後編は、こちらから)

(音声は、こちら



ここからは1時間の特集コーナー
「サタデーナイトラボ」の時間です。
今夜お届けするのは、この企画!

タマフル・カルチャースクールシリーズ
「浮世絵は、江戸のグラビア雑誌だ!!」特集

日本人なら誰もが一度は目にしたことのある浮世絵
一見、高尚な芸術作品っぽく見えますが、
実は当時の人にとっては下世話で身近なサブカル文化だった!
そこで浮世絵の世界を我々におなじみのアレやコレに
例えつつ学んでいこうというタマフル流カルチャー特集でございます。

教えて頂くのは、
昨年6月「東京で暮らしていて美術館にいかない奴はバカだ!」特集
でお世話になりました。自称「タマフル御用学芸員」こと
東京国立博物館 学芸企画部 企画特別展室長の松嶋雅人さんです。

タイトルがひどい奴つけちゃいましたけど、
ウィークエンド・シャッフルでも格調高い特集になったと思うんですけどね
今回はスタジオに来ていただいて。よろしくお願いします。
ちなみに松嶋さん、昨年キュレーターを務められた「長谷川等伯展」は
美術展覧会の世界ランキング1日平均の入場者数で2010年トップになった!
これすごいですね。

松嶋:
みんなで大変頑張りましたんで素直に嬉しいです。

宇多丸:
そんな方がなにもねぇ・・。「タマフル御用学芸員」なんて
自称しなくてもいんじゃないかって!
僕らがこんな失礼な呼び方してるのはあれですが、よろしくお願いします!
僕らなにせいろんなことに疎いもんでございますから。

今日は実は盛りだくさんの内容になっているんですね。
こんな切り口で解説していただくことになっております。

題しまして、

「浮世絵は江戸の ○○ だ!」
「浮世絵 = 江戸のサブカル」説 5つの仮説


この5つの仮説を立ててご紹介頂けるということで。
なかには、松嶋さんが「おやっ?こんなことは言っていないぞ!」っていう
ものが入っている可能性があるかもしれませんが、
その時はその都度訂正していただいて(笑)

早速、5つの仮説を具体的に言うとこんな風になります。

仮説その1 「浮世絵は江戸のオタク文化だ!」
仮説その2 「浮世絵は江戸のアイドル雑誌だ!」
仮説その3 「浮世絵は江戸のアイコラであり、エロ同人誌だ!」
仮説その4 「浮世絵は江戸の社会は雑誌だ!」
仮説その5 「浮世絵は江戸のAKB48だ!」




大丈夫ですか?最終的にだいぶ、こじつけ度が増して来てますが・・。

そして、おまけ仮説は言わないほうが良いんじゃないですか?
「写楽は江戸の○○だ!」
あっと驚く誰もが知っているあの人。
後ほど松嶋さんに詳しくお話を伺いたいのですが、

まずは、本題に入る前に、「浮世絵」ってどんなものか?
「浮世絵」って簡単に口に出しますけど、
実際のところの定義って言うのはどういうものなのか?
簡単に説明すると、どんなものなんですか?

松嶋:
「浮世絵」は日本の古い絵画のひとつのジャンルになります。
「浮世」っていう言葉が、現世・現実の世界、言い換えますと同時代の世界
そんな意味を持ってますが、そういう状況を絵に書いたものだと。

宇多丸:
リアルタイム、現在進行形の世界を描いているという意味なんですね。
なるほど、なるほど。
で、いつの時代のことになるんですか?

松嶋:
江戸時代に大変流行した絵画のジャンルです。
だいたい今から250年位前に、カラフルな色刷りの技法が完成しまして
大変流行したということです。
版画になりますね。木の板に絵を彫りましてそれをプリントする。
たくさん刷る、複製版画そういうジャンルです。

宇多丸:
そういう意味では、核心に触れる部分になるかもしれないが
現代のマスメディアにも近づいてきているということですよね?
印刷という面と、リアルタイムのなにかということになるとね。

浮世絵師として、東洲斎写楽・喜多川歌麿・葛飾北斎・歌川広重
そういった人名を一度は聞いたことがあると思います。

宇多丸
そういう大御所の名前を聞くと、「やっぱ立派なんじゃないの?」と思ってきます。
そういうものだけでは、無い面もある。ある意味これは一面である。

今日は何しろ、5つの仮説を1時間で話していかなければならないので、
中身を詰めてお送りしなければなりません。

---------------

「松嶋さん、引き返すなら今ですよ!」
「ええ・・。大丈夫です」「問題ございません」

では、いよいよ本題に行きましょう。
「浮世絵 = 江戸のサブカル」説・5つの仮説より、
まずは、
仮説その1 「浮世絵は江戸のオタク文化だ!」

オタク文化ということで、これはどういうことでしょうか?

松嶋:
「浮世絵」っていうのは、最初日本国内ではなくて、
海外の人たちが圧倒的に支持されたわけですね。
その評価が逆輸入されてきて、日本でも「これは素晴らしいものだ!」と、
再評価されるようになった経過があるわけです。
そういう流れを捉えますと、
私たちが日々楽しんでいるオタク文化と同じじゃないかと。

宇多丸:
評価っていうのは芸術としてですよね。
箔がついて帰ってきたと。

松嶋:
ハイクラスでハイカルチャーの素晴らしい芸術だっていう
評価をされたのは、海外からされていきました。

宇多丸:
逆に行くと、マンガやオタクカルチャーとかの現状も考えると
日本では浮世絵は外の人様に見せるようなもんじゃなかったんですか?

松嶋:
はい。
もちろん愛好家・コレクターのアニメのDVDをたくさん集めるような人が、
たとえば、会社でとかアニメの話がしづらいと。
そういった状態に近いかなぁと。ある時代ではそうだったんではないかと。
私が学生の頃だと、週刊少年漫画雑誌を一生懸命読んでますと、
大人からは「いい大人がマンガなんか読んで!」という状態に近いかなと。

一部のコレクターや愛好家はその素晴らしさを知ってまして
色んな形で説明していたのは、もちろんありました。
ただ一般的には、明治自体になってから西洋文明がたくさん入ってきますから
日本の浮世絵というものが評価的には、駄目なものとして扱われる時期があった。

宇多丸:
転換するポイントで、
マンガ・アニメ・オタク文化における村上隆さん的な人はいたんですか?

松嶋:
先ほど出しました歌麿であるとか、写楽が世界3代肖像画家っていう風に
ドイツ人に研究されて出版されます。
それが逆輸入してきて、こんなに素晴らしい芸術家が日本にいたんだ!
って評価されるわけです。

宇多丸:
じゃあ、浮世絵の素晴らしいコレクションは海外にある?

松嶋:
圧倒的に海外に人たちが明治時代にたくさん買い求めて、
ヨーロッパにもアメリカにも素晴らしいコレクションは
多くは本当に海外にあります。

宇多丸:
日本では保存状態も良くなかったりするんですか?

松嶋:
そういったものも多いと思うんですが、
もちろん美術館とか博物館とかには
綺麗な素晴らしいものもありますね。

宇多丸:
日本の「浮世絵」が持っている良さというのは?

松嶋:
日本の絵画の伝統的な表現の仕方のひとつの一貫した流れなんですが、
浮世絵が特に評価されたのは、ヨーロッパで芸術家達にもびっくりされたんですね。
3Dじゃない、リアリズムじゃない、平面的なフラットな絵画
そういったものが日本以外に無かったわけです。

宇多丸:
遠近法とか確立されて現実を再構築するのが、流れできたものが全く違う。

松嶋:
ええ、それでもうびっくりしちゃったわけですよね。
浮世絵が特にそうなんですが、
マンガとかアニメーションの表現と完全につながっていると思うんですよね。
簡単に例を挙げますと、
先だってお亡くなりになりました出崎監督の番組の中にある「止め絵」表現。
そういったものは現実的にはありえない姿で人間の形を書いたりして、
金田伊功さんの構図であるとか、そういったものが浮世絵にも現れてくる。
そういう風な見え方ができると思います。

宇多丸:
以前、国立博物館を案内して頂いたときも、ちょっとその話でましたよね。
我々が見てもわかるような、伝統の延長線上にあるぞ!ということですかね。
あと、最初から評価されていたものではない。

まずは結論として、
「オタク文化が海外で評価されて
日本に逆輸入されたような動きが、浮世絵にも起こった」
というまとめで、よろしいでしょうか?

松嶋:
まったくその通りでございます。

仮説その2 「浮世絵は江戸のアイドル雑誌だ!」

宇多丸:
アイドル雑誌っていろいろありますけど、どういうことでしょうか?

松嶋:
「浮世絵」は、色んな様々な画題というかジャンルがあるんですが、
大きな画題の中に「美人画」というのがあります。
簡単に言いますと女性を描いた絵ですね。
今で言いますと、「グラビア」「ブロマイド」そんなものにあたると。

宇多丸:
どういう人たちが描かれてるんですか?

松嶋:
もともと描かれ始めた頃は、その時代の理想美を兼ね備えた女性。抽象的な。
そこでは当時の女性のファッションとか出で立ちとか書いていた。
で、その頃の男性のグッと来る形で書かれていたと思うんですよね。
逆に、絵に描かれていたものが流行になって現実世界に影響してくる。
そういったことも交互にあったと思います。

宇多丸:
そのアニメチックとか萌え的なものが、
逆にそれこそそのコスプレを女の子達がするようになったりとか。

松嶋:
あるかどうか確かめてませんが、あると思います(笑)

宇多丸:
ちなみに当時、グッと来るポイントってどういうとこだったんですかね?

松嶋:
もともと理想的な絵に女性が描かれていた訳なんですが、
歌麿の時代には、当時の江戸で大変人気のあった、
アイドルになるような女性が、浮世絵に描かれ始めます。
具体的に言いますと、浅草寺の門前にある水茶屋、
今で言う喫茶店みたいなものですね。
そこの看板娘さん。年齢的には16,7歳くらいの
そういった女性が絵に現れてきます。

宇多丸:
えっ!!素人!
イメージ的に、役者とか何かしらのプロ?花魁とか。

松嶋:
花魁・遊女っていうのも多く描かれてますし、
その花魁の○○、吉原の○○ってのも描かれてます。
なかなか花魁は評判にはなるが、皆が全員知っているわけではないです。

宇多丸:
会いに行けないアイドル!花魁は!!
会いに行ける茶屋の娘!

松嶋:
今取り上げた、浅草寺の水茶屋の娘っていうのは
おそらく評判になりまして色んな形で取り上げられますから、
浅草寺に行ったら、のぞきに行ったんじゃないですかね。

宇多丸:
じゃあなんですかね。街の可愛い子。
ストリートスナップ!読者モデル!

松嶋:
そういう状態だと思います。
丁度、写楽展なんですが、歌麿の絵も比較対象的な形であるんですが、
そこに登場します。
(「浅草寺のおきたさん」が描かれた浮世絵を見せる)

宇多丸:
ちゃんとお茶は込んでますね。おきたさん?
確かに細面で、今の基準で見ると目とかは細い感じだけど
でも美人感はありますよね。

松嶋:
「浮世絵」の特徴的な女性の描き方で「細目」というのは本当に多いんですが、
別の「おひささん」(両国のせんべい屋の娘さん)

宇多丸:
せんべい屋さんの割に随分ヨタった格好してますが、
なんか着物の胸元をちょいと見えるくらいの勢いで。
これはかなり色っぽいラインですか?

松嶋:
そういう演出だと思うんですけどね。

宇多丸:
寄せて谷間ですか!

松嶋:
年頃は、16~20歳くらい。そういう年代だと思うんですけどね。

宇多丸:
おひささん、今の基準より目は細いですけど、細いのが基本ですか?

松嶋:
細いのが基本。ただよく見比べるとそれぞれの個性っていうんでしょうか。
それぞれ好みがあるでしょうから。

宇多丸:
おきたさんの方が明らかに少女感はありますね。
あと、お店で働いているカフェっ娘感がありますが、
このおひさは、団扇もって胸はだけて、
「これはかなりエロいな、コイツ」っていうのが
伝わってきます。「おひさ、お願いすればイケるんじゃないかな?」って

松嶋:
皆、見る人・話を聞く人がそういう妄想を
ガンガン言っているのは間違いない。

宇多丸:
あと、吉原の○○だったら、
ある種「MANZOKU」的な機能を果たしていたりするんですか?

松嶋:
そういう事があるとおもいます。
ここで見て貰っているものは、町中で売られている版画ですから。

宇多丸:
ストリートスナップとか読者モデルとか言いましたけど、
普通のその辺で働いている子の絵を売ってるんですよね。
「こいつは美人だ!」って買っていくわけですよね(笑)

松嶋:
評判になっちゃうわけですよね。

宇多丸:
馬鹿ですよね(笑)。男はそういう美人画とかみたりして。
女の人はどういうのを見てるんですか?

松嶋:
その頃の芸能界と言えば、一般の方々は歌舞伎です。
歌舞伎の役者さんですね。その人達が大スターで、
歌舞伎役者が書かれた浮世絵を見て楽しんでいたんだと思います。

宇多丸:
役者さんを見て楽しむ。これはもろに「ブロマイド」
いやちょっと知らなかったです。普通の人というのは。

まとめにいっちゃって良いでしょうか?

「今の若者がアイドル雑誌やファッション雑誌、
もしくはMANZOKUを眺めて楽しむように、
浮世絵は身近に親しまれていた!!」

仮説その3 「浮世絵は江戸のアイコラであり、エロ同人誌だ!」

宇多丸:
ちょっとこの「エロ同人誌」もさることながら、
「アイコラ」ってくだりが聞き捨てならんなっていう感じですが。

松嶋:
本当の「浮世絵」の核心はここだと思います!

宇多丸:
アイコラはちょっと説明がいるかもしれませんけど・・。
まぁアイドルとか写真の顔とかをヌードの写真に貼り付けて
妄想用に勝手に作っちゃう。
アイドルコラージュ略してアイコラってことになってます。
現代、だいぶん厳しく取り締まられてはおりますが・・。
どういうことですか?

松嶋:
先ほどお見せしました歌麿は美人画に実在の人物を描いちゃいます。
許可無く、肖像権とかありませんから。
浮世絵の中の核心部分というのが、いわゆる「春画」です。
もちろんやはり、想像上の人物を使って
そういう場面を描いた絵が多かったんでしょうが、
実在の人物も使われるようになります。有名人もあると思います。
例えば、役者さんと奥女中さんとか。
色んなシチュエーションがあります。妄想しちゃうわけですね。

ヨーロッパのポルノグラフィとの大きな違いが、
「春画」の場合、大体服を着てるんです。
なぜ着衣かというと、その人の階層・身分とか属性とか年齢とか。
全て江戸時代はそういう階層社会ですから、わかっちゃうわけですよね。
逆にそれを「この人は大奥にいる人だ!」
「役者だ!」「メジャーな娘さんだ!」
というのが分かっちゃうわけです。
裸じゃそれがわからない。階層が分かるのが、一番大事だ。

宇多丸:
「カラダなんか見たってしょうがないでしょ!
コンテクストっしょ!!(笑)」

松嶋:
例えばご覧頂ければ。
「春画」、最近はこんな本も売られています。
至って真面目な本です。

宇多丸:
完全にベロチューしながら、立ちながらですか・・。
しかも表でですよね。

松嶋:
そのスリルを味わってるんでしょうね。
基本的にひらがなで書かれています。
男「ちゃよりはなより このむっちりがうまい、
うまい やすみびとがこねばいいが」
女「ちょうどいった ひちりめんを こんどおいで」
要は客にねだってるんですね。また来てと。
で、この着物を持ってこいよと。
そういう生々しい言葉も加味している。

宇多丸:
体のデッサンはものすごい不細工ですよね。

松嶋:
現実にある人体のデッサンは完全に無視してます。
見せたいところを局所的に見せる形になっています。

宇多丸:
正直僕これみて、芸術的価値より「下劣だ!」っていう(笑)

松嶋:
やはり日本国内でそういう評価がありましたから、
評価の低さにつながったのだと思います。

宇多丸
西洋の人から見れば、
こんな形で人体をデフォルメしてみせるって事がフレッシュだったんですね。
言ってみれば、エロマンガの表現進化の中で
ものすごい奇形的進化というか、してますもんね。
変な体型になってたり、断面図だったり。

松嶋:
先ほど言いましたように、いろんな職業がいますから、
これでしたら・・。(「春画」を見せる)

宇多丸
これなんか上から覆い被さっている男が
かなりグロテスクなおじさんですね。
我々が「浮世絵」で想像する男前とは全然。
なんか太った醜いとしか表しようのない男ですね。
これなんですか?
下の女の人も目が異様ですね。

松嶋
よく見たら分かるんですが、下も男の人です
男色ですね。下の人は役者さんなんですよ。
女形の役者さんに贔屓の旦那さんが覆い被さっているんですけども

宇多丸
これもセリフが書いてあるんですね。
読み上げるのもどうかと。菊座が・・。

松嶋
現代ではボーイズラブとも言えると思うですけど。
これも男の人が見るものだったと思いますね。
男女間・同性間という性のタブーは完全にないに近いと言えます。

宇多丸
もう興奮するならなんでもいい!と
男向けの同人誌なんかもショタものとかもありますからね。

松嶋
女性が楽しむボーイズラブとかあるとおもうが、
これをみるとそれ以上にえげつない感じがある。綺麗に描いてない。

宇多丸
はっきり言って、絡み合っている上のおじさんも下の女形も
なんか生々しい。言わしてもらうと陰嚢部分の表現が
ものすごい詳しく描かれてますね。
どういうつもりなんでしょうか!

松嶋
そういう執着心が、「浮世絵」の華。

宇多丸
そこを協調したい!とそれこそ西洋の人が
「日本人がこんなに大きいんだ!」ってね
誤解しかねない正解ですね。

松嶋:
ちょっと前まで、「ウタマロ」っていうのがそういう代名詞でした。

宇多丸:
それは、強調デフォルメ表現だと知らないで、
もう写実だと思ってということなんですかね。
でも「春画」は高級品だったと。これはどういうことなんでしょうか。

松嶋:
高級品です。
先ほどお見せした歌麿の水茶屋の娘の版画っていうのは、町中で売ってました。
で、「春画」っていうのは販売自体禁止されてますから、違法です。

宇多丸:
やっぱ違法ではあるんですか!じゃあ裏本的なものですよね。
じゃあこれのコレクションって言うのは
チンペイさん的なことでいいんですかね(笑)

松嶋:
で、たいへん贅が尽くされて、金銀キラキラになったり。
お金持ちが注文したりする特注物になります。

宇多丸:
こういう凄まじい絵に限って、質が高い!!

松嶋:
そうになるはずです。
圧倒的に質が高いのは「春画」ですね。

宇多丸:
これどうなんですかね。国立博物館でね。国立ですよ!!
よりによって質が高いものをかけようとしたら問題になりません?

松嶋:
あの展示は今の時点では出来ません(笑)

宇多丸:
これってすごいパラドックスというか
「浮世絵」という日本が誇る世界に認められた芸術文化なのに!!

松嶋:
大英博物館とかヨーロッパでは普通にお見せして、
見せ方を工夫して(子供を入れないようにゾーニングしたり)見せてます。

宇多丸:
これ、西洋でセーフかと言えばアウトでしょ!!普通に!!

松嶋:
日本でも時々、美術館で展示して見せ方を工夫して
ブロックして見せるやり方もありました。
ただ、東京国立博物館では今の時点では
やはり時期尚早という考えになると思います。

宇多丸:
松嶋さんは本当は展示したいというのはあるんですか?

松嶋:
もちろん、あります!
圧倒的に綺麗で素晴らしいのは「春画」です!

宇多丸:
これは勉強になります。残念なことですね!!!

松嶋:
今だったらすぐ東京都に告発されちゃいますよ。

宇多丸:
東京都、粋じゃねーなー。
やっぱ、ものすごい下世話な欲望が進化させてきた形態ですね。

松嶋:
ただ一つ注意して欲しいのは、
「春画」は男性だけのものじゃないというのもあると思うんです。
つい先だって某国営放送で大河ドラマしてますが、
お江さんが輿入れするときに、そういうもの(「春画」)を見てました。
そういう描写がありました。
時代考証的にもそういうことがチラッと見せたのだと思います。
嫁入り前に、大名家の娘さんが見る機能もあったと思います。
知っとかないといけないってことだと思うんですけどね。

宇多丸:
それこそ町人だの村人だのとなったら、夜這いだなんだで
愉快にキャッキャキャッキャとやっているけど、
やはり武家の娘ともなると、こういうものを見て
「あらっ!ここに!」(笑)
嫁入り前の教育というのもあったんですね。

松嶋:
ただ圧倒的に男性のためのものだと言うのはあると思います。

結論をまとめさせて貰います。

「古来より庶民に文化と芸術はエロが育てた!」
アイコラというのは、実在の人物を勝手に使ったということですね。



後編に続きます)

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