300doors ・ 平松邦夫「話すということ」に参加してきました

2011/07/18

300doors ワークショップ 会話 平松邦夫 話し方

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7/16(土)大阪市役所玄関ホールで行われた
300doors 平松邦夫「話すということ」ワークショップに
参加して参りました。
この日が初日で、8月9日まで300以上のワークショップが
開催されるみたいなので、時間の合う方・興味のある方は
参加されてみてはいかがでしょうか?

300doors開催概要 
ワークショップのラインナップ 
受講費も1講座500円均一なので、お得だと思います。

今回参加したのは、平松邦夫大阪市長が3年連続で行われている
朗読の方法や話し方、コミュニケーションに関するワークショップで
参加者が詩や小説の一片を朗読しながら、話し方を指導する形式でした。

以下は、平松市長の発言を書き留めたものを掲載します。
アーカイブはUSTREAMに録画が残っているみたいです。




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話すと言うこと = 「相手」がいること
「誰に向かって話したいか?」がポイントになる。
自分との違いが自分との生き甲斐につながる。
自分の空気の中に言葉を溶け込ませるのは勿体ない。
「誰に言いたいか?」を思い浮かべて言葉を発することが大事。

相手が出来た瞬間、言葉を聞かせようとするために、
その言葉の訴求力が増す。

内容が相手に想像できるようにするためには、
「間」が必要。
しかし、「間」を空けるのは怖い。
でも「間」を意識的に広げてあげて相手に想像させることが必要。

関西人の方が標準語を話す人に比べて、音感が遥かにある。
「あほかー」とか「なんでやー」という抑揚のニュアンスが
標準語にはないので。

自分を出して話し始めると,色気が出て助詞が強くなる。
「が」とか「も」というフレーズが強くなり、言葉の綺麗な流れを
阻害してしまう。しかし、自分らしさが出てくる。

「相手にどう伝わっていくか?」が会話の大切なところ
相手に伝わりその反応を受けて、自分の意見を伝えていくと
どんどん展開していく。
相手に情景を思い浮かべられるよう話すことを意識すること

金子みすゞの詩から作者のやさしい心根を感じ取ることが出来る。
それに反して、市役所の答弁とかは味気ない。

わたしと小鳥とすずと―金子みすゞ童謡集

先日、内田樹先生との対談の中で、
夏目漱石の「坊っちゃん」で先生の体系を築き上げているという
話を聞いて、早速読んでみると、
子供の頃見ていた頃と、言葉の響きやリズムを感じ取ることが出来て
全然印象が変わった。
夏目漱石のリズミカルの言語感覚が感じ取れた。

坊っちゃん (集英社文庫)

朗読というのは、如何に観客を前のめりにさせるか?という
やりとりの押し引きが大事になる。
アマチュアで子供の読み聞かせをする人を見ていると、
行間で子供を引き寄せるテクニックがすごい。

人に伝えたいという気持ち一つで話し方が変わる。
また、受け取る側の気持ちも変わってくる。
読む文章の緩急の付け方と「間」でニュアンスも変わってくる。
最後の方は、畳みかけて話すなど緩急をつけると、
文章も面白くなってくる

伝えたい情報を人にパスするためにはどうすればいいか?
音の使い方をどうすればいいか?どの間の取り方がいいか?
ここからはテクニックの問題になっている。

発表などで前日に、
「言い間違えたらどうしよう?」とか細かいことに
気を取られずに、他の物との差別化を考えた方が絶対いい。

今の時代は、国民が国に対して何が出来るか?に移行していると思う。
東北大震災などでもそうだが、みんなで力の合わせ方を
探していかないといけない時代になってきている。

斉藤孝が、宮沢賢治作品は「声に出して読むことで言葉が活きてくる」
と語っていた。
「注文の多い料理店」は、ブラックユーモアの効いている作品。
「この先何があるんでしょうね」という風に話せたら良くなってくる。

かなしみはちからに 心にしみる宮沢賢治のことば
注文の多い料理店 (新潮文庫)

ワークショップとは一生に何かやろうとする場。
時間が経つにつれて、仲間意識が出て良い空気ができあがる。
開始前後では、プレッシャーの感じ方や雰囲気も変わってくる。

同じ文章が2回繰り返されるものは、人は頭の音を変える。
それは音を変えることで「ここで終わりです」という事を伝えるため。
日本語というのは、短い言葉でも如何に多くの情報を
相手に伝えるかということがこれでわかる。
こういう話し方が、ギスギスした世の中の潤滑油になると思う。

中勘助の『銀の匙』という作品は、明治45年の作品で作者の自伝的作品。
灘中の橋本武先生は、国語の授業でこの『銀の匙』を1冊を3年かけて読ませる。
表現の美しさを生涯残るものをテキストにして授業をしたい方針の下に行っている。
参考記事
作品の中に料理が出てくれば、その食べ物を探しに行ったり、一緒に料理を作ったりする。

銀の匙 (岩波文庫)
奇跡の教室 エチ先生と『銀の匙』の子どもたち

国語は、物事の基本になる。数学や物理の問題も、問題の読解力がないと
解くことが出来ない。最近の点数至上主義の警告をいち早くこの先生は言っていた。

今回のワークショップを通して、話し方や詩を通じて
社会の有り様とか、自分の生き方の糸口になれば嬉しい。

質疑応答

Q.最近の若者の話し言葉で、東言葉が関西弁に入ってきているのはおかしい。
先日、地下の食堂で「きつねうどん・そば」って書いてあるのは納得がいかない。
「きつねうどん・たぬきそば」でしょう。

A.確かにおかしいですね。東京ではそう言いますが。
ここでもそうですか・・。伝えておきます。

Q.私も過去の平松市長同様、人前で話すと緊張するんですけど
その回避の方法ってありましたら教えて下さい。

A.それはあるもんです(笑)
それをどうしようかと思うから、パニクるんです。
「そうなるもんや」と思うこと。
「あがり症で何いうか忘れた」で、距離感が縮まるチャンスです。
完璧な人間はいない。自分の中でこんがらがってる状態。
自分の中で「こういうもんや」という開き直りが必要。

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